世界中で毎年何千本も作られている映画。そんな中でヒットする映画はほんの一握りです。多くの場合は名前さえ知らず埋もれていきます。今回は、そんな映画の中でもっとたくさんの人に見てもらいたい映画を集めてみました

 

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★★映画なんでもベストて~ん★★

「オススメのマイナー映画!」

 <PART1>

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商業的にはヒットしなくても妙に心に残る映画、カルトほどではないけどあまり知られていない映画、誰かにこっそり教えたくなるような掘り出し映画、かつてはそこそこ知られていたのに今では全く話題にならない映画。今日はそんな「おススメのマイナー映画」をいくつか紹介します。大作でも話題作でもないのに、その時の自分の心情に合った映画に出会ったことは誰でも一度や二度はあるはずです。「マイナー映画」の定義は人によって若干違うでしょうが堅苦しいこと抜きでいきましょう

 

 タイピスト

/2013年・フランス

 

1950年代のフランスを舞台に、タイプの早打ち以外には取りえのないヒロインが、タイプ早打ち世界大会優勝を目指して奮闘するラブコメディー。ストーリーはシンプルながら画像が美しくレトロなファッションが逆に目新しい。全く知りませんでしたが主人公のデボラ・フランソワがキュートで、若き日のオードリー・ヘプバーンを彷彿させます。共演は「ゲティ家の身代金」のロマン・デュリス、「アーティスト」のベレニス・ベジョらが顔をそろえています。シュールな笑い満載で好き嫌いはあると思いますが、フランスらしい洒落た映画で、意外と見たことがある人は少ないのではないでしょうか

 

 シリアル・ママ

/1994年・アメリカ

 

「ピンク・フラミンゴ」などで知られる奇才ジョン・ウォーターズ監督のブラック・コメディ。夫と2人の子どもを持つ平凡な主婦が、社会のルールを守らない奴らに対して制裁を加えていくという物語。「ペギー・スーの結婚」「女と男の名誉」のキャスリーン・ターナー主演でマイナーではないものの、あまり取り上げられることのない作品なのでラインナップに加えました。コメディ仕立てでテンポもよくポップで痛快なのですが、かなり毒気が強くグロなシーンもあるので見るのにはそれなりの覚悟がいります。30年前の映画ですが未だにカルトな人気があるパワー系のサイコ・コメディです

 

 午前4時にパリの夜は明ける

/2022年・フランス

 

結婚生活に終わりを告げた女性が、深夜放送のラジオ番組の仕事に就くことで、新しい生き方、出会いに目覚めていくヒューマンドラマ。特別な出来事があるわけではありませんがじんわりと沁みてくるフランスの良品。80年代のパリの映像が美しい。ガラス張りの窓辺でタバコを吸うシャルロット・ゲンズブールがイカしてました

 

 バウンド

/1996年・アメリカ

 

「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー姉妹監督の初監督作品。刑期を終えて出所したばかりの女泥棒とマフィアの愛人が組んでマフィアの金200万ドルを盗み出すクライムサスペンス。圧倒的に「マトリックス」の方が有名ですが、個人的にはストーリー、演出では優劣つけ難いほど完成度が高いと思います。もっと知られてもいい映画です。以前にも何度か書いていますがこの作品を含め90年代はサスペンスの秀作が多いです。「レッド・ブル」のジーナ・ガーションと「ライアーライアー」のジェニファー・テイリーのコンビが抜群にいいです。小品ですが映像も美しく、スリル満点!以前レビューしています

 

 

 殺し屋とセールスマン

/1973年・フランス&イタリア
 
実は誰にも言わずこっそり取っておきたかった映画です。殺人を請け負った凄腕殺し屋が泊まったホテルの隣りに、自殺願望のある気弱なセールスマンがいて巻き起こる出来事を描くサスペンス・コメディ。凄腕の殺し屋役が「死刑台のエレベーター」「バラキ」「シシリアン」「冒険者たち」などの他にギャング映画でもお馴染みのフランス映画界のスター、リノ・バンチュラ。とにかくシュールな笑い満載で、なぜ日本公開されなかったのか不思議なほどの作品です。50年以上前の映画ですから若干間延び感はありますが、強面なのに人の良い殺し屋と空気が読めないセールスマンのやりとりが面白い。DVD化はされていますので是非どうぞ。いつかレビューしたいです

 イエスタデイ

/2019年・アメリカ
 
監督は「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル。まったく泣かず飛ばずのシンガーソングライターが交通事故に遭い、目が覚めたらビートルズが存在しない世界になっていたというファンタジー・ラブコメディ。ヒメーシュ・ペテル、リリー・ジェームズ、ケイト・マッキノンらが出演しています。とにかく設定が面白い。若干出来すぎ感はありますが、全編流れるビートルズの曲が優しく映画を包み込みます。ビートルズ世代ではなくても楽しめるおススメ映画です

 

 大いなる休暇

/2003年・カナダ

 

かつては漁業で栄えた島も、今では年金受給者ばかりの寂れた村。そこへ降って沸いたようなプラスチック工場誘致の話が舞い込む。しかし、工場建設の条件は島に医者がいることなので、島にやってきた1人の医者を島に定住させようと、島の命運をかけて島ぐるみの必死の大芝居が始まります。島民たちの憎めないウソの数々に笑って、ジワッと心が温まるおススメの一本。カナダの映画でいい意味で拾い物のコメディです。以前レビューしています

 

 

 ニューヨーク1997

/1981年・アメリカ

 

巨大な監獄と化したマンハッタン島に大統領専用機が墜落し、それを救出する男たちを描くSFアクション。監督は鬼才ジョン・カーペンターで、主演スネークを演じたのは「遊星からの物体X」「スターゲイト」「ポセイドン」のカート・ラッセル。ほかにもリー・ヴァン・クリーフ、アーネスト・ボーグナイン、ドナルド・プレザンスら個性派俳優が出演しています。隠れた傑作SF映画と呼ばれていますがB級感は否めません。40年以上の映画で若干古さは感じますがクオリティはかなり高いです。この作品をマイナー映画と呼ぶことが憚られるほど一部ファンには伝説的な作品!

 

 

 ライフ・アクアティック

2004年・アメリカ

 

なにが飛び出すかわからない、独創的な世界観でファンを魅了するウェス・アンダーソン監督作品なので好き嫌いはあると思います。船の冒険の話しなのですが一筋縄ではいきません。出演者にビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、ケイト・ブランシェットらが顔を揃える豪華版で、同監督の「グランド・ブダペスト・ホテル」「ダージリン急行」が好きな人なら絶対におススメです。他の作品よりも圧倒的にストーリーがシンプルで適度なユーモアもあります。デビッド・ボウイの70年代の名曲の数々を、ボサノバ調にカバーしているのも印象的でした
 

 君のためなら千回でも

2007年・アメリカ

アフガニスタンを舞台にしたカーレド・ホッセイのベストセラー小説を映画化した作品。当時はまだ平和だった1978年アフガニスタンの首都カブールに住む少年二人が主人公。ある出来事を境に疎遠になり、時を同じくしてソ連軍がアフガン侵攻を決行し2人は歴史の流れに引き裂かれ再び会うこともなくなります。それから20数年経って、自分の過去と対峙し友人の息子を救うため戦禍の故郷へ危険な旅に出ることを決心するかつての少年。ソ連による侵攻前後からタリバン支配下のアフガンの様子や民族問題が描かれており興味深い映画です。ブログ友に紹介されて初めて見た時は涙が止まりませんでした。是非多くの人に見ていただきたいです

 

”マイナー映画”とは言ってもそこそこ有名な映画や、私にとってはメジャー級!なんていう映画もあるとは思いますが過去自分が見てきた映画(見ていない映画は紹介していません)の中での一般的な評価です。「映画なんでもベストて~ん」のカテゴリーで紹介していますが、特に順位だてせずランダムに10本紹介しました。あまりにも作品が多いので、なるべく制作国、年代、ジャンルなどを考慮して幅広く選びました。第2弾、第3弾も予定しています

 

みなさんのオススメのマイナー映画は何でしょう?