『どちらかが彼女を殺した』  東野圭吾 | ページをめくった先に広がる世界と解け合う心

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どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)/東野 圭吾
¥620
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***この本は2008年2月頃読了しました***

最愛の妹が偽装を施され殺害された。愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は独自の“現場検証”の結果、容疑者を二人に絞り込む。一人は妹の親友。もう一人は、かつての恋人。
妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、その前に立ちはだかる練馬署の加賀刑事。
殺したのは男か?女か?究極の「推理」小説。
(Bookデータベースより)


先月、再読してみました。
著者の「名探偵の掟」 を読み、読者は自分で推理なんかしてなくても、最後に探偵(刑事や作者だったり)に解決されるので、本気で自分が解決してやろうと意気込んで読む人は少ないと言う、著者による風刺があったのでこれを再読してみました。
そして加賀恭一郎が活躍する加賀シリーズものでもあります。
ちなみに、加賀と和泉が居酒屋で呑み語りするシーンがありますが、良いですね。


本作は、究極の「推理」小説と銘打ってる通り、読者自身に「推理」させる作品です。
簡単に言うと、最後の最後まで犯人の名前は明かされないまま作品が終わるのです。
無論、伏線はいたるところに散りばめられており、ほとんどの部分は作中で解決されます。
あとは、決め手と犯人だけ。


倒叙形式っぽいですが、とにかく純粋なフーダニット(who done it)。
つまり誰がやったのか?誰が彼女を殺したのか?
主要人物はたったの5人。
しかも犯人はそのうちの2人に絞られています。


まさに、


「どちらか」が彼女を殺した


です。



内容自体は著者のほかの作品と比べると、かなりシンプルな気がします。
動機や登場人物の描き方についても軽い感じです。
それは、本作が読者への推理を求めるものだからこそ、他の要素を限りなく削ぎ落としてシンプルに仕上げているんでしょう。


はい、読者さん、これだけ親切丁寧に容疑者を二人に絞ってるんだから、しっかり犯人を当ててね。と言う著者からの挑戦状です。


加賀刑事がほとんどの手がかりを解決していき、最後のヒントを強調してくれています。
本作に記載されている言葉、つまり本作から得られる情報だけで論理的に考察できるということです。
名探偵の謎解きに甘えることができないこの小説。



さぁ貴方はこの事件、解決できるしょうか?







ちなみに動機について不満がある方は、著者の「悪意」 をオススメします。
本作がwho done itなら「悪意」 はワイダニット=why done itの名作といえます。
そのうち悪意も再読してみようかなぁ。



★★★



その他の東野圭吾作品
『卒業』  ◇『11文字の殺人』  ◇『名探偵の掟』  ◇『どちらかが彼女を殺した』  
『悪意』  ◇『白夜行』  ◇『片想い』  ◇『レイクサイド』  ◇『さまよう刃』  ◇『夜明けの街で』
『新参者』  


加賀シリーズはこちら
『卒業』
『眠りの森』
『どちらかが彼女を殺した』
『悪意』
『私が彼を殺した』
『嘘をもうひとつだけ』
『赤い指』
『新参者』



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