![パソコン](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/184.gif)
★Ristrante padrino del Shozan
★水牛の乳でつくったモッツァレッラ
★新春のRistorante Padrino del Shozan ①
美味しいイタリア料理が楽しめる「リストランテ・パドリーノ・デル・ショーザン」は、仙台市上杉に建つ「勝山館」の一階にあります。もともと「勝山館」は、老舗中の老舗である造り酒屋「勝山」の迎賓館で美しい日本庭園と重厚な能舞台があることでも有名です。
昨日も、広い日本庭園を眺めながら、女房殿と一緒に美味しい食事を楽しむことができました。朝方の天気予報では荒天と聞いていましたが、豈図らんや、美しい日本庭園に眩しいばかりの陽光が射し込む午後です。
プリモ・ピアットを堪能した後に、いよいよ、セコンド・ピアットが運ばれてきました。女房殿が選んだのが「小笠原で獲れた羽太(はた)のヴァポーレ 蕪のソース」です。ヴァポーレ(vapore)とは湯気のことで、転じて「蒸し焼き」のことをいい表します。適度に引き締まった白身魚の羽太の身に、柔らかな味わいがある蕪のソースが絶妙のようです。丁寧にお願いして、ちょっとだけお許しをいただいて味見をしましたが、蕪らしい主張をしっかり残して、淡白な白身魚の旨みを上手に引き出しているのに驚きました。美味しいです。
つけあわせに、新春の芽吹きを感じさせる菜の花を油炒めしたものと、彩りが違う二種類の人参という組み合わせが面白いですね。とても、上品で繊細な魚料理だと思います。
さて、肉食獣の旦那とくれば、「牛フィレ肉のソテー」で決まりです。それに、ポルチーニのマルサラソースと見た瞬間、魔術にかかったようなものでしょう。ポルチーニは、イタリアを代表する美味しい茸の一つで、香りも味も天下一品です。そして、マルサラとはシチリア島産の酒精強化ワインのことで、ポルトガルのマディラやポルト同様、香り高いソースに欠かせません。まさに、Bingo!の組合わせというしかありません。
淡白な味わいのフィレ肉を究極の味に押し上げるソースは、やはり最高に旨いですね。ポルチーニの食感を味わえるように、賽の目切りにしてあるのもなかなかでしょう。マルサラだけではない、別の何か美味しいものが加わっているはずで、複雑でコンプレックスな旨みがあるソースになっていました。
そして、今が旬の「雪菜」がシノワ風に添えられています。そして、蒸し焼きのじゃが芋が熱々で、単なるつけあわせではない、味のバリエーションが愉しめる演出が素敵ですね。
そして、遂に訪れたドルチェですが・・・、客というのは我侭を言いたがる輩でもありまして、あまりに勿体ないプレゼンテーションに逆に吃驚です。ドルチェの組み合わせそのものは、きわめて質も高いものでありますし、それぞれの味とて悪くはありません。とはいえ、心地良い弦楽四重奏の跡に、全国小学生コンクール優勝の器楽曲を聞かされたようなもので、きわめて残念に思います。
南瓜のプディングも、ヨーグルトのジェラートも、チョコレートケーキも、それぞれがしっかりと美味しいのですが、昨日の流れの中で、あまりにもレベルが違いすぎです。敢えて、気になったというか、いただけないのが、アンティ・パストに使われた食器をまた使っていたことです。アンティ・パストでは、温かなコロッケのバジル風味のタルタルソースが盛られていた靴型の食器に、ドルチェでは冷たいジェラートが盛られていました。あまり愉快なものではありませんね。
気負って様々なものを並べたい気持ちはわからないでもありませんが、パレット仕立てのドルチェは、もっと高価格帯で設定すべきもののような気がします。楽しみにしていた演出が尻切れ蜻蛉となるのは、本当につまらないことでしょう。
ドルチェまでは、ひとつひとつの皿に、しっかりと主張があったはずですが、〆で崩れるのはいただけないですね。とても失礼で身勝手な言い方ですが、パドリーノに、ぜひ乗り越えていただきたい部分です。
香り高いエスプレッソを飲みつつ、そんな生意気な戯れ言を考えてしまった熊ゴリラ親爺でありました。
でも、パドリーノの旨さは、他とは例えようがないのも事実です。絶対のおすすめには違いなく、高品質のイタリアンを体験できるリストランテであります。ぜひぜひ、この類稀なる美味しいイタリアンを、お試しください。(^_^)v