暑くなったら聴きたいファンク
前日はFaiの「PRIMO」でDJで
中々の大盛況で僕も楽しまさせてもらいましたが
朝にならないよう早目に帰途につきました。
今日はインタヴュー2本と打ち合わせも1本あったのです。
天気も良かったので
移動の合間に六本木、表参道、原宿、新宿を歩いたのですが
世の中はゴールデンウィーク期間中で
繁華街はどこも人で一杯。
歩くにも歩調を緩めないといけない状態。
でも、逆にオフィス街の溜池とかはガラガラで
店も閉まってて
そんな無人の街を歩くのは気分が良かったです。
さて、暖かくなると聴きたい音楽ってありますよね。
(今日の場合はもう暑くなったらですか)
レゲエだったり、ラテンだったり、ブラジリアンだったり
人それぞれだと思いますが
僕の場合はファンクです。
何かスポーツでスカッと汗をかく
そんな感じに似ているからかも知れません。
最近、そんなファンクでいいアルバムが出たので紹介を。
まずThe Souljazz Orchestraの『Freedom No Go Die』。
彼らはカナダのオタワ出身のファンク・バンドなのですが
この街はフランス系の人が多く
そしてフランスはアフリカからの移民が多いので
このバンドもそうしたフレンチ・アフリカン系のバンドと言えます。
サウンドは7インチでヒットした「Mista President」を筆頭にアフロ・ビート。
Fela KutiとかManu Dibangoとかの系譜の音です。
でも、アフロ・ファンク一色と言うわけでもなく
ラテン・ソウルやソカ、ラテン・ジャズもやっていて
世界中のワールド・ミュージックのいいところを集めたようなアルバムです。
そしてPharoah Sandersの「The Creator Has A Masterplan」のカヴァーも !
優しい女性ヴォーカルをフィーチャーしたカヴァーで
メロウなラテン・フュージョン的なサウンドに始まり
途中からハウス的なキックが入ったビートに変わるので
DJ的にも使い易いヴァージョンです。
テナー、ソプラノ、アルト、バリトンと4本のサックスが入り
管のアンサンブルも楽しめます。
続いてアフロ・ファンクでいくと
Jimi Tenor & Kabu Kabuの『Joystone』。
- Jimi Tenor & Kabu Kabu
- Joystone
フィンランドの鬼才Jimi Tenorは
アルバムごとに作風を変え
今回は元Fela Kutiのバンド・メンバーによって結成された
アフロ・ビート・バンドKabu Kabuとの共作。
それ以外にもThe Five Corners Quintetの
Jukka Eskola、Timo Lassy
そして奥方のNicole Willisも参加してます。
アフロ・ファンクのアルバムなのですが
そこはJimi Tenorなので
随所にエキセントリックなテイストを滲ませています。
Sun RaとJ Dilla、Alice Coltraneが出会ったような
スペイシーなコズミック・ファンク「Smoking」もあり
エロティックな女性の吐息が差し込まれる
Roy AyersミーツChakachas的なテイストの「Hot Baby」もありと
やはりこの人、只者ではありません。
面白いのはJukkaとTimoで
TFCQでの演奏とは全く別人。
特にTimoはPharoah Sandersにも影響を受けてる人で
「Bedroom Eyes」という曲では
雄大なアフロ・スピリチュアル・ジャズとでも言うべき
豪快に吼えるバリ・サクを披露。
基本的にこの人はこういったアーシーで
ファンキーな音が好きなんでしょうね。
そしてもう一つはThe Bamboosの『Rawville』。
オーストラリアはメルボルンのファンク・バンドで
「Tighten Up」カヴァーのヒットで一躍有名になりました。
本作はセカンド・アルバムとなる最新作ですが
面白いのはリーダー兼ギタリストのLance Fergusonは
Lanu名義でブロークンビーツのアルバムも出してる点。
方やバリバリのディープ・ファンク
方やBugz In The Attic張りのソウルフルなブロークンビーツと
そんな2面性を持つプロデューサーなのです。
ハモンド・オルガンを弾くBen Graysonも
別でハウス・ユニットをやってたりと
一癖も二癖もある連中がやってるバンドなのです。
ゲストも多彩で
Alice Russell、Ohmega Wattsなども参加。
特に7インチにもなった
Ohmega Wattsをフィーチャーした
「Get In The Scene」がいいです。
ヒップホップ・フィーリングを感じさせる爽快なファンク・チューンで
僕的にはThe Rebirthの「Evil Vibrations」
Root Soulの「Spirit Of Love」といった
ゴキゲンなパーティー・チューンの系譜に属するナンバー
という位置付けです。
それから「I Don't Wanna Stop」というガール・ファンク
これもいい。
Barbara Acklinの「Am I The Same Girl」が思わず浮かびました。
これとかは女の子が聴いても
絶対に気に入る曲だと思いますよ。
アルバム全体は骨太な男のファンク
という感じですけどね。
PRIMO 2nd Anniversary
皆さんはゴールデンウィークは旅行などにいくのでしょうか?
僕は暦とは関係無く仕事、仕事です![]()
逆に人が休みの時ほど働いているような・・・。
さて、ゴールデンウィーク真っ只中の5/3(木)
青山のFaiにてDJをやります。
2005年から始まった『PRIMO』というパーティーが2周年を迎え
そのゲストDJとして回します。
他にDJはフィンランドから
Antti Eerikaine(アンチ・エーリカイネン)。
The Five Corners QuintetやDalindeoが所属する
Ricky-Tick Recordsのオウナーです。
彼は昨年ageHaで行われた
『the Shape of Jazz to Come』にも出演していましたが
それ以来の再会となります。
彼はコンピ『On The Spot』も編纂するなど
60年代、70年代の北欧のジャズに関して深い知識と理解を持っています。
今は『ハード・バップ&モード』のコラムを色々と進めているところなので、
このタイミングで何かインタヴューでも出来ればいいなと考えています。
パーティーはShima&ShikouDUOやPLAYAのライヴもありと
色々と盛り沢山な内容です。
それにしてもこのフライヤー
フレンチ・レストランか何かのメニューみたいに豪華ですね。
NHK-FM
皆さんは『ヤングジョッキー』というFM番組をご存知でしょうか?
恐らく、40才より下の方は分からないと思います。
76年から78年にかけてNHK-FMで放送されていた伝説の音楽番組で
その後は『サウンドストリート』と名前を変え
現在も『サウンドストリート21』として放送が続いているようです。
DJは日替わりで色々な方が務めていましたが
僕が欠かさず聴いていたのは
ロッキング・オン編集長(現代表取締役社長)の渋谷陽一さんの日でした。
ブリティッシュ・ロックがメインだったのですが
アメリカン・ロックももちろんあり
ニューウェイヴが台頭してきてからはそれも積極的に紹介し
またEarth, Wind & FireやFela Kutiもありと
ロック番組でありながらとても色々な音楽がかかったのです。
渋谷氏は曲もきちんと全部オンエアすると同時に
その独特の語り口で1曲1曲に対してコメントし
アーティストの紹介をしてくれました。
批評性に富んだ解説で
時にロックとは何ぞや的な熱い話もあり
論評の仕方も論理的かつ的確で
当時ロックのロの字も知らなかった僕にとって
それは何より勝る教科書でした。
特に1時間の放送時間を丸々使って
Led Zeppelin、The Doors、T Rex、Pink Floyd、David Bowieなどを取り上げて
アーティストの世界を深く掘り下げていく特集が好きでした。
Doorsの時はJim Morrisonが書く歌詞について
詳しい分析をされていたことを覚えています。
また、村上龍さん、横尾忠則さん、鎌田正義さん
黒井千次さん、青池保子さん、高田純さん
といった作家やクリエイターの方をゲストに招き
「自分とロック」をテーマに対談をやった特番もありましたが
これなどは今考えてもとても面白い企画でしたね。
特に村上龍さんの回は今も鮮明に内容を覚えていて
ここで初めて聴いた「Moon in June」が
僕とSoft Machineの出会いでした。
20分もある長い曲ですが
それを丸々かけることが出来たのも
この番組だからではないでしょうか。
まあ言ってみれば
僕にとって音楽評論を学ぶ原体験が
この『ヤングジョッキー』だったわけです。
(たまたまネットで検索していたら
当時の『ヤングジョッキー』の放送リスト を見つけて
これには驚いたというか、感動しました)
それから時は流れ
今はこうした硬派な音楽番組はありません。
(そもそも、今は僕もラジオをあまり聴かなくなってしまったのですが)
あの時代だからこそ存在していたような番組かも知れません。
この当時はAMの『若いこだま』
FMの『クロスオーバーイレブン』と
NHKには本当にいい番組が存在していました。
スポンサーの入らないNHKだから出来る
ある意味趣味の世界のような番組。
でも、基本的に今もそうした伝統は
NHK-FMには受け継がれていると思います。
で、このNHK-FMが
ゴールデン・ウィークの5/5に
丸一日ジャズの特番をやります。
他の日には一日アニメ・ソングをやったり
浪曲をやったり
映画音楽をやったりと
やはりNHKでないと出来ない特番ばかり。
プログラム名は
僕は21:35~22:25という枠で
スピリチュアル・ジャズについてやります。
他にもGilles Petrsonと松浦俊夫さんが
クラブ・シーンを代表して登場します。
NHKでこうしたクラブ・ジャズのDJが
パーソナリティーを務めるのは
今まで無かったそうです。
ということで
これは非常に画期的なことでもあるのです。
僕としては『ヤングジョッキー』風に出来ればいいなと思っています。
Freedom リリース・パーティー
金曜の夜はre:jazzのライヴの後、
Liquid Roomの上にあるLiquid Loftで
ファッション雑誌『FUDGE』/『Men's FUDGE』の
創刊2周年記念パーティーがあったので
そちらに顔を出してきました。
『FUDGE』ではちょくちょくインタヴューをやったり
最近では『Men's FUDGE』でも4 Hero特集を
書いたりしているのです。
関係者のみのパーティーでしたが
DJは沖野修也さん
福富幸宏さん
grooveman SPOT aka DJ Kou-G
という豪華顔合わせ。
沖野さんとも福富さんとも会うのは久々で
近況報告だとか
これから予定しているプロジェクトのことなど
色々と話を聞きました。
お二人ともかなり忙しい模様。
僕も頑張らねばという感じです。
さて、今週土曜の4/21はTHE ROOMでDJです。
コロムビアから出たquasimodeによるコンピ
『Freedom quasimode JAZZ SELECTION』の
リリース・パーティーで回します。
今回、これを選曲したのは
quasimodeのパーカッション奏者にして
DJとしても活動する松岡高廣さん、
quasimodeのプロデューサーにして
Slowly名義でも活躍する小松正人さんです。
そして、僕はライナーを書かせてもらっているのです。
ということで3人が集まってのパーティーとなりました。
TOKYO JAZZ MEETING SPECIAL
FREEDOM quasimode JAZZ SELECTION RELEASE PARTY
http://www.cogito.st/the-room/news/2007/04/tokyo_jazz_meeting_freedom_qua.php
DJ
MITSURU OGAWA(DMR)
TAKAHIRO"MATZZ"MATSUOKA(quasimode)
MASATO KOMATSU(Slowly)
[OPEN] 22:00
[CHARGE] 22:00~23:00 1000(1d) 23:00~ 2500yen(1d)
http://www.theroom.jp/
ところで、たまに
「このジャケの女の人、誰?」と尋ねられるのですが
僕に訊かれても分かりません(苦笑)。
quasimodeとは全く関係の無いモデルさんでしょう。
どうもDJ Kawasaki以来、コロムビアでは
ジャケにきれいなモデルさんを起用するのが流行ってるみたいです。
re:jazz
昨日は横浜のモーション・ブルーで
re:jazzの公演がありました。
re:jazzはご存知だと思いますが、
クラブ・トラックのクラシックと言われるものを
ジャズの生演奏でカヴァーするというプロジェクト。
今までに3枚のアルバムと
リミックス・アルバムをリリースしています。
最新作は『Expansion』
- [re:jazz]
- Expansion
ドイツ人のMatthias Vogtというピアニストを中心としたユニットで
基本的にはアルバムを制作する為だけにメンバーが集められたのですが
1stが好評で2作目、3作目とシリーズ化され
バンドとしてライヴも行うようになりました。
Matthiasは以前DJとしても来日したことがあるのですが
テック・ハウスのユニットMotorcitysoulや
ピアノ・トリオのMatthias Vogt Trioでアルバムも出したりと
幅広い活動を行う豊かな才能の持主。
アコースティックなジャズもやれば
打ち込みのクラブ・トラックも作るという点では
日本の吉澤はじめさんに共通する部分もあります。
バンドは6人編成で
プラス紅一点のヴォーカリストInga Luhning。
彼女もNeedsのレーベルから「All Over」というハウス作品も出してます。
re:jazzはファーストのライナーノートを書かせてもらい
またずっとDMRでもプッシュしてきたアーティストの一つ。
個人的にも思い入れの深いアーティストです。
以前、レーベルの方から日本でライヴが出来ないだろうかと相談されたこともあり
その時はタイミングが合わなくて出来なかったのですが
今回ようやくそれが実現したわけです。
昨日は2ndステージを見に行ったのですが
立ち見席も出るくらいの大盛況。
やはりre:jazzの日本での認知度の高さを伺わせます。
ステージは『Expansion』からの楽曲を中心に
1stや2ndからの楽曲も織り交ぜ
Ingaもいるのでヴォーカル曲中心の構成となりました。
激しくタイトな演奏を聴かせるというバンドではなく
落ち着いた雰囲気でリラックスして聴かせるバンド。
「Rock It」のボッサ・ヴァージョンのように
スムース・ジャズとしても通用する音楽です。
パーカッション奏者やギタリストも加わっているので
やはりラテン的なアレンジの曲が一番映えます。
「Promised Land」あたりがよかったかな。
基本的にはアルバムのアレンジに忠実に沿った演奏でしたが
この曲の場合は前半のヴォーカル・パートが終わって
後半にはラテン・ジャズ的なジャム・セッション・パートがあり
盛り上がりました。
名前は知らないけど
アフリカかどこかの土器のようなパーカッションを持ち出して
タブラとディジュリドゥが組み合わさったような音を出して
観客の視線が集中するような一幕も。
Matthiasは決してうまいピアニストではありませんが
でもリーダーとしてバンドを統率し
自分は敢えてサポート役に回り
その他のメンバーに華を持たせる
そんな余裕の感じられるステージでした。
Ingaもジャズだけじゃなくて色々な歌を歌える人で
だからステージもジャズの格式ばった感じは微塵もなく
ジャズを全然知らない人が聴いてもすぐ溶け込めるものだったと思います。
MatthiasとIngaの関係は
かつてのSteve KuhnとKarin Krogの関係を思い起こさせるものでもありました。
そしてアンコールは「Keep On Movin'」で締めたわけですが、
今回の公演はカメラを回していて
DVDとして編集される模様。
そちらもどんなものになるのか楽しみです。
新しい始まりの季節
たった今、
DMRの新入社員・中途社員歓迎会から帰ってきたところです。
この4月2日にDMRには
新卒の社員や中途入社の社員が大勢入って
その歓迎会があったのです。
最近の色々な方のブログを見ると
そういった新たな門出に関する話題が多いのですが
DMRでも同じようにそうした新たな門出を迎える人がいます。
DMRの歓迎会の場合
レコードやCDを扱っていることもあり
普通の飲み会じゃつまらないということで
スタッフがそれぞれ1枚づつレコードやCDを持ちより
DJするということになりました。
沖野さんが昔やっていたイベントの「一曲入魂」
あのパターンです。
ヒップホップの次にハウスがかかり
レゲエの次にテクノがかかったりと
支離滅裂ではありますが
とりあえず盛り上がりました。
僕は色々備えていったのですが
結局かけたのは
Hi-Tekの「Get Ta Steppin'」でした。
長い人生のうちでも
こうやって新たな気持ちで
新しいことにチャレンジできる機会
それはそう多くは無いと思うので
今そうしたスタート地点にいる人は
目一杯それを楽しんでもらいたいと思います。
さて、今日は長い一日で
色々と執筆作業もあったのですが、
午前中はちょうど来日している
Gilles Petersonのインタヴューをやりました。
現在執筆中の
『Jazz Next Standard - Hard Bop & Mode』に掲載するためです。
実はGillesには
最初の『Jazz Next Standard』の時にも
チャートをお願いしたのですが
タイミングが合わずに流れてしまいました。
その時はJazzanovaのチャートも同じく流れてしまい
その2つはあの本の中で唯一心残りだったのです。
で、今回はどうしてもGillesと
Jazzanovaのコラムを入れたいと思っていて
まずGillesのインタヴューを行ったわけです。
色々と自分が影響を受けたDJの中で
一番大きな存在はやはりGillesではないでしょうか。
僕がモーダル・ジャズを聴くようになったのは
Gillesの影響です。
クラブで人を躍らせる楽しみ
それもGillesは教えてくれたのですが
ラジオで流す静かだけど荘厳で気高いモーダル・ジャズ
その魅力を教えてくれたのもGillesです。
僕がオールタイム・フェイヴァリットの1曲にあげる
Roy Haynesの「Dorian」。
これを最初に聴いたのもGillesのショーでした。
Gillesに言わせると
そうしたモーダル・ジャズを聴くようになったのは
むしろ当時一緒にDingwallsでDJをやっていた
Patrick Forgeの影響が強いということで
改めてPatrickの奥深さも知ることになったのですが・・・。
僕は実際に行ったことはないのですが
今から20年も前のDingwalls、
GillesとPatrickは
パーティーのラストでは毎回
「Dorian」を始めとした
モーダル・ジャズを1曲かけ
それに乗って大勢のダンサーやクラウドは
まるでバレエを踊るように優雅に舞って
パーティーの終わりを名残惜しんだ。
そんな光景
想像するだけでゾクゾクしませんか?
いずれにせよ
Jazzanovaにしても
Rainer Trubyにしても
Nicola Conteにしても
皆モーダル・ジャズには
どこか特別な想いを持っていて
ある意味で音楽の聴き方そのものを変えてしまう
そうした存在であるのではないかと思います。
さて、明日は夜にDJもあるのですが
その前に大仕事があります。
Sleep Walkerのニュー・アルバムの
ライナー執筆があるのです。
今回のアルバムは全くの新作というわけではなく
新曲+今までのアルバムには未収録の音源やリミックスをまとめた
作品集ということになるでしょうか。
新録ものとしては
Archie Sheppの「Quiet Dawn」のカヴァーや
Yukimi Naganoを迎えた「Wind」などが収録されます。
僕はライナーを書く場合
どの作品にも同じ気持ちで取り組むように心掛けています。
自分の個人的な感情で作品の優劣をつけたくはないからです。
でも、Sleep Walkerだけは別です。
今、正直言ってとても忙しく
舞込んでくる原稿の依頼をどう調整しようか
そう悩んでもいる日々ですが
Sleep Walkerだけは
どれだけ忙しくてもやりたい原稿です。
先ほどモーダル・ジャズによって
音楽の聴き方が変わったという話をしましたが
それはSleep Walkerの音楽についても言えることで
自分にとって音楽の聴き方だったり
大袈裟ですけど生き方だったり
そうしたものに影響を与えてくれるアーティストなのです。
僕以外にも彼らに対して
そうした想いを抱く人は多いと思います。
なので明日はしっかりと時間を取って
Sleep Walkerのライナーに挑みたいと思います。
プチ合宿
すみません。
気がつけば3月は全然更新が出来なくて、
今日のブログも約2週間ぶりかな・・・。
今、『Jazz Next Standard - Hard Bop & Mode』の
原稿の締め切りが大詰めで、
残された猶予は今日を含めてあと4日。
他にも色々と抱えているのがあって
なかなか集中して原稿に取りかかることが出来ず
ここに来てやっと腰を落ち着けてできるようになりました。
今のところ自分の担当は20%くらいが終了しているといったところで
これからペースを上げて追い込みにかからないといけないです。
締め切りまで家にこもって
とりあえず原稿にかかり切りと、
ちょっとした合宿モードです。
今、アメリカのレコードが終わって、
次はイギリス、それからドイツをやろうと思うのですが、
今回はヨーロッパはもちろん、
その他の国のものも取り上げるので、
ジャズで世界旅行をしている気分にもなります。
まあ、実際はそんな悠長なことを言ってる場合ではないのですが・・・。
それと、これでひと段落という訳ではなく、
いろいろとコラムやリードも書いていかないといけないので
恐らくゴールデン・ウィーク明けまでは気が抜けないでしょう。
インタヴューなども幾つか考えてますからね。
さて、今度4月7日(土)に久々にDJをやるのでその告知も。
代官山のUNITで行われるイヴェントなのですが、
Myspace JapanとCLUB CULTURE JAPANが協賛していて、
僕はCULUB CULTURE JAPAN仕切りのSALOONの方で
2:15~3:15のあたりで回します。
共演は小松正人(Slowly)、dj korosuke、DJ KENTA、Dj shunsuke (Astro)など。
ここ最近はずっと物書きばかりだったので、
自分でも久々のプレイが楽しみです。
My Space / Tokyo Night:
http://jp.myspace.com/tokyonight
UNIT / SALOON:
http://www.unit-tokyo.com/schedule/archives/2007/04/index.html
Interview with Gilles
先日、remix誌の取材で
Gilles Petersonのインタヴューをやりました。
と言っても、実際に会ってのインタヴューではなく
僕が質問を考えて
編集部に電話でインタヴューしてもらうという形式。
Gillesへのインタヴューは
過去にも幾つかやってきたのですが
今回は彼がレーベルのBrownswoodを興し、
今度Ben Westbeechの日本盤も発売されるということに因んでのもの。
インタヴューの時に一番頭を悩ますのは
相手の答えのどこを使って、
どこを切るかというところ。
文字数の制限があるので
全て載せることは出来ないからです。
もちろん、話の流れで重要なポイントは残し
そうでないポイントを削るのですが
うまくやらないと
意味するところが違ってしまうこともあるので
そこは細心の注意が必要です。
今回も幾つか削ることになったのですが
構成上削ったからと言って
意味の無いメッセージだったということではありません。
例えば日本のファンへのメッセージで
「僕らのムーヴメントに参加してくれよ。
リミックスを作りたい
音楽をやりたいんだったら
とにかくやってくれよ!!
新しい世代の君たちが必要なんだ。
年寄りたちだけに囲まれていたくはないからね。
僕と同じくらいの古い世代だけのためにDJをやるのは嫌だよ。
若いオーディエンスが必要だし
若いプロデューサーと仕事がしたいんだ」
というのがありました。
これは、今回の構成上
どうしても必要な部分ではなかったので削ったのですが
でも、とても意味のある言葉だとは思います。
彼はいつも若い世代の味方なのです。
ただ、ここだけ読むとちょっと誤解を招く恐れもあります。
彼は新しい世代の奮起を促しているのであって、
決して古い世代を否定しているのではないと思います。
インタヴューの他の箇所では
そうした先人たちの偉大さについても触れています。
こうした言葉の断片によって
読む人の解釈が違ってくる
そこがインタヴューの怖いところだと思います。
インタヴュアーとしては
そうならないように配慮する必要があり、
その為にはまず相手の言葉の真意を探り
また言葉の裏に隠された意味も汲み取らないといけません。
その上で場合によっては補足したり
(いい意味での)編集も必要になるかも知れません。
今回のインタヴューで一番印象に残った言葉、
それは
「僕はさ、今でもそうだけど
伝統的な意味でのいいビジネスマンだったことは
一度たりともなかった。
僕にとって一番大事なのは音楽だからね」
という箇所です。
これは、どうして今
あまりいい状況ではない音楽業界にあって
レーベルを興すというビジネスに打って出たのか
という問いに対する答えです。
Gillesは極めてインスピレーションで動く人だと思います。
DJにしてもそうだし
レーベル運営に関してもそうだと思います。
レーベルをビジネスとして成り立たせるには
もちろんインスピレーションだけではだめでしょうが
まあそうした細かいことをサポートしてくれるスタッフも彼の周りにはいるので
Gillesの場合は
自分がいいと思った音楽
いいと思った企画を
どんどんやっていけばいいのでしょう。
彼はそうした役回りの人だからです。
「あれこれ考え過ぎるのはよくない」
とも言っています。
「考え過ぎると
モチべーションが下がるから」
ということだそうです。
この言葉も
是とも取れるし
非とも取れるのですが、
彼のやり方からすると
閃いたことを即座に行動に移す
アイデアの鮮度が落ちない内に実行する
ということは重要なポイントなのでしょう。
実際、Gillesの紹介する音楽やアーティストは
僕にとっていつも非常に新鮮です。
そこにはビジネスを度外視した
何ものにも妥協しない
どこにも依存しない
独自の審美眼があるからだと思います。
ある意味でレーベル運営者としての
ビジネス的な取り組み方を訊こうと思ったインタヴューでしたが
見事にその目論みは外れました。
ただただ
無邪気とも言える
Gillesの音楽愛
それを改めて知ることになったのです。
彼は見た目も若いのですが
頭の中は本当に永遠の少年ですね。
確定申告の締め切りまであと僅か
確定申告の締め切りまで
あと5日程しかありません。
日頃きちんと領収書などを整理していなかったこともあり
今、その整理や書類作成に追われています。
大体の目途はついたのですが
足りない書類があることもわかり
来週頭にそれを揃えないといけません。
僕は今まで白色申告をしていたのですが
今年、平成18年度分をやってみて
今後は青色申告にした方が
控除や必要経費の枠も広がり
もう少しうまくやりくり出来るのかなということもわかりました。
今回はもう間に合わないですけどね。
自分で言うのも何ですが、
今までを振りかえってみると
僕はお金に無頓着な人間で、
金のことで細かいことを言うのは男らしくない
なんて思っていました。
でも、そうじゃないんですよね。
お金を知るということは
ビジネスを知ることであり
ビジネスを知るということは
世の中で自分の価値がどれくらいあるのか
それを知ることでもあるのです。
だからそういった経済音痴を改善する為にも
青色にした方がいいのかなと。
青色は収支決算書をつけなければならないので
経理的な知識も必要になり、
会計ソフトも導入しないといけないでしょう。
大変は大変なのですが、
お金のありがたみがより分かるし
何より自分の仕事がうまくいってるのか、いっていないのか
どこに問題があるのか
どう改善すればいいのかと
冷静に分析できるわけです。
日本の会社社会だと
日頃、自分の稼ぎがどれだけで
その内税金でいくら徴収され
どういった控除が受けられるかというのは
年末調整で源泉徴収票を一枚もらうだけなので
あまり深く考えることはないのですが、
自分で一つ一つ計算していくと
お金の流れがより明確になり
個人事業主としての意識も高まると思います。
サラリーマンも結局は
会社と雇用という契約を結ぶ個人事業主ですからね。
同時に税金の使い道についても
より厳しくチェックする目が育つし
それはすなわち政治への参加ということでもあります。
度々話題になる
代議士の事務所費問題など
こうして確定申告をすると
本当にとんでもないことだな
というのがよく判ります。
年末調整というシステムの歴史は
終戦後の昭和22年にまで遡ります。
税務署の対応を考えると
合理的なシステムではあります。
ただ、一方で国民の税金に対する意識の低下を招いている
といった問題点も指摘されています。
何だか政府から
「あなたは、税金の計算とか面倒なことは考える必要はないから
とにかくしっかり働いて税金を納めてくれればいいんですよ」
なんて言われてるような気がするのです。
現在、日本の対外資産負債残高は300兆円を超え
それが毎年20~30%もの割合で増えているという現実。
そうした現状を見るにつれ
自分の支払う税金はいくらで
それがどのように使われているのか
もっと知るべきだなと思います。
最近のオススメ 3枚
昨日、CLUB CULTURE JAPAN/PLUG INの
月間チャートについて触れたのですが
そこに挙げたものの中から
幾つかオススメを紹介したいと思います。
まずKevin Reynolds。
この人の詳細はあまりよくわからないのですが
デトロイトの人で
Transmatの運営に関わり
Derrick Mayの片腕を務めていたらしい。
現在はTodhchaiというスタジオ / レーベルの主宰者です。
2005年に『Built For Athletic Response』というアルバムを
CDRで発表しているらしいのですが
残念ながら未聴。
ここから12インチ・カットされたのが
「Afrik c/w Anonymous Room At The Corridor Of Last Night」。
この「Afrik」にはヤラれました。
中近東風ムードのメロディーに始まり
エスニックなブレイクビーツ
コーラン風のコーラスと
何だろうコレ
という雰囲気が高まります。
そして、わざと音を途切れさせたりするのですが
それがクリックっぽい効果を生んで
だんだんと盛り上ります。
そして、そうして盛り上ったら
ビートはハウスへとチェンジ。
それからどんどんとテックな色合いを強め
最終的にはTheo Parrishのような世界へ。
どこへいくのか予測不能な
スリリングなナンバーです。
デトロイトってやっぱり
凄い才能を持った人が
どんどん出てきますね。
Karizmaと同じ匂いを感じました。
次にブラジルのArthur Verocai。
以前にも当ブログでちょろっと紹介したのですが
早速出ました。
7インチで「Bis」です。
何と1stからは35年振りの新作です。
サイケ、フォーク、ロックと
ブラジリアンが融合した独特の世界観を持つ人で
僕はPink Floydの初代メンバーの
Syd Barrettなどに近い部分を感じるのですが
72年にソロ・アルバムを1枚残したきりで
以降は他のアーティストのプロデュースやアレンジをしたり
楽曲提供を行っていたくらい。
それも、いつの間にか途絶え
音楽界からも消息を絶ちます。
遂にSyd Barrettと同じ
伝説の人になり
もう2度とその音を聴くことも無いだろう
と思っていたのですが
02年に突如
復帰作『Saudade Demais』を発表します。
ただ、これはボサノヴァ中心の
しっとりしたアルバムで
若気の至り的な
毒気や瑞々しさも消え
何だか普通のつまんない人になったな~
という感じでした。
そうした部分を
Far OutのJoe Davisも嗅ぎ取ったのでしょうか
70年代のあの雰囲気を
今に再現すべく
今回はプロデュースが行われています。
夏にアルバム『Encore』を出すそうですが
そこからの先行カットです。
Verocai自身が歌っているのですが
バックには女性コーラス、ストリングス隊
リズム・セクションにホーン・アンサンブル
そしてAzymuthのJose Roberto Bertramiのキーボード
という大編成の豪華ラインナップ。
Eddy Meets Yannahのリミックスも収録してます。
72年の頃に比べて
音はクリアに、ゴージャスになり
その分アシッドでサイケな香りは薄まったのですが
でも楽曲は実に素晴らしい。
美しく屈折しつつも
伸びやかなポップ感が増してます。
ブラジリアン・ソウル
ソフト・ロック
フォーキー・サンバ
オーケストラル・ジャズ・ファンク
などが渾然一体となった
やはりVerocaiでしか表現出来ない世界。
Marcos Valleと並ぶソング・ライターだと思います。
そしてUKのNostalgia 77。
通算3枚目のアルバム『Everything Under The Sun』です。
- Nostalgia 77
- Everything Under the Sun
ここのところはNostalgia 77 Octetで
よりバンド志向が高まっていた
Ben Lamdinの大元のユニットですが
今回のアルバムは
Octetでの経験を大きく踏まえたもので
また今までになかったヴォーカル・ジャズの
領域に踏み込んでいます。
ヴォーカリストは女性2人が起用されており
この内のLizzy Parksは
以前「The Hope Suite」で歌った他、
Chris BowdenやRhodesmodeでも歌ってた人。
ソロも出してるようです。
アルバム通して聴き応え充分なのですが
特に1曲目の「Wildflower」が素晴らしい。
アフロ・キューバン・タッチのリズムが映える中
朗々と歌い始めるLizzy Parks。
そしてサックスとトロンボーンが
バックをしっかり固めます。
僕は真っ先にLorez Alexandriaの
「Send In The Clowns」を思い起こしました。
Two Banks Of FourやThe Cinematic Orchestraにも通じる音だし
Koopに対するUKジャズの回答
とも言えるのではないでしょうか。
4 Heroの『Play With The Changes』を含め
今年は年頭からいい作品が続々と登場してます。





