『片想い』  東野圭吾 | ページをめくった先に広がる世界と解け合う心

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片想い (文春文庫)/東野 圭吾
¥860
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***この本は2006年6月頃読了しました***

十年ぶりに再会した美月は、男の姿をしていた。
彼女から、殺人を告白された哲朗は、美月の親友である妻とともに、彼女をかくまうが・・・。
十年という歳月は、かつての仲間たちを、そして自分を、変えてしまったのだろうか。
過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描いた、傑作長篇ミステリー。
(Bookデータベースより)





大学時代のアメフト部の仲間たちとの年に一度の呑み会。
その呑み会のあと、10年ぶりに現れた、かつてのマネージャーからの驚愕の告白。
だが、物語が進むにつれ色々な告白がされていく・・・。
男と女と言う認識の狭間で儚く揺れる人間模様を描いた作品。




男女について、性について、色々考えさせられた。
二つの表現だけで分けることは、正しいことなのか・・・。
性同一障害も、障害と名が付いてる時点でおかしいことなのだ。




表がいつの間にか裏になっている、表裏一体な「メビウスの輪」。
人はみな、「メビウスの輪」の捩れの上にいて、誰しもが何かしらの届かない片想いを抱いて佇んでいるのかな。。。




謎解きと言うよりは、性のアイデンティティーについて社会に投げかけるメッセージ性が強い。
また、青春時代を共にすごした仲間たちとの、時間が経過した友情も切なく描かれている。
さらにストーカー殺人、ジェンダー問題、様々な夫婦関係の縺れ等、色んな題材を複雑に絡ませた作品。
やっぱり著者の作品は読み終わったあとに色々考えさせられるものがある。
しかし、著者の作品は映画やドラマより先に小説で読むべきだと再認識。とくに白夜行はドラマじゃなく小説を先に読んで良かったと心から思った。




あっ、ちなみにおれは知ってたのですんなり入れましたが、知らない人は読む前にアメフトのポジション名とその役割を勉強しておいた方がより楽しめます( ´艸`)



★★★★


その他の東野圭吾作品
『卒業』  ◇『11文字の殺人』  ◇『名探偵の掟』  ◇『どちらかが彼女を殺した』  
『悪意』  ◇『白夜行』  ◇『片想い』  ◇『レイクサイド』  ◇『さまよう刃』  ◇『夜明けの街で』
『新参者』  



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