1973年5月4日ジョージア州アトランタのアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアム公演を皮切りに,6月3日カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラム公演まで,18公演が行われた
1st レグ.約1ヶ月間のオフを間に挟み,7月6日イリノイ州シカゴのシカゴ・スタジアムを皮切りに,7月29日ニューヨーク州ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン公演まで,18公演が行なわれた 2nd レグ.
 この北米ツアー 2nd レグの最後に行われた,マディソン・スクエア・ガーデン 3連続公演(7月27日~29日)では 『 The Song Remains The Same [永遠の詩 (狂熱のライブ)] 』 の映像およびサウンド・トラックが収録された事は有名です.

 本音源は,1973年北米ツアーの 1st レグから,中盤に当たる 5月19日テキサス州フォートワースはタラント・カウンティ・コンベンション・センター公演をサウンドボード収録した 『 Fort Worth 1973 (No Label) 』 です.

 この北米ツアーからは,記録用に収録されていたサウンドボード音源が数多く流出していますが,記録用故に公演全てを収録しているものは少なく,本音源もご多分に漏れず "Rock And Roll" ~ "Stairway To Heaven" までの収録となっており,終盤に演奏された "Moby Dick","Heartbreaker","Whole Lotta Love" は含まれていません.

 ソロを変拍子風にプレイしていると言うか結果的にそうなってしまったのかも知れない "Rock And Roll" や "Celebration Day" での普段と違うエンディングソロ 等,また逆にジョン・ボーナムが何故か "Over The Hills And Far Away" でギター・ソロからリフに戻る部分で,回数を勘違いし,その影響で多少乱れが生じたり,"Since I've Been Loving You" のエンディング部分でも,拍が一拍増えている箇所があったり 等,全体を通して聴きどころ満載で興味深い公演日で,音質もサウンドボード音源なので問題は無く,初心者でも安心して楽しめる音源です.

 既発では Flying Disc Musicレーベルから 『 A Worthwhile Experience (CD 6-815) 』 ‎– Midas Touchレーベルから 1996年に 『 Tympani For The Butter Queen (62021/2) 』,Taranturaレーベルから 『 I'm With The Band (TCD-35-1,2) 』,2006年には Empress Valley Supreme Discレーベルから 『 Fort Worth Express (EVSD 451/452) 』 等,色々とリリースされています.

 因みにこの日は,ウィンストン・リマスター(:Winston Remasters)でも,存在していたような...

 でも,レッド・ツェッペリンは相変わらずの人気.
 リリース告知後 2日半で予約含め 80枚販売
 「 12/8 ★レッド・ツェッペリン「FORT WORTH 1973」のナンバー入りシール・ステッカー付きは完売致しました。お問合せ多数の為、急遽20セット(No.81~100)を用意させて頂きました。

 メーカー情報では
 『PAアウトからのサウンドボード録音が溢れ返らんばかりな流出が実現した1973年アメリカ・ツアーのファースト・レグ。
 厳密には当店がベスト・バージョンをリリースしたダラス公演SBDを収録したLP最末期アイテム「FRACTURED RIBS」が発掘のスタート地点だと言えるかもしれませんが、多くのマニアにとってはCD時代の20年間で発掘が続いた時期だと呼べるのではないでしょうか。
 そうした恵まれた状況ですので、音源が発掘されるそばから現在までに数多くのアイテムが生み出されてきました。こうした状況の中で意外とアイテムが恵まれておらず、それどころか10年以上に渡ってブランニュー・アイテムが途絶えてしまったのが今回リリースとなるフォートワース公演のSBD音源。

 先に触れたダラスの次に行われた公演であり、ジェネ落ちカセット音源を乱発した懐かしのフライング・ディスクからのリリース(二つのタイトルにセパレートされてのリリース)で日の目を見たもの。
 しかしこの時期のSBD特有のショー不完全収録は仕方ないとして、それ以上に全体を通してのこもり気味な音質とヒスノイズが他の公演のSBDよりも耳障りであるという大きなマイナス・ポイントでした。

 21世紀に入ってようやく「FORT WORTH EXPRESS」に「I’M WITH THE BAND」といった新時代に相応しいアップグレード・アイテムが登場しましたが、当時のテクノロジーの限界もあってか、イコライズを施したが故にヒスノイズが拡大されてしまったり、あるいは音のこもりが解消し切れないといった状態でのリリースだったのです。それにどちらのアイテムも10年以上前のリリース。もはやこれ以上のアップグレードは望めないとマニア間でも諦められたのでしょうか、2009年になってようやくロージェネ・バージョンのコピーが登場しても、さしたる注目を浴びなかったほどでした。今回はその見過ごされていたロージェネ・バージョンを元にしています。

 この音源は2009年にWeedwackerを名乗る人物がアップロードしていたもの。
 彼のバージョンを元にしたZEPリリースとしては、最近だと「LA FORUM 1977 2ND NIGHT 4 SOURCE MIX」が記憶に新しいところ。彼によるフォートワースSBDはさすがにジェネレーションが明確なこともあって、元の音自体がそれまでのリリースよりもはっきりと良くなっているのがポイントでしょう。とはいっても「No Quarter」終演時、ボンゾのティンパニが鳴り止んだ途端に左チャンネルがオフになってしまい、それがプラントのMCの途中まで続く状態は今回も変わりません。
 過去のアイテムにおいてもこの箇所は出来るだけ目立たなくすべく処理が施されていましたが(最近ではこの箇所を放置したままのアイテムも登場しています)今回はさらに自然な状態へとリペア。普通に聞いていて何ら違和感を覚えないはず。
 フォートワースSBDにおいてそれ以上に問題だったのがテープ後半、あるいはカセット裏面に相当する収録曲で生じた左チャンネルにおける音のこもり。これはマスター・カセットの経年によって起きてしまったのもだと推測されます。この問題を被ってしまったのが「Stairway To Heaven」。そのせいで過去のアイテムではこの曲だけ音質の落差が気になってしまうというジレンマが起きていたのですが、今回のリリースに当たって施したイコライズによって、その問題を大幅に解消。元の音源の素性が過去のアイテムよりも良かった所に加えての処理ですので、このアッパー感は相当なもの。
 そして何よりも全体をとしてのヒスノイズの現象も元のWeedwackerが上手く処理を施していた上でさらに最新のマスタリング技術でさらなる手を打ちましたので、これまた聞きやすさが俄然向上したのです。それでいて、こもり気味ながらもナチュラル感が強い状態を損なうことなく、全体のバランスを整えました。

 何よりもこの日の「Stairway To Heaven」がとてもいい感じの演奏ですので、これまでは一曲だけ劣化の目立つ状態というのが惜しかった。しかし今回のリリースで全体を違和感なく聞き通せるのだから、なおさらこの隠れた名演ぶりが堪能できることでしょう。
 秘訣は歌声が変わってしまい、唱法を変えざるを得なかったプラントの歌いっぷりがここにきて堂々たる雰囲気へと変化し始めたから。「Stairway To~」がZEP史上最大のスタンダードと化し、その反面「お約束感」も75年辺りから徐々にプラントの歌に芽生えてしまう。その点ここでのプラントは声が変わってしまったからこそ丁寧に、曲を大事に歌おうとしてみせた姿に心を打たれます。
 一方でペイジは勢いこそあるものの、随所で面白い音の外し方が散見されます。この「Stairway To~」においても、ソロではいつもと違ったリフを繰り返したかと思えば、ギターのフレット上を余計に手が滑ってしまった(そろそろ汗かき体質も始まったことだし)的なプレイが見受けられます。しかし、これは後の彼のような体調的な問題からの乱れというよりも、むしろZEPが未開の地に踏み入れた大会場ステージングに慣れていない(モニターを使いこなせていない)こと、さらには随所で生じていたPAトラブルが問題であったように感じられます。実際にプラントも機材の不調を訴える場面が見受けられました。
 そのせいでペイジが「Since I've Been Loving You」の始まりで余計に音を弾いてしまった場面などは最たる例でしょう。SBDだとこうした場面もはっきりと解るから聞いていて面白い。
 ところが「Dazed And Confused」になるとペイジも一気に持ち直し、ボンゾと共にこの曲ならではのスリリングな駆け引きを見せてくれるのがさすが。全体的にはいつもの定型展開といった感じなのですが、「San Francisco」パートに入る前、あるいは終盤で曲に戻る前といった場面でこの時期では少し違った展開を見せており、中でも後半の戻りそうで戻らないというじらしぶりがお見事。

 一見すると定番音源かつアイテム揃いと思われがちな73アメリカのファースト・レグ。さらにはSBD大会かとまで思わされる南部日程ですが、その中で一番見過ごされていたフォートワースSBD久々のアッパー版が限定のプレスCDにてリリースされます。これはもう一聴して解るくらい見事な仕上がり。おまけに演奏面でも面白い場面が多い日ときた。5月の南部SBDの中でも「まずは一枚」の定番にまで昇格したと、自信を持っておすすめいたします。これは是非聞いてみてほしい!』

Fort Worth 1973 (No Label)
 
 Live At Tarrant County Convention Center,Fort Worth,TX,USA 19th May 1973 SBD
 SOUNDBOARD RECORDING

 Disc 1
  1. Intro.
  2. Rock And Roll
  3. Celebration Day
  4. Black Dog
  5. Over The Hills And Far Away
  6. Misty Mountain Hop
  7. Since I've Been Loving You
  8. No Quarter (#)
  9. The Song Remains The Same
  10. The Rain Song
  TOTAL TIME (61:56)

 Disc 2
  1. MC
  2. Dazed And Confused (incl. San Francisco)
  3. Stairway To Heaven
  TOTAL TIME (43:49)

 (#) 10:43~11:17 左チャンネルの極端な音落ちをなるべく改善しました。

 Since I've Been Loving You 
 
 No Quarter 
 

[参考]
 A Worthwhile Experience (CD 6-815)
 
 Tympani For The Butter Queen (62021/2)
 
 I'm With The Band (TCD-35-1,2)
 
 Fort Worth Express (EVSD 451/452)
 

1973 North American Tour Dates
 May
  04 Atlanta–Fulton County Stadium,Atlanta,GA,USA
  05 Tampa Stadium,Tampa,FL,USA
  07 Jacksonville Coliseum,Jacksonville,FL,USA
  10 Memorial Coliseum,Tuscaloosa,AL,USA
  11 St. Louis Arena,St. Louis,MO,USA
  13 Municipal Auditorium,Mobile,AL,USA
  14 New Orleans Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA
  16 Sam Houston Coliseum,Houston,TX,USA
  18 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
  19 Tarrant Country Convention Center,Fort Worth,TX,USA
  22 Convention Center Arena,San Antonio,TX,USA
  23 University Arena,Albuquerque,NM,USA
  25 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
  26 Salt Palace,Salt Lake City,UT,USA
  28 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
  31 The Forum,Inglewood,CA,USA

 June
  02 Kezar Stadium,San Francisco,CA,USA
  03 The Forum,Inglewood,CA,USA

 July
  06 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  07 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
  08 Market Square Arena (Unconfirmed),Indianapolis,IN,USA
  09 St. Paul Civic Center,Saint Paul,MN,USA
  10 Milwaukee Arena,Milwaukee,WI,USA
  12 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
  13 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
  14 Buffalo Memorial Auditorium,Buffalo,NY,USA
  17 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
  18 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
  19 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
  20 Boston Garden,Boston,MA,USA
  21 Providence Civic Center,Providence,RI,USA
  23 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA
  24 Three Rivers Stadium,Pittsburgh,PA,USA  
  27 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  28 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
  29 Madison Square Garden,New York City,NY,USA











[関連記事]
In For A Quick Garden (Gift DVDR)
 
Vancouver 1973 (No Label)
 
The Longest Bonzo's Birthday Party (Gift CDR)
 
Kezar Stadium 1973 (Gift CDR)
 
Bonzo's Birthday Prty (No Label)
 
Boston 1973 (No Label)
 
1973 U.S. Tour Compilation (Gift CDR)
 
The Song Remains The Same Expanded (No Label)
 
V 1/2 (LZSC-017A/B/C/D/E)
 
New Orleans 1973 (No Label)
 
The Song Remains The Same Re-Edited
              : 40th Anniversary Version (Gift CDR)

 
Providence 1973 (No Label)
 
In For A Quick Garden (No Label)