心の花嫁学校マリアージュスクールの斎藤芳乃です。
いつもマリアージュスクールの講座にご参加くださりありがとうございます。
多くの気づきを得てくださっている方がいる一方で、「どうしても、早く自信をつけたいと、焦ってしまう気持ちがあります」というご感想も頂戴しております。
そうですね、今まで辛く、苦しい時間が長かった分、「早く自分も変わらなければ」と思ってしまうお気持ちがあること、とても理解できます。
決して焦るということが悪いわけではなく、それだけ一生懸命で真剣だからこそ、「早く状態を変えたい」と自分にプレッシャーをかけてしまっているんですね。
こんなときは、無理に自分を変えようとするのではなく、「考え方の視点を変える」ということを実行してあげると、結果的に早く変われるようになります。
それは、「自分を変えたい、自信を持ちたい、幸せになりたい」と、「上を目指す」のではなく、まずは、「今までこんなにも長い間、頑張って苦しんで、そして他人に自信を奪われてきてしまった自分」に寄り添ってあげることなんですね。
つまり…「変わること」よりも先に、「今までの自分を労ってあげる」ことが重要なんです。
実は、早く変わりたいと焦っているときは、早く早くと自分をさらに駆り立ててしまって、結果的に「自分を労るのではなく、自分を罰し続ける」ということをしてしまっているんですね。
これは、故意にそうしているわけではなく、完全に無意識なのですが、
今 まで真面目に、誠実に人生を生きてきた素晴らしい資質を持っている方ほど、「より良くなろう」「自分自身を誠実に変えよう」と、無意識にポジティブに自分 を叱咤激励することによって、それが結果的に、「自信がない今の自分をさらに否定してしまう」ことをしているんですね。
せっかく自信を持とうとしているのに、ここでは、「自信を持てていない自分がダメなんだ、と自分を否定してしまっている」ということが続いています。
言い換えれば、自分の目的や目指すものがポジティブであろうとなかろうと、「今の自分の状態を無理に変えようとすること」は、結果的に、「自分を否定し、自信を失わせ、駄目出しをしている」ということなのです。
こんなときは…まず、「自分を変えよう、生き方を変えよう」とするよりも、まず、「今まで苦しんできた自分、そして、今、こんなにも焦らなければならないほど、追い詰められてしまっている自分」に目を向けてあげて欲しいのです。
今辛さを感じているということは、それだけ、自分自身が人生において犠牲になり、苦しみ、否定され、略取され、我慢させられてきた時間が長かったと言うことです。
まずはその「ありのままの自分の苦しみ」を認め、充分に自分を労ってあげることが必要なんですね。
心は、どんなに頑張ろうとしても、今までの苦しみでぼろぼろに傷つき、疲れ果てていたとしたら、次に新しいことをしようとしても、「もうこれ以上は嫌だ、苦しいよ」と動くエネルギーを持つことはできません。
だからこそ、あえて「今まで、何十年と抱えてきた苦しみをねぎらってあげる時間を作る」のです。
その方法は、どんなことでもかまいません。
ああ、本当にもう苦しかった、辛かった、こんなに頑張ってきたのに結果が出なくて…大変だったね、と、自分のために泣いてあげることかもしれません。
こんなにも嫌なこと、たくさんたくさん我慢させられてきた。本当は嫌だったのに苦しかったのに、そんなこと言えなかった…と、苦しみをはき出してあげることかもしれません。
疲れ果てて、他人のために右往左往して、本当に苦しかった！私はあの人の言いなりになりたくなかったし、もう他人のために動くのはやめたい！と、自分の中で愚痴を言うことを許してあげることかもしれません。
疲れているし、頑張ってきたし、周囲の言いなりは嫌だし…
そんなふうに、まずは自分の苦しみや「嫌だ！」というフラストレーションをしっかりと受け止めてあげるということです。
つまり、今まで我慢して受け止めてきてしまったことを、本音で「いやだ！とまずは拒否して」みてください。このとき、綺麗な言葉でなくてかまいません。
「もうこんなの嫌！私は犠牲になりたくない！あなたなんて嫌い！私は誰の言いなりにもなりたくない！このまま粗末にされるのは嫌！」
そんな、心の叫びでいいのです。むしろ、こうした心の叫びこそが、「今まで無理矢理、押さえ込まれていた、自分を大切にしたいという本音＝自尊心」なのです。
こうしてようやく、今まで抱えていた泥のような重荷を吐き出せることで、がんじがらめになっていた鎖をほどいてあげることができるんですね。
次に、こうして自分の中にためこんだ泥を吐き出すことが出来たら…さらに本音と向き合ってみてください。
私は本当はもっともっと甘やかされたかった！でもいいですし、
もっともっと自由にしたかったし、あなたの言うことなんて聞きたくなかったし、私は私の人生を自分で決めたかった！でもいいのです。
これまで何十年も抱え込んできた、我慢して、苦しんで、犠牲になっていたあなたが押さえ込んできた「本当にしたいこと」や「本当に望んでいること」を、ありのまま、聞いてあげてほしいんですね。
これだけの長い間、犠牲になってきてしまった、押さえ込まれていた自分がいるのですから、ちょっとやそっとでは、心が平安になんてならなくても当然です。
ですので、充分に吐きだした後は、時間をかけて、自分にたっぷりと、今まで与えられなかった愛情を与えてあげて欲しいんですね。
綺麗な洋服を着たかった…でもいいですし、美味しい物を食べる、嫌な物は嫌だって言う、疲れていたら寝続けてもいいのです。
「今まで与えてもらえなかった愛情」を、まずは、時間をかけてたっぷりと自分に与えてあげること。
休ませ、甘えさせ、大切にし、欲しい物を与え、喜ばせ、愚痴を言わせ、遊ばせ、やりたいことをやらせてあげる。他人を傷つけたり、他人に迷惑をかけない限り、どんなことでもいいのです。
こうすることで、だんだんと心は、疲れ切った状態から回復することができるんですね。そして、この心が回復するという状態が、「自分を愛している」という状態です。
この状態になれたら、ようやく自分を褒めてあげたり、自分のいいところを見つけてあげたり、人と対等になることを学んだり…こうした新しい遣り方を取り入れる「気力＝生きようとするエネルギー」が出てくるのです。
「自尊心を取り戻し、自分の味方になる」ということは、「マイナス感情を持っている自分もいるし、愛に渇望している自分がいることも理解し、その自分を丸ごと、ありのまま、そのまま受け止める」ということを意味します。
それは、言い換えると、一時的にわがままになった（＝今までの自分だったら、わがままだと感じてしまうようなこと）だとしても大丈夫で、
むしろ今までの人生で「自己愛が枯渇している」のですから、まずは充分に愛を与えてあげることを優先していいということなんですね。
こうして、自分を変えることよりも、まずは自分を労り、大変で犠牲になり続けていた今までの人生を癒してあげることで、その後の在り方を劇的に変えることができます。
めんどくさいなあ、やりたくないな、でもいい。
もういやになっちゃった、真面目に生きるのやめたい、でもいい。
「自分を尊重することを頑張ってやってみる」という力の入った状態ではなく、
「何もかももう嫌だと、苦しいと、そう思わざるをえないほど、人生に疲れ切っている、我慢し続けてきた自分を、今は受け止めてあげる」…ということが、実は自分を尊重した状態なんですね。
あなたがありのままに生きられること…ネガティブな感情でさえも、「私が今まで生きてきた上で感じた大切な気持ち」。
それを嫌わず、そうした感情を持つまでへとへとになるまで頑張り続けた自分自身を認め愛することができたとき…「楽なのに自己価値が上がり、どんどん幸せになる」という現実が引き寄せられることでしょう。
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