- 11文字の殺人 (光文社文庫)/東野 圭吾
- ¥580
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***この本は2007年1月頃読了しました***
「気が小さいのさ」あたしが覚えている彼の最後の言葉だ。あたしの恋人が殺された。彼は最近「狙われている」と怯えていた。そして、彼の遺品の中から、大切な資料が盗まれた。女流推理作家のあたしは、編集者の冬子とともに真相を追う。しかし彼を接点に、次々と人が殺されて…。
サスペンス溢れる本格推理力作。
(Bookデータベースより)
正と悪の境界線で悩む問題。
その境界は、誰が決めるのでもなく自分の価値観で見出すもの。
答えがないようで、それでいてどれもが正しくもあり、どれもが誤りでもあると思える問題。
どちらを選んでも救いようのない答えしか出せないとき、そのとき人はどうするか・・・。
解説はあの宮部みゆき氏。
著者東野氏の世界を非常によく解説してると思う。
自分がなぜ東野氏の作品をこれだけすんなり受け入れられたか、好きになれたか、を代弁してもらってるよう。
おれなんかの拙いレビューよりこの宮部氏の解説を読んで頂いた方がいいでしょう。
この解説部分だけでも読んでほしい。東野ワールドがわかりやすい。
初期の東野作品です。
いま読み返すと、やはり最近の作品に比べ物足りなさが残ります。
でも色々な問題を読者に鋭く投げかけるようなスタイルはこの頃からできつつあったのかぁ、と思える作品。
よくある火曜サスペンスドラマとかにいいんじゃないか?と言うか、まさにそんな印象・・・。
ドラマとかテレビで映像にすると、おれは好きじゃないんですけど。
どちらを選んでも不条理な選択肢しかない問題に直面したとき。
そして必ずどちらかを選ばなければいけない場合・・・。
その判断基準はその人それぞれの価値観に委ねられる。
そしてその判断を下す人間という生き物は
みな少なからず、弱い生き物なのだ。
そう思う。
★★★
その他の東野圭吾作品
◇『卒業』 ◇『11文字の殺人』 ◇『名探偵の掟』 ◇『どちらかが彼女を殺した』
◇『悪意』 ◇『白夜行』 ◇『片想い』 ◇『レイクサイド』 ◇『さまよう刃』 ◇『夜明けの街で』
◇『新参者』
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