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先日解析して反響が大きかった
『エスティーローダー ダブルウェア ステイインプレイス メークアップ』
の被膜力・クレンジング耐性について「被膜力がもっと高いのでは？」というご意見を頂いたので
現品を取り寄せて検証してみました！
なんとも高級感のあるオシャレなファンデーションです…(ﾟΩﾟ;)笑
（キャップは別売りのポンプに変更してあります！）
成分はこんな感じです。
・全成分表示
水、シクロペンタシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、BG、PEG/PPG-18/18ジメチコン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、硫酸mg、トリベヘニン、ポリメチルシルセスキオキサン、ラウレス-7、ジステアルジモニウムヘクトライト、メチコン、セルロースガム、炭酸プロピレン、テトラ(ジ-t-プチルヒドロキシヒドロケイヒ酸)ペンタエリスリチル、キサンタンガム、アルミナ、酢酸トコフェノール、フェノキシエタノール、デヒドロ酢酸Na +/-酸化チタン、マイカ、酸化鉄
※並行輸入品や国内正規品で成分表記順が一部異なる場合があります。下位の成分は順不同で順番が入れ替わるため上位の主成分が同じであれば基本性能は同じと考えて下さい。国また内版だと主成分に「シクロメチコン」が入っているとの情報があります。被膜力等に大きな差は無いと判断しています。
こちらのファンデーションは元々『汗や皮脂で崩れにくい』という特性が売りの商品だったそうで、
あまり前評判を知らずに成分のみから判定した感じざっとまとめると
- シリコーン主体のオイルベースになっているため比較的崩れにくい
- ただし主成分は揮発性シリコーンなのでガッチリ張り付いて剥がれないほどではない
- 全体的に安定性の高い成分が主体なので低刺激である
という感じの評価をさせて頂きました。
オイルベースとはいえ二層式になっているわけではなく界面活性剤で粉体は安定分散されているので、
クレンジング耐性がそこまで高いということはないだろうと考えたわけです。
ただ「被膜はもっと強い」とご指摘を受けて
元々被膜３+落としやすさ３だったところを→被膜４落としやすさ２に変更しました。
その他コメントで「乾燥する感じがある」や「合わない成分があるとしたらどれか」とか「普通に落ちます」など色々意見を頂いているので
自分でもちゃんと検証したいと思いまして今回試してみたわけですね！
ただ今回はメイクの仕上がりなどは殆ど見ておらず
主に被膜の特性とクレンジング耐性を検証してみたので
購入検討中の方は参考にしてみて欲しいと思います。
ちなみに既に解析を一新しているので結論から先に聞きたい場合はそちらを御覧くださいm(_ _)m
◎ファンデーションの皮膜特性と「特有のニオイ」について
まずファンデーションのテクスチャーはこんな感じになっていて、
口コミをざっと見た時に沢山の方に「ペンキっぽい」と言われる理由はなんとなくわかりました(;^_^A
かなりこってりしていて確かにペンキっぽいです。笑
まぁオイルベース（W/O）のファンデーションって比較的少ないのでそういう印象になるかもしれませんね。
ただあともう一つペンキっぽいと言われる理由はこれかなと思ったのが、『におい』ですね。
このファンデーション、香料は入っていませんが特有の臭気があります。
正直被膜とクレンジングについては追々見て分かるようにそんなに当てが外れた感じはないのですが
この一点については成分解析ではうまく見抜けませんでした。
この臭気の原因は『炭酸プロピレン』という溶剤が配合されていることだと思います。
この成分は有機溶剤の一種で普通は化粧品に入れないものです。
（普通入れないものだから入っててもほんとに極々微量かなと思ってました。）
ペンキの溶剤に使われているアセトンや酢酸ブチルなどの仲間なので、
ペンキっぽい臭いがするんですよね(^^;)
ただ配合量は多くないですし使用時に感じるほどではないと思っていたので解析ではほぼ無視しましたが、出した時にすぐニオイがあるので無視して通るのは難しいなぁという感じですね；
有機溶剤っていうのは迅速に揮発していくので数分で臭気は飛びますし、揮発してなくなるため肌の上に残らないという特性からこの成分による肌への負担はほぼ無いだろうとは思います。
ただこの溶剤は高濃度だと刺激性もあるので、もし合わない成分があったとしたらこれの可能性が高いでしょう。
（この結果低刺激性を元々より１個下げることにしました。）
そして主成分のシクロペンタシロキサンもそうなのですが、
こういった揮発性の成分が多く配合されていることから液体成分が失せるのが明らかに早いですね。
（揮発性…すぐに蒸発して失くなる性質）
なのでしっとりした質感が長引かず、
こんな感じで時間が経つとかなりマットな質感の仕上がりになります。
（薄く塗ったやつを１０分ほど置いておいたものです。）
なのでツヤ肌メイクには全く向かないでしょう…(^^;)
『陶器肌』って言われる感じの質感のファンデーションになると思います。
油分が時間経過にともなって揮発していくことで徐々に粉っぽい質感になっていくので、
これを指して「乾燥した感じがする」というのはなるほどと思いました。
（オイルベースだからしっとりめかなと思ったのですがこれもかなり当てが外れました；）
◎ダブルウェアのクレンジング耐性について
というわけで次にクレンジングへの耐性を見るために
まず僕の自前の油脂系クレンジング『セラヴェールプラチナムクレンジング』で検証してみました！
結構べったりめに手の甲に塗ってみました↓
（肌色が近くてわかりにくいのですが…；）
クレンジングを足らしてくるりくるりしまして、
（普通のクリーム系に比べたら確かに少し時間がかかりました。）
水加えて乳化して流したら普通に落ちましたね(^^;)よかったです！
ただ手の甲だと肌色すぎてちょっとわかりにくいのでクリアーフィルムでも検証しました。
他のクレンジングも一緒に検証。
（ミルクが古すぎてほぼオイルになっているのであまり参考にならないかもですが…；）
全部オイル系なのでくるくるしているとちゃんと溶けてきますね。
比較的にミルク（？）の方が溶け出すのに時間がかかる気がして、
ビオレパーフェクトクレンジングオイルはミネラルオイル系なので力もかけずにかなりするりんと落ちます。。
油脂系は確かに一瞬ザラッとするんですが少し時間をかければ普通に落とせます。
ただ落としやすさ５つ星とか４つ星とかのやつはオイルをかけたら触らずともすぐじわじわ溶け出すものもあるので、
それに比べれば摩擦しないと中々落ちない感触があり、
確かにかなり落としにくい部類のファンデーションだと感じました。
毛穴の凹凸などがある場合もっと落ちにくくなる可能性もあるので、
できるだけ薄く塗るのを念頭にお使い頂くほうが良いかもしれませんね。
ちなみに油脂系でもセラクレは少しこういった難溶性系に対応できるように工夫してあるため比較的落とせるのだと思いますが、
中にはこれを落とす力がないものもあるので気をつけて欲しいと思います。
（たぶんくまもんは厳しいと思います…^^;）
実は既に油脂系のアルティム８やセラクレ使用で問題なく使えているという方のコメントも頂いているので、洗浄力が高めの油脂系なら肌負担も少なくご利用いただけると思います。
少なくともオイルベースのファンデーションなので水系のジェルやリキッドでは中々落とせないかと思います；
もちろん下地との相性もありますので、組み合わせも考えてみる必要もありますね。
このファンデーションに対して下地も被膜が強いものを使うと油脂ベースのクレンジングでは落ちない可能性もあります。
◎結論：被膜力は高いが「落ちない」ほどではない！
以上から確かに被膜力・カバー力の高さは相当のものだと感じましたが、
これまで検証したいくつかのプライマーとか皮脂くずれ防止下地などと比較すると全然マシだなという結果でした。
元々「崩れにくいけど落とせる」という評価をしたのはこういう意味合いだったのですが、
昨今では「崩れないメイクアイテム」といえば鎖状シリコーン（ジメチコン等）や炭化水素油をがっつり主体にした構成のものもありますし、
粉体を汗や皮脂に一切溶けないフッ化シリコーン樹脂で被膜した素材も出てきている現状があるので、
（被膜力五つ星はそういうタイプのものにしか付かないかなりレアな評価です。）
そういう「ミネラルオイル系じゃないと絶対落とせないわ…」というタイプの被膜性があるわけではないので崩れない系としてはやはり悪くない商品だと思います。
もちろんそれなりに高い皮膜性があるのでそこは重々承知頂きたいところですが…^_^;
僕的には被膜力云々より炭酸プロピレンの臭気の方が気になっちゃいまして、
そこについては解析記事にもしっかり追記しておきました。
僕もそうですが溶剤系の香りが苦手な人は特に使いにくいと思います。
（こういうニオイが好きな人もいるみたいですけどね：）
以上ダブルウェアの被膜特性＆クレンジング耐性の検証をしてみました！
解析から購入を検討されていた方は参考にしていただければ幸いです。
これからの夏の暑い日の「崩したくない！」という場合のファンデーションとしてかなり優秀なのではないでしょうか(^^)
