『悪意』  東野圭吾 | ページをめくった先に広がる世界と解け合う心

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悪意 (講談社文庫)/東野 圭吾
¥660
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***この本は2006年5月頃読了しました***


人気作家が仕事場で絞殺された。第一発見者はその妻と昔からの友人。逮捕された犯人が決して語らない動機に、はたして「悪意」は存在するのか?(MARCデータベースより)




この本を読もうとするなら、このレビューは読まずに、読み終わったら読んでみてください。




捕まった犯人が決して語らない「殺人の動機」。
刑事加賀恭一郎が久しぶりの登場です。加賀シリーズですね。
彼の「手記」と言う形で物語がスタートし進んでいきます。



書き手の主観による記録は常に『真実』を正確にあらわしているとは限らない。
記録者の主観による『事実』なだけである。だが、読み手はそれを忘れ、いとも簡単に騙される。
先入観があったり、感情移入をすればするほどその罠に陥りやすく、また抜けがたい。



犯人による幾重にも仕掛けられたトリック。実はその細かいトリック全てが、実に巧妙に仕掛けられた全く別のトリックを形成しているのだ。
フーダニット(Who done it)からワイダニット(Why done it)への移行、それ自体はよくある運びだが、本書は一流のワイダニット作品と呼べる。
半分くらい読んだところで、十分納得って感じだったのに、えぇ~!そこからまた二転三転か・・・。
さすが東野氏。またしてもヤラれました。。。
ものすごくヤラれた感が強いのに、何故か読了後の後味はすっきりしなかったなぁ。
内容はさることながら、たぶん、ものの見事に著者の思い通りに騙された自分がちょっぴり悔しかったのもあるのかな(笑)




ちなみにNHKでドラマ化してたらしい。
http://www.nhk.or.jp/drama/archives/akui/index.html
見てないけど。



殺人の真の『動機』とは・・・。
死を目前にしても絶対に暴かれたくない犯人の『悪意』とは・・・。
人が持ちうる底知れぬ『悪意』の洗練たる描写。



読了後、題名の本当の意味に気付いて唸る。

『悪意』

人間が誰しも持つ可能性の秘めたその事柄。
著者は題名の付け方も一流だ。



★★★★


その他の東野圭吾作品
『卒業』  ◇『11文字の殺人』  ◇『名探偵の掟』  ◇『どちらかが彼女を殺した』  
『悪意』  ◇『白夜行』  ◇『片想い』  ◇『レイクサイド』  ◇『さまよう刃』  ◇『夜明けの街で』
『新参者』  


加賀シリーズはこちら
『卒業』
『眠りの森』
『どちらかが彼女を殺した』
『悪意』
『私が彼を殺した』
『嘘をもうひとつだけ』
『赤い指』
『新参者』


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