【帚木214-3】「まし」の文法的説明☆
勉強お疲れさま~あいです。
古文単語・文法覚えは、古文を読む必要条件☆
古文目線・慣れを積むのは、古文を読む十分条件☆
このブログで真の国語力を身につけてください
【本日の古文単語】
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
■【とて】…と言って
■【いと】…とても
■【あはれ】…かわいそう、不憫だ
■【思ひ出づ】…思い出す
■【たり】…存続の助動詞「たり」の終止形
■【中将】…頭中将のこと
■【たる】…完了の助動詞「たり」の連体形
■【織女】…織り姫(機織りに秀でている)
■【の】…~の(連体修飾格)
■【裁ち縫ふ方】…縫製の方面
■【のどむ(和む)】…控えめにする、ゆったりとする
■【て】…~て(単純接続)
■【あゆ(肖ゆ)】…あやかる
■【まし】…実現不可能なことへの希望の助動詞「まし」の連体形
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今日の古語詳解は、「まし」について☆
では行ってみよ~♪
あなたのポチ☆が励みになります☆
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「長き契りにぞあえ①まし。」
「まし」を文法的に説明せよ。
文法的に説明する問題☆
記述問題などでよく出てきますよね~!
さあ、あなたは何点取れてますか?
(*^_^ ;
『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』 (河合塾シリーズ)
こういう問題集で、
「活用形は?」「意味は?」などといった問題は答えられるようになっても、
文法的説明をする場合、部分点しかもらえない…という人が、
非常に多いです><
すべての文法問題において、
まずは文法的説明ができるようになること!
出てくる古文において、
このように言えるようになることが、
文法を武器にする最善策です。
しかし、はじめのうちは、こういうことにも、
けっこう時間がかかってしまい…><
なかなか着手できずに終わってしまうんです;
(´□`。)
要するに…
分かってるけどできないのは、みんなそう。
そのまま放っておけば、あなたは平均点です。
しかし、ここを乗り越えて頑張るなら、
あなたは平均点以上に偏差値が伸びてくるのです。
(*゜▽゜ノノ゛☆
さあ、ちょっとはやる気が出て来ましたかな?
(*^m^*)
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【文法的に説明するための手順】
まず第一に大切なのは、
各品詞の文法的説明に必要な要素を知ること。
●【助動詞】…品詞、文法的意味、基本形、活用形
●【助詞】…品詞、種類(格助詞など)、用法
●【敬語】…品詞、敬語の種類、もとの語、敬意の方向
●【用言】…品詞、活用の種類、活用形
特に着目してほしいのは、
どの語においても、品詞から説明しなければならないということです!
これ、けっこう抜けてしまってる人が多いんです><;
あなたは大丈夫ですか?
ぜひ、過去の記述模試など、もう一度復習してみてくださいね。
(o^-')b
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次に、それぞれの要素について、1つずつ確認しながら解答していきます。
【助動詞の文法的説明手順】
1.直前(接続)を見て、その助動詞の種類を判断する。つまり、
・連用形接続だから、この「ぬ」は完了の助動詞、
・未然形接続だから、この「ぬ」は打消の助動詞、
というふうに。
2.種類が分かれば、必然的に基本形が分かりますね。
・「ぬ」が完了の助動詞→基本形は「ぬ」。
・「ぬ」が打消の助動詞→基本形は「ず」。
3.直後のつながりなどから、この場合の活用形を判断する。
・「ぬ」の直後に「べし(終止形接続)」→「ぬ」は終止形。
・「ぬ」の直後に「もの(体言)」→「ぬ」は連体形。
4.確実な判別法を、助動詞の意味を押さえる知識として身につけておく。・「ぬべし」というつながり→「ぬ」は強意。
・「む」が体言に接続していれば、「む」は仮定・婉曲。
など。
5.直前直後の文脈などから、この助動詞の意味を押さえる。
これを、瞬時に判断できるようになるには、
多くの古文に接し、1つひとつ要素を押さえていくことが必要なんですね!
(*^ー^)ノ
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では、今回の「まし」について説明してみましょう。
「長き契りにぞあえ①まし。」
まずは、助動詞であることを押さえます。
ここ、大丈夫ですよね?
次に、直前(接続)を見て、「まし」の種類を判断する
てか、直前を見なくても、「まし」という形は1つしかありません。
ここ、大丈夫ですかぁ?
【まし】
①反実仮想(もし~なら…だろうに)
②実現不可能な希望(~だったらよかったのに)
③ためらいの意志(~しようかしら)
(※『全訳古語例解辞典』 より)
さて、ここからが本番です!!
(`・ω・´)ゞ
3.直後のつながりなどから、この場合の活用形を判断する
長き契りにぞあえまし。
直後に「。」がついてるし、「まし」という形だし…、
「まし」は終止形に決まってんじゃん!
と思った人、いませんかぁ?
!(´Д`;)
実は、ここの「まし」、終止形ではないんです!
(`・д´・ ;)
長き契りにぞあえまし。
↑
このように、直前に係助詞「ぞ」があります。
( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚
係り結びの法則~☆
((((((ノ゚⊿゚)ノ
そして。
「まし」の活用は、
未然 ましか(ませ)
連用 ○
終止 まし
連体 まし
已然 ましか
命令 ○
「まし」の形は、終止形だけじゃなく、
連体形にもあるんですね!!
(;゚;∀;゚;)
そして、それは、上のような形で出てきます。
ひっかけ問題としてけっこう出題されますよ!
( ゚ ▽ ゚ ;)
4.確実な判別法を、助動詞の意味を押さえる知識として身につけておく。
「まし」の場合は、
「ましかば~まし」というつながりを
イディオムとして覚えておくんでしたよね!
今回は、そのつながりじゃないので、
反実仮想ではありませんね。
(o^-')b
5.直前直後の文脈などから、この助動詞の意味を押さえる。
で、最後に、文脈に自然とあてはまるような
「まし」の意味を識別します。
【まし】
②実現不可能な希望(~だったらよかったのに)
③ためらいの意志(~しようかしら)
長き契りにぞあえまし。
↑
(七夕のような)末永い男女の縁にあやかる
そんな仲だったらよかったのになあ…;
実際は、左馬頭の元妻は、
すでに亡くなっています。
(´・ω・`)
実現不可能ですよね;;
ということで、
【答え】
実現不可能な希望を表す助動詞「まし」の連体形
こうして1つひとつ確認していきます。
はじめは時間がかかりますが、
そのうちに、瞬時に判別できるようになります!
それまでは、ブログで1つずつ丁寧に見ていきましょうね♪
(o^-')b
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木214(原文)
とて、いとあはれと思ひ出でたり。中将、
「その織女の裁ち縫ふ方をのどめて、長き契りにぞあえまし。…」
自力での現代語訳が難しい場合は、
下のリンクも復習してね♪
● 本日の古語~過去記事リンク~
■とて
■いと
■まし
(※その他重要古語一覧はこちら )
あいでした