東洋医学講座 No.3 「陰陽学説」その2 | 春月の『ちょこっと健康術』

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アメブロのメンテナンスがあることをうっかり忘れておりました。記事アップ予約が間に合いませんでしたので、いつもより遅れてしまい、申し訳ありません。


昨夜の満月、薄雲にほんのりけぶっていましたが、とてもきれいでした。みなさんのところではいかがでしたか?見えなかった方は、下の記事に携帯写真ですが貼ってありますので見てくださいね。


今日は、前回の「陰陽学説」その1 の続き、ひとのからだの陰陽についてお話しましょう


1 組織構造

東洋医学講座No.1「からだ観」 でお話したように、人体は有機的な統一体です。ひとつひとつの組織や器官が互いに有機的につながって1個の身体をつくっているわけですが、それを下の表にあるように陰と陽に区分します。陰は陰、陽は陽でくくると、複雑な組織をまとめることができて、全体としてとらえやすくなるのです。


組織の陰陽区分
春月の『ちょこっと健康術』-組織の陰陽


2 生理と病理


「陰と陽とが互いに対立しかつ統一されるという協調関係を持つことで人体は正常に機能する」と考えるため、体内物質も陰陽に区分されて、そのバランスが取れていれば健康であるとされます。


つまり、陰陽の相対的なバランスのくずれが、からだの不調や病いの生じる原因となるわけですね。たとえば、陽が強くなってしまうと熱が生じ、陰に偏ると冷えが生じます。


したがって、診断するときも、まず体内の陰陽バランスをチェックします。東洋医学の診断法のひとつに八綱弁証というのがあるのですが、陰陽はその総まとめをする綱領となっています。八綱弁証では、表・実・熱が陽に属し、裏・虚・寒が陰に属します。


陰陽バランスを診るときのガイドラインは、↓こんな感じです。
春月の『ちょこっと健康術』-陽証と陰証


3 治療への応用

治療にあたっては、どうやって陰陽の相対的なバランスを回復させるか、がポイントになります。熱があればさまし、冷えがあればあたため、余分なものは除去し、不足を補う。考え方の基本はとてもシンプル。


ただ「熱がある」といっても、余分な熱があるからなのか、熱をさます作用を持つ陰が不足しているから熱が出ているのか、そこらへんはきちんと見極めなければなりません。


漢方では、薬の性質や味、作用を陰陽に分けて、からだの陰陽バランスを回復するのにふさわしい処方をするようにできています。先日、「花粉症への東洋医学的アプローチ」 の中で、小青龍湯の処方が必ずしもすべての人に有効とはいえないことを指摘させていただいたのは、こうした背景があるからです。


漢方薬の陰陽分類は、↓こうです。
春月の『ちょこっと健康術』-漢方薬の陰陽


以上のように、健康状態のチェックから病気の治療まで、陰陽バランスを診て行っていきます。


上に示したガイドラインで、陽証タイプか、陰証タイプか、チェックしてみてください。陽証タイプならからだをあたためすぎないように気をつければいいし、陰証タイプなら冷やさないよう気をつけましょう。


食べるものにも陰陽があります。たとえば、今はやりの生姜は陽で、からだをあたためてくれますから、冷え性さんには強い味方になりますね。


ちなみに、春月は陰証タイプですが、どっちかというと便秘がち。あれ~?と思われるかもしれませんけど、実はきれいに陰陽に分けられることはそうそうありません。体内で陰陽の偏在が起こりうるし、便秘は冷えでも生じるからです。いずれのチェックポイントも、どっちかというと○○と考えていただければいいんです。


今日もいい1日になりますように。