オズマフィアをやっとクリアしました!同じマフィア系であるピオフィオーレの晩鐘が好きでマフィア✖️童話という珍しい設定が面白そうだなと思って、そしてフォローしている乙女ゲームのユーチューバーさんにも勧められていたので、購入しました!
あらすじ
記憶喪失の主人公のフーカは、見知らぬ街で突然現れた男に殺されそうになったところ、街を支配するマフィアの一人に助けられ、彼らの屋敷でお世話することになる。マフィアが5つのファミリーがあり、組織同志の争いが絶えない。フーカは自分が誰なのか、記憶をどうなっているのか、そして記憶を持たない理由とは。。。
ストーリー感想
人気な欧米の童話がベースとなっている作品ということであちこち童話のネタは出てきたりするけど、童話を知らなかくても充分楽しめると思います。私は「オズの魔法使い」や「ヘンゼルとグレーテル」くらいしか読んだことはないけど、童話が割と好きなので、ゲーム内で出てきた童話との関連性を調べたりして、中々興味深かったです!
ストーリーはピオフィオーレとは違ってギャグに溢れ、キャラの掛け合いもきっと笑っちゃうぐらい面白いので、全体的に明るい話です。マフィアって一応犯罪組織なので、殺し合いや暴力的な要素は少々あるけど、エグいシーンや流血などが微度レベル。バッドもないけど、その代わりにグッドの他にノーマルエンドがあります。
大きな欠点は、共通がめっちゃ長いです。その上、攻略対象が10人で乙女ゲーム的には数多いので、既読スキップしているばかりのような感覚でした。ストーリー自体は悪くはないんだけど、金太郎飴感をすくめて選択肢が普段より多いので、飽きやすいと感じました。
10人をクリアすると、エピローグとグランドフィナーレが解放されます。いわゆる真相ルートっです。この二つの√だけでは、なぜかの理由でフーカーがボイス付きになっています!声は可愛らしくて似合っているなと思っていたけど、なぜ最初からそうしてくれなかったのかは謎です。
アフターエピソードもいくつかあるけど、数分程度の短さだけでちょっと物足りなかったかな。もう少し掘り下げてくれれば良かったのと思います。
総合プレイ時間:40時間
キャラクター
キャラが全員かなり個性的で、ストーリーよりキャラの方が面白かったと思います!攻略対象は10人、攻略制限のキャラはハーメルン(ロビン・フッドをクリア後)とソウ(全員クリア後)。オズの3人には、他の二人に乗り換えルートもあるので、ストーリーを100%にするためにオズは3人ごとに3回プレイしなければならない(総合9回になる)
攻略順:キリエ→カラミア→アクセル→ロビン・フッド→ハーメルン→パシェ→スカーレット→シーザー→オスカー・ワイルド→ソウ→エピローグ→グランド・フィナーレ
プレイ前の好きな順:キリエ>カラミア>ハーメルン>パシェ>ソウ>アクセル>スカーレット>シーザー>ロビン・フッド>オスカー・ワイルド
プレイ後の好きな順:カラミア>ハーメルン>シーザー>キリエ>ロビン・フッド>スカーレット>アクセル>パシェ>ソウ>オスカー・ワイルド
フーカー(主人公)
フーカが本作の一つの残念な点だったと思います。嫌いわけではないけど、頭が悪すぎて共感の欠片もなかったのです。キリエあたりに頭が良くないなどよく馬鹿にされ、明確に危険なことに全力で飛び込んだりする、お考えなしの行動も多くてなんかイライラしました。
性格は明るくて誰も咎められないポジティブな子なんだけど、記憶喪失のせいか常識的に色々欠けています。例えば、空気を読まずに失礼なことを言ったり、明らかな嘘に容易く騙されたりして、全体的に苦手な種。こういうキャラに共感できるレイヤーが少ない印象でした。でも、本作には乗り換え√や心外すぎるオスカーワイルド√があるので、このようなお花畑さんじゃないと成立しないでしょうね。
カラミア(オズの魔法使いのライオン)〜真ん中
オズファミリーのボス。おおらかな性格で面倒見もよく、街の人々に慕われている。推しキャラがまさにカルミアでした!キリエの方が人気のようだけど、個人的にこういう面裏のない優しいお兄さんタイプが好きです。元々臆病なライオンだったけど、旅で勇気を入手し、かっこいいリーダーのような存在になったカラミアが素敵だなと思いました。どの√でも主人公に対しては優しかったので、乗り換え√は胸に特に胸に刺さりましたね。全体的に普通の恋愛って感じなので、最初に攻略するのが一番いいかな。
キリエ(オズの魔法使いのカカシ)〜左
オズファミリーの相談役。面は優しそうで常に敬語で話すんだけど、これ以上ないほど毒舌マシンガン。口から出る言葉の殆どが皮肉爆発って感じで、腹黒の代表とも言えるでしょう。慇懃無礼というのが適切かな。自分の√のキリエが読みづらくて主人公をただ利用しているようにしか見えなかったので、最初はちょっと苦手だったけど、他の√をプレイしている内に結構好きになりました。キリエのブラックユーモアがめっちゃ面白かったし、とんでもない発言にも何度も笑わされました。一体どうやってこんな発言をスパッと思いついているんだろうと。。。旅で知恵を得たからかもしれない。知能が異常なほど高いせいか、他のみんなの記憶が消えてもキリエだけがすべてのことを覚えていて、ちょっと可哀想だったと思います。忘れたくても忘れられないってのが辛いでしょうね。
アクセル(オズの魔法使いのブリキ)〜右
オズファミリーの幹部。物静かで命令された事以外はしないが、根が優しくて純粋。アクセルはタイプじゃないけど、正反対の性格であるキリエとの掛け合いがユーモアに溢れていて、見るのが楽しかったです。キリエたちには新品(いわゆる童貞?)とか「むっつりスケベ」など色々呼ばわりされていたけど、恋愛経験が皆無というところがちょっと可愛かったと思います。恋愛に興味が全くなさそうなので、一体どうやって恋人になるんだろうと疑問に思っていたけど、意外と丁寧に描かれていてすごく純粋で素敵な恋物語って感じでした。
ロビン・フッド(中世イギリスのロビン・フッドという伝説の人物)
街のたった一人のお医者さんで、中世ヨーロッパの医師が身に付けていた鳥のようなマスクとローブをいつも着ている不思議なキャラ。私も医師なので、医者キャラが出てくるとつい気になります。性格は穏やかで冷静、そして極めて論理的。合理的な思考を持っているところってやはりお医者さんらしい!
このルートはかなり意外でした。実は昏睡状態の奥さんを回復させるために、診療所の奥にある部屋で彼女を特別な機械の中に寝かせながら、治療を追求しているんです。どっちのエンドでも、主人公と結ばれる幸せな結末になるんだけど、主人公が奥さんから自分へ乗り換えさせたような感じでちょっと違和感はあったかな。奥さんへの執着があまりにも強かったので、その切り替えの早さにはびっくりしました。でも、仮面の下にはめっちゃイケメンですよ!まさか金髪碧眼で顔も整っていて。。。いつも隠しているのがもったいない!
ハーメルン(グリム童話のハーメルンの笛吹き男)
グリムファミリーのボス、部下からは慕われている。元々暴力を好まない優しい人だったけど、ある理由で狂ってしまい、大事件を起こしてロビン・フッドの奥さんに手をかけた張本人です。そのため、街から追放され、グリムのボスが長い間不在のまま。笛で元々動物だったカリミア、シーザー、パシェ、そして子供であるアンデを暴走させたりする厄介な男なので、恋愛対象になれるのかなと好奇心でプレイしました。
ハーメルンがめっちゃ好きでした!彼の優しい一面は自分とスカーレットの√しか見られないんだけど、凶暴化された理由がすべて真相√に明かされる。ロビン・フッドが復讐のためにハーメルンを殺そうとするけど、マフィアのボスとして死ねないので、失敗に終わってしまう。犯した罪と死ねないということに対して悔やんでいるみたい。その上、永遠に牢獄に閉じ込められて可哀想!幸せなエンドもないくて残念だったと思います。すごく気になったキャラなので、出番の少なさにはちょっとがっかりしたんです。自分の√には、後編まで全く登場せず、恋愛展開もオズたちに比べたらなんかあっさりしているなと感じました。ところで、彼の「泣けるね」というよく使っていたセルフ、めっちゃ好きでした!
シーザー
無法者の集団「ウォールフガング」のリーダー。フーカーを何度も殺そうとする暴力好きな男。ソウと一緒に森に住んでいるけど、家事や料理などは全部ソウに任せている。そして、肉以外の食べ物が苦手のようで本当に狼らしい。外見はあまり好みではなく全然興味ないキャラだったけど、意外と甘くてかっこよかったです!
最初はフーカーを「獲物」扱いしていたばかりだったけど、だんだん好きになっていくというゆっくりした恋愛展開が素敵だったと思います。殺そうとする理由は真相√では判明されたんだけど、まさかソウの仕業だったとはね。変な組み合わせだと思っていたけど、納得できました。
シーザーは確かにヤンキーのような暴漢なんだけど、実はいいやつで簡単に照れちゃいます。このギャップ萌えがこの√の醍醐海だったと思います。フーカーにプレゼントを送るためにソウの屋台で働いたりする姿に惚れちゃいました(笑)
スカーレット(グリム童話の赤ずきん)
グリムファミリーの幹部、人見知りで極力暴力を避けようとする平和主義者。幼くて可愛い外見のせいかフーカーに女性に間違われたので、身長と童顔が気になっている。ショタ系は好きではないので、攻略を先延ばしにしたんだけど、√自体が悪くはなかったと思います。フーカーとの関係よりも、スカーレットとハーメルンの関係、そしてハーメルンの本当の優しい一面が垣間見えるところの方が好きでした。グリムのボスになったスーツ姿のスカーレット、かっこよかったです!
パシェ(長靴をはいた猫)
長靴ファミリーのボス。とても律儀で規則に厳しい女性騎士。この√は恋愛ではなく友情√。乙女ゲームではこういうのはあまりないけど、思っていたより面白かったです。パシェの言動が騎士らしく頭が固い反面、フーカーはか弱い可憐な女の子。反対のもの同士は引き合うと言われているし、フーカーとパシェはまさにそうだったと思います。でも、パシェはアクセルを好きになるという設定がちょっと意外でした。拒絶されたのは可哀想だったけど、フーカーとパシェの友情に大きな展開をもたらしたんじゃないかな。
騎士のパシェはめっちゃかっこいいけど、甘いものを食べたりお店に飾っているドレスに関心したりする女性らしいの一面も可愛かったです。強い女性のボスとして結構気に入っていたので、マフィアを解散させて菓子屋を開店するエンドはちょっと微妙だったかな。マフィアを諦める必要はなかったと思うけど。。。でもスチルが綺麗だったので良しとしましょう!(笑)
オスカ・ワイルド(アイルアンドの作家さんで、キャラは彼の作品「幸福な王子」と「ドリアン・グレイの肖像」をイメージした)
娼館「オスカー・ワイルド」の三人ルート。ドリアン・グレイが支配人、アリファーニが男娼、そしてマンボイが受付兼雑用係。風俗をやっているということ自体が他の√でも丸見えだったけど、てっきり普通のマンボイ√かと思っていたけど、大違いでした!全√の中に一番衝撃的だったとは過言ではない。
実は3人を同時に攻略する娼婦のルートで、フーカーはドリアンに睡眠薬とか催眠剤のような薬を盛られ、娼婦として働かせる。ドリアンとアリファーニにレイプされたような匂いが強かったけど、明確な描写はなかった。でも、フーカーは起き上がった時に身体がなぜ痛いのかとか、お腹に誰もいなくて良かったとか。。。のようなセリフを言ったりするので、やはり性犯罪に遭われたような気がします。最終的にキリエに見つかれるけど、ドリアンに洗脳されたフーカーはもう完全に娼婦になり、救いようがなかった。たった一人の優しいマンボイとの幸せな結末がなくて本当に残念。バッドにしか見えない二つのエンド、ご馳走様でした。。。
ソウ
シーザーの右腕で彼のお世話焼き。戦えない反面、料理と家事が得意で街では屋台を経営している。すごく優しくて人懐っこいので、なぜ暴漢であるシーザーと一緒にいるんだろうと、本作の大きな疑問点でした。若くて可愛い男ってあまりタイプではないけど、フーカーとお似合いで可愛かったと思います。ちょっと兄弟っぽく見えるかも(笑)。
屋台での何気ない会話や一緒に街から逃げ出そうとするシーンなど、まるで青春って感じだったと思います。ソウはめっちゃ素直で躊躇いなく可愛いとか好きなど、恥ずかしい言葉をすんなりと言えるところが結構好きでした。でも、エンドではソウが何の説明もなく消えてしまうので、ストーリー的には謎だらけの√でした。理由は真相ルートでは明かされるけど、幸せな結末だったとは言えないかな。
エピローグとグランド・フィナーレ
すべての√をクリアしてから解放されるエピローグと真相√。主人公がボイス付き。
個別ルートには疑問点が多くて説明不足のところも多々あったので、すべての謎が明かされるフィナーレが本当にありがたい。てっきりフーカがドロシーだと思っていたけど、実はドロシーの分子のような存在で、成長できないドロシーの理想の女性。つまりドロシーがなりたかったけどなれなかった存在ということです。
一番衝撃的だったのは、シーサーとハーメルンを凶暴化させたのがソウ。。。これは心外でしたね!すべてがドロシーのためだったけど、シーサーとハーメルンが結構好きだったので、ちょっと心に刺さったかも。でも、二人が元々優しかったということには安心しました。ソウの存在は街の塔であり、彼には記憶を消せる忘却のような力を持っています。街の全員の記憶からフーカの存在を消そうとするけど、優れている脳を持つキリエだけには効かず、一緒に旅をしていたドロシーのことまで何もかも覚えてしまうキリエ。結局フーカが戻ってきてハッピーエンドで終わるけど、大好きなシーザーとハーメルンの不幸な結末だけが気がかりでした。でも、色々なところが細かく繋がっていて、最終結末としては悪くはなかったと思います。
糖度:3.5星
糖度は高めだった印象。ベッドシーンとか風俗√、そして性的なセリフも多々出てくるので、全体的に高く感じました。でもほとんどが描写だけでスチルの数が少ない。オズ以外のスチルはもっとあれば4星にしていたけど、糖度のバランスが√によって結構偏っていたので、3.5にしました。
グラフィック・音楽:3星
イラストはさとい氏が手がけているんですごく綺麗でした。ふわっとした柔らかい輪郭が童話にはぴったりだったと思います。スチルはオズ3人以外には結構少なかったけど、どれも綺麗でした。もう少しあれば良かったかも。音楽はあまり印象的ではなく、普通って感じでした。
システム:3星
フローチャートがあるので、攻略とエンド回収がすごく分かりやすかったです。それに、√の開放条件もちゃんと書かれているので、攻略サイトを見なくてすべてのエンドを自力で見られるぐらい低難易度。スキップ機能は早かったけど、選択肢ジャンプがなくて残念でした。選択肢が多いので、入れてくれればプレイしやすくなったんじゃないかな。
総評:3星
不満な点は少々あったけど、全体的にオズマフィアをめっちゃ楽しめました。一番良かったところがやはり、キャラの掛け合いでした。特にキリエの皮肉爆発の地雷発言、これほど面白いキャラはいないぐらい何度も笑っちゃいました。マフィアという設定って真面目そうイメージはあるんだけど、オズマフィアがもっと軽くてふわっとした感じでギャグも多い。物騒なのはオスカーワイルド√ぐらいかな、心外すぎて驚愕しました。
良かった点
- ギャグが多くてキャラの掛け合いも抜群
- さとい氏のイラストが綺麗
- フローチャートのおかけで攻略しやすい
- 攻略対象が多い
- 糖度が高め
- 童話というイメージが面白い
- サクサクと勧められる
気になった点
- 主人公の頭が常にお花畑状態で共感しにくい
- 共通は長いので、金太郎飴感が強い
- 選択肢がとても多い
- 風俗√が残念だった
- アフターエピソードは短い
- 期待していたマンボイエンドがない
- 一部のキャラには幸せなエンドがない
- 乗り換え√の必要性を感じなかった。
おすすめできる方
- 童話やギャグの多い話が好き
- 三角関係・乗り換え√に興味ある
- 風俗要素でも平気
- サクサクと進みたい
- バッドエンドが苦手
おすすめできない方
- 深くて真面目なストーリーを求めている
- 乗り換えや風俗が苦手
- お馬鹿さんの主人公が苦手
- 好きなキャラだけをプレイしたい
- バッドエンドが好き