おはようございます
先々週になりますが、中医アロマセラピーの本を見つけた話 を書きましたけど、先週ご紹介した東洋医学の入門書 を入手したとき、中医アロマセラピーの本をもう1冊みつけました。
上の赤いほうは先々週ご紹介したもので、下の白いほうが先週入手したもの。どちらも、著者は有藤文香(ありとうあやか)さん。薬剤師として製薬会社のMRをされている間に、予防医学の重要性を認識されて、イギリスで東洋医学を取り入れたアロマセラピーを学ばれ、帰国後国際中医師資格を取得されたとのこと。
鍼灸師であり、アロマセラピーにも東洋医学のエッセンスを取り込みたいと思っていた私にとって、ばくぜんと考えていたものが、すでに形となってそこにあるという感じです。興味の中心は、精油をいかに東洋医学的に分類するか?
東洋医学は陰陽 五行 に基づくものであり、食養生でも漢方薬でも、性味 が重要な要素なのは、すでにお伝えした通り。なので、アロマセラピーで使う精油の性味をどう判断するのか?が、大きなポイントになります。その判断材料になるのは、精油の性質と効能であることは間違いありません。
この2冊では、どんなふうに分類しているかというと、陰陽・気血水・五行(五臓)それぞれの性質と働きに合った効能を持つ精油を配分したという形。精油の効能は多数あるので、そのもっとも特徴的と思われるものをピックアップしたようです。全体としては「なるほどぉ。」な分類。掲載されている精油は30種ほどで、↓のようになっています。
① 陰
鎮静、清熱、リラックス、からだに潤いを与える作用のあるもの
ゼラニウム、ローズウッド、イランイラン、ローズオットー、ネロリなど
② 陽
強壮、活性化、リフレッシュ、からだを温めるなどの作用のあるもの
ローズマリー、スイートマジョラム、ジンジャー、ティートリー、ジュニパーベリーなど
③ 気
・ 気を補う … 強壮、活性化、エネルギー補給 … スイートオレンジ、ラベンダーなど
・ 気を流す … 抗けいれん、抗ストレス … ベルガモット、カモミールローマンなど
④ 血
・ 血を補う … 精神を安定、滋養 … ラベンダー、ゼラニウムなど
・ 血流をよくする … 鎮痛、鎮痙、血行改善 … ベルガモット、カモミールローマンなど
⑤ 水(津液)
・ 余分な水と寒を取り除く … 利尿、デトックス、発熱 … ジュニパーベリー、シダーウッドなど
・ 余分な水と熱を取り除く … 利尿、デトックス、清熱 … サイプレス、グレープフルーツなど
⑥ 木(肝 )
気血のめぐりをよくする、ストレスを和らげる、肝機能を高めるなどの作用のあるもの
スイートオレンジ、ベルガモット、グレープフルーツ、マンダリンなど
⑦ 火(心 )
血液循環をよくする、心を落ち着かせる、中枢神経に働きかけるなどの作用のあるもの
ラベンダー、ローズマリー、イランイラン、ジャスミンなど
⑧ 土(脾 )
消化吸収を助ける、胃腸の働きを整える、健胃・通便などの作用のあるもの
ペパーミント、スイートマジョラム、パチュリ、レモンなど
⑨ 金(肺 )
呼吸器系や皮膚の状態を整える、抗菌、免疫力を高めるなどの作用のあるもの
ティートリー、ユーカリ、クラリセージ、サイプレスなど
⑩ 水(腎 )
生殖機能を高める、老化を防ぐ、ホルモンバランス調整、利尿などの作用のあるもの
ゼラニウム、ローズウッド、ジュニパーベリー、ジンジャーなど
本の構成は、白いほうの『はじめての中医アロマセラピー』は、アロマセラピーや中医学の基礎に、中医学でみる体質と、その体質別のトリートメントについて。赤いほうの『中医アロマセラピー 家庭の医学書』は、中医アロマの基礎に、ツボ経絡トリートメントのやり方、症例・体質別トリートメントについて。なので、読むとすれば白いほうからが順当です。
東洋医学に興味をお持ちのアロマセラピストさんには、まずはやっぱり東洋医学の入門書 のどれか1冊をお読みいただいてからがいい。アロマセラピーに興味のある鍼灸マッサージ師さんには、アロマセラピーのテキストから入っていただくほうがいい。この2冊だけで済ますのは、ちょっとむずかしいかも?というより、それぞれを理解してからのほうが、この本も理解しやすいだろうと思います。
中医アロマセラピーあるいは漢方アロマセラピーの本は、ほかにこれというものがまだないので、比較できませんが、本のつくりとしては、読みやすい構成になっています。精油の分類に関しては、正直なところ、おそらく異論は出てくるだろうなぁと思います。精油の効能はたくさんありますからね。あとは使い方次第でしょうか。
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