その1 計画概要・外観など
その2 アプローチなど表側の外構計画 ←イマココ
その3 とにかく明るい玄関
その6 夫婦それぞれの寝室
その7 階段と、階段下収納と
その10 LDK以外のお部屋
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住宅を含め建物の計画をするとき、設計者たちは、建物を敷地の中にどう配置するか?を考えながら設計しています。
駐車スペースをどうとるか、道路からエントランス(住宅の場合は玄関)へどうアプローチするか?そもそもこの建物をどういう風に見せたいのか?といったことを考えながら設計するわけです。
ハウスメーカーや工務店で、外構はあとから下請け業者さんに丸投げするような会社の設計者さんはそこまで考えてないと思いますが。
今回自宅の設計をしながら、なぜだかわからないんですが、道路から真っ直ぐ家に入るのが嫌だったんです。
究極の理想形は、慈照寺銀閣のアプローチ。
銀閣寺垣と言われる高い生垣に挟まれて、わざわざ回り込むようにして銀閣に対面する、あのアプローチに憧れていました。
銀閣寺垣のような高い生垣をつくると、泥棒さんが安心してピッキングできるようになってしまいますし、そもそもあんな豊かなアプローチはつくれないので完コピはあきらめましたが、私なりにアレンジして、少し回り込むようにして玄関へ向かう動線をつくりました。
このアプローチは、敷地や建物に対して少し角度がついています。
これは、車のいれやすさを考えてのこと。
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そのアプローチからも楽しめるように、敷地内には何本か中高木を植えました。
道路に面して植えたのはジューンベリーです。
ヒメシャラにも似た軽やかな印象の木だなあ、と思って見ています。
株立ちの姿がとても美しい個体を持ってきてくださいました。
カーポートの前、道路から見て正面には、妻が強く希望したサルスベリを植えていただきました。
百日紅という当て字の通り、花の時期が長いのが特徴ですよね。赤い花をつける品種をお願いしました。
来年の夏が楽しみです。
アプローチに沿って設けたウッドフェンスの向こうには、妻の寝室の前に河津桜、夫の寝室の前にはコハウチワカエデを植えていただきました。
早春の河津桜の濃いピンク色の花や、コハウチワカエデは5月ごろの新緑と秋の紅葉がとても楽しみです。
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カーポートの屋根は、リクシルのカーポートSCでという商品を使用しました。
今ある既製品のカーポート屋根の中では、ダントツに綺麗な屋根だと思います。
我が家は宅盤(家が建つ所の地盤面)が、道路より50センチほど上がっており、これに擦り付ける関係で、駐車場も緩やかなスロープにしています。
カーポートの屋根は水平についているので、スロープを上がりきったところでは、天井までの高さが低くなってしまう恐れがありました。
そこでオプションのロング支柱に変更し、屋根を少し高くして、高さの問題をクリアしています。
このスッキリしたデザインには裏があって、耐荷重や耐風圧に若干の難があります。
東京に降る重い雪だと、積雪わずか8センチまでしか対応できません。
いちおう補強用のポールがオプションで用意されているので、今回お願いしましたが、東京でも20センチぐらい積もることもありますし、台風が直撃することもありますので、どうなることかちょっと心配ですね。
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アプローチを進んで突き当たったところ、カナ折れした先は型枠コンクリートブロックの塀で作られたお迎えの空間です。
このブロック、当初は10段積むつもりでいたのですが、お隣への圧迫感が強くなりそうだったのと、実際に立ってみると9段程度で十分と思われたため、現場で職人さんと相談して、9段積みにとどめることにしました。
ところが、よくよく考えてみたら、宅配ボックスの高さに合わせて10段積みにしていたんですよね。
9段積みにとどめた結果、宅配ボックスが頭一つ飛び出すことになってしまいました。
失敗w 現場で急に変更するからこういうことが起こるんですよね。やらかしてしまいました。
型枠コンクリートブロックは、縦目地を「眠り目地」で積んでいただきました。
「眠り目地」とは、目地幅をほとんどとらないことを指します。
普通のブロック塀と、少し雰囲気の違う塀にできたのではないなかと思っています。
この上からペンキを塗ってもかっこいいんですが、当面はコンクリートブロックならではの風合いを楽しもうかと思い、素地のままとしています。
このお迎えの空間から先は、床をタイルで仕上げています。
が、まだ外構工事が続いていて養生がとれていないので、写真はありません。
リビエラのウォーターフォールという商品の、ダークフォールという一番濃い色味のタイルを使用しました。
玄関ドアがガラス張りなので、内外のタイルが連続するよう、同じタイルを玄関の中まで貼り伸ばしています。
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玄関ドアの前には、宅配ボックスとポスト。
いずれもナスタというメーカーの製品です。
宅配ボックスは、大型のものと中型・小型のもの、あわせて3つ設置していただきました。
夫婦ともフルタイムで働いている私たちにとって、宅配ボックスは欠かすことのできないアイテムです。
今までマンション住まいだったので、宅配ボックスはよく利用させていただいており、私たちだけで2か所、3か所を占領していることもありました。
これからは共有の宅配ボックスがないので、荷物が重複しても問題ないように、大中小3つ設置しました。
3台の宅配ボックスをコンパクトにセットするため、まず大きなボックスを、寒冷地用の支柱(雪が積もっていも大丈夫なように、少し背が高くなっています)を使って設置し、その下に中サイズと小サイズのボックスをならべて設置しました。
この設置の仕方はメーカーのカタログやホームページにも掲載がなく、うまくいくか不安でしたが、寸法上は行けそうだったので工務店さんに無理を言ってチャレンジしていただきました。
結果はこの通り。
これ、ナスタのカタログに載せたほうがいいんじゃね?と思ってます。
同じシリーズなのに小サイズだけデザインが違うのも直したほうがいいんじゃね?とか。
ポストは、上入れ前出しのポストを探していたところ、ちょうどナスタにあったので「おお、あるじゃん!」と採用した商品です。
前入れ前出しというポストは多いんですが、上入れ前出しって意外と少ないんですよねー。
上からストンと落とし込むタイプなので、アマゾンからくる雑誌ぐらいの商品なら、ポストで受け取れてしまうはず、と思っています。
次回は玄関の中をご紹介します。
設計段階の間取り紹介は→こちら
「木完時内覧会」は→こちら