ヘルパーの採用
採用が難しい時代に、訪問介護で3名採用できた理由とは近年、どの業界でも「人手不足」が大きな課題となっていますが、特に私たちのような訪問介護事業所では、その影響が直撃しています。求人を出しても応募がない、面接をしても辞退される、採用しても定着しない――。そんな日々に頭を抱えることも少なくありません。しかし、そんな中でも、最近わが事業所では3名の新しいスタッフを迎えることができました。これは奇跡と言っても過言ではありません。今日は、その背景や過程を振り返りながら、「なぜ採用がこれほどまでに難しいのか」そして「どうやって3名を採用できたのか」についてお話ししたいと思います。訪問介護の採用が特に難しい理由まず、訪問介護の仕事が他の介護職と比べても採用が難しい理由を整理してみます。1. 一人での業務が多い施設勤務と違って、訪問介護は基本的に「一人で利用者宅を訪問」してサービスを提供します。そのため「孤独感がある」「すぐに相談できる相手がいない」という心理的ハードルが高いのです。新人さんには特に不安材料になります。2. 勤務時間が不規則になりやすい訪問の時間は利用者さんの生活に合わせる必要があるため、「朝だけ」「昼だけ」「夕方だけ」と細切れになりがちです。フルタイムで働きにくく、収入が安定しないという不安から敬遠されやすいのです。3. 求職者の数そのものが少ないそもそも、介護福祉士や初任者研修修了者といった資格者の数が限られています。その中でも訪問介護に興味を持ち、かつ実際に応募まで至る人となると、ごくわずかです。多くの事業所が同じ層を取り合っているのが現状です。そんな中で3名採用できたきっかけとは?そんな厳しい状況の中で、なぜわが事業所は3名ものスタッフを採用できたのか。1. 「時間の融通がきく職場」を前面に出した特に主婦層やWワーク希望者に向けて、「週1日、1時間からでもOK」「お子さんの行事優先で働ける」という柔軟さをアピールしました。「フルタイムで働ける人」を求めるのではなく、「短時間でも来てくれる人」に価値を置く視点へと転換したのです。2. スタッフ紹介制度の強化実は今回採用した3名のうち2名は、既存スタッフからの紹介でした。普段から「誰か知り合いで興味ある人がいたら教えてね」と伝えておくことで、スタッフが自然とアンテナを張ってくれていたようです。紹介してくれたスタッフにはささやかな謝礼も渡してい採用後のフォローが“定着”を生む採用はゴールではなく、スタートです。大事なのは「定着してもらうこと」。そこで私たちは、以下の点に特に力を入れています。最初の1か月は同行訪問を多めに設定週1回は必ず連絡・声かけを行うちょっとした悩みもLINEで相談できるようにまた、「慣れてきたら業務を増やす」のではなく、「慣れても無理はさせない」ことを意識しました。結果として、今のところ3名とも継続して勤務してくれています。最後に:採用は「技術」ではなく「姿勢」訪問介護の採用は簡単ではありません。でも「うちの事業所がどんな働き方を提供できるか」「どんな人に来てほしいか」を具体的に言語化し、伝える努力を続けることが大切だと実感しています。私たちのような小さな事業所でも、諦めずに向き合えば、人は集まってくれる――。今回の3名の採用は、それを改めて教えてくれる出来事となりました。