レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)のドキュメンタリー的な 『 The Song Remains The Same [永遠の詩 (狂熱のライブ)] 』の映像,およびサウンド・トラックが収録された,1973年北米ツアー千秋楽のマディソン・スクウェア・ガーデン 3夜連続(7月27日~29日)公演.

 1973年北米ツアーは,5月4日ジョージア州アトランタのアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアム公演を皮切りに,6月3日カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラム公演まで,18公演が行われたファースト・レグ.
 約1ヶ月間のオフを間に挟み,7月6日イリノイ州シカゴのシカゴ・スタジアムを皮切りに,7月29日ニューヨーク州ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン公演まで,18公演が行われたセカンド・レグ に大別され,記録用として収録していたサウンドボード音源(故に完全では無い)が,相応の数流出しており,色々なタイトルで,数々のレーベルからリリースされているのは,ファンならばご存知の事と思います.

 先日,この北米ツアーのファースト・レグ中盤に当たる 5月13日アラバマ州はモービルのミュニシパル オーディトリアム公演のサウンドボード音源を収録した 『 Definitive Mobile 1973 (No Label) 』 ,5月26日ユタ州ソルトレイク・シティはソルト・パレス公演のサウンドボード音源を収録した 『 Salt Lake City 1973 (No Label) 』 がリリースされましたが,今度は 2nd レグ 序盤の 7月12日ミシガン州デトロイトはコボ・ホール公演の 2種類のオーディエンス録音を収録した 6枚組の 『 Detroit 1973 (No Label) 』 です.

 既発では 1995年に Lemon Songレーベルから 『 Detroit Rock City (LS-7218/7219/7220) 』 が,2011年に Graf Zeppelinレーベルから 『 Detroit Rock City 1973 (LZSC-010A/B/C) 』 等がありますが,最近では同日のタイトルは余りリリースされていない状況です.

 両オーディエンス録音とも音像が若干遠く,低音部は籠った感がありますが,充分聴く事がどきる音質です.Recorder 2 の方が,Recorder 1 に比較して輪郭が少しぼやけている感があります.それぞれ欠損している部分を補填しあっての 6枚組リリース.

 正直,ロバート・プラント(Robert Plant)の立ち上がりは,絶不調という感じです.
 1ヶ月のオフを挟んでいるにも関わらず,喉の疲れから来ているのか,あるいは噂通りオフの間に喉の手術(1973年説,1974年説 等,諸説有)をしているのか,ある意味,恐る恐る発声してる感がありありで,導入部の 5曲程度(”Rock And Roll” ~ ”Misty Mountain Hop”)は,声が出ていません.この ”Rock And Roll” を聴くと正直テンション下がりますね(笑)
 そして中盤の ”Since I've Been Loving You” 辺りから,やっと声を出す(出る)ようになります.
 ”Heartbreaker” では ジョン・ボーナム(John Bonham)が何時もと異なるプレイをやろうとしてるようにも聴こえますが,ただ乱れて叩いているだけのようにも聴こえます.後期の レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)では,時々あるのですが,一人くらい無軌道やチューニングが狂っていても,そのまま演奏を止めずに継続してしまうというのは流石というところでしょう.

 導入部のロバート・プラントの状況はあるものの,”Since I've Been Loving You” 以降の演奏はヴォーカルを含めてバンド全体として素晴らしく,ファンの間でも名演と言われているので,ファンであれば必聴でしょう.

 それにしても,リリース告知半日で 50枚予約って,やはり根強いファンがいますね.間もなく完売でしょうか.
 「 6/3 ★レッド・ツェッペリン「DETROIT 1973」のナンバー入りシール・ステッカー付きは予約完売致しました。お問合せ多数の為、急遽50セット(No.51~100)を用意させて頂きました。★今週末までのオーダー分に限り、ボーナス・ディスク「DETROIT 1973 EXTRA DISC」(プレスCD)をお付け致します。
     ::::
 「 6/7 ★レッド・ツェッペリン「DETROIT 1973」のナンバー入りシール・ステッカー付きは完売致しました。お問合せ多数の為、急遽20セット(No.161~180)を用意させて頂きました。
 「 6/20 ★レッド・ツェッペリン「DETROIT 1973」のナンバー入りシール・ステッカー付きは完売致しました。お問合せ多数の為、急遽20セット(No.181~200)を用意させて頂きました。

 メーカー情報では
 『ZEP1973年7月12日のデトロイト。それはロバート・プラント好不調のムラが激しかった73年アメリカ・ツアーのセカンドレグにおいて、名演中の名演との誉れ高き一日。
 実際ファンサイトでも「第2レグでは初の楽しめる一品」あるいは「This is one of the greatest Led Zeppelin concerts ever! A killer show」とまで絶賛されている。それほどまでの名演の割に、マニア以外の間で知名度が低いのは、この時期に存在するPAアウトのサウンドボードやシアトル程の優等生オーディエンス録音でなかったことが災いしたのでしょう。かといってB級録音かと決めつけてしまうのは早計。
 音像はなかなかにオンであり、むしろたまに入ってくるマイクの摩擦音、あるいはテーパーの持つマイクが動いて定位が揺れてしまうことなどがマイナスイメージと映ってしまったのかもしれません。それでもなお十分に良好な音質であり、こうした細かな欠点だけに気を取られて敬遠してしまうのはあまりにもったいない一日。むしろ、今まで本音源を聞いたことのないマニアなどが耳にすれば、意外と聞きやすい録音状態であることに驚かされるはず。
 そんな名演デトロイトですが、つい最近になって何と別のオーディエンス録音が発掘されました。よってこれまでマニアの間で静かに親しまれてきた音源が「recorder 1」となり、今回の音源を「recorder 2」と称するべきでしょう。前者はステレオ録音でしたが、今回の新発掘もまたステレオ。単純比較になると「recorder 1」の方が音像が近くて良い音質なのですが、「recorder 2」も中々にイケている。ただし「recorder 1」は先のような点が玉に瑕であったのに対し今回の音源はヒスノイズのレベルが強めなのが難点かと。そういった意味ではどちらもヘッドフォンで聞くのは避けた方がいいかもしれません。
 だからこそ凄まじい名演であるにかかわらずメジャーなZEPライブのレア音源という域には到達できず、演奏を聞き込めるマニアにこそ愛されていた一日であったのではないでしょうか。それでいて最近になって新たな音源が登場したという意味では、77年のデストロイヤー二日目に相通じるものがあると言えるでしょう。

 そこで今回は最初の三枚のディスクに「recorder 1」をメインとし、補填要員として「recorder 2」を使用。これにて「recorder 1」のベスト・バージョンが仕上がります。
 もっとも「recorder 1」に関してはトランスファーされた状態がまったく異なるバージョンが二種類出回っており、VHSテープに落とされたファースト・ジェネレーションとJEMSが流通させた8トラックテープ・マスターが存在します。既に今回の新発掘音源とカップリングさせたアイテムがリリースされていますが、そちらがVHSバージョンを採用していたのに対し、こちらは純度で勝るJEMSバージョンを採用しました。
 確かにVHSバージョンは迫力と厚みがあるのですが、VHSを経由したが故に低周波ノイズと地鳴りのような低音が終始気になる。そのせいで「Stairway To Heaven」の前半部のような静かなパートになると、まるでボイラー室でZEPを聞いているかのようなストレスが生まれてしまった。そのせいで「Stairway To Heaven」の前半部のような静かなパートになると、まるでボイラー室でZEPを聞いているかのようなストレスが生まれてしまった。
 その点JEMSマスターは線の細い音と映るのですが、ナチュラル感や鮮度の高さでVHSバージョンを凌駕しており、何より耳に優しい。よってJEMSマスターを基に原音を大切にしたマスタリングを敢行。これによって好き嫌いが分かれたであろう線の細さが解消され、素性の優れていた音質がさらに聞きやすく。正に決定版と呼べる仕上がりとなったことを保証します。そこに「recorder 2」を当てはめたことで、「recorder 1」最大の欠点であった「R&R」序盤と「Moby Dick」大半の未収録も解消されました。
 ボンゾが27分にも渡って叩いた同曲がこちらの音源で殆ど未収録であった原因はとても単純。テーパーはエンディングから録音を再開していますが、そこではっきり「退屈だった」と漏らしています。そう、ドラムソロを録音したくなかったのですね。そういえばシアトル72でも「Moby Dick」が始まるやいなや「ドラムソロ、苦手なんだよね」とテーパーが漏らす場面が捉えられていましたが、そういった心情をテープに録音してしまうのが何ともアメリカ人。

 一方、新発掘音源たる「recorder 2」ですが、四枚目のディスク以降はこちらをメイン・フィーチャー。確かに音像的には「recorder 1」には劣ってしまうのですが、全体のバランス的にはこれまた十分に優秀。先に触れたようにヒスノイジーな状態な点が玉に瑕で、その状態はスプレーノイズと呼びたくなるレベル。そんな音源にイコライズを過剰に施してしまうと、ヒスが「シー」という存在感を強めてしまい、極めて聞きずらくなってしまう。そうしたストレスが強調されることのないよう、細心の注意を払ったマスタリングでこちらの音源も元の状態を活かしつつも随分と聞きやすくなっています。
 それに輪をかけて「recorder 1」のような周囲の観客の声を拾っていない、あるいは音が揺れたりしないという状況は大きなアドバンテージ。そして何より、アンコールの「The Ocean」においてテーパーが勝手に歌っていたあの声(おまけに本家のような二番からでなく、一番からさっそく)余計なお世話バックコーラスがなく、まともに演奏を聞けるのはあまりにも嬉しい。このオバケ・コーラスのない状態で聞いてみれば、この日の「The Ocean」はベスト73バージョンでは?と思えるほどに素晴らしい。
 そもそもこの年のプラントがこの曲をここまで激しく歌えているのが別格。そこに加えて相当にハイな様子のボンゾがカウントを始める前にMCまで務めている場面もレア。おまけに「recorder 2」はボトムを拾った音域のおかげでジョンジーがベースを外してしまう場面まで聞き取れてしまうのですが、それもご愛敬かと。

 少し演奏に触れてしまいましたが、この日は最初にも述べたように演奏が抜群。オープニングこそ73アメリカのセカンドレグのプラントらしいヘロヘロ感で幕を開けますが、驚いたことに彼があっという間に復調、「Black Dog」からセカンドレグとは思えないほど力強く歌い上げる。
 そこから最初の頂点を「Misty Mountain Hop」から「Since I've Been Loving You」にかけて迎えます。ここでもいつになくプラントが絶好調なだけでなく、前者ではボンゾのドラミングもハッスル。
 次の「No Quarter」ではさらにエンジン全開となったプラントに完全に煽られた形でペイジとボンゾの駆け引きが激しくなる。この曲や「The Song Remains The Same」でプラントがいつもと違うメロディで歌ってみせただけでなく、とにかく力強い姿はセカンドレグの中でも異色と言っていいのでは。
 ここまでだけでも充実の演奏が聞けたというのに、「Dazed And Confused」は73ヨーロッパを彷彿とさせるようなボンゾとペイジのプレイが炸裂。特に最初にボンゾが仕掛けた場面などはスリリングの極みで、暴れるだけ暴れておいてピタッと止めてみせる7分あたりの展開はゾクゾクするほど。同じ73年でもアメリカではスタジアムにまで進出したことでペイジが技巧より観客を惹きつける為のステージ・アクションに重点を置き始める訳ですが、それでもツアー序盤のタンパ、さらに「CHICAGO 1973 2ND NIGHT」、そして今回のデトロイトなど、まだまだ技巧の冴え渡る日があったという事を思い知らされます。
 そして終盤の「Whole Lotta Love」や「Communication Breakdown」になると、もはや73年ヨーロッパの発展系と呼びたくなるほどボンゾとペイジによるリズムの駆け引きがエスカレート。
 そこに絶好調のプラントも加わって「Going Down」が始まったりする。なるほど、これが「キラーショウ」とまで絶賛される所以なのですね。その証拠にこの駄文を書く際、私はステイホームを活かして二つのソースを立て続けに聞きましたが、それぞれ最高の名演をまったく違った質感で捉えてくれたことから、まるで退屈しなかったのです。73アメリカのセカンドレグにおける最高の名演が衝撃の新音源と従来の音源それぞれをベスト・バージョンにて収録。ぜひじっくりと聞き比べてみてほしい。73アメリカ、セカンドレグから究極の名演をすべてのZEPマニアに捧げます。

 ★★企画詳細

 ★2種類のAud音源を使用して欠落を補いあい、それぞれで最長盤を再現(3CD*2バージョン=6CD)
補填しきれない箇所もあるため完全ではないがほぼ完全の過去最長収録。

 ★エクストラ・ディスクとして翌日13日公演のSBD音源(50分ほど)をプレス1CDで収録。外付け薄プラケで添付。(ただし今週末オンリーの限定企画)

 ★音源整理
 ソース1-1・・・昔からお馴染みのステレオAudソースで、代表的なものはVHS経由の1st Genとされるもの
 ソース1-2・・・数年前に登場した大元の8Track Masterからのデジタルマスター★本盤Disc1-3のメインソース
 ソース2・・・2020年になり突如登場した新ステレオAudソース★本盤Disc4-6のメインソース

 ★Disc1-3・・・7月12日 Rec1メイン
 ★Disc4-6・・・7月12日 Rec2メイン
 ★Extra Disc・・・7月13日のSBDのみ

 ★Disc1-3のソース1について
 1-3枚目はメインにJEMSの8trackMasterを使用
元々ソース1は既発(VHS経由1st Gen)も、今回のMaster-デジタルも、ともにぞれぞれで癖のあるサウンドが特徴。
 今回メインで使用された8trackからのデジタル化ソース(整理上ソース1-2)は、低域が弱く線の細い印象でしたが、各楽器の分離、鮮度が良く、VHS経由のソース1-1に比べ低周波ノイズや轟音ノイズもなく澄んだサウンドと言えるでしょう。

 今回は中域と低域を中心にEQ調整が大幅になされ、貧弱な印象が解消し、中域に癖のあったせいで、やかましめに感じた音が大変スッキリしています。

 元音源にあった「コー!(ゴーではない)」という独特の不快な音は気にならなくなり、低域も出てパンチが増しています。

 既発で使用されているソース1の枝葉違いVHS経由の1stGen(音源整理上ソース1-1)は流通の過程で低音持ち上げ過ぎの弊害で低周波ノイズと地鳴りのような轟音が終始耳障り。
今回盤と曲間などで比較すれば、静寂さ加減が今回盤の方が圧倒的で、EQ処理により今回盤がバランスに優れていることは明白。
 ソース1-1の方はドンシャリ系でかなり低音が出てるため格好良い感じもしますが、地鳴り音に演奏が埋もれてしまっている。分離にも劣る。

 ★Disc4-6のソース2について
 近年突如登場した注目の新ソースをメインに収録。
 ソース1で欠落していたイントロからR&R終盤迄を初収録したほか、モビーディックも完全ではないですが30分近くに渡りほぼ完全に収録と、ソース1の欠落を補うにはもってこいの音源で(*但しコミュニケーションが丸ごと未収)、しかも、EQ次第では音もそこそこ良くなると言うものでした。
元音源ではヒスノイズの大きい区間(NQからRain Song間と天国)があったり、音量バランス、質感に多少のバラツキがあったものを統一すべく丁寧にマスタリングされています。EQ処理がこちらでも大胆に施され、中域寄りのゴワッとしたサウンドがバランス良く処理され、しかもEQ処理に伴うヒスノイズの増大もさほどなく、ソース1に比べても若干輪郭の甘いサウンドですが,場所によってはソース1よりも良く聞こえる場所もあるというものになっています。何よりも既発に比べ「シー」というスプレーノイズが控え目なのが大きなアドバンテージとなるでしょう。

 ★7枚目のディスクはエクストラディスクとして翌日13日の同公演のSB音源を収録。(ただし、今週末オンリーの特別企画)
位相修正など若干のリマスターをかけています。

  ★Disc1-3・・・7月12日 Rec1メイン
  ★Disc4-6・・・7月12日 Rec2メイン
  ★Extra Disc・・・7月13日のSBDのみ』

Detroit 1973 (No Label)
 
 Live At Cobo Hall,Detroit,MI,USA 12th July 1973
 [Audience Recording]

 [Recorder 1]
  Disc 1
   1. Introduction
   2. Rock And Roll
   3. Celebration Day
   4. Black Dog
   5. Over The Hills And Far Away
   6. Misty Mountain Hop
   7. Since I've Been Loving You
   8. No Quarter
   9. The Song Remains The Same
  10. The Rain Song
  TOTAL TIME (65:03)

  Disc 2
   1. MC
   2. Dazed And Confused
   3. Stairway To Heaven
   TOTAL TIME (45:16)

  Disc 3
   1. MC
   2. Moby Dick
   3. Heartbreaker
   4. Whole Lotta Love
   5. Communication Breakdown
   6. The Ocean
   TOTAL TIME (65:38)

 [Recorder 2]
  Disc 4
   1. Introduction
   2. Rock And Roll
   3. Celebration Day
   4. Black Dog
   5. Over The Hills And Far Away
   7. Since I've Been Loving You
   8. No Quarter
   9. The Song Remains The Same
  10. The Rain Song
  TOTAL TIME (65:04)

  Disc 5
   1. MC
   2. Dazed And Confused
   3. Stairway To Heaven
   TOTAL TIME (45:17)

  Disc 6
   1. MC
   2. Moby Dick
   3. Heartbreaker
   4. Whole Lotta Love
   5. Communication Breakdown
   6. The Ocean
   TOTAL TIME (65:35)

 [Recorder 1]
 Celebration Day
 
 No Quarter
 
 Heartbreaker
 
 [Recorder 2]
 Since I've Been Loving You
 
 The Song Remains The Same
 
 Heartbreaker
 

 本商品にはリリース告知週末までの限定特別ボーナスとして翌日に当たる 1973年7月13日デトロイト公演の後半部分をサウンドボード録音にて収録した 『 Detroit 1973 Extra Disc (Special Bonus CD) 』 が付属していました.しかも特別ボーナスとしては珍しくCDRでは無くプレスCD仕様となっています.

 メーカー情報では
 『1973年アメリカ、セカンドレグ稀代の名演「DETROIT 1973」のリリース第一週のみ、翌日の公演後半部を収めたサウンドボード録音CD「DETROIT 1973 Extra Disc」がボーナスとして付属します。
 こちらですが、第一週のみの配布でありながら、何とプレスCDという大変に豪華なもの。
 掛け値なしの名演でありながら細々とマニアに認知されていった初日のデトロイトと違い、二日目に関してはオーディエンス、サウンドボード共にライブの全貌を明かしてくれる音源というのが発掘されていません。唯一、それを垣間見させてくれるのがライブ後半のみを捉えたPAアウトのサウンドボード。
 ライブ後半…つまり「Moby Dick」以降からの録音となれば、以前リリースした「HOUSTON & DENVER 1973 JOHN BONHAMS MASTER CASSETTES」と同じく、ボンゾからの命でカセットに収められたことは明白。
 つまり、これ以外のPAアウトのサウンドボード・パートは存在しない可能性が高い。
 そのせいでこの音源、最初は目玉でありながらもわずか1分半でカセットの録音が終わってしまった「Dancing Days」が古の「ONE MORE DAZE」にてお目見えしたのを皮切りとして、様々なアイテムの「オマケ要員」として重宝されてきた存在です。
 それまでリリースされていた音源パイレートのコピー盤やイコライズ感のあるバージョンといった既発アイテムを一蹴する「DETROIT ROCK CITY 1973」がベスト・バージョンとしてGRAF ZEPPELINからリリースされていますが、今回はマスターに遡って微調整だけ加えました。
 また問題の「Dancing Days」に関しては微々たる違いながらもカット部分をフェイドアウトさせるのでなく、テープが切れて録音が終わるところまで収録しています。

 前日に負けじと長い展開をみせた「Moby Dick」の後、バンドが戻って演奏される各曲ではプラントがお疲れ気味。ただでさえ粗の目立ちやすいPAアウトのサウンドボードですが、ライブ終盤ですらこんな調子ということは、それ以前の彼はもっと調子が悪かったであろう様子が伺えます。そもそもシアトルの翌日のバンクーバーが最たる例ですが、73アメリカのセカンドレグはプラントが頑張ると翌日に響いてしまうというジレンマがあり、あれだけ素晴らしい演奏内容だったデトロイト初日の後でプラントが煮え切らなかったとしても仕方がない。
 実際この音源の目玉である「Dancing Days」でのプラントの歌はまるで覇気がなく、一年前のシアトルで「大好きな曲だから、もう一回歌うよ」と言って一日に二回も歌ってみせた姿とはまるで別人。このツアーでレギュラーに演奏されなかったのも納得かと。
 ところが他の三人はこの日も好調で、ペイジなど「Heartbreaker」の中盤で前日のファンキーな展開とはまるで違うブルースのパターンを弾き出してボンゾやジョンジーを煽っている。こうした状況に奮起したのが、「Whole Lotta Love」になるとエンディングでプラントがほんの少しだけ「Immigrant Song」の叫びを歌ってみせるのも面白い。これこそ一日で演奏の表情やインプロの展開がガラッと変わってしまう絶頂期ZEPの面目躍如というもの。
 こうして未だにこのサウンドボードでしか垣間見られないデトロイト二日目の貴重音源がゴージャスにもリリース第一週のみのプレスCDギフトとして付属するのです。もちろん前日との違いを比較検証という点でもこのギフトは絶対に見逃せません。是非とも第一週での入手を!

 ★今回のCD本編の翌日13日のショウで、サウンドボード。
 ★この日は現状Audがなく、この55分弱のSBD音源のみが存在する。(音源は'90年代になり登場したもの。)
 ★ハートブレイカーで4:07付近で生じていた片chの音切れが今回新たに補正されています。
またDancing Daysで前回フェードアウト処理されていたのか今回はカットアウトになっています。(若干最後がよく聞こえる程度の違いです) 』

Detroit 1973 Extra Disc (Special Bonus CD)
 
 Live At Cobo Hall,Detroit,MI,USA 13th July 1973
 [Soundboard Recording]

   1. MC
   2. Moby Dick
   3. Heartbreaker
   4. Whole Lotta Love
   5. Dancing Days
   TOTAL TIME (54:56)

 Whole Lotta Love
 
 Dancing Days
 

[参考]
 詳細&補填情報
 [Recorder 1]
  Disc 1
   1. Introduction
      ⇒ 丸ごとRec2
   2. Rock And Roll
      ⇒ 0:00-2:57 Rec2
   5. Over The Hills And Far Away
      ⇒ 5:32-5:36 Rec2
   8. No Quarter
      ⇒ 4:17-4:20,8:33-8:40,9:03-9:07 Rec2
   9. The Song Remains The Same
      ⇒ 4:06-4:12 Rec2
  10. The Rain Song
      ⇒ 5:55-5:58 Rec2

  Disc 2
   2. Dazed And Confused
      ⇒ 17:17-17:21,21:13-21:43 Rec2
   3. Stairway To Heaven
      ⇒ 10:28-10:37 Rec2

  Disc 3
   1. MC
     曲間カット Rec2
   2. Moby Dick
      ⇒ 1:13-27:33 Rec2 *大部分が Rec2 / 16:59 曲中カット
     曲間カット Rec2
   3. Heartbreaker
      ⇒ 既発では演奏前の曲間に編集ミスで1秒ほど欠落あり・本盤は漏れなく収録
   4. Whole Lotta Love
      ⇒ 8:09-8:19 Rec2
     曲間カット クロスフェード

   5. Communication Breakdown
      ⇒ 1:17カット・当曲のRec2ないため補填なし

 [Recorder 2]
  Disc 4
   4. Black Dog
     曲間カット*2 Rec1
   5. Over The Hills And Far Away
   7. Since I've Been Loving You
     元データで重複していた箇所をノーカット復旧
   8. No Quarter
      ⇒ 4:59-5:14 Rec1
  10. The Rain Song
      ⇒ 演奏後の曲間 Rec1

  Disc 5
   2. Dazed And Confused
     演奏後の曲間 Rec1
   3. Stairway To Heaven
      ⇒ 3:45-3:49,4:03-4:09,10:53-11:35(演奏後) Rec1

  Disc 6
   2. Moby Dick
      ⇒ 16:59 曲中カット ,29:38 曲間カット
   3. Heartbreaker
      ⇒ 既発では演奏前の曲間に編集ミスで1秒ほど欠落あり・本盤は漏れなく収録
   5. Communication Breakdown
      ⇒ 丸ごとRec1 (Rec2音源なし),1:17曲中カット

Detroit Rock City 1973 (LZSC-010A/B/C)










1973 North American Tour Dates
 May
  04 Atlanta–Fulton County Stadium,Atlanta,GA,USA
  05 Tampa Stadium,Tampa,FL,USA
  07 Jacksonville Coliseum,Jacksonville,FL,USA
  10 Memorial Coliseum,Tuscaloosa,AL,USA
  11 St. Louis Arena,St. Louis,MO,USA
  13 Municipal Auditorium,Mobile,AL,USA
  14 New Orleans Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA
  16 Sam Houston Coliseum,Houston,TX,USA
  18 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  19 Tarrant Country Convention Center,Fort Worth,TX,USA
  22 Convention Center Arena,San Antonio,TX,USA
  23 University Arena,Albuquerque,NM,USA
  25 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
  26 Salt Palace,Salt Lake City,UT,USA
  28 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  31 The Forum,Inglewood,CA,USA
 
 June
  02 Kezar Stadium,San Francisco,CA,USA
  03 The Forum,Inglewood,CA,USA
 
 July
  06 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  07 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  08 Market Square Arena (Unconfirmed),Indianapolis,IN,USA
  09 St. Paul Civic Center,Saint Paul,MN,USA
  10 Milwaukee Arena,Milwaukee,WI,USA
  12 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
  13 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
  14 Buffalo Memorial Auditorium,Buffalo,NY,USA
  17 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  18 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  19 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
  20 Boston Garden,Boston,MA,USA
  21 Providence Civic Center,Providence,RI,USA
  23 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA
  24 Three Rivers Stadium,Pittsburgh,PA,USA
  27 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  28 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  29 Madison Square Garden,New York City,NY,USA

 

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Seattle 1973 Audio Archives (No Label)
 
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V 1/2 (LZSC-017A/B/C/D/E)
 
New Orleans 1973 (No Label)
 
The Song Remains The Same Re-Edited:40th Anniversary Version (Gift CDR)
 
Providence 1973 (No Label)
 
In For A Quick Garden (No Label)
 






#2020-06-02