突然ですが、皆さんは「お寺さん」とどんなお付き合いをしているでしょうか。

観光目的や年末年始の参拝に訪れる方、また最近は写経や坐禅の会などを目的に訪れるという方もいるでしょうし、散歩のルートになっている、という方もいるかも知れませんね。

私は小学校の同級生にお寺さんのお嬢さんがいて、大晦日に友人のお父さんである住職のお話を聞いてから、みんなで除夜の鐘を突いていた時期があり、年越しというものの厳かさを感じたスペシャルな体験として記憶に残っています。

 

そして大人になった今憧れるのは、ふらっと足を運んでは、家庭や仕事の悩みやら迷いやらをとりとめもなく聞いてもらえるお寺さん。

耳を傾けて話を聞いてくださった先に、その方の経験と仏門で学んだ教えから、一歩前に進めるようなひと言をいただけたら、こんなに頼もしいものはないと思うのです。

 

さて、今日は知人の和尚さん・中村一善さんが昨年執筆した本をご紹介します。

 

『子育ての迷いを超える!! 育メン和尚の7つのお布施トレーニング』 

(中村一善著 みらいパブリッシング刊)

 

本書はまさに、一善さんが語りかけてくれるような一冊。

実際、毎日いろんな方のお悩みに耳を傾け、お坊さんとして仏教の教えを学んできたなかで得た気づきを、自身も育児で悩み苦しんだ経験とともに、等身大のことばで届けてくれます。

 

本書でフォーカスしているのは、「育児」。

著者・一善さんには、ふたりの息子さんがいます。

完璧な子どもなんてどこにもいませんが、一善さんの息子さんも、それぞれに問題を抱えていました。

そして、子育てが思うようにいかないことに苦しんでいました。

子育ての難しさを、まさに身を以て体験してきたからこその温かいメッセージが、育児期の我々には優しくしみるのです。

 

さて、とはいえその解決策が「お布施トレーニング」? 

「お寺さんに熱心にお布施すれば子育てもうまくいきます!」っていう献金強要の本では、もちろんありません(笑)。

お布施といえばお寺への謝礼や寄付金だと思ってしまいますが、もともとお布施とはお金に直結したものではなかったそうです。

その意味するのは「見返りを求めずに誰かを応援したり、親切にしたりすること」。

この考え方を育児に取り入れよう、というのが本書の提案です。

お布施にはさまざまな方法があり、お金や地位などがなくても心さえあればできる「無財の七施」と呼ばれるものがあり、これに沿ってトレーニングが進みます。

 

7つのお布施子育てヴァージョンをここで少し紹介すると、

子どもに心を向ける「心施(しんせ)」、

優しい目で、ありのままの子どもをしっかりと観察する「眼施(がんせ)」、

子ども認め、肯定する言葉をかける「言辞施(ごんじせ)」、

子どもがチャレンジをしているとき、そっと見守り、寄り添って応援する「身施(しんせ)」、

子どもを信じ、任せる「床座施(しょうざせ)」、

子どもを一人の別人格として認め、尊重する「房舎施(ぼうしゃせ)」、

そして最後に、子どもの弱さも欠点も笑顔で受け入れる「和顔施(わがんせ)」。

どれをとっても“確かに”と思う一方で、できているかと問われるとうつむいてしまう方が多いのではないでしょうか(私も含む)。

 

本書ではこの7つのお布施についてていねいに解説がありますが、ルールどおりにやらなくてはならないというものではなく、ロジカルに理解する必要もなし。

本を手にしているときには子どものことを思い、子どもとの関わり合いの中では本書の言葉を思い返しながら、何度も読んで、トライアンドエラーを繰り返しながら身にしみていく、まさに本書が私達の「身施」となって、育児に伴走してくれるような一冊です。

 

ビジネスなら、投資した労力や時間、お金に対して効率よく事業を成長させることを目指すでしょうが、育児はそういうものではないのだと気づかされます。

子どもは親の事業でもなければ、同じ人間でもありません。

性格も、好きなものも、得意なことも、心地よいスピード感も、ものの考え方も、幸せの価値観さえ、自分とは「違う」存在。

そのことを忘れ「良かれと思って」先回りして手出し口出しすることを子育てと思い、結局子どもが思うように動かなかったり、うまい成果が出なかったりしてイライラしたりがっかりしたりするなんて、まあ余計なおせっかい。喜ばれるはずがありません。

7つのお布施を通して著者は、親はあくまで子を尊重して見守り応援する役割なのだ、と根気よく伝えてくれます。

 

とはいえこれが、なかなか難しい。

だって生まれたての頃には、歩くことも話すことも、裏返しになることさえできず、「別人格として尊重」どころか1秒たりとも目を離せない存在だったのだから。

そこからだんだん、できることが増え、他人と自分の違いがわかり、世の中にどんな選択肢があるかを知り、自分の意見が伝えられるようになって、日々独立した生き物になっていくけれど、親は毎日接しているからその変化に気づきづらい。

それにその過程だって成長は行きつ戻りつだし、心と身体と言動と、全部一律に育つわけでもない。

さらに親だって、保護者としてよちよちのところから少しずつ経験を積んで成長している過程で、初心者マークはお互い様なのだから。

だからこそ、「トレーニング」とタイトルにあるとおり、一回でマスターしようとせず、くり返し読んで思い出してトライして、うまくいかなくても少しやり方を変えたり、タイミングを変えたりしながら、努力を重ねることが大切なのではないかと思います。

 

話は横に逸れますが、社会経験があろうがなかろうが、言語化できようができまいが、子どもの人格はかなり早い段階から独立しているんじゃないかと、個人的には感じています。

自分自身も3歳位の頃、一人遊びをしていたら背後で両親が「この子は一人暮らしさせてやると言ったら喜びそうだ」と話しているのを聞いて、“なんでバレたの?”とドキッとした記憶があるのです。

また私の娘も3、4歳の頃に、乳児期の話をした際「思ったこと言いたかったけど赤ちゃんのときはお口がくっついてたから言えなかったの」と言っていました。

みんな忘れてしまうけれど、きっと赤ちゃんのときから、自分なりの考えはあるんじゃないかと思っています。

 

さてさて、本書は育児をテーマに書かれているものの、もともと仏教の「お布施」は育児のために考えられたものでもありませんし、どんな人間関係にも役立ちます。

パートナー、親兄弟、友人、同僚やクライアント、お客様との関係、あらゆるところで通用する、というよりもむしろ、常に心に留めておきたい考え方だと感じます。

講師やコンサルタント、トレーナー、あるいはリーダーの立場の方なら、相手の成長は重要でしょうし、それ以外の関係の中でも自分の知見・経験で相手の役に立ちたいと思う場面はあるでしょう。

そんな時私達はつい、「良かれと思って」自分の価値観、自分のやり方を押し付け、相手を変えようとしてしまうもの。

でもそれで喜ばれることは稀で、スルーされたり響かなかったり、迷惑がられたりすることのほうが多いのではないでしょうか。

それは相手を思っているつもりが気づけばすぐに自分本位になっているから。

そんなときこそ、「7つのお布施」の出番なのです。

 

皆さんの過去を振り返ってみてもきっと、誰かから人生を変えるようなポジティブな影響を受けた場面というのはきっと、「7つのお布施」の何かをいただいた瞬間だったのではないでしょうか。

次は自分が、身の回りにいる大切な人々にそんなお布施を届ける番です。

そしてそれができるようになるにつれ、自分自身への信頼感も高まっていくのではないかと思います。

 

みなさんも是非一緒に、お布施トレーニング、始めましょう。

こちらにいらっしゃってくださった皆様!

ありがとうございます。

 

増えすぎたSNSに迷走している吉野です(笑)

というわけで、ちょっと試験的に、

ブログをnoteに

お引越ししてみようと思っています。

 

もしかしたらまたこちらに

帰ってくるかもしれませんが💦

その時にはまたどうぞよろしくお願いします★

 

noteはこちら。

 

ではでは~。

 

少し前に念を込めて取り組んだ

ジュリークの待望の新製品

ハーバルオイルインセラムが

ついに誕生しました。

こちらのコピーを担当いたしました。

 

コピーのお仕事をいただけるのは

本当にありがたく幸せ。

 

担当の方から、製品への思いを伺う。

どんな魅力がある子なのか、

どんな苦労があったのか、

どんな発見があったのか、

使う人にどんな喜びをもたらすのか、

社会にどんな変化をもたらすのか。

 

魅力はひとつではないけれど

欲張ると何も伝わらなくなる。

手にとって、肌にのせていただくために

どの言葉に託すか。

 

開発者の方の心のなかに潜り

使う人の心のなかに潜り

そこで観たもの感じたものと

一番近い日本語を探す。

 

カギとカギ穴のように、

商品とその人をかちっとつなげる

言葉を削り出す。

その作業は本当に、苦しいけれど、幸せ。

 

届くべき人の手に

ちゃんと届きますように。

言葉が、使う人を支えますように。

 

最近脳科学の取材が多くて

脳の働きについて考えるのだけど、

人間の反応のほとんどは、

脳からの司令に基づいているから

脳がどう感じたか、がとても大事。

と、私は思っている。

 

よく化粧品開発の際、肌に似せた物質で

浸透や変化を研究するけれど、

そこに「脳の働き」が抜け落ちている。

実際の製品は、脳が拒むこともあるし、

脳が後押しすることもある。

 

筋トレをするときに

「ここに効かせるぞ」と

意識を向ける念ことが大事、という説は

近年ではスピリチュアルとは

言われなくなったと思うけれど

化粧品も同じで、

脳から伝達物質がきちんと発動して

初めて本気の効果が生まれると思うのです。

 

その伝達物質を目覚めさせるために

香りやテクスチャーや、

ボトルデザインも大事で、その中で

私ができることは、言葉で支えること。

だから私は、(誰もそう思ってないけど)

自分は化粧品開発に携わっている、

と思っている。(くらい、頑張る🦾)

 

 

薬事法の縛りもあるし

タイムプレッシャーもあるし

自分の力の無さも痛感するし

簡単なことではないけれど

そこに身を置けるのは、しびれる瞬間。

 

それ以外のことを一切考えず

ただその一品のことを考え

言葉の僅かな違いに意識を傾けるのは、

マインドフルな瞬間でもあります。

 

 

マインドフルといえば、

我が娘小3、昨日家で

学校の授業で使うタブレットを落とし

画面がバリバリ割れてしまった。

取り返しのつかないことをした、と

大泣きし、晩ごはんも食べられず。

 

だけど立ち直らなきゃいけない。

そこで彼女は大好きな折り紙を始めた。

YouTubeの紹介動画は、

音声もテキストもないシュールな動画で、

その人の手元を見ながらただただ折る。

 

かなり遅い時間までかかってしまったけれど

彼女の心の乱れを収めるのに

とても役立ったよう。

 

本の形になっていて

開くと8個の小ボックスがあり、

さらに開くと2つの中ボックス

さらに開くと大ボックス!

というなんだかすごい仕掛け。

彼女なりのマインドフルネス。

この完成を以て、心も収まったみたい。

 

皆さんは自分なりの

マインドフルな時間をもっていますか?

週末にELLEデジタルにて

天文物理学者BossB先生の

インタビュー記事がUPされました!

ついうっかり使ってしまう声がけで

ジェンダーバイアスを押し付けてない〜?

っていうお話です。

 

私が育児をしていて思うのは

言葉を覚えたての幼児期の子ほど

ジェンダーバイアスが強い、ということ。

今回の取材でも質問しましたが

「ママ女の子なんだからドレス着なきゃ」

「女の子にカッコいいって

 言っちゃだめなんだよ」

みたいなことを平気で言う。

誰の影響よ?お友達?先生?

ってびっくりしちゃうわけです。

 

でも子供の立場にしてみれば

右も左もわからないこの星に舞い降りて

「生き物」と「命を持たないもの」

「自分のもの」と「他人のもの」

食べていいものとだめなもの、

触るとベタベタするものと、

触っても形が変わらないもの、

落とすと壊れるものと、

落とすと弾むもの、

「色」という分類、「時間」という概念、

「清潔」という概念、

ありとあらゆるものが無秩序に

ハチャメチャに降ってきて

ありとあらゆるルールが降ってきて

脳みそ爆発のはず。

その中で少しでも自分なりに

生き抜くためにルールを見出していく。

そんな一つに「男」と「女」がある。

 

どうやら「オンナ」というのは

髪が長かったり、スカートや

赤やピンクの服を着ていたり

お化粧をしていたり、

リボンをしていたり

子供を連れていたり、

「オトコ」というのは

体が大きかったり、髪が短かったり

声が低かったり、ズボンを履いていたり

黒や茶色の服を着ていたりするんだ、

だから多分あれが女であれが男だ。

 

犬と猫を見分けるように

老人と子供を見分けるように、

チューリップとひまわりを見分けるように

◯と△を見分けるように、

ひとつひとつ自分なりのルールを見つけて

手帳もスマホも持たない彼らが、

頭の中にものすごい勢いで整理していく

本当にそれは神業だと思うのです。

 

外のことだけじゃなくて、

心のことも、どんどん知っていく。

哀しいとさみしいの違い、

恥ずかしいのと怖いのの違い、

お腹が空いたのとお腹が痛いのの違い、

眠いのと腹が立つのの違い、

そういうのも少しずつ分けていく。

 

その過程では、

目にした、耳にした情報を

必死に頼りにしているのでしょう。

 

だから

「女の子はリボンを付けなきゃ」

みたいな理解をしているのは、

ある意味しょうがないこと。

 

そのうえで、

少しずつ微細な違いを学んでいき、

さらにその違いが

「守らなきゃいけない決まり」なのか

「これまでその傾向が強かっただけ」なのか

少しずつ分類されていくのでしょう。

 

その過程にあって大人たちは、

子どもたちが見出した分類を認めつつ

その分類で、不必要に彼らが

自分を縛ることも周りの人を縛ることも

ないように、見守っていかなくては。

過渡期にあって、大人たちも

学んでいる時代だからこそ

心がけていかなくては、と思います。

難しい仕事だ! 大切な仕事だ!

そんな役割に携われるというのは

貴重な体験だ、と思います。

 

子育て中の方に限らず

親戚、友人の子、近所で、仕事で、

どこかしらで子供に接する機会がある方に

ぜひお読みいただければと思います。

 

今日の写真も1歳になってまもない頃、

お洋服屋さんで「自分」と出会った娘。

20日に発売した

ハーパーズ・バザー7,8月号のご紹介。

IT's MY BAG!

表紙で一番大きく書いてある(笑)

 

私がファッション担当なわけはなくて(!)

この中で4Pにわたり、12名の方々に

アート/美容/自然/リゾートの

それぞれの魅力的なデスティネーションを

ご紹介いただきました。

ここに行くためのバッグを買おう、なのか

バッグを買ったらここへ行こう、なのか。

 

というわけで、まずは誰にお聞きしよう?と

名刺ファイルを開きます。

洗練された海外旅を頻繁にされていて

アートか美容か自然かリゾートのいずれかに

ご専門分野としても納得感がある方

(読者の方としても「この方のおすすめが

知りたい!」と思うような)。

日頃からSNSで旅発信している方なら

存じ上げない方への突撃もできるけれど

こういう本業以外のことを伺う企画は

基本的にその方と

「ご相談できる距離感」にないと難しい。

 

意外とそういう企画は多くって。

以前Nikkei LUXEでやっていた

愛犬愛猫紹介企画とか、

以前GINGERでよくやっていた

インテリア取材企画とか、

この間Richesseでやった

街のおすすめスポット企画とか、

Marisolなどで時々やっていた

愛読書企画とか…まあきりがない。

お付き合いもないのに突然連絡したら

「なぜ私に?」と警戒もされるけれど

一度でもお会いしたご縁のある方なら

「あの時お世話になった◯◯ですが…」

とご相談もできるというもの。

 

だから日頃から、

インタビューでお会いした方との雑談とか、

知り合った方のインスタをチェックしたり

とかが、未来への種まきみたいになるのです。

あの方、小さなお子さんいらっしゃったなあ、

あの人、ボクササイズに通っていたよね、

いつもきれいなネイルをしているなあ…

という他愛ない周辺情報が突然役に立つ。

なんだか不思議なお仕事です。

 

今回も最近お世話になった方もあれば

久しぶりにご連絡差し上げる方々もいて

タイミングよく取材期間中に

その方の事業の展示会や発表会があって

お目にかかれた方もちらほら。

ご縁がアップデートできたこともまた嬉しく。

 

私は◯◯ライターという専門をもたないから

こういう「誰に頼めばいいやら」みたいな

企画を頼んでいただけることが結構あります。

効率の良い働き方ではありませんが(笑)

編集者冥利なお仕事です。

 

今の時代、ネットを開けばいくらでも

情報はあって、それこそ旅先だって

無限に集めることはできます。

だけど本当に自分にしっくりくる情報を

手に入れるのは却って難しいでしょう。

 

一方、お一人おひとりは皆さん

素敵な情報や経験を持っているけれど

個人的なそれらを

むやみにオープンにはしていないから

その情報を共有する機会は少なくて。

 

そんな、情報を持っている方と

情報を求めている方を適切につないで、

心に届く形で伝えられたら

こんなにうれしいことはないのです。

 

というわけで。

この夏の旅のスポットを探している方、

是非チェックしてみてくださいませ。

(実はもっとたくさん伺っているので

じわじわとオンラインで紹介していきたい、

と編集部と目論見中です、お楽しみに)

 

ちなみに今回ご登場いただいたのは

トラベル&スパジャーナリストの

板倉由未子さん、

子供地球基金ファウンダーの鳥居晴美さん、

マリハ代表のマリエ・ウェストンさん、

シバジム代表の柴田陽子さん、

美容家の山本未奈子さん、

リカルドトッサーニアーキテクチャーの

トッサーニ糸田敦子さん、

SHIGETAPARIS代表のチコ・シゲタさん、

 

あ、海外勢はインスタ突撃でした!

結果、ご協力いただけるどころか、

ご返信いただける確率も半分以下に💦

ご協力くださった方とはこれを機に、

ご縁を深めていきたいと存じております。

La Double JファウンダーのJJマーティンさん、

L/Uniform CEOの

ジャンヌ・シニョールさん、

I.T MDバイスプレジデントの

トレイシー・チェンさん、

ペリカーノホテルCEOの

マリー・ルイーズシオさん、

VESSEL CEOの

デボラ・レイノー・セバッグさん。

 

ご協力くださった皆様には

心より感謝いたします:D

 

こうしてご紹介いただいたネタを

ジャンル別にバランスよく分けて

それぞれのご紹介先の問い合わせ先を調べて

苦手な英語メールを送って画像を借りて、

という作業の足跡にも

思いを馳せていただければ、ひと粒で二度

お楽しみいただけるかもしれません(笑)

 

引き続きGINZA SIXのご紹介。

だいぶ遡りますがイースターに合わせて

開催された親子イベントのリポートです。

 

子どもたちにとってスペシャルな

体験になったに違いない一日をご覧ください。

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

「体験」について。

子供の頃の体験というのは、

日常的には忘れているもの、

写真が残っているので覚えているもの

(我々プリント写真世代の記憶は、

アルバム次第で大きく左右される)

度々思い出すもの…いろいろだけれど、

よく思い出す記憶にも、

忘れかけている経験にも

それぞれに重要な意味があると思う。

 

私の娘は生後2ヶ月から保育園で過ごした。

最初の保育園は、

0〜3歳までの乳幼児を預かる認証保育園で、

認可保育園に通るまでのつなぎで

通っていた人も多いと思う。

うちも1年後には転園した。

 

この保育園の入園式の日、

主任の先生の挨拶が心に残っている。

「この子達は大きくなったら、

ここで過ごしたことを

全部忘れちゃうと思うけれど、

その中で精一杯愛情をかけて

育てていきたいと思います」

 

実際、1歳2ヶ月までの1年間通った

その保育園のことを、娘は覚えていない。

まだほとんど話もできない頃だったから

認知のためのツールを

あまり持ち合わせていなかった。

だけど、あの保育園での経験は

親にとってだけでなく、娘自身にとっても、

とても重要な意味があったと思う。

誰かに真摯な愛情をかけられて

ただの匿名の「可愛い赤ちゃん」でなく、

一人の一貫した人格として

日々の成長を見守り支えられ、

個性を愛おしいと感じてもらい、

優しい笑顔や子守唄のシャワーを

毎日浴びせてもらった経験は、

物語としての記憶がなくても、

彼女の一部になっていることは間違いない。

 

あるいは私自身の記憶。

どこか旅先で迷子になりかけたときの

心臓が破裂しそうな焦り、

近所の野原で、母の友達のお子さんらしい

初対面の優しいお姉ちゃんとふたりきりにされ

シロツメクサの冠を作ってもらったときの

少し大人になったような

ドキドキしたときめく気持ち。

そんな名もなき経験のひとつひとつが

私の感情のボキャブラリとなって、

心の襞を私だけの形にデザインしてくれた。

 

もちろんその心の襞は

今も、日々刻々と変化していて

経験とも気づかないほどの情報たちが

私を作り続けているけれど、

幼年期のそれは格別なもの。

 

「すごい」体験でなくていい。

柔らかい感触とか、

ワクワクするメロディとか、

信頼できる存在とか、

緊張する瞬間とかが、積み重なって

美しい、かけがえのない形を、

象ってくれるのだと思う。

 

写真は材木座を訪れた、1歳2ヶ月の娘。

この海のことを覚えていなくても、

ちゃんとこの海は

彼女の一部になっている、と思う。

今日は三菱グループのコーポレートサイトで

書かせていただいている書評連載を。

 

GW終わって、夏休みまで旅気分は一休み、

という方も多いかもしれませんが、

実は私達は頭の中で、もっと自由に

旅ができるんだよ、っていうことを

本を通して、

思い起こしていただければと思います。

 

 

最近脳について考える機会が多くて。

ちょっと前まで私自身脳に対して

受け身的な感覚がありました。

頭が良い悪い、というのもそうだし、

そこをもう少し細分化して、

理解力、思考力、情報整理力、記憶力

みたいな、「IQ」「地頭」みたいなものは

そんなにコントロールできないのではないか、

その中でベストエフォートを目指すしか

ないんじゃないかと思っていました。

感情についても、

怒り、悲しみ、落ち込み、迷い、喜び、興奮、

恋、恐れ、怯え、みたいなものも、

起きたことに反応して

勝手に湧いてしまうもので、

それを対外的にどうコントロールするか

という対策の打ち方しかないんじゃないかと

思っていました。

 

だけど知れば知るほど、

能力も「使い方」次第で雲泥の差が出ること、

感情さえ、食べ物、睡眠、運動、

デジタルとの付き合い方など、

その感情とつながっていないときの

ふるまい次第で

感情の湧き方も、レベルも、残り方も、

変えていけると、感じ始めています。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

こちらの写真は5月14、15日に

開催されていた代官山蚤の市。

大好きで毎年できるだけ足を運ぶマルシェ。

 

 

いつか誰かが大切にしてきたものが

人の手から手へ大切に受け継がれて、

こうしてここに一堂に会して

みんなで「素敵だね」と言い合う。

青空のもと、日差しを浴びながら

直接見て、手でその感触に触れて、

お店の人と会話をして。

 

レースのブラウスや、ボーダーのカットソーや

麦わら帽や、かごバッグで装った人々、

アコーディオンを奏でるおじさん。

そういうさまざまな情報が

ゆっくり体の中を巡っていく。

私は買付に来たわけではないから、

ギラギラした競争心も物欲もなく

ただ素敵な出会いがあったらうれしいな、

と小さく期待しながら愛でるだけ。

少なくともこの時間に私は、

いくつかの写メをした以外に

スマホを見ることもしなかったし。

こういう時間も、私の脳の、

健康な育成につながるといいなあと思う。

 

そう考えると脳は、幼いわが子のようだ。

子供は自分とは別人格で、

思うようには育たないけれど、

どんな食べ物を食べさせるか

どんな言葉を投げかけるか、

どんなところに連れて行くか、

どんなふうに抱きしめ笑いかけるか

そんな一つひとつが彼女を育む。

諦めることなく、根気よく、祈るように。

自分の脳もそんなふうに、

やさしく育むことができると思う。

愛を込めて、大切に接していこう。

愛しい、愛しい、わが脳に。

GW明けに何本か、

GINZA SIXにて発信したので

そちらをまた少しご紹介。

フードフロアに降りるエスカレーター下の

アートウィンドウのご紹介。

 

このアートウィンドウは、いつも

とてもとてもアイデアを凝らして

作られています。

ただデザインとして目を引くだけでなく

その物事の本質を問いかけるような、

メッセージ性が強く込められています。

作品を見て楽しい気持ちになっていただければ

もちろんそれでもいいのですが、

その背景にどんな思いが込められているか

ちょっとこちらのインスタで

覗いていただけましたら。

 

〜〜〜〜〜〜

 

種と言えば、

娘は今、授業でホウセンカを育てている。

なんだか幸いにも、とても生育がいいらしい。

同じように並べているのに、

お隣の子の鉢よりよく育っているそう。

それは嬉しいことだけれど、

どうして自分の種が先に育って、

どうしてお友達の種がまだ育たないのか、

そのことを一緒に話してみる。

水のやり方が良かったんじゃない?と娘。

日当たりも同じだし、

隣のお友達も種をまばらにきれいに

撒いていた、という。

娘は決して奢ってはいなくて、

ただラッキーだと感じているよう。

 

育児でも、ビジネスでも、試験でも、人生も、

思ったように行くことばかりではない。

どんなに入念に手を尽くしても、

うまくいかないことが続くこともある。

あるいは何かの拍子にふと、

好展開が続くことがあっても、

それは決して周囲の人より格別

自分が努力したとか才能があるとか

という理由とは言い切れない。

率直に言って謙遜でもなんでもなく

ただ運が良かっただけだったといつも思う。

むしろ少し後ろめたいくらいに。

人生は、やじろべえのほんの僅かな

バランスの加減のように、

ぐらりと傾いたりして巡るのだ。

 

そのささやかなバランスを

なんとか支えていけるように、

どうしたら芽が出るかしら、

どうしたら花が咲くかしら、

どうしたら枯れずにもつかしら、と

できることを探って続けて祈っていくのみ。

 

芽が出ずとも腐ることなく、

花が咲いても奢ることなく。

 

この先の彼女の人生も、

この先の私の人生も。

 

写真は母の日に娘が贈ってくれた花。

枯らさないようにしなくっては。

GINZA SIXのインスタグラムにて

スイーツと「泡」のペアリングの

提案をご紹介しています。

 

泡、といってもシャンパンばかりではなく

ウィスキーやビールもでてきます。

 

プチなスイーツも、泡も、

ちょっと特別な刺激があります。

自分の気分をぐん!と上げるのに

効果を発揮してくれたりします。

カンフル剤。

 

血糖値、ということだけでいうと

ぐんと上げるとドスッと下がる

血糖値スパイクのリスクがあるし

アルコールによるリラックスとか高揚も

頼りすぎると中毒になりますが、

わざわざペアリングを考えて

儀式的に取り入れるスイーツと泡なら

効果のほうが断然大きいように思います。

 

それに近いもので最近私が

特に意識して取り入れているのが「香り」。

朝出かけ前にフレグランスを浴びるけれど、

日中にも、ヘアフレグランスだったり

ルームフレグランスというのかしら

空中に振りかけるフレグランス。

嗅覚って、理屈抜きでぱっと

新しい情報を提供してくれる。

その香リがもたらす気分は問答無用。

そしてこの「香り」のスイッチが入ると

「そうだ、私は自分の気分を

自分でコントロールできるんだった」

ということを思い出させてもらえるのです。

 

誰かのせい、何かのせいで

自分の気分が乱れることがあるけれど

それはものすごく受動的で、

奴隷的で、つまらないこと。

自分の気分を誰かに操られるなんて。

だから「私の気分は私が司れるのだ」

ということを、忘れないようにしないと。

 

気を紛らす、というとなんだか

根本解決していないように聞こえるけれど

結局は気、って私達の脳だし、

脳がベストパフォーマンスを

発揮できるようにお膳立てすることが

私達にできる大きな仕事。

機嫌よくなること、集中力が高まること、

記憶力が高まること、運動機能が高まること、

とか、何でも、結局

脳の動きをどれだけスムーズにするか、

ではないですか。

そのためにできることは

たくさんあるほうがいい。

その一つとして、スイーツも泡も香りも、

うまいこと使っていきたいな、と思います。

 

引き続き媒体のお知らせ。

こちらは今月から

お手伝いさせていただくことになった、

SHOP CHANNELの

上位顧客に向けた月刊会報誌、

SHOP STAR LIFE5月号。

VIPのハードルそんなに高くないので(笑)

ショッピングの選択肢として

食品、掃除用具、ファッション、なんでも

Amazonに行く前に

チェックしてみては如何でしょう。

各社の渾身の1品が揃っています🦾

 

私が担当しますのは、

「1枚の写真から」というコーナー。

商品の魅力を伝えるキャストの方々に

毎号1名、ご登場いただき、

プライベートな1コマを伺っています。

すでに何号か分、インタビューしましたが、

さすが皆さん、

好奇心旺盛で行動力のある方ばかり。

出会ったモノゴトへの愛情が深い!!

エネルギーをいただくような

インタビューになっています。

ぜひお読みください、の前にまずは

ぜひVIP会員を目指してください(笑)。

 

 

そんな、キャストの方の「ドハマリ」を

インタビューさせていただいていますが、

そう言われてみれば私にもありました!

先日のブログでも少し書きましたが、朗読。

 

こどもの日に、調布市文化会館で

その発表会がありました。

 

2日間にわたる発表会の2日目。

朝早くからリハーサル。

(先生のブログにUPされているので

 皆さん肖像権OKなものとして…。)

 

私は午前の部で影ナレを担当し

午後の部で出演。

選んだ作品は

(今回は先生に選んでもらったのですが💦)

田辺聖子さんの「海からの土産物」。

 

最初と最後にだけ地の文があり、

その内側に別の語り部がいて

その内側に物語がある、という

3重構造がきちんと伝わらなければ、

今、誰の一人称なのか、

「男は」と言われた男が誰なのか、

聞き手はモヤモヤしてしまう。

だけどあまりわざとらしくはしたくない。

 

優美な物語だけれど、あまり優美にしすぎると

聞き手は眠くなってしまうかもしれない。

 

そんなひとり作戦会議は、

原稿を書くときと同じ楽しさ。

 

 

今回は夫、娘、義姉、義母も観に来てくれて

せっかくのGWを無駄にしないよう、

退屈させないようにしなくては、

などと緊張感が加わる。

まあ親族でなくたって、

聴きに来てくださっている方の

貴重なGWを頂いていることに変わらない。

楽しい体験、豊かな時間、

心動く作家や作品との出会いをして

帰ってもらえたら嬉しい。

 

結果はどうだったのでしょう、

舞台の向こう側に行ってみないとわからない!

後で録画を見るのが楽し恐ろし。

 

娘は終わってすぐにメッセージを送ってくれて

まあ、朗読はともかく、

笑顔と姿勢は良かったみたい、

ほんとに優しい子だなあ。

 

物語を通して、自分と違う価値観を持ち、

自分と違う人生を生きる人の心に迫る体験が

娘にとって楽しいことであったらいいなあ。

そして、お母ちゃんが何かを

楽しんでいるっていうことが

大人になる楽しみにつながったらいいなあ。