心の花嫁学校マリアージュスクールの斎藤芳乃です。
心が情緒不安定になってしまう、どうしても感情のコントロールがきかない…
感情を整理できる女性は幸せになれるし愛されると聞いたけれど、でも、なかなかできない。どうしたらいいの？そんな苦しい悩みを伺うことがあります。
実はそんなときは、心の奥底に隠しているトラウマと、そのトラウマに基づく押し込めた感情（抑圧してきた本当の自分）が、苦しみを感じてしまっているのかも知れません。
今回はセッションに基づくような感情の整理の仕方と、潜在意識の書き換え方法について、詳しくお伝えしていきたいと思います。
私たちは子供の頃から（特に両親との関係で）何かを強制されたり、禁止されていることがあると、「強制される・禁止されることが当然なんだ」と思い込み、その価値観を元に、その後の人生を歩むようになります。
あるクライアント様の場合は、「楽しんではいけない」「代償を払わなければならない」というような、孤独で、強い無価値感と、犠牲的なパターンをお母様がされていらっしゃったため、それが「当然」になってしまい、
その結果、お母様が亡くなり、現在はご自身がご家庭を持って独立した大人の女性になっていても、未だに強く影響を受けてしまうようになりました。
そして、実はこれは、完全に「潜在意識にインプットされた自動的なパターン」なんですね。
なにかというと、そのクライアント様がイライラしてしまったり、情緒不安定になってしまうことも、この母親との関係に原因があるからなんですね。
「私は母親のように生きたくない、本当はもっと楽しみたいし、自由になりたい」と思っているけれど、
潜在意識には「楽しんじゃダメ、代償を払わなきゃダメ」というお母様の在り方が焼き付いてしまっているため、
頭では嫌だと分かっていても、「その瞬間、自動的に犠牲的な態度をとってしまったり、我慢してしまう」ということが起きています。
もう少しかみ砕くと、
「本当は嫌だって感じているのに、つい反射的に作り笑いをして、自分の気持ちを押し込めて、相手の顔色を伺うような態度をしてしまい、頑張っても頑張ってもそれをやめられない」
ということです。
頭で考えていることと、実際に行動することが別だなんて…と思われるかも知れませんが、私たちの潜在意識は、ほおっておくと、この事例のように、「頭と体が別の反応をする」ということを常に引き起こしてしまうんですね。
もう少し分かりやすく説明すると、たとえば急にボールが飛んできたとすると、私たちは頭でじっくり「あ、ボールが飛んできたな」と考えるよりも先に、瞬間的に頭を手でおおって自分自身を守ろうとしたり、「きゃー！」などと声を上げて体を反らそうとします。
これは、ボールが来たときに体が自動的に反応しています。
私たちの潜在意識では、この「ボールに対する反射」と同じようなことが起きているんですね。
たとえば、両親が酷く怒る人で、「怒られないように良い子でいなきゃ」という人生を歩んできた人は、誰かと出会った瞬間、自動的に「目の前の相手の機嫌を取らなきゃ」と思い、お世辞を言ったり必要以上に笑顔になったりします。
また、相手と話している時は、嫌だなと内心思っていたとしても、「この人にNOって言っちゃいけない、愛想笑いしなきゃ」と、勝手に愛想笑いをするというような「自動的な反応」を引き起こすようになるのです。
このように、私たちの人生で、何度も何度も、子供時代から繰り返されてきた人間関係のパターンというのは、自動的なクセとなって、私たちの意志にまったく関係なく、勝手に反応を引き起こすようになるのです。
けれど、こうした「自動的な、自分が望まない反応をしてしまうクセ」を潜在意識が持っていたとしても、これらは比較的簡単に改善することが可能です。
その改善方法が、「過去、自分自身が繰り返し、そのパターンを強制された場面に戻り、その場面そのものを変えていく」ということなんですね。
言い換えると、「過去に縛り付けられている自分を、今の自分が救ってあげる」というワークです。
これは、実際にマリアージュスクールのあらゆる講座で行っているものですが、
私たちの反応を引き起こしているのはあくまで「過去の記憶とともに、自分の中にインプットされてしまっている」ため、その根底にある過去の記憶をそのまま改善し、今の自分が過去の自分を助けてあげることによって、反応のパターンが変わっていくんですね。
それではここで、アシスタントA様の実例をあげてみたいと思います。
アシスタントA様の場合も、実際の母親に支配されているということと同時に、「常に自分の心の中のお母さんに支配されてしまっている」ということが起きていました。
目の前にお母さんがいなくても、母親に見張られているようで、母親に駄目出しされているようで…というような強迫観念が続いており、そのために、「嫌だと思っているのに、他人に媚びてしまうような犠牲的な態度」を繰り返してしまっていたんですね。
ですので、まず、ワークでは、お母様がA様にあらゆることを強制してきた場面を思い出していただきながら、その瞬間、お母様に支配されている幼い頃の自分の苦しみを感じてあげながら…
「もう、そんなふうに言うことをききすぎなくていいんだよ」
「もう、そんなふうに、あなたを押し殺さなくてもいいんだよ」
「もう、あなたはこれから一人の女性として、しっかりと人生を歩んでいくのだから…お母さんに縛られて、自分のやりたいことを押さえつけなくてもいいんだよ」
ということを、心の中の自分自身に伝えてあげました。
こうして「過去の記憶に縛られ、苦しみに支配されている自分自身」を解放するためには、まず、「支配されなくていい」という許可を自分に出してあげることで、今の不適切な行動を止めることができるようになるんですね。
そして次に、「もう支配されなくていいんだ」ということを充分に子供時代の自分に教えてあげることができたら、今度は「じゃあ、本当はどうしたかったの？」ということを、心の中の自分に聞いてあげます。
「母親の生き方をそのまま自分がインプットしてしまっていた」ということは、それだけ、「自分が本当に生きたかった生き方をしていない」ということです。
子供時代、さんざん犠牲してきた分だけ、我慢に我慢を重ねてきてしまったフラストレーションがたまっているんですね。
ですので、その犠牲になってきた子供時代の自分にどうしたいか尋ね、そして、それをイメージの中で充分にさせてあげる…
それは、たとえば、人の機嫌を伺わずにのびのびと発言することかもしれません。
たくさんたくさん楽しいことをさせてあげて、いっぱい褒めてあげることかもしれません。
喜びを感じながら、たくさんのお友達と楽しく遊びながら、やりたいことや努力したいことを精一杯させてあげることかもしれません。
このように、「心の中で我慢し続け、犠牲し続け、充分に生きられなかった子供時代の自分」を、イメージの中でのびのびと自由にさせてあげることで、潜在意識はようやく「自由に振る舞っている自分」を感じることができるようになるんですね。
この「支配されない感覚」を感じられるようになると、潜在意識は「ああ、私は本当はこんなふうに生きたかったんだ」「そして、私はこんなふうに生きてもいいんだ」というように、ようやく、自分に新しい生き方を許可できるようになります。
心が解放されたら、あとは現実の世界で、イメージの中で感じたように、自分自身に好きなことをさせてあげるだけで大丈夫です。
イメージの中でも、現実の世界でも、要領は同じです。
もっともっとおしゃれがしたかったな…じゃあ、自分がいいなと思えるようなお洋服を買って着せてあげよう。
もっと楽しみながら、趣味のスポーツなどをしたかった…じゃあ、これからやりたかったテニスを習ってみよう。
もっとデートを楽しみたかったな…じゃあ、綺麗なかっこうをして、男性と楽しくお話してみよう（旦那様と一緒にどこかに出かけてみよう）。
こんなふうに、「今の自分の命」を自分のものとして使えるようになればなるほど、どんどん心は喜びで満たされ、過去の苦しみからも、過去のフラストレーションからも解放されていくんですね。
ただ過去を見るだけでは、トラウマに縛られ苦しむだけの人生になり、きっと変化は生まれないでしょう。
けれども、私たちは「過去の積み重ね」で出来ています。つまり、どんなに切り離して考えようとしても、必ず「過去の影響」を受けているんですね。
だからこそ、過去から目を背けることなく、「過去に受けた影響ごと、自分自身をまるごと解放してあげる」ことができれば、どんなトラウマがあろうと、今の自分をありのままに生きられるようになるんですね。
反対に、自分自身が潜在意識の深いところに望まないパターンを植え付けられているにもかかわらず、過去を無視し、無理矢理「今の自分だけを変えなきゃ！」と思っても、きっと「頑張っても自動的な反応が終わらない」というように、苦しみが長引いてしまうことでしょう。
自分自身に「不幸の根」があるのならば、根底から変えていく。
こうすることで、過去からも、過去、自分を支配していた人からも、その人達から与えられた一方的な価値観からも解放され、まったく新しい「あなたらしい人生」を歩めるようになるんですね。
こうして一度、過去を書き換えてしまえば、不幸の原因となっているトラウマは根底から癒えてしまいますから、もう過去の状態に戻ってしまうことも、過去と向き合う必要もありません。
上記の実例で出させていただいたアシスタントA様も、今は愛する旦那様と、お幸せな結婚生活を送っていらっしゃいます。
だからこそ、これからは、どうか「もう支配されなくていいんだ」とご自身に言い聞かせてあげながら…充分に自分を満たし、今まで自分らしく生きられなかった自分自身を解放し、どんどん喜びと自由を与えてあげてくださいね。
そして、A様と同じように、今、苦しんでいる方々が、ご自身の「本当にしたかったこと」や「本当の思い」を取り戻し、ご自身の命を「自分のもの」にできますように、その自由を心からお祈りしております。
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