ダイカンプラザ 9F の LIGHTHOUSE から，またしても過去商品としてリリースされていたレッド・ツェッペリンの1973年北米ツアーのコンピレーション・アルバム 『 1973 U.S. Tour Compilation (No Label) 』 が，80セットのみギフト・アイテムとして登場しました．
オフィシャル・アルバム 『 The Song Remains the Same － 永遠の詩（狂熱のライヴ） 』 や，コンサートおよびプライベートの模様を描いたセミ・ドキュメンタリー映画 『 The Song Remains the Same － レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ 』 が生まれた，1973年北米ツアー．
この1973年北米ツアーは，5月4日ジョージア州アトランタはアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアム公演を皮切りに，7月29日ニューヨークはマジソンスクウェアガーデン公演で幕を閉じますが，北米で 9回目に当たるこのツアーは，6月3日カリフォルニア州ロサンゼルスはイングルウッドのザ・フォーラム（通称：L.A.フォーラム）公演までのファースト・レグと，約1ヶ月間のブレイクを挟んで，6月2日イリノイ州シカゴのシカゴ・スタジアム公演を皮切りに，7月29日ニューヨークはマジソンスクウェアガーデン公演までのセカンド・レグで構成されていました．
この商品（ギフト）は，このツアーからの SBD（：Soundboard）音源のみで，フル・コンサートを再現しようと言う企画です．
元々，1973年北米ツアーは，記録として収録されていたSBD音源も相応に存在し，色々な形で流出，ブートになっていますが，記録用の為，フル・コンサートを収録しているものも殆どなく，SBDとAUD（：Audience）を繋げたり，あるいは SBD部分のみをリリースしたりと，ブートも多種多様にリリースされていますが，このようなコンピレーションものは，初心者にも楽しめます．
そういう意味では，過去に Forever Standard Seriesレーベルから 『 Best Of Tour 1973 (FSS 99-008) 』 や，Aziя Recordsレーベルから 『 Best Of Tour 1973. Archives 1973. 』 なるタイトルも，SBD音源でのコンピレーションでリリースされていました．
今回，ギフト・アイテム化された商品は，元々ギフト・アイテムして，Disc 1 ～ 3 の部分が CDR 3枚組で2016年9月頃に配布されており，そのギフト・アイテムの人気が高かった関係から何度もギフト・アイテム化され，最終的にネットにアップされた際に存在していたボーナス・トラックを半年後に Disc 4 に追加収録し商品化されたものです．
それにしても相変わらずの人気アイテム．
告知半日で80セット配布終了！
「 1/10 ★レッド・ツェッペリン「U.S. TOUR 1973 COMPILATION(無料プレス4CD)」は終了致しました。 」
メーカー情報では
『当店に来られている方ならお気づきかと思われますが、ギフト・アイテムとして登場したレッド・ツェッペリンの「1973 U.S. TOUR COMPILATION」が大人気です。
はっきり言って当店ギフト・アイテム史上ナンバーワンと化してしまったほど。
皆さんも「好評につき今週も継続いたします」というお知らせをこのアイテムで何度見られたことでしょうか？笑。ギフトとして毎週のように出しても一向に衰えない、あまりの人気ぶりを受け、遂に限定プレスCDにバージョンアップしたリリースが今週実現いたします。
逆に言うと当店がこのアイテムをギフトにしていたのには、はっきりとした理由があります。一番単純に言ってしまえば、一つのライブを完全収録した訳ではありませんし、何よりも新音源やアッパーな状態で収録されている訳ではない。ましてや当店に来られるマニアであれば、目新しくないどころか「耳タコ」と言ってもおかしくないような1973年アメリカ・ツアーのサウンドボード音源ばかりで構成されている。当店からするとギフト扱い確定なものだった。
ところがどうでしょう、最初にも触れたように、ギフトとしては異例なほどの超ベストセラー。
遂には「これこそプレスCDで持っていたい」という声まで寄せられるようになってしまいました。これは当店としても、あまりに予想外な展開。ギフトでベスト・セラーとは…
別ソースを駆使してまでライブの完全収録が必須とされるZEPのライブ音源アイテム。そうした風潮の中で数多く存在するライブ音源ベスト編集アイテムというのはニーズがないものだと思われてきました。
1973年のライブ全体においてサウンドボード録音が豊富に存在しており、過去にもそうしたコンセプトのアイテムは存在しています。アメリカ・ツアーの音源だけでまとめた「BEST OF 1973 TOUR」ボックス、さらにはヨーロッパ・ツアーの音源まで組み合わせた「BEST OF TOUR 1973」など。
やはりオーディエンス録音だけで構成されてしまうとリスニング・アイテムとしては極度にマニア向けになってしまうのですが、古くからサウンドボード録音に恵まれていた73年ツアーであればこその状況です。しかも「ベスト」という名が付くのであれば、万人向けなサウンドボード録音で構成されるべきでもあります。
一方でZEPマニアの多くがライブの「完全収録」を求めるのも当然のことであり、そうした流れの中で「ベスト」的なコンセプトは完全に鳴りを潜めてしまいました。もう、この手のアイテムは十年以上リリースされて来なかったのではないでしょうか。
そうした状況の中で思わぬ新鮮なコンセプトのアイテムとしてZEPマニアの間でも好評を博したのが今回の「U.S. TOUR 1973 COMPILATION」(年号の位置で判断して下さい）。海外のネット上において、マニア間で企画されてまとめあげられたコンピレーション。単にサウンドボード録音からまとめただけであれば、いくらマニアの企画だとは言えども、先に挙げた過去のベスト編集アイテムと変わり映えしません。
しかし今回のコンピが偉大な点は、以前にも増して豊富な発掘が進んだ73年アメリカ・ツアーのサウンドボード録音の一貫したジレンマとも言える「線の細さ」をイコライズによって緩和させ、なおかつ複数公演の音源を使用した音質に統一感を持たせたところにあります。
これらのサウンドボード録音はマルチトラックのライブアルバム用録音とは違い、基本的にはモノラル音質。「Dazed And Confused」のボウイング・パートのように、演出上ミキサーによって音が左右に振られる時だけステレオとなります。このコンピレーションではそこに着眼し、イコライズによって見事なステレオ感が作られています。この点は当店が数か月前にリリースした75年のアールズ・コートに相通じるものがあるかと。
それらに輪をかけて見事なのが、このツアーのサウンドボード録音の中において一番のクリアネスを誇る5月13日のモービル公演からの「Rock And Roll」をオープニングに採用したセンス。
この日の音源が元来持つクリアネスに、施されたイコライズの相性は抜群で、パッと聴いてみた感じはもはやオフィシャル・クラス。まるで、もう一つの「THE SONG REMAINS THE SAME」を聴いているかのようですらある。
ところが、そこから26日のソルトレークの「Celebration Day」に切り替わるのだから何ともニクイではありませんか。通常のコンピものであれば、ほとんど切れ間なしに演奏されるパートは同じ公演で統一されるもの。「1973 U.S. TOUR COMPILATION」においてはこの部分もベスト編集で作り上げているところがマニアならではの企画の証ですし、ソルトレークSBDを採用した以上、ちゃんと「Georgia On My Mind」も収録してくれたのがおいしい仕上がりだと言えるでしょう。
全体的にみるとDisc-1がモービルとソルトレークの5月サウンドボード、Disc-2もソルトレークを継続する中でドンっ！と7月シアトルの「Dazed And Confused」が登場。そうです、73年アメリカのSBDの中でも一番線の細い音質なシアトルから「Dazed And～」を採用してみせたところに、演奏内容から敢えて収録したであろうマニアならではの審美眼が働いている。そしてラストのDisc-3がライブ終盤しか録音されていないサウンドボードばかりなケザーやLAフォーラムを中心としているのも抜群のセンス。ちなみに終盤のMSG音源は名盤「THE SONG REMAINS THE SAME EXPANDED」とまったく異質のイコライズが施されており、その解釈の違いを聴き比べるのも楽しみと言えます。
「U.S. TOUR 1973 COMPILATION」がさらに画期的な点としては、歓声をミックスさせることでPAアウトから録音されたサウンドボードにおける致命的とも言えた臨場感の低さもリカバリーしてみせた点も大きな魅力でしょう。一方でこうした作業はさらなるセンスが求められます。その点においてもこのコンピは抜きん出た仕上がりを見せており、ライブ前半の「Black Dog」辺りまでとライブ終盤に限った歓声のスパイス的な使い方が素晴らしい。
ただし、海外マニアのセンスだけにツッコミどころも存在します。ケザー・スタジアムでの「Communication Breakdown」が終わった後、プラントが観客とビル・グレアムにお礼を述べて「The Ocean」を始めるMCまでケザーのパートが使われているのですが、その後はMSGの終盤パートに切り替わり、MSG版「The Ocean」が終わると再びケザーでのMC(あの有名な「Vives are real!」というやつです。）で幕を閉じるという編集が微妙かと。
つまり、この部分でMCを最長フルで収録したいのはわかりますが、プラントが「The Ocean」と言っておきながら「Thank You」のオルガンが始まるのはちょっとおかしな感じが否めません。ちなみに「Thank You」の後に再録されているケザーMCは意図的に短めにエディットされて収録されています。
そして今回のリリースに際しては、ギフト時にオミットされていたボーナス・ディスク扱いのDisc-4まで含む「完全版」としてのリリースでもあります。今回初となるこのディスクには実際のライブの順番で収録されたモービル公演の冒頭二曲（この2曲の音が凄い！）、さらには同公演からの「Dazed And Confused」などを同様のトリートメントで仕上げたもの。これによって、同じツアーにおける「Dazed And～」インプロの違いを簡単に聴き比べられるというマニアも喜ぶコンセプトに進化していますし、一方で全体を通したクオリティの高さからビギナーでも聴き込める文句なしのコンピレーション。
最後に身も蓋もないことを白状してしまいますが…全編を通して音質が良くディスク４枚というボリュームがまったく苦にならないのに加え、何といっても「Moby Dick」が収録されていないからいよいよ聴きやすい仕上がり！超楽しめます！笑
★海外倉庫にあった完売タイトル・限定80セットを無料ギフト・タイトルとして大放出！早い者勝ちの新春特別企画です。』
1973 U.S. Tour Compilation (No Label)
All Excellent SBD Recorded From The Several Venues.
Great Compilation.
Disc 1
1. Intro (@)
2. Rock And Roll (@)
3. Celebration Day (#)
4. Bring It On Home Intro (#)
5. Black Dog (#)
6. Over The Hills And Far Away @)
7. Goergia On My Mind (#)
8. Misty Mountain Hop (#)
9. Since I've Been Loving You (@)
10. No Quarter (@)
TOTAL TIME (49:08)
Disc 2
1. The Song Remains The Same (#)
2. The Rain Song (#)
3. Dazed And Confused (%)
TOTAL TIME (49:32)
Disc 3
1. Stairway To Heaven (&)
2. Heartbreaker ($)
3. Whole Lotta Love ($)
4. Communication Breakdown ($)
5. Organ Solo (+)
6. Thank You (+)
7. The Ocean (+)
TOTAL TIME (54:12)
Disc 4
[Bonus Tracks]
1. Rock And Roll (@)
2. Celebration Day (@)
3. Dazed And Confused (@)
4. Heartbreaker (#)
5. Whole Lotta Love (#)
TOTAL TIME (47:57)
(@) Municipal Auditorium,Mobile,AL,USA 13th May 1973
(#) Salt Palace,Salt Lake City,UT,USA 26th May 1973
(%) Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA 17th July 1973
(&) The Forum, Inglewood,CA,USA 31st May 1973
($) Kezar Stadium,San Francisco,CA,USA 02nd June 1973
(+) Madison Square Garden,New York City,NY.USA 29th July 1973
Rock And Roll
No Quarter
The Song Remains The Same
Thank You
[参考]
Best Of Tour 1973 (FSS 99-008)
Best Of Tour 1973 (FSS 99-008-1/2)
Best Of Tour 1973. Archives 1973.
1973 North American Tour Dates
May
04 Atlanta Fulton County Stadium,Atlanta,GA,USA
05 Tampa Stadium,Tampa,FL,USA
07 Jacksonville Coliseum,Jacksonville,MS,USA
10 Memorial Coliseum,Tuscaloosa,AL,USA
11 St. Louis Arena,St. Louis,MO,USA
13 Municipal Auditorium,Mobile,AL,USA
14 New Orleans Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA
16 Sam Houston Coliseum,Houston,TX,USA
18 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
19 Tarrant Country Convention Center,Fort Worth,TX,USA
22 Convention Center Arena,San Antonio,TX,USA
23 University Arena,Albuquerque,NM,USA
25 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
26 Salt Palace,Salt Lake City,UT,USA
28 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
31 The Forum,Inglewood,CA,USA
June
02 Kezar Stadium,San Francisco,CA,USA
03 The Forum,Inglewood,CA,USA
July
06 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
07 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
08 Market Square Arena (unconfirmed),Indianapolis,IN,USA
09 St. Paul Civic Center,Saint Paul,MN,USA
10 Milwaukee Arena,Milwaukee,WI,USA
12 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
13 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
15 Buffalo Memorial Auditorium,Buffalo,NY,USA
17 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
18 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
19 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
20 Boston Garden,Boston,MA,USA
21 Providence Civic Center,Providence,RI,USA
23 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA
24 Three Rivers Stadium,Pittsburgh,PA,USA
27 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
28 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
29 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
Promotional Poster Of Led Zeppelin, 1973
[関連記事]
「In For A Quick Garden (Gift DVDR)」
「Vancouver 1973 (No Label)」
「The Longest Bonzo's Birthday Party (Gift CDR)」
「Kezar Stadium 1973 (Gift CDR)」
「Bonzo's Birthday Party (No Label)」
「Boston 1973 (No Label)」
「1973 U.S. Tour Compilation (Gift CDR)」
「The Song Remains The Same Expanded (No Label)」
「Ｖ 1/2 (LZSC-017A/B/C/D/E)」
「New Orleans 1973 (No Label)」
「The Song Remains The Same Re-Edited
： 40th Anniversary Version (Gift CDR)」
「Providence 1973 (No Label)」
「In For A Quick Garden (No Label)」
オフィシャル・アルバム 『 The Song Remains the Same － 永遠の詩（狂熱のライヴ） 』 や，コンサートおよびプライベートの模様を描いたセミ・ドキュメンタリー映画 『 The Song Remains the Same － レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ 』 が生まれた，1973年北米ツアー．
この1973年北米ツアーは，5月4日ジョージア州アトランタはアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアム公演を皮切りに，7月29日ニューヨークはマジソンスクウェアガーデン公演で幕を閉じますが，北米で 9回目に当たるこのツアーは，6月3日カリフォルニア州ロサンゼルスはイングルウッドのザ・フォーラム（通称：L.A.フォーラム）公演までのファースト・レグと，約1ヶ月間のブレイクを挟んで，6月2日イリノイ州シカゴのシカゴ・スタジアム公演を皮切りに，7月29日ニューヨークはマジソンスクウェアガーデン公演までのセカンド・レグで構成されていました．
この商品（ギフト）は，このツアーからの SBD（：Soundboard）音源のみで，フル・コンサートを再現しようと言う企画です．
元々，1973年北米ツアーは，記録として収録されていたSBD音源も相応に存在し，色々な形で流出，ブートになっていますが，記録用の為，フル・コンサートを収録しているものも殆どなく，SBDとAUD（：Audience）を繋げたり，あるいは SBD部分のみをリリースしたりと，ブートも多種多様にリリースされていますが，このようなコンピレーションものは，初心者にも楽しめます．
そういう意味では，過去に Forever Standard Seriesレーベルから 『 Best Of Tour 1973 (FSS 99-008) 』 や，Aziя Recordsレーベルから 『 Best Of Tour 1973. Archives 1973. 』 なるタイトルも，SBD音源でのコンピレーションでリリースされていました．
今回，ギフト・アイテム化された商品は，元々ギフト・アイテムして，Disc 1 ～ 3 の部分が CDR 3枚組で2016年9月頃に配布されており，そのギフト・アイテムの人気が高かった関係から何度もギフト・アイテム化され，最終的にネットにアップされた際に存在していたボーナス・トラックを半年後に Disc 4 に追加収録し商品化されたものです．
それにしても相変わらずの人気アイテム．
告知半日で80セット配布終了！
「 1/10 ★レッド・ツェッペリン「U.S. TOUR 1973 COMPILATION(無料プレス4CD)」は終了致しました。 」
メーカー情報では
『当店に来られている方ならお気づきかと思われますが、ギフト・アイテムとして登場したレッド・ツェッペリンの「1973 U.S. TOUR COMPILATION」が大人気です。
はっきり言って当店ギフト・アイテム史上ナンバーワンと化してしまったほど。
皆さんも「好評につき今週も継続いたします」というお知らせをこのアイテムで何度見られたことでしょうか？笑。ギフトとして毎週のように出しても一向に衰えない、あまりの人気ぶりを受け、遂に限定プレスCDにバージョンアップしたリリースが今週実現いたします。
逆に言うと当店がこのアイテムをギフトにしていたのには、はっきりとした理由があります。一番単純に言ってしまえば、一つのライブを完全収録した訳ではありませんし、何よりも新音源やアッパーな状態で収録されている訳ではない。ましてや当店に来られるマニアであれば、目新しくないどころか「耳タコ」と言ってもおかしくないような1973年アメリカ・ツアーのサウンドボード音源ばかりで構成されている。当店からするとギフト扱い確定なものだった。
ところがどうでしょう、最初にも触れたように、ギフトとしては異例なほどの超ベストセラー。
遂には「これこそプレスCDで持っていたい」という声まで寄せられるようになってしまいました。これは当店としても、あまりに予想外な展開。ギフトでベスト・セラーとは…
別ソースを駆使してまでライブの完全収録が必須とされるZEPのライブ音源アイテム。そうした風潮の中で数多く存在するライブ音源ベスト編集アイテムというのはニーズがないものだと思われてきました。
1973年のライブ全体においてサウンドボード録音が豊富に存在しており、過去にもそうしたコンセプトのアイテムは存在しています。アメリカ・ツアーの音源だけでまとめた「BEST OF 1973 TOUR」ボックス、さらにはヨーロッパ・ツアーの音源まで組み合わせた「BEST OF TOUR 1973」など。
やはりオーディエンス録音だけで構成されてしまうとリスニング・アイテムとしては極度にマニア向けになってしまうのですが、古くからサウンドボード録音に恵まれていた73年ツアーであればこその状況です。しかも「ベスト」という名が付くのであれば、万人向けなサウンドボード録音で構成されるべきでもあります。
一方でZEPマニアの多くがライブの「完全収録」を求めるのも当然のことであり、そうした流れの中で「ベスト」的なコンセプトは完全に鳴りを潜めてしまいました。もう、この手のアイテムは十年以上リリースされて来なかったのではないでしょうか。
そうした状況の中で思わぬ新鮮なコンセプトのアイテムとしてZEPマニアの間でも好評を博したのが今回の「U.S. TOUR 1973 COMPILATION」(年号の位置で判断して下さい）。海外のネット上において、マニア間で企画されてまとめあげられたコンピレーション。単にサウンドボード録音からまとめただけであれば、いくらマニアの企画だとは言えども、先に挙げた過去のベスト編集アイテムと変わり映えしません。
しかし今回のコンピが偉大な点は、以前にも増して豊富な発掘が進んだ73年アメリカ・ツアーのサウンドボード録音の一貫したジレンマとも言える「線の細さ」をイコライズによって緩和させ、なおかつ複数公演の音源を使用した音質に統一感を持たせたところにあります。
これらのサウンドボード録音はマルチトラックのライブアルバム用録音とは違い、基本的にはモノラル音質。「Dazed And Confused」のボウイング・パートのように、演出上ミキサーによって音が左右に振られる時だけステレオとなります。このコンピレーションではそこに着眼し、イコライズによって見事なステレオ感が作られています。この点は当店が数か月前にリリースした75年のアールズ・コートに相通じるものがあるかと。
それらに輪をかけて見事なのが、このツアーのサウンドボード録音の中において一番のクリアネスを誇る5月13日のモービル公演からの「Rock And Roll」をオープニングに採用したセンス。
この日の音源が元来持つクリアネスに、施されたイコライズの相性は抜群で、パッと聴いてみた感じはもはやオフィシャル・クラス。まるで、もう一つの「THE SONG REMAINS THE SAME」を聴いているかのようですらある。
ところが、そこから26日のソルトレークの「Celebration Day」に切り替わるのだから何ともニクイではありませんか。通常のコンピものであれば、ほとんど切れ間なしに演奏されるパートは同じ公演で統一されるもの。「1973 U.S. TOUR COMPILATION」においてはこの部分もベスト編集で作り上げているところがマニアならではの企画の証ですし、ソルトレークSBDを採用した以上、ちゃんと「Georgia On My Mind」も収録してくれたのがおいしい仕上がりだと言えるでしょう。
全体的にみるとDisc-1がモービルとソルトレークの5月サウンドボード、Disc-2もソルトレークを継続する中でドンっ！と7月シアトルの「Dazed And Confused」が登場。そうです、73年アメリカのSBDの中でも一番線の細い音質なシアトルから「Dazed And～」を採用してみせたところに、演奏内容から敢えて収録したであろうマニアならではの審美眼が働いている。そしてラストのDisc-3がライブ終盤しか録音されていないサウンドボードばかりなケザーやLAフォーラムを中心としているのも抜群のセンス。ちなみに終盤のMSG音源は名盤「THE SONG REMAINS THE SAME EXPANDED」とまったく異質のイコライズが施されており、その解釈の違いを聴き比べるのも楽しみと言えます。
「U.S. TOUR 1973 COMPILATION」がさらに画期的な点としては、歓声をミックスさせることでPAアウトから録音されたサウンドボードにおける致命的とも言えた臨場感の低さもリカバリーしてみせた点も大きな魅力でしょう。一方でこうした作業はさらなるセンスが求められます。その点においてもこのコンピは抜きん出た仕上がりを見せており、ライブ前半の「Black Dog」辺りまでとライブ終盤に限った歓声のスパイス的な使い方が素晴らしい。
ただし、海外マニアのセンスだけにツッコミどころも存在します。ケザー・スタジアムでの「Communication Breakdown」が終わった後、プラントが観客とビル・グレアムにお礼を述べて「The Ocean」を始めるMCまでケザーのパートが使われているのですが、その後はMSGの終盤パートに切り替わり、MSG版「The Ocean」が終わると再びケザーでのMC(あの有名な「Vives are real!」というやつです。）で幕を閉じるという編集が微妙かと。
つまり、この部分でMCを最長フルで収録したいのはわかりますが、プラントが「The Ocean」と言っておきながら「Thank You」のオルガンが始まるのはちょっとおかしな感じが否めません。ちなみに「Thank You」の後に再録されているケザーMCは意図的に短めにエディットされて収録されています。
そして今回のリリースに際しては、ギフト時にオミットされていたボーナス・ディスク扱いのDisc-4まで含む「完全版」としてのリリースでもあります。今回初となるこのディスクには実際のライブの順番で収録されたモービル公演の冒頭二曲（この2曲の音が凄い！）、さらには同公演からの「Dazed And Confused」などを同様のトリートメントで仕上げたもの。これによって、同じツアーにおける「Dazed And～」インプロの違いを簡単に聴き比べられるというマニアも喜ぶコンセプトに進化していますし、一方で全体を通したクオリティの高さからビギナーでも聴き込める文句なしのコンピレーション。
最後に身も蓋もないことを白状してしまいますが…全編を通して音質が良くディスク４枚というボリュームがまったく苦にならないのに加え、何といっても「Moby Dick」が収録されていないからいよいよ聴きやすい仕上がり！超楽しめます！笑
★海外倉庫にあった完売タイトル・限定80セットを無料ギフト・タイトルとして大放出！早い者勝ちの新春特別企画です。』
1973 U.S. Tour Compilation (No Label)
All Excellent SBD Recorded From The Several Venues.
Great Compilation.
Disc 1
1. Intro (@)
2. Rock And Roll (@)
3. Celebration Day (#)
4. Bring It On Home Intro (#)
5. Black Dog (#)
6. Over The Hills And Far Away @)
7. Goergia On My Mind (#)
8. Misty Mountain Hop (#)
9. Since I've Been Loving You (@)
10. No Quarter (@)
TOTAL TIME (49:08)
Disc 2
1. The Song Remains The Same (#)
2. The Rain Song (#)
3. Dazed And Confused (%)
TOTAL TIME (49:32)
Disc 3
1. Stairway To Heaven (&)
2. Heartbreaker ($)
3. Whole Lotta Love ($)
4. Communication Breakdown ($)
5. Organ Solo (+)
6. Thank You (+)
7. The Ocean (+)
TOTAL TIME (54:12)
Disc 4
[Bonus Tracks]
1. Rock And Roll (@)
2. Celebration Day (@)
3. Dazed And Confused (@)
4. Heartbreaker (#)
5. Whole Lotta Love (#)
TOTAL TIME (47:57)
(@) Municipal Auditorium,Mobile,AL,USA 13th May 1973
(#) Salt Palace,Salt Lake City,UT,USA 26th May 1973
(%) Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA 17th July 1973
(&) The Forum, Inglewood,CA,USA 31st May 1973
($) Kezar Stadium,San Francisco,CA,USA 02nd June 1973
(+) Madison Square Garden,New York City,NY.USA 29th July 1973
Rock And Roll
No Quarter
The Song Remains The Same
Thank You
[参考]
Best Of Tour 1973 (FSS 99-008)
Best Of Tour 1973 (FSS 99-008-1/2)
Best Of Tour 1973. Archives 1973.
1973 North American Tour Dates
May
04 Atlanta Fulton County Stadium,Atlanta,GA,USA
05 Tampa Stadium,Tampa,FL,USA
07 Jacksonville Coliseum,Jacksonville,MS,USA
10 Memorial Coliseum,Tuscaloosa,AL,USA
11 St. Louis Arena,St. Louis,MO,USA
13 Municipal Auditorium,Mobile,AL,USA
14 New Orleans Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA
16 Sam Houston Coliseum,Houston,TX,USA
18 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
19 Tarrant Country Convention Center,Fort Worth,TX,USA
22 Convention Center Arena,San Antonio,TX,USA
23 University Arena,Albuquerque,NM,USA
25 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
26 Salt Palace,Salt Lake City,UT,USA
28 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
31 The Forum,Inglewood,CA,USA
June
02 Kezar Stadium,San Francisco,CA,USA
03 The Forum,Inglewood,CA,USA
July
06 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
07 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
08 Market Square Arena (unconfirmed),Indianapolis,IN,USA
09 St. Paul Civic Center,Saint Paul,MN,USA
10 Milwaukee Arena,Milwaukee,WI,USA
12 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
13 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
15 Buffalo Memorial Auditorium,Buffalo,NY,USA
17 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
18 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
19 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
20 Boston Garden,Boston,MA,USA
21 Providence Civic Center,Providence,RI,USA
23 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA
24 Three Rivers Stadium,Pittsburgh,PA,USA
27 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
28 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
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： 40th Anniversary Version (Gift CDR)」
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