インプット・アウトプット | Nagoya Double-Reed Ensemble
 ども、ひさびさの休みに限って台風が来るだーいし二等兵です。
皆さま先日のコンサートにご来場くださりありがとうございました土下座

 わたしのすんでるソヴェ村では夕方猛烈な雨風でした。夜に懐かしい友人と会う約束もおじゃんに。結局自宅でリードを削って巻いて削って巻いて削って巻いて削って巻いて削って巻いて...の一日でした。やられた

 というわけで、どこへも行くことが出来ないので、リード作りの合間に、部屋の本棚を見回して所持している本の中で面白いものをつまみ読みしました。以下はそのなかでオススメなものを。

 ところで毎年ダブルリードで作曲をさせてもらって思うんですが,わたくし入力(インプット)しなければ絶対出力(アウトプット)できません。人によっては、無から何かをとつぜん産み出せるタイプの人がいて、それは本当に素晴らしいと思うのですが,わたくし自身は哀しいかな想像力の貧困さか、それは全く無理なので、つとめて読書や情報収集はするようにしています。以下、だーいし独断による感心具合(ムフ~値)、枕として流用具合(スピー値)も掲載。



セルジュ・ブランリ著 『レオナルド・ダ・ヴィンチ』平凡社、1996年。

「ルネサンス美の巨匠」「万能の人」と言われ、知らない人はいないくらいの大芸術家ですが、その生き様、作品、考えについてはたいへん謎が多くー例えば,なぜ途中放棄した作品が多いのか、なぜ平和主義者である一方で大殺戮できる兵器のデッサンに嬉々としてとりかかってたのか、などー、いまだにダ・ヴィンチ自体の評価すら定まっていないのが現状です。著者のセルジュ・ブランリは、丹念な追調査でもって錯綜したダ・ヴィンチの生涯を書き出し、全体像としてわれわれに見せてくれたのが本署です。本作でヴァザーリ賞を受賞したのもうなずける、良書です。500頁あるので、枕としてもピッタシの高さ(笑)
ムフ~値★★★★☆
スピー値★★★★★



日本バイオロギング研究会編 『バイオロギング~動物達の不思議に迫る~』東京通信社、2009年。

 これ2月に、ばんますさん真美ちゃんえりんこさんらとイチゴ狩り水族館寿司喰いねえいくら大会に行った折り、水族館で買ったのですが、こんなに面白いご本とは知りませんでした。動物生態学の分野で、そのままでは調査困難な動物、とくに海洋生物に最新のセンサを取りつけて放ち、その謎の生態を探ろうというもの。人間の知的好奇心がもたらした「技」ですね。この本ではセンサの調査により、マンボウは実際はかなりバッサバッサ速く泳ぐさかなとか、マダイは生きるために相当な絶食ダイエットをするとか、ペンギンアデリーペンギンは要領良いやつ、努力家のやつ、サボリ君とかなり「個性」があった(どこかのアンサンブルみたい)、など、つぎつぎと興味深い「事実」が発見されている..などとても面白い本です。たくさんの研究者さんが共同して執筆してますが、調査の苦労話なども豊富で、読めば読むほど理系の研究者って皆どうしてこんなに文章が上手いんだろう...お~と、動物の生態とは別の所でも感心してしまいます。
ムフ~値★★★★★
スピー値★★☆☆☆



ナンシー・マックウィリアムズ 『パーソナリティ障害の診断と治療』創元社、2005年。

原題は「精神分析的パーソナリティ構造論」。「精神分析」を使い「パーソナリティ障害」の患者をいかに治療するのか、というのが趣旨の本ですが,そもそも「力動」というなかなか説明しづらいものをここまで分かりやすく、かつ鮮やかに書いた本をわたしは知りません。たぶん邦訳の良さも際立っているんでしょう。第1部「基礎概念」は種々の精神力働が非常に丁寧に説明されており、第2部「性格構造のタイプ」では各人格障害の類型とその力働、そして鑑別診断のしかたが、ナンシー女史の豊富な臨床経験によって明快に述べられています。
PHPの新書には、岡田尊氏さんの書いた「パーソナリティ障害」という大変良い本がありますが、それ読んだらコレ、って感じですね。『パーソナリティ障害の診断と治療』は400頁ありますが、枕にするはちょい低め。ですが続編『ケースの見方・考え方』も一緒に乗せるとちょうど良い高さになります(笑)。
ムフ~値★★★★☆
スピー値★★★☆☆


$名古屋ダブルリードアンサンブルのブログ-ごほん

みなさんおヒマでしたらご一読ください土下座