暑くなったら聴きたいファンク | 小川充オフィシャルブログ

暑くなったら聴きたいファンク

前日はFaiの「PRIMO」でDJで

中々の大盛況で僕も楽しまさせてもらいましたが

朝にならないよう早目に帰途につきました。

今日はインタヴュー2本と打ち合わせも1本あったのです。


天気も良かったので

移動の合間に六本木、表参道、原宿、新宿を歩いたのですが

世の中はゴールデンウィーク期間中で

繁華街はどこも人で一杯。

歩くにも歩調を緩めないといけない状態。

でも、逆にオフィス街の溜池とかはガラガラで

店も閉まってて

そんな無人の街を歩くのは気分が良かったです。


さて、暖かくなると聴きたい音楽ってありますよね。

(今日の場合はもう暑くなったらですか)

レゲエだったり、ラテンだったり、ブラジリアンだったり

人それぞれだと思いますが

僕の場合はファンクです。

何かスポーツでスカッと汗をかく

そんな感じに似ているからかも知れません。


最近、そんなファンクでいいアルバムが出たので紹介を。

まずThe Souljazz Orchestraの『Freedom No Go Die』。





彼らはカナダのオタワ出身のファンク・バンドなのですが

この街はフランス系の人が多く

そしてフランスはアフリカからの移民が多いので

このバンドもそうしたフレンチ・アフリカン系のバンドと言えます。

サウンドは7インチでヒットした「Mista President」を筆頭にアフロ・ビート。

Fela KutiとかManu Dibangoとかの系譜の音です。


でも、アフロ・ファンク一色と言うわけでもなく

ラテン・ソウルやソカ、ラテン・ジャズもやっていて

世界中のワールド・ミュージックのいいところを集めたようなアルバムです。

そしてPharoah Sandersの「The Creator Has A Masterplan」のカヴァーも !

優しい女性ヴォーカルをフィーチャーしたカヴァーで

メロウなラテン・フュージョン的なサウンドに始まり

途中からハウス的なキックが入ったビートに変わるので

DJ的にも使い易いヴァージョンです。

テナー、ソプラノ、アルト、バリトンと4本のサックスが入り

管のアンサンブルも楽しめます。


続いてアフロ・ファンクでいくと

Jimi Tenor & Kabu Kabuの『Joystone』。

Jimi Tenor & Kabu Kabu
Joystone

フィンランドの鬼才Jimi Tenorは

アルバムごとに作風を変え

今回は元Fela Kutiのバンド・メンバーによって結成された

アフロ・ビート・バンドKabu Kabuとの共作。

それ以外にもThe Five Corners Quintetの

Jukka Eskola、Timo Lassy

そして奥方のNicole Willisも参加してます。


アフロ・ファンクのアルバムなのですが

そこはJimi Tenorなので

随所にエキセントリックなテイストを滲ませています。

Sun RaとJ Dilla、Alice Coltraneが出会ったような

スペイシーなコズミック・ファンク「Smoking」もあり

エロティックな女性の吐息が差し込まれる

Roy AyersミーツChakachas的なテイストの「Hot Baby」もありと

やはりこの人、只者ではありません。


面白いのはJukkaとTimoで

TFCQでの演奏とは全く別人。

特にTimoはPharoah Sandersにも影響を受けてる人で

「Bedroom Eyes」という曲では

雄大なアフロ・スピリチュアル・ジャズとでも言うべき

豪快に吼えるバリ・サクを披露。

基本的にこの人はこういったアーシーで

ファンキーな音が好きなんでしょうね。


そしてもう一つはThe Bamboosの『Rawville』。




オーストラリアはメルボルンのファンク・バンドで

「Tighten Up」カヴァーのヒットで一躍有名になりました。

本作はセカンド・アルバムとなる最新作ですが

面白いのはリーダー兼ギタリストのLance Fergusonは

Lanu名義でブロークンビーツのアルバムも出してる点。

方やバリバリのディープ・ファンク

方やBugz In The Attic張りのソウルフルなブロークンビーツと

そんな2面性を持つプロデューサーなのです。

ハモンド・オルガンを弾くBen Graysonも

別でハウス・ユニットをやってたりと

一癖も二癖もある連中がやってるバンドなのです。


ゲストも多彩で

Alice Russell、Ohmega Wattsなども参加。

特に7インチにもなった

Ohmega Wattsをフィーチャーした

「Get In The Scene」がいいです。

ヒップホップ・フィーリングを感じさせる爽快なファンク・チューンで

僕的にはThe Rebirthの「Evil Vibrations」

Root Soulの「Spirit Of Love」といった

ゴキゲンなパーティー・チューンの系譜に属するナンバー

という位置付けです。


それから「I Don't Wanna Stop」というガール・ファンク

これもいい。

Barbara Acklinの「Am I The Same Girl」が思わず浮かびました。

これとかは女の子が聴いても

絶対に気に入る曲だと思いますよ。

アルバム全体は骨太な男のファンク

という感じですけどね。