KATO製の80系電車は全金属車の300番台が製品化されており、制御車は湘南顔のクハ86-300番台以外に、切妻顔のクハ85-300番台も製品化されています。

製品のモデルになったクハ85303は、サロ85303をサハ85303に格下げ後にクハ103のような高運転台を設置してクハ85303化されたものです。

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模型でも窓配置やベンチレーター配置、後部扉等にサロ時代の面影が色濃く残っています。


実車のクハ85には、サハ87から改造されたグループも存在しクハ85-100番台とされました。100番台の模型としては、GMから組立キット(No.169)として発売されていますが、プロトタイプが全金属車になる前のサハ87-100番台を改造したもので、クハ85 101~103に相当します。全金属車のサハ87-300番台から改造された車両は追番のクハ85 104~111となりましたが、模型では製品化されていません。

模型でクハ85を含む全金属車だけの編成を実現するには、サハ87-300番台から改造されたクハ85 104~111が必要ですので、25年以上前にGMキットのモハ80-300番台(No.168)とクハ85-100番台(No.169)の先頭部分を切り継いで製作したことがあります。

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GMキットから組立・加工した全金属車の、クハ86-300番台(左)とクハ85-100番台(右)です。製作当時はGM製品だけで編成を組んでおり特に問題はなかったのですが、後日発売されたKATO製品と編成を組むと、「窓ガラスが嵌め込みでない、ライトが点灯しない、塗装色も少し異なる」などの差異から、全体のバランスが崩れてしまいます。

そこで、KATO製品を切り継いでクハ85-100番台の全金属車を作ることにしました。具体的に加工方法を検討していきます。

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手前がベースとなるサハ87-300番台、奥側が運転台部分を転用するクハ85-300番台です。

車体は実車と同様にサハ87-300番台をベースとし、これにクハ85-300番台の運転台部分を切り継ぐことで実現します。サハ87はトイレのある側を残して連結面側とします。

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左側の扉の横の擦りガラスが嵌った窓がトイレ部分です。

サハ87-300番台の右側を切断して、クハ85-300番台の運転台を取付けることにします。

全金属車のクハ85-100番台の実物写真を見ると、大きい客用窓がサハ87-300番台より1個少ない8個です。そこで、大窓間の柱1箇所分を含めた1窓分(10mm)を切り詰める必要があります。大窓間の柱部分で切ると縦方向の継ぎ目が長くなり目立ちますので、窓の途中で切継ぐことにします。

 

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サハ87-300番台は、マスキングテープ(10mm幅)を貼った箇所の両側(赤矢印の縦方向)で切断します。切断箇所はどの部分でも良いのですが、内部構造(後述)からこの微妙な位置にしました。一方、クハ85-300番台は前端から前扉の端までが丁度10mmです。マスキングテープの右側の線(赤矢印の縦線)で切断します。

 

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サハ87-300番台の切断位置が微妙なのは、窓ガラスを上辺で固定するための車体側の突起(2ヶ所見える右側)が窓部分の中央付近にあるため、これを避けたのが理由です。

次は下回りです。

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下回りはライトユニットの固定等の関係もありクハ85-300番台用をベースに使用しますが、元サロ用の座席パーツでは窓間隔とシートピッチが合致しませんので、サハ87-300番台の座席パーツを切り継いで製作します。座席パーツをそれぞれ赤い線で切断し、緑色矢印の側を使用します。クハ85-300番台の床板に、切り継いだ座席パーツとライトユニットを取り付けます。

屋根板は、ベンチレーターの配置を活かすことのできるサハ87-300番台の物を使用します。運転台側の2個は、内側の物は撤去し、外側の角型の物は取付位置の変更が必要です。また、窓ガラスも新たな窓配置に合わせて、両車両から切断したものを嵌め込みます。

以上で、方針が決定しました。次回から切継ぎ加工に入りたいと思います。

 

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