剣が君

 

アマゾンでの評価が高くてレビューの数も多いので、半年間かかってやっと本編と続編をクリアしました。私の乙女ゲームのトップ5に入っているぐらい、本当に面白くて感動したストーリーでした。私はVita版をプレイしていたんだけど、スイッチ版には本編と続編の「百夜綴り」がセットになっているので、トロフィーは気にしないなら、スイッチ版の方がお得かもしれない。

 

あらすじ 

 

人間や妖怪、鬼が暮らす1633年の日本が舞台となっている和風の恋愛アドベンチャー。江戸に暮らす料理茶屋の娘、香夜(ヒロイン)は久姫と顔が似ているという理由で「花嫁行列」に巻き込まれてしまい、六人の侍(攻略対象)の護衛たちと一緒に駿府城まで行くよう、幕府に頼まれる。そして、幕府は「剣取り御前試合」という武士道の試合を開催し、勝利した侍に褒美と「天下五剣」鬼丸国綱、童子切、大典太、三日月宗近、数珠丸という5つの伝説な剣をを授けられるという。

攻略とエンド回収 

 

格キャラには「剣」と「君」のルートに分かれていて、一人に4種類のエンドが用意されていて、選択肢によって「荒」「奇」「和」「幸」の「四魂」のどれかに分岐されます。メニューから「四魂」の情報を確認できます。

 

「君」の結末は主人公にとっては幸せでハッピーエンドって感じ。

「剣」エンドは攻略対象にとって幸せだ何だけど、概ね切ない方向。

 

乙女ゲームにはよくある殺されてゲームオーバー的な即バッドエンドはなく、どのエンドもしっかりと描かれているのがすごく良かったです。一周目の共通√はけっこう長いけど、個別ルートにもかなりボリュームがあって、サクサクと進められる作品よりもじっくりと時間をかけて楽しめる作品だったという印象でした。

 

プレイ時間:60時間ぐらい

 

キャラクター 

 

黒羽実彰が一番好きそうだったので、最初に攻略して、残りは好きそうな順番でプレイしました。攻略制限がないけど、他のルートのネタバレを防ぎたい場合、おすすめの攻略順でプレイした方がいいかもしれない。

 

おすすめの攻略順:黒羽実彰鷺原 左京or鈴懸九十九丸

私の攻略順:黒羽実彰→九十九丸→鷺原 左京鈴懸

 

プレイ前の好きな順:黒羽実彰> 九十九丸> 鷺原左京> 鈴懸> >

プレイ後の好きな順:黒羽実彰>> 九十九丸>鷺原左京> 鈴懸>

 

キャラの感想を含めて、エンドの結論と感想、そして星をつけて見ました(最大5星)!

 

 

主人公(香夜)

幼い頃、母親を亡くしている料理茶屋の町娘。父親の手一つで育てられ、一緒に江戸の城下で小さな料理茶屋を営んでいる。ごく普通の子に見えるんだけど、亡き母と同じように薙刀の練習に励んでおり、芯の強くてしっかりとしている女性です。状況が状況なので守られる事は多いけど、一生懸命物事をやろうとするし、賢くて鋭いし、思いやりもあって、けっこう気に入ったんです。流される可愛い系の主人公が多いので、こういう強めな主人公が新鮮で好きな主人公リストに入っています!

 

 

九十九丸

鈴懸と同じように幼く見える黒づくめの侍。剣取り御前試合に参加するために、陸奥から江戸へ剣の修行にやってきた。常にカラスバトのハヤトと一緒に行動し、剣に対してはかなり熱心。

 

最初に気づいたのは、貧血を超えているぐらい肌の異常な白さでした。そして、黒髪とのコントラストと包帯に巻かれている腕を含めて、ちょっと屍人のような雰囲気だなと思いました。でも、性格がすごく優しくて礼儀正しいので、どういうキャラなのか最初から気になっていた。それに、パッケージのイラストからすると、真相ルートなんじゃないかなと。

 

秘密は多そうだったけど、表と裏が違いすぎて、ドン引きしました。可愛くて親切そうに見えるけど、実は成長が止まっているマレビトで、本作のヤンデレキャラです。剣に対する情熱が強くて闇に溢れている√だったけど、この√ではタイトルの由来が明かされるので、攻略は最後に回した方が良かったかもしれない。

 

君エンド

幸:5星

人間化して、花畑で主人公と再開するハッピーエンド。その後、二人で料理茶屋を営む事になって平和な毎日を過ごしていく。後日談では、他のみんなと一緒に花見へ行って、主人公にプロポーズする。誰も死なないハッピーエンドが好きなので、このエンドが一番好きでしたね。マレビトの封印を解けたし、大人の身体で人間として生きていけるし、九十九丸にとっても主人公にとっても幸せなんじゃないかな。

 

和:3星

マレビト化し、ヒロイン自らが生贄となり、共に常夜へ沈んでしまう(つまり死亡)。後日談ではヤンデレっぽい歪んだ愛で地獄で束縛し合う。このエンドはちょっとキツかったかな。何も解決されずに死んでしまう絶望的なエンドだったけど、離れ離れになるよりマシでした。

 

 剣エンド

奇:1星

九十九丸がマレビト化し、ヒロインを取り込む寸前に我に返り、己を刺すことで自殺する。その後、マレビトとして復活し、御前試合で惨い殺し方のせいで周りから遠ざけられてしまう。後日談では、九十丸九が料理茶屋で手伝ってから客は減ってしまうので、父親が生活のために別の宿屋で働く。その後、九十九丸は主人公を束縛しようとするけど、鈴懸にバレて二人が戦い、九十丸九が腹切りして死亡。

一番きついエンドだったと思います。離別エンドが一番苦手なんだけど、ヤンデレ、束縛、腹切り、離別。。。重すぎるわ、

 

 

荒:5星

マレビトを封印するために旅に出て、全ての霊場を回り終えてから主人公と再会する。後日談ではマレビトの封印を成功し、主人公のところへ戻ってくる。このエンドは幸せでしたね。長い間離れていたけど、「剣が君」というタイトルの由来が明かされるので、このエンドには重要性を感じました。

 


剣取り御前試合で天下五剣を入手するために、吉備から江戸へやって来た御用聞き。怒りっぽくてキレやすい、物事を率直に言う、多少乱暴な性格で、服装も緩い感じ。見た目的には好みではなかったけど、性格が好みだったので二番目に好きなキャラになりました。

 

実は鬼だとはね。鬼という種族がかなり嫌われていて危険な存在だから、螢は香夜の父親から反対を受けつつ、頑張ってこの壁を乗り越えようとする。粗末な言動との反面、根が優しいし、仕事に対しては意外と真面目です。それに、こういう衝突の多い√がけっこう好きなので、なかなか楽しかった!

 

君エンド

幸:5星

主人公の親父の反対を受けていたけど、レアな花を集めて来いという無理そうな条件をクリアできれば、父親が結婚を認めてくれるとのことです。螢は無事に成功し、吉備国で豪華な結婚式を開いて、鬼の貴族として幸せに暮らしていく。主人公は父親から離れてしまうのはちょっと寂しかったけど、螢と二人で幸せな夫婦として生きていけるのがすごく良かったと思います。父親の厳しい花集めの条件を頑張って成して遂げられた螢も素敵でした。

 

和:2星

主人公の親父に反対を受けてしまい、解決されないまま。民衆から逃げる螢を香夜は咄嗟に追いかけて、一緒に旅に出る。

後日談では、吉備国への長い旅を始めるけど、道中で鬼だとバレてしまう。どこの宿屋へ行っても罵倒を受け、二人が野宿ばかりの人生に。二人とも死んでいないのは良かったけど、罵声を受けながら野宿するのってどう見ても可哀想だし、微妙なエンドでした。

 

 

 剣エンド

奇:5星

螢は御前試合で勝利し、帯刀ができるようになる。街の喧嘩を仲介するのに忙しくて、主人公とはあまり合わなくなったけど、仲間が会えるきっかけを作って、やっと夫婦になる。後日談では、江戸で二人でかくろたちに見つかってくれた家に住むことになり、万事解決。このエンドがすごく好きでした。螢の御前試合の夢を叶えたし、主人公と一緒にもなれたし、主人公は父親と半慣れずに済んだし、めでたしめでたし。

 

荒:2星

優勝したことを告げる手前で鬼と花魁に刺され、螢が死亡する。後日談では、主人公が天下五剣を形見としてずっと隠し持っていたけど、螢の望みを叶えるために徳川幕府に返して、帯刀命令が解除される。このエンドは本当に悲しかったな。やはり片方が死ぬって胸に刺さりますね。

 

 

黒羽 実彰

私の推しキャラです!見た目も性格も好みという訳で、最初に攻略しました!日本人とスペイン人のハーフで、江戸に暮らしている隠れキリシタン。六人の中には一番剣の腕が立ち、誰も勝てないぐらいめっちゃ強い。ハバキ憑きという妖怪が実彰の所持している剣「孫六兼元」に憑依していて、実彰の相棒のような存在。幼い頃に母親を失っているけど、その際オランダ商人に引き取られて育った。クリスト教への信念がかなり強く、習慣のようにお祈りをする。性格は穏やかで読みづらく、他人から一定の距離を置いて、自分の事について語らない秘密主義者です。

 

昔の仕事で何人かを殺してきて、その中には罪のない女性だったため、過去の罪を悔いながら孤独で生きてました。なので、剣で人を殺すのに抵抗があり、殺すより気絶させるような闘い方をするようになったんです。ハバキ憑にとって血は餌のようなものなので、実彰が「孫六兼元」で血を流さないようになった事に対しては不満のようです。

 

草食系満々の実彰はなかなか行動しないので、ハバキ憑が色々背を推して色々なきっかけを作ってくれて、やっと結びついたって感じのルートでした。

 

 

君エンド

幸: 5星

ヒロインと共に隠れキリシタンの住まう島へ移住して、剣を教会に預けてもらう。後日談では、クリスマスを祝って幸せに暮らしていく。主人公はお松ちゃんと父親と手紙でやり取りをし続く。これが一番好きなエンドでしたね。確かに主人公は江戸や家族から離れてしまうことになるけど、別の土地で新しい生活を一からスタートするのもいいんじゃないかな。このエンドのスチルもとても素敵で、一番好きなスチルでした。

 

 

和: 3星

剣を捨てて、ヒロインと共に料理茶屋を切り盛り、新作料理を主人公に試させたりして、幸せに暮らしていく家庭的なエンド。父親が再婚して、お店は実彰に任される。もう誰も殺さなくていい実彰にとっては一番幸せな結末だろうか。このエンドは確かに幸せなんだけど、侍だった実彰が料理人になるのってちょっと違和感を感じたというか、微妙なエンドでした。最強の侍だったから、料理するイメージがあまりにも不似合いだと思っていた。でも実彰は確かに一人暮らしだったし、自分で材料を調達しに行っていたし、納得しました。幸せなエンドとしては良かったけど、個人的に好みではないかな。

 

 君エンド

荒: 2星

剣の道を選び、侍として幕府の下で昔のように妖怪退治と犯人殺しをしながら手を染めていく。後日談では多忙な毎日が続き、主人公と月に一回しか会えない。罪の手で罪悪感を耐えられず、主人公に「さよなら」と言って別れる切ないエンドでした。自分の罪深い人生に巻き込みたくないからかもしれないけど、二人にとっては不幸でしかないエンドだったと思います。血を流すのが嫌いな実彰が幕府の下で犯人殺しをするだけではなく、恋人と別れるという切ない結末。何も解決されずに終わりという感じでした。

 

奇: 2星

マレビトを封印するため、命と引き換え、黒羽が死亡する悲劇的なエンド。大怪我をした七重と鼓は実彰の家に住むことになる。後日談では、主人公はハバキ憑きの剣を七重たちから取りに行き、ハバキ憑きに守られながら一人で生きていく。

 

この作品では唯一泣いてしまったエンドでした。私は涙腺が強くて滅多に泣かないほうなんだけど、眠れなかったぐらいこのエンドが悲しすぎでした。実彰が大好きだったし。主人公は一人ではなく、ハバキ憑きと一緒にいられるのは良かったけど、実彰の家に住んでいる七重と鼓の幸せを見ながら生きていくのがすごく辛いんだろうなと思いました。

 

 

 

本作のチャラ男。着物も言動も派手でムードメーカー的な存在。お酒好きでマイペースな性格なんだけど、主人公に対しては優しい。というか、女性全員に対しては優しいかも。でも実は幕府の徳川家光の養子、本名は松平信春で、かなり意外な展開でした。育ちはかなり厳しくて期待に応えられなかったので、このようなルースな大人になってしまったんでしょうか。天下五剣の数珠丸を運ぶための、花嫁行列の本当の理由を知っている一人でもあります。チャラ男はタイプはダメではないけど、正体や辛い育ちを知ってからも、好きなれなかったんです。最後までお調子者って感じで、お酒好きなところも苦手だったから、好きな順の一番下のまま。

 

君エンド

幸:3星

役目は解決してない上、失踪する。主人公と夫婦になって、一緒に白河で百姓(農業者)として生活する。後日談では風雨で畑が荒らされ、食事に困る。お兄さんの助言と商人との交渉で、薩摩芋を多量入手できて飢饉を何とか避けられたけど、商人に芋を売ってくれたのが縁の父親である徳川家光だったと判明。やはり親はいつだって子供を助けてあげるってことですね。

 

こういう家庭的なエンドって確かに幸せなんだけど、ちょっとつまらないと思っていた。それに、農業生活は色々大変そうだし、幕府から逃げ出して主人公も父親から離れる事にもなったし、何も解決されていないような気がしました。

 

 

和:4星

「三日月宗近」の剣を本来の主に返上する前のやり取りが中止。役目から解放されて、螢の家で居候し、江戸で御用聞きとして仕事を手伝うことになる。後日談では、茶屋を放火しようとする犯人たちを捕まって主人公を助ける。螢の家から追い出されてから、長屋で一人暮らし。

 

「幸魂」より好きだったかな。お酒好きの調子もののままなんだけど、ちゃんと仕事をやっているし、主人公と一緒にいられるし、全体的に良かったです。

 

 剣エンド

奇:4星

任務を失敗し、死にかけて記憶喪失になる。主人公に出会った事も共に過ごしたことも覚えておらず、自分がなぜ養子になったのか、なぜ天下五剣を預かっているのか、何もかも忘れている。後日談では、主人公に会いたくてお城から抜け出そうとするけど、なぜそうしているのか、理由が分からない縁。行った事のある場所へ行くと、フラッシュバックで頭痛に苛まれてしまう。過去について誰も教えてくれない。思い出さずにいる縁と主人公の関係が最初からスタートする切ない結末。

 

「きみに読む物語」という映画の記憶喪失と似ているような感じですね。記憶喪失って凄く辛いだろうけど、個人的にけっこう好きなエンドでした。主人公との関係を最初からやり直すことなるけど、完全に忘れているように見えなかったし、いつか思い出すという希望も捨てきれないので、ちょっとロマンチックだったと思います!

 

荒:1星

神下ろしに成功してから、縁が死亡する。一人に残された主人公が、江戸城で長七郎にお仕えすることになる。後日談では江戸城で暮らし、お城の皆の気遣いと辰影との話で主人公の寂しさが多少軽減する。離別エンドが本当に好きじゃないんです。二人で死亡するか、二人で生存するかのどっちの方が好きなので、1星。

 

 

 

鷺原 左京

美人の女性だと見間違える程綺麗な顔と、紅いアイメイクをつけている優雅な侍。伏見藩の名家鷺原家の長男で、復讐のために浪人になって江戸へやってきた。可憐な表とは裏腹に、妬み深くて腹黒い。両親と姉を殺した鬼に対する憎悪が強く、復讐を果たすためなら手段を選ばない冷徹さも持っている。本音と建前の区別が全員の中には一番分かりづらいキャラだったと思います。

 

ヤンデレとは言えないけど、過去の出来事のせいか、心が闇に蝕まれているような印象で、彼の冷酷な行動と復讐へのこだわりを理解できなくはないかな。大事な家族が無惨に殺されたしね。人気投票を見れば、かなり好かれているキャラでファンの中にはけっこう人気のようです。私は好きでも嫌いでもなかったかな。闇深いところはあるんだけど、外見が本当に美しくて気品もあって、全体的に好印象でした。

 

君エンド

幸:5星

仲間に助けられて仇討を成功し、主人公と一緒に江戸で寺子屋を開く。後日談では江戸の寺子屋を二人で切り盛り、幸せに江戸で暮らしていく。このエンドが一番好きでしたね。鬼への憎悪を少し克服できたし、二人で先生としてやっていく姿も可愛かったです。このルートでは左京が大きく成長したなと感動しました。

 

和:4星 

仲間の援助のおかげで仇討を成功し、山城国へ帰る。結婚のために主人公が他の皆に守られながら、山城国へ向けて花嫁行列をする。後日談では左京が大名になり、二人は貴族として山城国で生きていく。千早という子供も生まれてくる。

 

全員の中に子供ができる唯一のエンドだけど、他のキャラの子供も見たくなったんです。貴族や大名の家族と言えば、縁の子供の頃のように色々厳しそうなんじゃないかな。多くのルールに縛られているし、薙刀をやっていた普通の町娘だった主人公が貴族として生きていくのって、ハードルが高そう。でも一応幸せな結末だったし、子供も見られたし、エンドとしては良かったです。

 

 

 剣エンド

奇:1星 

殺人鬼と化して左京が死亡する。主人公は嘆きながら一人で生きていく。後日談では主人公は左京が死亡した池へ戻り、左京の幻を見て、抱きしめようとする。幻覚を見たことで寂しさが少し楽になり、他の皆にも励まされる。また離別エンドですね。でも、ただ死ぬだけではなく、殺人鬼になった左京を見たら、ちょっと怖かったです。何も解決されなかったし、二人とも不幸の淵に落ちこぼれてしまう絶望的なエンドでした。心を痛めますね。

 

荒:2星 

殺人鬼と化した挙句、ヒロインを殺して自分も死亡し、二人で地獄へ落ちる。後日談では幸せな夢だったけど、起きたら業火の中に2人で焦がれていく。離別ではなくて良かったけど、業火で燃やされるシーンがあまりにも残酷すぎでした。

 

 

 

鈴懸

本作のショタ系…と言うべきでしょうか。可愛かったけど、私の一番苦手なタイプなので最後に残しました。高尾山で天狗に育てられ、妖怪と一緒に生きてきたので、人間としての知識が非常に乏しい。武士道だけではなく、医療術を心得ている。純粋で裏表のない可愛い子供のような青年で、御前試合に参加するために江戸へやってきた。人との関わりがなかったので、恋愛に関しては結構初心で、常識的なことについても疎い。それに、人間と妖怪の間にある蟠りに日々悩まされている。

 

いつもニコニコしていて、連れられている子犬のような存在だったなと思いました。マダラとハチモクという2匹の妖怪の友達がいて、人間に化けると少女と少年になります。ショタ系は苦手だけど、鈴懸がちょっと可愛かったなと思います。それに、街の貧乏人を助けるために医療場を開いたりする心の広さも素敵でした。普通の医者って莫大な医療費を要求するしね(笑)。恋愛対象というより可愛い弟って感じだったけど、ショタ系って全員そんな感じに思ってしまうんですね。

 

 

 

君エンド

幸:5星

御前試合を放棄して江戸で医者としての道を選ぶ。高尾山に行くのは長七郎だけで、医療術のライバルだった神威と仲直りも成功する。後日談では、主人公が流行り病にかかってしまい、鈴懸が一生懸命特効薬を調合し救った。二人が幸せに江戸で医療場を構えて、普通の医者の医療費を払えない貧乏な人たちを診る。

 

御前試合を放棄したのは残念だったけど、他に色々解決されたし、不憫な人たちを一緒に助けるエンドってけっこう好きです。それに、鈴懸の医療術のスキルを活かせることだけではなく、神威と仲直りもできたし、主人公と一緒にもなれたし、純粋で幸せいっぱいな結末だったと思います。

 

和:4星

主人公の怪我で御前試合を放棄して長七郎を匿い、二人でマダラたちと一緒に高尾山へ行く。後日談では、高尾山さんで家族らしく生活することになる。徳川が長七郎を探すためにやってくるけど、妖怪の協力で追い払った。このエンドも悪くなかったかな。逆戻り感は少しあったけど、妖怪たちと仲良く暮らせる二人の姿が素敵だったと思います。

 

 剣エンド

奇:1星

御前試合が始まる前に妖怪が江戸に来る。「止めてくる!」と飛び出す鈴懸なんだけど、妖怪を庇って主人公の目の前で鈴懸が死亡する。後日談では主人公が鈴懸の声を聞き、高尾山へ向かう。カルラに鈴懸の幽霊を見せ、こんな風になんとか思いを通わせた。これもまた本当に切なくて寂しい離別エンドでした。

 

荒:3星

御前試合で縁と実彰に優勝し、家光の懐刀になり、多忙な毎日を送ることになる。数少ない空いた時間に主人公と逢瀬。マダラたちは長七郎を連れて高尾山に帰る。後相談では、家光の祭り作戦のおかげで、主人公と一緒に楽しい一日を過ごせたけど、すぐ後に城へ戻り、短時間しか会えない逢瀬の関係が続く。

 

幸せでも不幸でもない微妙なエンドだったけど、侍としての役目を果たせながら主人公には会えているので、二人にとっては最低限の幸せって感じだったと思います。誰も死んでいないのがマシだし、実彰のように、さよならと言って別れることもなくて良かったです。

 

スチル 

 

イラストレーターは「読」さんで、どれも綺麗で繊細なスチルばかりで数も多いです。一人につき22枚、コンプリートボーナスは2枚、分差あり。メインストーリーの他に後日談のスチルもあるので、全てを回収するには全てのエンドと後日談をプレイしなければならない。欲しいところにスチルをもらえるのも凄く良かったし、甘いスチルもあって満足しました!

 

総評 

 

深くて切ないのストーリーと、しっかりと描かれているエンドが本作の醍醐海だったと思います。共通√以外に金太郎飴はほぼなくて、個別ルートにもかなりボリュームがあるので、本当に飽きないんです。暗い雰囲気で悲劇的な要素や殺しは多いけど、恋人までの経緯や恋愛発展、後日談などが丁寧に描いています。よくある殺されてゲームオーバー的な即バッドエンドがなかったのもありがたかったです。

 

共通ルートは大体4章までで一周目を長く感じていたけど、スキップ機能は中々早いので割と楽に個別ルートまで進められました。欠点と言えば、恋愛までの発展がかなり先にあります(個別ルートの中盤辺りから始まる)。

 

甘くてふわふわした、糖度の高い作品を求めている方にはおすすめできないけど、切なくてロミオアンドジュリエットのような悲劇的な和風物語に興味のある方にはぜひおすすめしたい作品です。私の乙女ゲームトップ5にも入っているぐらい大好きな作品になりました!

 

この方にはおすすめ

  • ボリュームのある作品をプレイしたい
  • 切ない物語が好き
  • 和風や時代ものが好き
  • 糖度よりストーリー重視の作品が好き
  • 歴史にちょっと興味がある方(詳しくなくても大丈夫)

 

この方にはおすすめできない

  • 軽くてふわふわしたストーリーが好き
  • 流血や殺し合いが苦手
  • 糖度を求めている
  • サクサクと進めたい方
  • 長い文章が苦手
  • ヤンデレが苦手

 

総評:5星

ストーリー:5星

キャラ:5星

スチル:5星

音楽:4.5星

糖度:3星

長さ:60時間前後

難易度:2星(攻略を見れば1星)