オフィシャル・アルバム 『 The Song Remains the Same - 永遠の詩(狂熱のライヴ) 』 や,コンサートおよびプライベートの模様等 を描いたセミ・ドキュメンタリー映画 『 The Song Remains the Same - レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ 』 が生まれた 1973年北米ツアー.

 この 『 The Song Remains The Same - 永遠の詩 (狂熱のライブ) 』 は,リマスターされ,9月7日に スーパー・デラックス・ボックス・セットアナログ 4枚組ボックス・セットがリリースされる事が告知され,ネット上ではそれに対して賛否両論の意見が交わされているのは記憶に新しいところです.(笑)

 この1973年北米ツアーは,5月4日ジョージア州はアトランタのアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアム公演を皮切りに行われ,7月29日ニューヨーク州はマンハッタンのマディソン・スクエア・ガーデン公演で幕を閉じます.
 北米で通算 9回目に当たるこのツアーは,6月3日カリフォルニア州はイングルウッドのザ・フォーラム公演まで行われたファースト・レグと,約 1ヵ月のブレイクを挟んで 7月6日イリノイ州はシカゴのシカゴ・スタジアム公演から始まるセカンド・レグで構成されますが,本CDは,そのファースト・レグ中盤に当たる 5月16日テキサス州はヒューストンのサム・ヒューストン・コロシアム公演と,5月25日コロラド州はデンバーのデンバー・コロシアム公演をサウンドボード収録したものです.

 1973年北米ツアーと言えば,記録用のサウンドボード録音(故に完全では無い)が数多く流出しており,過去にも数々のレーベルからリリースされていますが,オフィシャル・リリース等を目的としたものでは無く,各メンバーが演奏チェック用等で依頼されて録音されたものも多く,今回のリリースもドラムのジョン・ヘンリー・ボーナムのマスター・カセットを CDR に焼いたものが使用されているようです.

 収録は公演の一部なので不完全なのですが,サウンドボードなので初心者でも安心して聴くことができます.

 メーカー情報では
 『1973年のアメリカ・ツアーはPAアウト経由で録音されたサウンドボードが非常に恵まれている印象を受けますが、その登場は大まかに分けて二期に分けられるでしょう。

 最初が1989年のコンドルCDから始まって、91年のゴースト・ミュージックやフライング・ディスクを名乗るレーベルによってリリースされた音源。90年代の後半はそれらの音源のアップグレードが実現しました。
 第二期は2002年になって一挙に登場したサウンドボード録音の数々。

 これら二期の音源発掘の背景には、同じツアーからの録音ながら明確な違いが見られます。
 第一期発掘の方は73年アメリカ・ツアーの多岐に渡った時期であり、しかもショーのオープニングから録音された収録時間の長めな音源が多い。
 それに対し2002年発掘の方はショー終盤に偏った録音が多く、何よりもアメリカ・ツアーのファースト・レグからに限られていた。そんな中から先週リリースされた「KEZAR STADIUM 1973」にもショー終盤のみのサウンドボード録音を、2002年当初にも使われていたマスターCD-Rからの収録を実現させたところ。

 そして今回も2002年に登場したサウンドボード録音をリリースいたしますが、これらもまたオリジナルのマスターCD-Rからの収録を実現させてました。二枚組ではありますが、それぞれのディスクに各ショーの終盤部分が収録という変則的な内容。どうしてこのような録音状態の音源が存在するのでしょうか。
 元々PAアウトからのサウンドボード録音というのは本来オフィシャルなリリース目的を持たない録音であり、音質バランス的にもライブ・アルバム用マルチトラック・レコーディングとは全く異質なモノ。この録音が存在する理由、それはスタッフやバンドメンバーがサウンドやプレイをチェックする為に録音を依頼したことで存在するのです。つまり、ショーを完全収録することも念頭にない場合が多い。

 第一期の73年サウンドボード録音はペイジ方面からの流出だということが当初から囁かれていました。
 それに対し2002年の場合はショー終盤でなおかつ「Moby Dick」が収録されている場合が多い。これで見当ついたかと思われますが、2002年に出回った音源はボンゾが録音を依頼した、つまり彼のルートからの流出だったということ。
 例えば先週のケザーにおいて「Moby Dick」は非常に長尺であり、ボンゾは当初から長いドラム・ソロを披露するつもりでPAアウトからカセットに録音を依頼したのでしょう。ちなみに「DESTROYER」でおなじみ77年クリーブランドはプラント方面のルートからの流出だと言われています。

 今回リリースする二枚組でも最初のディスクに収録されたヒューストン公演は「Moby Dick」がしっかりと録音されていることからも、ボンゾの依頼によって録音されたことは明白。ただしケザーと違ってドラム・ソロが15分程度で済んだのはリスナーにとっては幸いというもの(笑)。
 この日の録音自体は「Stairway To Heaven」からスタートしていますが、ペイジのプレイがアメリカ・ツアー、ファースト・レグの中でも珍しいくらいに不調。そのせいでギター・ソロがまったく冴えず、さらには「Moby Dick」のテーマ・フレーズまで尾を引いてしまうのに苦笑させられます。
 このまま冴えない調子でショーが終わってしまうのかと思いきや、そこを救ってくれたのがプラント。「Whole Lotta Love」メドレーの最中で「Going Down」を歌い出すというレアな展開へと持ち込んで演奏を白熱させてくれたのです。73年アメリカでの「Going Down」と言えば「THREE DAYS AFTER」こと6月3日のLAフォーラムが有名ですが、それ以前にこのパターンをアメリカで披露していた事実をサウンドボード録音で明らかにしてくれた衝撃の音源でした。
 実を言うとSBD以前からオーディエンス録音が存在していたのですが、全編に渡って歪んだ音質がファンサイトをして「聞くのが苦痛」と言わしめる状態であり、CD-Rレベルでしかアイテムが存在しないのも当然な音源だったのです。それ以上に演奏のディティールが伝わらず、このSBDで初めて「Going Down」展開に驚かされたマニアがほとんどであったことでしょう。さらには「Moby Dick」終了後にプラントがボンゾのローディであるミック・ヒントンを紹介するレアな場面までも捉えられていたのです。

 二枚目のディスクに収録されたデンバー公演はさらに短いサウンドボード録音として2002年に登場しましたが、この日は未だにオーディエンス録音が発掘されておらず、その不完全な録音状態にもかかわらず価値が色褪せていない音源なのです。ボンゾ所有のPAアウト録音カセットながら「Moby Dick」すら録音されていないのが驚きですが、もしかしたらこの日は「Heartbreaker」から「Whole Lotta Love」にかけての自身のプレイをチェックしたくて録音を依頼したのかもしれません。
 しかし音源を通して際立っているのはボンゾよりもジョンジーのハイパーなベース・プレイ。PAアウトの録音ですが、ショー終盤ですので彼のベースがしっかりと聞き取れる状態だからこそ伝わってくる凄まじさ。それでいて「Whole Lotta Love」の展開自体は73年アメリカのスタンダードなパターンですので、いかにヒューストンが特別であったのかを思い知らされます。最後の「Communication Breakdown」はどちらのショーでも歌い方を変えたプラントの堂々たるシャウトが冴えわたっていますが、中でもデンバーでは途中で「The Crunge」を歌い出しているのがスリリング。

 これら二つの不完全なSBDはどちらも2002年当時にWATCHTOWERレーベルから「GOING DOWN」としてリリースされたもの。しかし今回は当時のマスターCD-Rから改めて収録しているので、どちらの音源も若干ながらWATCHTOWER盤(以下既発盤と称します)よりも長く収録されています。特にヒューストンでは録音開始直後にペイジが発したギターの一音が捉えられているので、一瞬でありながらも違いは歴然。それに既発盤はイコライズ全盛の時代にリリースされていましたので、案の定音質が変えられてしまっている。その点、今回はマスターCD-Rからそのままのナチュラルな音質で収録しましたので、質感の違いもはっきりと実感してもらえることでしょう。
 ただし21世紀初頭のCD-Rメディアの悲しさとでも言いましょうか、今回入手したマスターCD-Rはデンバーの「Heartbreaker」において経年によるデジノイズが生じる劣化が起きてしまっていたのです。微弱なノイズではありますが、それらの箇所に関しては既発盤をピンポイントで補填することによって完璧にアジャストしています。

 そしてどちらの音源もショー終盤のみという不完全な状態ではありますが、それぞれでテンションの高い演奏が聞かれ、しかも既発盤と違いナチュラルなサウンドも楽しめる。今となっては2002年の既発盤を持っていない、あるいは聞いたことがないマニアも多いはずであり、むしろ新たな時代に相応しいリリースとなることでしょう。これがボンゾ・マスターだ!

 ★同じ企画ですと Watch Towerの「Going Down 」がありますが、今回の方が長く、音も自然です。
 ★今回盤はノーイコライズのナチュラルサウンドでWT盤より長い部分が有る。(WT盤は音質が大きくイコライズしてある。) 』

Houston & Denver 1973 : John Bonham's Master Cassettes (No Label)
 
 Live At Sam Houston Coliseum,Houston,TX, USA 16th May 1973
     & Denver Coliseum,Denver,CO,USA 25th May 1973  [STEREO SOUNDBOARD RECORDING]

  Disc 1
  [Houston : 16th May 1973]
   1. Stairway To Heaven
   2. Moby Dick
   3. Heartbreaker
   4. Whole Lotta Love
   5. Communication Breakdown
   TOTAL TIME (60:21)

  Disc 2
  [Denver : 25th May 1973]
   1. Heartbreaker
   2. Whole Lotta Love
   3. Communication Breakdown
   TOTAL TIME (26:29)

 Heartbreaker [Disc 1, Track 3] 
 

 Whole Lotta Love [Disc 2, Track 2] 
 
 Communication Breakdown [Disc 2, Track 3] 
 

[参考]
 Watch Tower(以下 WT)盤との比較
  Disc 1
  [Houston : 16th May 1973]
   1. Stairway To Heaven
       ::
   5. Communication Breakdown
   ●WT盤より長い個所は下記のとおりです.
   Track 1 0:00 - 0:028 (2.8秒)
     ⇒ Track 1 0:028 - 0:05 は WT はフェードイン
   Track 5 3:55 - 3:57の無音 (テープは走ってる) 部分.
   Track 5 4:20 - WT はフェードが始まり,今回盤の最後の 0.6秒は WT には入っていない.

  Disc 2
  [Denver : 25th May 1973]
   1. Heartbreaker
       ::
   3. Communication Breakdown
   ●WT盤より長い個所は下記のとおりです.
   Track 1 0:00 - 0:005 (0.5秒) ★実際はフェードインがキツイのでチューニングの音が1.5秒多く入っていない感じです.
   Track 1 0:005 - 0:035 は WT はフェードインしてある.
   Track 3 4:16 - WTはフェードアウトが始まり,今回盤の最後の 1.3秒は WTには入っていない.

 1973 North American Tour Dates
  May
   04 Atlanta Fulton County Stadium,Atlanta,GA,USA
   05 Tampa Stadium,Tampa,FL,USA
   07 Jacksonville Coliseum,Jacksonville,MS,USA
   10 Memorial Coliseum,Tuscaloosa,AL,USA
   11 St. Louis Arena,St. Louis,MO,USA
   13 Municipal Auditorium,Mobile,AL,USA
   14 New Orleans Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA
   16 Sam Houston Coliseum,Houston,TX,USA
   18 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
   19 Tarrant Country Convention Center,Fort Worth,TX,USA
   22 Convention Center Arena,San Antonio,TX,USA
   23 University Arena,Albuquerque,NM,USA
   25 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
   26 Salt Palace,Salt Lake City,UT,USA
   28 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
   31 The Forum,Inglewood,CA,USA

  June
   02 Kezar Stadium,San Francisco,CA,USA
   03 The Forum,Inglewood,CA,USA

  July
   06 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
   07 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
   08 Market Square Arena (unconfirmed),Indianapolis,IN,USA
   09 St. Paul Civic Center,Saint Paul,MN,USA
   10 Milwaukee Arena,Milwaukee,WI,USA
   12 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
   13 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
   15 Buffalo Memorial Auditorium,Buffalo,NY,USA
   17 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
   18 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
   19 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
   20 Boston Garden,Boston,MA,USA
   21 Providence Civic Center,Providence,RI,USA
   23 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA
   24 Three Rivers Stadium,Pittsburgh,PA,USA
   27 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
   28 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
   29 Madison Square Garden,New York City,NY,USA

 Promotional Poster Of Led Zeppelin, 1973
 

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