オフィシャル・アルバム 『 The Song Remains the Same - 永遠の詩(狂熱のライヴ) 』 や,コンサートおよびプライベートの模様等 を描いたセミ・ドキュメンタリー映画 『 The Song Remains the Same - レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ 』 が生まれた 1973年北米ツアー.

 この1973年北米ツアーは,5月4日ジョージア州はアトランタのアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアム公演を皮切りに行われ,7月29日ニューヨーク州はマンハッタンのマディソン・スクエア・ガーデン公演で幕を閉じます.
 北米で通算 9回目に当たるこのツアーは,6月3日カリフォルニア州はイングルウッドのザ・フォーラム公演まで行われたファースト・レグと,約 1ヵ月のブレイクを挟んで 7月6日イリノイ州はシカゴのシカゴ・スタジアム公演から始まるセカンド・レグで構成されますが,本CDは,そのセカンド・レグ中盤に当たる 7月17日,ワシントン州はシアトルのシアトル・センター・コロシアム公演をオーディエンス収録した 『 Seattle 1973 Master Reels (No Label) 』 です.

 本CDのリリースは,2016年にリリースされましたが,当時は優先度的な問題で購入しておらず,2018年2月前後に購入したものです.

 私が最初に この日の音源(ブート)を聴いたのは,今から43年以上前で,当時 西新宿のブート店から LPを通販で入手し,毎日聴き込んでいたものでした.
 音源自体はアナログ時代から定番中の定番音源・公演日としても有名で,少し前も LIGHTHOUSE や 今は無き御茶ノ水の Next Time 等から同日の商品がリリースされていたので,コアなファンで無くとも聴いた事がある方も多かったのではないかと思います.
 メーカー情報でも触れられていますが,この日のオーディエンスとサウンドボードを両方収録し,7月27日のマジソン・スクウェア・ガーデン公演,7月6日のシカゴ・スタジアム公演とカップリングされた Antrabataレーベルの 9枚組 『 Grandiloquence (ARM 17773-27773-6773) 』 も非常に懐かしく,このレーベルは非常に良い仕事をしていたイメージがあります.

 オーディエンス録音ですが相応な高音質で,各楽器の音も割とバランス良く収録されており,ストレス無く通しで聴く事ができます.

 メーカー情報では
 『名演中の名演ウィーンに続き、今週も73年のZEPライブ音源をリリースいたします。ただし今回はアメリカ・ツアーからの名演かつ名音源を限定のプレスCDにてリリース。
 白羽の矢が立ったのは7月17日のシアトル、センター・コロシアム公演。そう、1973年のシアトルと言えばマニアでなくとも、ある程度ZEPのライブ音源を聴かれた方ならご存知かと思われる名音源。
 何といってもLPの時代には名盤「V1/2 PERFORMED LIVE IN SEATTLE」によって73年アメリカ・ツアーの素晴らしさをオフィシャルよりもずっと先に伝えてくれたもの。今や伝説的なレーベルと化したTMOQが「BONZO'S BIRTHDAY PARTY」と「THREE DAYS AFTER」と並んでリリースした三羽烏の一つでもありました。
 今となってはどのタイトルもライブを完全収録できていなかった点においてLPアイテムの限界を感じさせたのですが、もっとも平均的なクオリティのオーディエンス録音だった前者、音質はそれより良好なステレオ音質ながらも録音テープの問題によってライブ後半のみな収録となってしまった挙句、ブルーベリーヒル音源も混ざっていた後者たちと違い、非常にクリアーでオンな音像のステレオ録音を愛聴したマニアは多かったはず。
 しかもそれら二タイトルと違い、唯一「Rock And Roll」から始まるライブ前半を収録してくれたことで、実際のアメリカ・ツアーの雰囲気をリアルに伝えてくれた点もありがたい存在だったものです。

 そこからシアトルの音源がどのようにリリースされてきたのかをおさらいしてみましょう。

 逆に言うと73年ツアーのオンタイムな時期にリリースされたのはそれら三枚だけであり、オフィシャル「THE SONG REMAINS THE SAME」が登場するまでの数年間、同ツアーの模様を伝えてくれた貴重な存在でもあったのです。
 しかもCDの時代を迎えると再び「V1/2」の名の下、今度は同日のサウンドボード録音が発掘されて世界中のマニアに衝撃を与えています。
 何しろ、今までオーディエンス録音で聴き慣れてきたシアトル・コンサートが一気にサウンドボードのクリアネスへと昇格したのです。こちらの音源もまた不完全収録ではあったものの、LP時代と違ってライブの演奏順に収録されていたという点も大きな魅力でした。
 しかしどちらもコンサート完全収録までには、どうしても及ばない。この状況に対して救世主のごとく発掘されたのが第二のオーディエンス録音。TMOQのファースト・ソースほど音像はオンでなく、おまけにモノラル音質という違いがあったのですが、それでも1973年ツアーのオーディエンス録音としては十分に高音質な部類に入り、何よりも過去二種類の音源では聴かれなかったライブ後半をしっかり捉えてくれたことで遂に名演たるシアトル公演の全貌を明らかにしてくれたという、大きな意義を持っていたものです。それどころか、ZEPのメンバー登場前における場内アナウンスまで収録してくれていたのだから驚きというもの。

 やはりコンサート全体を収録しているという価値は高く、IQレーベルの「SEATTLE DAZE」やANTRABATAの「GRANDILOQUENCE」のようなリリースをきっかけとして、多くのタイトルが生み出されることになります。
 しかし、どれもこれもピッチの狂いやジェネ落ちカセットを元にしたが故の不要な欠損、そしてイコライズといった問題を抱えていました。
 そうこうしている内にこの音源とサウンドボードを組み合わせたハイブリッド・アイテムが新世紀の主流となってしまい、セカンド・ソース単体のリリースは滞ってしまいます。そこに追い打ちをかけたのが、数年前に実現したJEMSによるファースト・ソースのマスター発掘でしょう。この音源の全貌が明らかになってみれば、結局コンサートを完全収録していなかったことが明らかとなったのですが、いにしえのTMOQソースのマスターならではのアドバンテージは大きく、世界中のマニアをアッと言わせたものでした。しかも、この音源とサウンドボードを元にしたGRAF ZEPPELIN版「V1/2」が先頃リリースされ、マニアの間で評判を呼んだのは記憶に新しいところかと思われます。

 こうした状況の変化によって取り残されてしまったのが今回のセカンド・ソース。
 一時期は先のようにもてはやされておきながらも、先の理由により収録したアイテムの存在が希少となってしまいました。おまけにファースト・ソースと同時期にJEMSがこちらの音源までマスターを流通させてくれたにもかかわらず、セカンド・ソースのマスター登場によって完全に陰に隠れてしまいました。
 意外なことに今年に入ってEAT A PEACHレーベルからJEMSバージョンのセカンド・ソースを収録した「PERFORMED LIVE IN SEATTLE」によって久々にアイテムが登場したものの、GODFATHER系レーベルにありがちなイコライズが施されたことが災いし、せっかく原音の良さが損なわれてしまいます。
 ヒスノイズが増幅され、全体的にイコライズの違和感が漂う仕上がりはいただけません。

 そこで今回は当店がJEMSマスターそのものの良さを生かしたアイテムのリリースを実現させます。
 リリースに際してはイコライズを施すことなく、欠損部分やピッチのアジャストといった問題を徹底的にブラッシュアップ。
 まず開演前のアナウンスからZEP登場までの空白には、何とサウンドボードを完全モノラル化させた音源でパッチ。さらにセカンド・ソース最大の欠点である「No Quarter」終盤からしばらくの欠損に関しては、過去の「COMPLETE SEATTLE」のようにただファースト・ソースから補うのではなく、今回はそれをモノラル化した上でパッチしたことから、違和感が一気に減った自然で聴きやすい仕上がりが聴きどころだと言えるでしょう。
 とどめはライブ後半パートで下がっていたピッチまでもしっかりアジャスト。それに何よりも音質がとてもナチュラル。これまでセカンド・ソースを愛聴してきたマニアにとっては、これぞ決定版と呼ぶに仕上がりを約束します!

 そして何といってもこの日のコンサートの素晴らしさ、それは際立ったプラントの好調にあります。
 元々アメリカ・ツアーのセカンド・レグは初日のシカゴに代表されるように、彼の声の不調が目立つ時期でした。
 シアトルの前のコンサートだった15日のバッファローでもシカゴに比べれば格段の復調を見せていましたが、それでも今回のシアトルに比べると明らかに物足りない。
 しかし間に一日の移動日があったからでしょう、ここシアトルでのプラントはオープニングから声のキレが俄然違います。
 はっきり好調の波に乗ったプラントは「Misty Mountain Hop」から「Since I've Been Loving You」にかけて早くもピークを迎え、その後も「Stairway To Heaven」や「Whole Lotta Love」において素晴らしい歌声を披露。
 そうした彼の頑張りによって、LAフォーラムと同じように名演を生み出し続けたZEPシアトル伝説の一角はこの日が成すもの。

 とは言ってもアンコールの「The Ocean」(演奏の中盤から起きる音のこもりも解消させています)では若干の疲れが見え隠れしており、翌日以降に再度陥ったプラントの不調を予見させるものがあります。
 そう、翌日のバンクーバーでは彼の喉の不調が原因でライブ短縮という事態に発展したことはよく知られるところ。そこまでプラントが張り切ってみせた名演を単一ソースでコンサートの全編を聴かせてくれる唯一の音源、その決定版アイテムがようやく登場します!』

Seattle 1973 Master Reels (No Label)
 
 Live At Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA 17th July 1973

  Disc 1
   1. Intro.
   2. Rock And Roll
   3. Celebration Day
   4. Black Dog
   5. Over The Hills And Far Away
   6. Misty Mountain Hop
   7. Since I've Been Loving You
   8. No Quarter
   TOTAL TIME (53:16)

  Disc 2
   1. MC
   2. The Song Remains The Same
   3. The Rain Song
   4. Dazed And Confused
   5. Stairway To Heaven
   TOTAL TIME (63:12)

  Disc 3
   1. MC
   2. Moby Dick
   3. Heartbreaker
   4. Whole Lotta Love
   5. The Ocean
   TOTAL TIME (63:10)

 Rock And Roll
 
 No Quarter
 
 The Song Remains The Same
 
 The Ocean
 

[参考]
 V 1/2 (LZSC-017A/B/C/D/E) 
 
 Seattle 1973 Audio Archives (No Label) 
 
 Seattle Daze (IQ-007/8/9)
 
 Grandiloquence (ARM 17773-27773-6773)
 

 1973 North American Tour Dates
  May
   04 Atlanta Fulton County Stadium,Atlanta,GA,USA
   05 Tampa Stadium,Tampa,FL,USA
   07 Jacksonville Coliseum,Jacksonville,MS,USA
   10 Memorial Coliseum,Tuscaloosa,AL,USA
   11 St. Louis Arena,St. Louis,MO,USA
   13 Municipal Auditorium,Mobile,AL,USA
   14 New Orleans Municipal Auditorium,New Orleans,LA,USA
   16 Sam Houston Coliseum,Houston,TX,USA
   18 Dallas Memorial Auditorium,Dallas,TX,USA
   19 Tarrant Country Convention Center,Fort Worth,TX,USA
   22 Convention Center Arena,San Antonio,TX,USA
   23 University Arena,Albuquerque,NM,USA
   25 Denver Coliseum,Denver,CO,USA
   26 Salt Palace,Salt Lake City,UT,USA
   28 San Diego Sports Arena,San Diego,CA,USA
   31 The Forum,Inglewood,CA,USA

  June
   02 Kezar Stadium,San Francisco,CA,USA
   03 The Forum,Inglewood,CA,USA

  July
   06 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
   07 Chicago Stadium,Chicago,IL,USA
   08 Market Square Arena (unconfirmed),Indianapolis,IN,USA
   09 St. Paul Civic Center,Saint Paul,MN,USA
   10 Milwaukee Arena,Milwaukee,WI,USA
   12 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
   13 Cobo Hall,Detroit,MI,USA
   15 Buffalo Memorial Auditorium,Buffalo,NY,USA
   17 Seattle Center Coliseum,Seattle,WA,USA
   18 Pacific Coliseum,Vancouver,BC,CANADA
   19 The Spectrum,Philadelphia,PA,USA
   20 Boston Garden,Boston,MA,USA
   21 Providence Civic Center,Providence,RI,USA
   23 Baltimore Civic Center,Baltimore,MD,USA
   24 Three Rivers Stadium,Pittsburgh,PA,USA
   27 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
   28 Madison Square Garden,New York City,NY,USA
   29 Madison Square Garden,New York City,NY,USA

 Promotional Poster Of Led Zeppelin, 1973
 

The Song Remains the Same
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