東洋医学講座 No.2 「陰陽学説」その1 | 春月の『ちょこっと健康術』

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前回の「からだ観」 に続いて、今日は東洋医学(中医学)の理論体系の基礎となる陰陽五行のうちの陰陽学説(陰陽論)についてお話ししましょう。


陰陽論も五行論も、どちらも元々は中国の古代哲学。自然の変化は、自然界にあるものが一定の法則にしたがって、互いに影響し合うことによって引き起こされるという考え方です。


およそ2000年前、医学を理論的に体系づけようとしたときに、人もまた自然の一部であると考え、陰陽五行に当てはめたらうまく説明がついたということなんですね。


自然界のさまざまなものや現象は、が対立して存在しているために生じ、陰と陽の相互作用によって運動したり変化・発展したりする。これが陰陽論の基本的な考え方です。


陰陽は、たとえば天と地や昼と夜のように、2つの相互に対立したものを代表するとともに、上と下や外と内のように、同じ1つのものの中にある相互の対立も代表します。陰陽の対立は↓こんな感じ。


春月の『ちょこっと健康術』-陰陽対立表


このように森羅万象すべてを陰と陽に分けることができます。人体においては、機能を推進したり臓腑や器官を温めたりするとし、からだを栄養したり潤したりするとします。


1 陰陽の依存関係

上下を例にとると、上は陽で下は陰ですが、ものの上下は、上があるからこそ下が存在するし、下がなければ上を規定することはできませんね。このように陰陽は2つとも存在するからこそ、一方が他方の存在を証明できる関係にあります。これを陰陽の依存関係といいます。


2 陰陽の対立・制約関係

火と水をみてみましょう。火は水を蒸発させ、水は火を消します。また、そうした一方の力を使って、他方の力が強くなりすぎないようにコントロールすることもできます。これを陰陽の対立・制約関係といいます。


3 陰陽の消長・転化関係

今度は四季の変化を比べます。冬の寒さが極限に達すると、徐々に暖かくなって春となり、やがて夏になります。つまり寒→熱に変化していく。これを陰消陽長の過程といいます。夏の暑さも盛りを過ぎれば、一転して秋から冬の寒さへと向かっていきます。これが熱→寒の陽消陰長の過程です。こうした変化が絶え間なく繰り返されることを陰陽の消長・転化関係といいます。


では、この陰陽論がどのように中医学に応用されるのでしょうか。人体にみる陰陽については次回です。


今日も元気に、いい1日を。