小川充オフィシャルブログ -11ページ目

メタモルフォーゼ 2006

今ちょうど、メタモルフォーゼが開催された伊豆の修善寺から帰ってきたところです。
今年で第7回目というメタモルフォーゼ、
元々はテクノ系の野外イヴェントというイメージでしたが、
Tortoise、Hifana、DJ Krushなどの様々なアーティストも出演し、
最近では音楽の異種格闘技戦のような様相を呈してます。


今年は自分の一番目玉的には、
やはりSleep Walker feat. Pharoah Sanders。
そして、Manuel Gottsching。
まあ、この2組を観に行ったようなものです。

ステージは全部で3つあり、ライヴはSOLAR STAGEという一番大きなところ。
ここでは
上記2組の他、
沼澤尚+勝井祐二+Marcos Suzanoユニット
The Bays
O.D.D.
Konono No.1
Sunshine Jones
Black Strobeのステージがあり。

その他、LUNAR STAGEでは
DJ Patife & Cleaveland Watkis
DJ Sneak
Mark Farina
Sebastien Legerなどが

PLANET STAGEでは
Idjut Boys
CALM
井上薫
田中フミヤ
EYEなどが回してました。

3つのステージで同時進行で行われており、
またステージ間はかなりの距離があり、
全て回るのは不可能。
僕は主にSOLAR STAGEに集中してました。


僕が会場に到着したのは、
Sleep Walkerのステージが始まる直前の19:30頃。
既にリハというか簡単な音出しの最中で、
お客さんもゾロゾロとステージに集り始めている。
ジワジワと興奮が高まってきている感じ。

そして20:00にライヴがスタート。
僕の予想を裏切って「愛の河」で始まり。
でも、ここに来ているお客さんは、
いつものジャズを聴きにくるお客さんではないので、
つかみとしてはこれで良かったのかも。
案の定、1曲目でお客さんのボルテージは全開!
「ヤベェー!」「カッケー!」という声が至るところで上がっている。


でも、慣れない野外ということもあってか、
お客さんのレイヴィーな異様なノリに圧倒されてか、
また、この後に控えるファラオとの共演のプレッシャーからか、
ややいつもと違う印象。
ちょっと固いというか、
メンバーの緊張が伝わってくるような気が。
多少、PAに不安定な部分もあるような。
そんな中、吉澤さんが上げつつも冷静に引っ張る感じです。

で、そんな雰囲気を一掃したのがベンベ・セグェ。
2曲目の「Into The Sun」で登場すると、
一気に観客の視線を奪い、
その圧倒的とも言えるパフォーマンスには、
多くのレイヴァーたちも拍手喝采。
途中でサンダルを脱ぎ捨て、
裸足でステージを掛け回り、踊ってます。
まさしく野生の女王。


3曲目の「Kaze」では、お馴染みの池田さん、藤井さんのバトルが炸裂。
メンバーも全開で、ベースが地響きを立て、
ドラムロールは天空に立ち上り、
歓声も一段と大きなものに。
開放感溢れる野外で聴くスリープ・ウォーカーっていいな、
と思った瞬間でした。

そして、ブルーの照明に変わって幻想的な中、
登場するのはユキミ・ナガノ。
この前のクアトロでは聴けなかった「Afloat」です。
ベンベとは対称的に、
ユキミの歌声はどこかアンニュイで、
ニンフのよう。
以前に比べ、随分と大人っぽくなってました。


ユキミが引っ込み、いよいよです。
待つのはただ一人、ファラオ・サンダース !
マサやんが招き入れる形でファラオ登場。
そしていきなり、マサやんとの2トップで「The Voyage」を吹き始める。
この師匠と弟子の協奏、
ほんといい絵です。
このシーンを見るだけでも、
ここに来る価値があったと思います。


思った以上にファラオが前面に出て吹いてくれて、
また彼のサックスの特徴でもあるフラジオがバリバリ出まくりで、
観客の興奮もピークに。
後で関係者から聞いた話では、
会場入りが遅れるなどのトラブルもあり、
予定ではファラオはこんなに吹くことにはなっていなかったと。

でも、何かがファラオに吹かさせてしまったのだろうか。
スリープ・ウォーカー、それとも観客?
古来、山には神々が住んでいると言われますが、
目に見えない何かの力によって、
この日の演奏は特別なものになったに違いないでしょう。

そして、最後の最後にまたもサプライズ。
ベンベ、ユキミの登場し、何と「You've Got To Have Freedom」を。
まさか予想はしてなかったのですが、
この組み合わせで最も聴きたい曲であることに誰も意義は唱えないでしょう。
ファラオがこの曲をやることにOKしたということは、
それはスリープ・ウォーカーを自分のファミリーと認めた、
ということなのでしょう。



スリープ・ウォーカーのライヴ・レポートで多くを使ってしまった為、
あとは手短にまとめます(スミマセン)。

O.D.D.はURのマッド・マイクがギターで参加するユニットで、
Galaxy 2 Galaxyの路線を期待してたのですが、
何とドラッグ・クイーンのシンガーや、
パンキッシュな出で立ちの女性ギター&ベースがメンバーという編成。
音もP-Funk的と言うより、プリンスやリック・ジェームズ、
いやいやもっとロック的。
ジミヘンの「Fire」やデヴィッド・ボウイの「Let's Dance」のカヴァーもやってました。
盛り上がりはしてたけど、
結構、賛否両論のステージでした。


シアター・ブルック等で活躍する沼澤尚(ドラムス)、
ROVOの勝井祐二(エレクトリック・ヴィオラ)、
ブラジル出身の世界的アーティストであるマルコス・スザーノ(パンデイロ)の3人を中心に、
更にDCPRG大儀見元(シンセ /キーボード)と、
ROVOの益子樹(パーカッション)による即興ユニットのパフォーマンス。
今回の出演者の中で最もエクスペリメンタルでスリリングなライヴであった。
全くフリーのジャム・セッションで、
ジャズっぽい出だしから、徐々に熱を帯びてトランシーになっていく展開。
サイケデリックでかつてのクラウト・ロックのようでもあり、
皆イッちゃってました。


あまり期待せずに聴いたところ、
意外にも素晴らしかったのがThe Bays。
実はこのユニット、
JimpsterのJamie Odell (シンセr)
Palm Skin Prod.のSimon Richmond (シンセ/FX.)
ジェフ・ベックのバンド・メンバーでもあるAndy Gangadeen(ドラムス)
Chris Taylor (ベース)
という編成で、Andyがリーダー。

基本的にライヴ用のユニットで、
音源もMP3のダウンロード配信のみで発表しているという変わり種。
音は、ジンプスターをよりダイナミックな生バンド化し、
ジャズ/フュージョン
デトロイト・テクノ
ブロークンビーツ
アシッド・ハウス
エレクトロ・ブギー等の様々な要素が混沌と溶け合い、
生演奏の暴力的な迫力とFXによる人工的ドラッギーさを持つものとなっているのです。

そして、完全にトランシー&レイヴィーにいくのではなく、
その一歩ギリギリ手前でクールに決める構成力もあり、
しかもムチャ踊れる。
「あれは良かった」という声が最も上がっており、
見た感じでお客さんが一番踊ってたパフォーマンスではなかったでしょうか。


そして、マニュエル・ゴッチングによる世界初「E2-E4」生ライヴ。
1時間をこの「E2-E4」の為だけに使うという豪華なライヴ。
これを逃すと、次いつ見ることが出来るか分からないライヴ。
約25年振りとなる「生」での再現ライヴ。
色々な言葉で語っても語りきることが出来ない、歴史的一幕でした。

時間も4:00-5:00で、
ちょうど夜の闇が白んできて明け方に向かう、
空気が最も澄んで、
自然が最も美しい一時。
このシチュエーションもバッチリで、
最初はラップトップをいじり、
途中でギターを弾き始める、
そんなマニュエル・ゴッチングに、
観客は心地良く体を揺らし、
そして演奏終了後には割れんばかりの拍手が。



会場には出店の屋台が数多く立ち並び、
またテントを張ってキャンプを楽しんでる人たちも。
会場全体が非常にピースフルで、
好きな時に音楽を聴き、
好きな時に踊って、
好きな時に食べて、
好きな時に眠ると、
皆が自分のペースで楽しんでる。

以前に比べて、
皆エコロジーの意識が宿ってきてるのか、
極力ゴミを持ち込まない、
ゴミを捨てない、
ゴミを持ち帰るという人が多いよう。

また、修善寺の町興し的な意味もあるのか、
町ぐるみでイヴェントを盛り上げようと、
色々なサポートが行われていました。

また機会があれば、こうした野外イヴェントは行ってみたいですね。

G-Night

この前告知しましたが
『Good Design Presentation 2006』のオープニング・セレモニー「G-Night」に参加してきました。
8/23(水) 18:00-21:00 at 東京ビッグサイト
まず写真から。
会場前


ステージ


DMRブース


HONDA
 

日産(マーチとコンラン・ショップのコラボ)


TOTO


OKAMURA


他にも資生堂、マイクロソフト、ウィルコム、松下電工、
住友3M、積水ハウス、東京電力、リクルートコスモス等、
大企業のブースが色々あります。

また大学の出展もあり。
日芸


大阪芸大


他にも武蔵美、多摩美、東北芸工大、千葉大等が出展。
これも大阪芸大(かわいー)


こうした展示会では、やはりロボットが人気。
安川電機の産業用ロボット


他にもグッドデザイン・ノミネート展示が一杯
      
 

住宅の模型展示
 

介護用製品も
 

さらに、懐かしのクラシックカー・コーナーも!
   

と写真を撮りまくりですが、
遊んでばかりいたわけではありません(笑)。
DJとしてパーティーのBGMを担当。
今回はグッドデザイン賞発足50周年ということで、
ジャズでこの50年の歩みを表現して欲しいというリクエストが。

ハードバップ→モーダル・ジャズ→ジャズ・ファンク→
フュージョン→アシッド・ジャズ→ニュー・ジャズ / クロスオーヴァー
という流れで選曲しました。

白木秀雄 / 祭りの幻想
Karel Velebny / Nude
Latin Jazz Quintet / Milestone
George Duke / My Soul
Lonnie Liston Smith / Mardi Gras
Hipnotic / Naima (Ian O'brien remix)
Outlines / Just A Lil' Lovin'
Felix Laband / Whistling In Tongues (Toss Terje remix)
といった具合に、
デザイン性があるなという楽曲を自分なりにチョイスしてみました。

そして、ターンテーブリストDJ Hangerのパフォーマンスもあり。
 

クラブとは違うこういったシチュエーションでDJをするのは初めてでしたが、
新鮮な気持ちで臨めて、
自分なりに楽しめたのではないかと思います。

お客さんは企業関係者のおとーサンばかりかなと思ってましたが、
親子連れや若いカップル、学生さんなども多く、
今は皆がデザインに関心を持っているんだなということが伺えました。

現在、企業でデザイン感覚が無いところはまずダメでしょうが、
これからはそれがもっと個人レベルでも問われる時代になっていくのでしょう。
  

Pharoah Sanders@Blue Note Tokyo

行って来ました !
ファラオ・サンダースのブルーノート東京公演8月22日(火)のセカンド・ステージ。

平日とあってそれほど混んでなく、ステージに程近い席でじっくり鑑賞。
知人からファーストはぼちぼちだったけど、会場のノリが今一つだったと聞いていたので、
どんなもんやらとやや不安でしたが、そんな心配は無用でした。

編成は
ファラオ・サンダース(サックス)
ウィリアム・ヘンダーソン(ピアノ)
ナット・リーヴス(ベース)
グレッグ・バンディ(ドラムス)
というカルテット。
ヘンダーソンは前回来日時から引き続きです。

演奏曲目は
1. Time Was
2. Nancy (With The Laughing Face)
3. Tina
4. You've Got To Have Freedom
5. High Life
でした。

そうです。
「Freedom」をやってくれたのです。
これだけでも聴く価値があったかも知れない。

速めの4ビートの「Time Was」、
バラードの「Nancy」は非常にオーソドックスなスタイルで、
近年のアルバムに近いファラオの演奏を堪能。

メンバー夫々に花を持たせ、
ソロ回しをさせてる間、
ファラオはステージ脇のイスに座って
一緒になって演奏を楽しんでました。
時折、踊るようなポーズも見せたりと
お茶目なところも。

バックではヘンダーソンのプレイが一番光ってたかな。
お客さんの拍手や歓声もかなり上がってます。
ファラオはと言うと、
1曲目からもうバリバリ吹いており、
あの年(66才)にしてあれだけ強いブレスが出来るということは、
まさに驚嘆。
そして、バラードでのプレイは淀みがないと言うか、
本当に美しい。


「Tina」で徐々にスピリチュアルな演奏に入っていき、
そしていきなりサックスの咆哮が始まり、
「Freedom」に突入。
最初のひと吹きで、
客席は大盛り上がり!

ここでファラオは、
ハンドマイクを取って歌うは、
客席にもマイクを向けて歌わせるは、
手拍子をさせるは、
体を、腰を振るは、
ダンスをするは(何と言うか、ヨガのようにゆっくりとしたヒンズー・スクワットみたいな感じ)、
もうノリノリ。


前回は僕は見てなかったのですが、
見た人の話ではやや体調も良くなかったよう。
今回はすごく元気で、
とても楽しそうとのこと。


ダンスをしてるところなどは、
本当に可愛くて(可愛いなんて言ったら失礼かな)、
無邪気と言うか、
童心に帰ったような感じ。

そのままのノリで「High Life」。
もう会場が一体となって大きな歓声と手拍子。
ファラオは益々ノッて歌い出す。
最後のメンバー紹介も大盛り上がりでした。

最終日がどうだったのか分かりませんが、
色々な意見を総合すると、
この日のセカンド・ステージが一番良かったみたい。
ほんと、ラッキーでした。


そして公演終了後、楽屋へ招かれる光栄に。
スリープ・ウォーカーの面々やベンベ・セグェも来てたので、
僕も一緒に楽屋へ入らせてもらったのです。

そして、僕が書いた
『Jazz Next Standard』と『スピリチュアル・ジャズ』をファラオへプレゼント。
伝えたいことは色々とあったのだろうけど、
緊張してほとんど何も話せずじまい。
でも最後に握手までさせてもらい、
一緒に写真もとらさせてもらい、
ほんと夢のような一時でした。


考えてみれば、
僕がジャズをのめりこんで聴くようになったのも、
本を出すことが出来たのも、
ファラオがいたからです。
ファラオに、
ファラオの音楽に出会わなかったら、
今の自分は無かったと思います。

そう考えると、
人生ってつくづく不思議なものです。

そして想いはいつか実り、
こうして僕の人生を変えた尊敬する人に会うことが出来たんだなって
感慨ひとしおの一夜でした。

Good Design Presentation 2006

昨日の高校野球の決勝戦再試合は凄かったですね。
早実の斎藤投手、
駒苫の田中投手
共に前の日で力を使い果たしていたと思ったのに、
どこからあんな力が出てくるんだろう?
斎藤投手などは9回でも150キロ近いストレートを投げてたのには驚いたけど、
そんな彼から1点差に追い上げるホームランを打った駒苫の中沢選手も凄い。
勝負はついたけど、
両校共に優勝と言ってもいいような、
そんな素晴らしい試合だったと思います。

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さて、ここで告知を。
皆さん、グッドデザイン大賞って御存知ですか?


Gマークを見たことがある方は多いかも知れませんが、
1957年より財団法人の日本産業デザイン振興会というところが主催しているのがグッドデザイン大賞で、
そこで受賞したものはGマークをつけることが出来るのです。

一般的に自動車や家電などの工業製品が対象と思われがちですが、
実際はもちろんそれらを中心としつつも、
住宅や建築物、
ソフトウェア、
サービスシステム、
パブリックリレーション、
地域づくりなど、
人の手によって生み出されたあらゆるものや活動がその対象。

審査員も著名デザイナーやジャーナリストが務め、
タナカノリユキさん、
黒崎輝男さん、
サイトウマコトさん、
佐藤可士和さん
などが名前を連ねています。


今年はグッドデザイン大賞50周年ということで、
Good Design Presentation 2006 』と銘打ち、
今まで以上に大掛かりな催しとなるそうです。
会期は8/23(水)から8/26(土)までで、
東京ビッグサイトで開催されます。

展示品を見たり触ったりしてのワークショップ、
デザイナーの方たちによるパネルディスカッションやトークライヴなど、
色々と楽しめるイヴェントも盛り沢山のようです。


そして、実は
ダンスミュージックレコードも出展をするのです。
オリジナルのレコードコンテナ他数点の展示と、
8/23(水)に行われるG-Nightというオープニング・イヴェントのサウンド・プロデュースを行います。


いいデザインは、
人間の生活を豊かにしてくれると同時に、
人間の生き方や考え方にも影響を与える。

僕がものを買う時の基準は、
もちろん価格や機能・利便性も重要だけど、
最終的にはやはりデザイン。

いいデザインには作った人の思想が宿っていて、
僕達はデザインの造形的な美しさに共感すると同時に、
その思想も共有しているのだと思う。


どんな面白い、
そして斬新なデザインに出会えるか、
僕も楽しみですが、
皆さんも時間があったら覗いてみて下さい。

内視鏡検査

生まれて初めて内視鏡検査というものを受けてきました。


初夏に受けた定期健康診断で要再検査が出てしまい、そのまま忙しさにかまけてほったらかしにしてたのですが(と言うより、何か理由をつけて先送りにしてた)、さすがにもうそろそろ受けないとまずいなと言うことで、決断したのです。

これまでの健康診断ではいつも問題無しの健康体だったのですが、今年初めて×が付きました。
自分では全く自覚症状も無く、大病や手術も経験したことは無く、自分は病気や怪我とは無縁と思ってきたのですが、いつまでも若くないなということを実感せざるを得ません。


検査は大腸検査で、内視鏡という器具を使って行うもの。
胃カメラも飲んだことは無かったのですが、その逆の検査ということで、正直最初はビビりまくって緊張気味。
近所の大学病院で10時半からの検査ということで、昨夜21:00から食事は一切無し。
もちろんお酒もNG。
で、今日は早朝の5時半に起きて腸内洗浄。
まあ、下剤のような薬を飲んで、胃腸の中のものを全部出してしまう訳です。


検査は11時から始まって12時に終わったのですが、頭の中で想像していたのと違い、そんなに痛みは感じませんでした。
もちろん、体の中に金属の物体が入り、モゾモゾと動き回る違和感はあったのですが、「あれあれっ」という内にどんどん検査が進行していく感じ。
実際にモニターで腸内の映像を見せられながら検査するのですが、自分の体内をカメラで見るのはやっぱりシュールですね。
特に、腸の中をよく観察する為に青色の液体を流し込まれ、腸壁が青く染まっていくのを見てると、自分の体なのに自分じゃないと言うか、何か現実感が無い。


担当した先生は若い先生のようで、時々隣室にいたヴェテランの先生の指示を仰いでました。
オイオイ、大丈夫なのか? と思うけど、こちらも身動きが取れない状態なので、もうお任せするしかありません。

で、ポリープが2つ見つかり、1つは小さいのでこのまま様子を見るとのこと。
ここでも若先生は判断がつかず、ヴェテラン先生に取るか、取らないかを訊いてました。
大丈夫かな~。

もう1つは除去することになり、電気メスで切断した後に、ホッチキスのようなもので傷口を閉じました。
このオペはさすがにヴェテラン先生が出てきて執刀。
良かった、練習台にされなくて。( ̄▽ ̄)=3


術後に除去したポリープを見せてもらったのですが、大きさ4ミリくらいのもので、これから内容を検査してもらうそう。
検査結果がわかるまで2週間ほど掛かるそうですが、とりあえずこういった小さいポリープもほったらかしにしておくと、5年後、10年後にはどんどんと肥大して、やがては癌細胞となり、取り返しのつかないことになることもあるそう。

僕はポリープが出来やすい体質のようで、それは食生活とかに関係無く、遺伝的なものだそうです。
今後は年に1回は内視鏡検査を受けた方がいいと言われました。


とりあえず、今日の検査は無事に終了したのですが、ポリープ除去手術に伴い向こう1週間は禁酒、そして運動や旅行は禁止と言い渡されました。
運動や旅行はともかく、禁酒はキツイですね…。

大物DJ御来店

小泉首相の8・15靖国神社参拝で揺れた1日でしたが、やはり賛否の声でいくと反対の意見が多いようですね。
中国や韓国からの非難の声に屈することなく、5年前の公約を貫いたということになるのでしょうか。
9月の自民党総裁選もあらかた決着が見えており、退陣前の最後の最後まで強硬な姿勢をアピールしたかったのでしょうか。
ともかく、次期政権にとって更に難しい外交状況となってしまったことは確実で、そうした外交問題をきちんとせずにやってきたツケは、更に重くのしかかってくるのでしょう。



いきなり重い話題から入ってしまいましたが、終戦記念日でもDMRは普通に営業しており、僕も働いています。


今日は海外からのDJの来店がありました。
一人はこの前も紹介したシモーネ・セリテラ。
先日店に来た時はゆっくり試聴できなかったので、今日は割と長めにいて色々とレコードを聴いて買っていってくれました。

そしてもう一人はダニー・クリヴィット。
シモーネは今回が初来日だったのですが、ダニーは年に4、5回は来てるんじゃないかという大変な頻度で来日し、その度にDMRに必ず寄ってくれます。
そして、来店した時は必ず僕を呼び出して、あれやこれやとレコードを聴かせてもらう、そんな関係がもう5年ほど続いています。





DMRは試聴機があるので、基本的にスタッフがお客さんのリクエストに応じてレコードをかけるスタイルは取っていないのですが、でもダニーのような世界的なVIP DJになれば話は別。
で、ダニーの聴く量がハンパじゃないのです。

ハウスやガラージの人と思われがちだけど、彼は僕が仕切ってるジャズ・コーナーが好きで、そこにあるレコードで自分の知らないものを片っ端から聴きたがる。
もちろん、全部かけるわけにはいかないので、僕は彼の好みに合うようなものをチョイスし、時にこれはやめた方がいいよとアドヴァイスすることもあります。

で、プレイする時も全部ダラダラとかけるわけにはいかず、また他のお客さんもいる状態なので、全部ミックスしながらその曲のいいところを引き出すようにして聴かせてあげるのです。
集めたレコードから瞬時の内に構成を決め、またバラバラのBPMのものを一つの流れに持っていくのは、ある意味クラブでプレイするよりも難しいと言えるかも知れません。
が、それはそれで自分がDJをする時におけるいい練習となっているのかとも思います(笑)。


故ラリー・レヴァンは、例えば曲が転調する後半のパートからかけるとか、中間のパーカッシヴなパートのみを抜き出してかけるといったことをやってましたが、そんな感覚です。
それは、もちろん曲の構成を知っていないと出来ないわけで、まずDJはその曲の構造を知ることが重要なのだなと改めて思います。
デヴィッド・マンキューゾはその全く逆で、ミックスを一切せず、曲の頭から最後までかけるという信念をもってDJをしています。
正反対のDJスタイルですが、どちらも曲の構造を知った上で、その良さを引き出すことから生まれた発想なのです。

であるから、僕はなるべくこの曲がどういった構造の曲で、どこにポイントがあるのかを察知してもらうよう、DJ達に曲をかけるように心掛けているのです。
もちろん全部聴かせるのではなく、最良のヴァージョンや、その一部をチョイスした上で。


で、ダニーに戻りますが、彼はもちろん世界でも指折りのトップDJで、プロモなども沢山もらってるだろうし、中々忙しくてレコード屋にいく時間などもそんなに無いのかも知れない。
でも、日本に来た時にはDMRに寄って、僕を指名してくれる。
僕のチョイスを信頼してくれてのことだから、これはやはり自分にとっても名誉なことです。

ダニーに限らず、来日すると必ず寄ってくれるDJが色々います。
彼等に共通するのはもちろん音楽、そしてレコードが好きだということ。
プロモを貰って満足してるんじゃなく、自分からいい音楽を捜そうという攻めの姿勢があること。

ネットでも勿論レコードは買うことは出来ますが、彼等一流DJはレコードを買う為だけにレコード屋を訪れるのではないのでしょう。
クラブでもレコード屋もそうですが、実際にその場にいかないと分からない現場の空気というものがあります。
現在の流行は、シーンの流れは、といったことはネットや活字では中々臨場感をもっては伝わってきません。
レコード屋に行って、並んでるレコードを見て、それを手に取ってるお客さんの姿を見て、店内でかかってる音楽を聴いて、お店のスタッフと話をしたりして、そうした中から身をもって体験出来るということがあるのです。
つまり、DJにとってレコード屋とは、単にレコードを買う場所じゃなくて、情報収集の為の重要な場所なのです。


そして、良いDJは常に音楽に対して貪欲です。
一流のDJになればなるほど、色々なジャンルのレコードを聴いてます。

例えば、ダニーが今日買っていったレコードの中で一番気に入ってたのは、コロネル・レッドの「Blue Eye Blak」。
ブロークンビーツものだけど、どちらかと言うとディアンジェロみたいなソウル・ナンバー。
ダニーはR&Bとかヒップホップ、更には旧譜のジャズやラテンとか、とにかく色んな音楽をチェックしてます。
そうした様々な音楽の中にもダニーによる良いか悪いかの基準があり、ジャンルじゃなくてその自分の基準でジャッジしてるのでしょう。

思うに、良いDJは色々な音楽を聴くことによって、自分の音楽センスが固定化・沈滞化しないようにしているのじゃないでしょうか。
長年DJをしてると、どうしても好みがはっきりとしてきて、聴くもの、聴かないものが出てきます。
でも、そうすると益々ある方向に傾いていき、そして自身のDJの幅を自ら狭めていくことになる。
そうしない為に、自分を常にフレッシュに保つ為にも、良いDJは意識して(もしくは無意識の内に)、色んな音楽を聴くようにしているのでしょう。


いつもレコードを買って、満面の笑みを浮かべて満足して帰っていくダニーを見てると、今日も良かったなと思います。
そして、今日買ったレコードをクラブでかけて、クラウドがそれに熱狂している光景を想像するのが、レコード屋のバイヤーにとっての最高の至福の時なのかも知れません。

Routine Jazz Party

この前告知したように、昨夜は南青山のFaiでDJでした。

Faiで回すのは久々で、ちょっと早めの12時過ぎに会場入りしたのですが、既にフロアは満杯状態。
アプレミディの中村君等が回していて、いい感じでお客さんも盛り上がってます。
すぐに松浦さんも会場にやって来たのですが、浴衣に下駄という夏祭りスタイル。
お馴染みの松浦さんの『夏ヴァージョン』といったところですが、相変わらず「いなせ」です。
そう言えば、今お盆だからな~。

その後にBig Bang aka シモーネ・セリテラも到着。
昨日は大阪でDJで、沖野好洋さんやエスペシャルの坂尻君も遊びに来てくれて結構飲んだよ~みたいな話をしてました。
そんなところへ、IRMAレコーズの坂野さんやM-SWIFT等がやってきたのですが、彼等もシモーネとは旧知の仲だそう。
以外と世間は狭いものです。




そうこうしている内に松浦さんのDJ。
今日はRoutineということを意識してか、生音系ジャズ多目のプレイ。
でも、どういった曲をかけても松浦さんのプレイと分かるというか、自分の世界を作ることが出来るところが、松浦さんの凄いところでしょう。

松浦さんが回している間、小林径さんと9月にageHaで行われる一大ジャズ・イヴェントの話をしてたのですが、ニコラ・コンテのバンド・ライヴがあるかと思えば、ジョシュア・レッドマンのステージもありと、ジャズという括りの中でも非常にヴァラエティーに富んだものになりそう。
楽しみです。
またLoopの望月君も遊びに来てくれて、Loop Soundsの今後のリリース情報等をもらいました。


そして、今日のメイン・ゲストであるシモーネの登場。
ブラジリアンものを多くかけてて、お客さんも最高にヒートアップ。
やっぱり夏のパーティーはこうでなきゃ、という選曲で、ミックスも非常にスムーズ。
シモーネのDJは初めて見たのですが、ミックスはとてもスムーズで、それとただアッパーに突っ走るのではなく、ちゃんと押したり引いたりでお客さんと会話しながら出来るDJだなと思いました。

で、シモーネがやってる最中にちょっと失礼して、JZ Bratへ。
quasimodeのアルバム・リリース・パーティーだったのですが、こちらもお客さんは一杯で、いい感じ。
既にライヴが始まった後に着いたので、メンバーやプロデューサーの小松さんには挨拶出来なかったのですが、quasimodeのステージを見るのは、僕は昨年末以来。
この日は時間が無くて2曲ほどしか見れなかったのですが、以前に比べて音がシャープになった気がして、何よりステージングに余裕が出てきたと思いました。
Nativeの中村さんがソプラノ・サックスを吹いた「1000 Days Of Spirit」が良かった。
DJで沖野修也さん等もいたけれど、挨拶もそこそこにFaiへ逆戻り。




Faiでは、径さんが素早い繋ぎでオールド・ジャズを連発していて、最近の趣向を反映したヨーロピアン度高目の選曲。
途中、そんなジャズ攻勢にヒップホップやブレイクビーツものを混ぜるところが、径さん独特のスタイルです。

で、径さんからバトンタッチして僕の出番に。最初の数曲は最近の新譜をかけたけど、ラテン・ジャズ系ブロークンビーツものを中心にピックアップ。
夏も真っ盛りなので、その後はラテン、ブラジリアン、アフロ・キューバン・ジャズの旧譜タイムとしました。
自分がDJをする時は新譜7、旧譜3の割合でレコードを持っていくことが多く、でも最近は意識して旧譜をかけるようにしてます。
と言うのは、僕達世代にとっては当たり前の曲で「今さらコレかけてもな~」と思う曲を、今の若い人は全然知らなかったりするのです。

それも当然かも知れないですね。
今クラブに来てる20代前半~半ばの人達は、10年前には中学生や高校生だったわけで、そんな子達にとっては僕達世代の定番中の定番が、全く未知の音楽なのです。
そうした意味では、新譜だろうが、旧譜だろうが、等しく新しい音楽。
たまたま僕が数年早く生まれてそれを知ってるというだけのこと。
だから、そうした定番はやっぱり伝え続けないと、いつかそれを知らない世代が出てきて、そこで止まってしまうかも知れない。

あと、生音、打ち込みという分け方で音楽を見る人もいますが(自分もそれはしてますが)、踊ってる側からするとそれもあんまり関係無いのかも。
本当に楽しんでる人は、生音がかかろうと、打ち込みがかかろうと踊ってくれる。
純粋に楽しんで踊ってる人達を見ると、こちらもパワーを与えられるというか、音楽に変なカテゴライズをすることが実に無意味に思えるのです。


最後はバシコ aka 小林哲史君が締めて、昨夜のパーティーは大盛況の内に無事終了。
そしてシモーネを中心に記念撮影してお疲れ様でした !



シモーネは写真を撮るといつも変な顔やポーズしたりで、きちんと写ってるのを捜すのに一苦労でした。

Sleep Walker Live@渋谷QUATRO

今日は蒸し暑い日でしたね。
日差しはそれほど強くはなかったけど、なんだかどよ~んと空気が停滞している感じで、ちょっと歩くだけでじんわり汗ばんできました。

でも、今日の渋谷QUATROはそれ以上に熱気を帯びていたかも。
そうです。我らがSleep Walkerの『The Voyage』リリース記念公演が行われたのです。
SLEEP WALKER
THE VOYAGE
普段は真夜中にクラブでライヴを行うことが多い彼等にとって、QUATRO、そして19時過ぎからの公演というのは、ある意味アウェーで試合をするようなもの。
お客さんの層も、いつもとはやや違う感じがしました。あのThe Roomのフレンドリーな雰囲気とは明らかに違う。
メンバーや関係者も、こうしたシチュエーションにはかなり不安を抱えての開場だったことでしょう。



そんな中でフロント・アクトとしてDJ KAWASAKIが登場。
こちらも8/30にアルバム『Beautiful』発表を控え、そのプレお披露目的な意味合いを兼ねてのパフォーマンスでした。
DJ KAWASAKI
Beautiful

今回はDJ Kawasaki Bandとして、イケッチaka池田憲一(ベース)、Jazztronik等でもお馴染みの中里たかし(パーカッション)、それとキーボード(スミマセン、名前が分からなかったので)に、川崎君はターンテーブル&MPC2000でドラムとオケ担当でした。

最初の2曲はインストでしたが、CDやレコードで聴くのと違って、やっぱり生演奏は迫力が違う。
中里さんが入ってるせいで、えらくパーカッシヴでグルーヴィー。
より熱い感じ。
でも、リリース前の作品ということもあってか、お客さんはまだ乗り切れず、様子を見ている感じで、会場はもう一つ一体感が感じられません。

と、そんな中へKarin嬢が登場。彼女もアルバムで2曲歌っており、タイトル曲の「Beautiful」、そして大ヒットした「Blazin'」を披露。
アフロヘアがとっても似合うKarin嬢がお客さんを乗せようと、トークを交えてパフォーマンス。
そんな空気が徐々に伝染し、次第にお客さんも乗ってくる。

川崎君に途中話しをふったりしてたけど、川崎君はかなり緊張してたみたいで、あんまりきちんとトークになってなかった。
でも、そんな朴訥さが川崎君の魅力でもあるのです。ナイスガイ!
それにしても新曲「Beautiful」は彼の人柄が出たいい曲です。
完全に川崎ワールドを作ってる。



すみません、相変わらず画像がよくわかりませんが、DJ Kawasaki & Karinです。


そんなこんなで30分のミニ・ライヴはあっという間に終了。
いよいよ今日の真打、Sleep Walkerの登場です。
まず沖野修也さんが登場し、バンドの呼び込みMC。
「みんな、声出していこう !」と体育会的というか応援団的な喝が場内に暖かな笑いを生んだところで、中村雅人(サックス)を筆頭とした4人の漢がステージへ。


まずはマサやんが引っ張る形で『The Voyage』のキー・トラックである「Ai-No-Tabi」を演奏。
するとどうだ、テナーの熱い咆哮でお客さんはもう最初っから上がりっ放しで大興奮。
最初、ここはSleep Walkerにとってはアウェーって書いたけど、全然そんなことなかったです。
彼等にとっては最早、日本中がホームなのだ。



続いて「Lost In Blue」。
アルバム中で最もシャープでカッコいい曲。
吉澤はじめ(ピアノ)と池田潔(ベース)によるアブストラクトなムードのイントロから、いきなりテーマへと突入。
まずここがカッコいい。
そして、アフロ調の変拍子から4ビートへの鮮やかな転換は、いや~盛り上がる、盛り上がる。

そのままの流れから、イントロでもう体中が総毛立つような「Into The Sun」。
ベンベ(弁辺)・セグェがわざわざロンドンから飛んで来てくれた。
今日のベンベは一段と飛ばしてます。
彼女のスキャットはいつ聴いてもゾクゾクさせられるのですが、今夜は何か取り憑かれたような凄さを感じさせました。
でも、そんな魔女的なところと、とても可愛らしいところと、1曲の中でも色々な表情を見せるところが、彼女の魅力。
笑顔がますます輝いてチャーミングでした。




Bembeが引っ込んだ後は、「Reminiscence」。
個人的にアルバムで一番好きなスロー・バラードです。
ここでの見せ場は吉澤さんでしょうね。
今回はフェンダー・ローズじゃなくグランド・ピアノなので、吉澤さんの本来のピアニストとしての演奏が充分に出来たのではないでしょうか。
ローズにはローズの良さがあるんだけど、こういった繊細さを必要とするナンバーは、やっぱりグランド・ピアノで聴きたいと思います。




それから曲は「The Southern Cross」、「Kaze」と進むのですが、この辺りでは藤井伸昭(ドラムス)と池田潔(ベース)が光ってました。
日頃、あまりスポットを浴びることのないこれら楽器ですが、でもSleep Walkerにおいてはそんなことは一切無し。
ドラム・ソロやベース・ソロがこれだけ盛り上がるバンドは、世界中を探してもそうは無いのでは。
池田さんはベース・ソロでは弦を弾くんじゃなく、ボディをパーカッションのように叩いて叫ぶ一幕も。
無茶苦茶盛り上がってました。

今までのSleep Walkerはマサやん、吉澤さんのパフォーマンスに何だかんだ言って比重が置かれていたかも知れません。
でも、新生Sleep Walkerは、4人が対等の立場で、お互いとバトルしている。
今日に限っては、池田さんがそうした意味ではキーマンとなってたんじゃないでしょうか。
池田さんを起点として吉澤さんとバトったり、マサやんとバトったりという具合。
サッカーのポジションで例えれば、FWがマサやん、MFが吉澤さん、GKが藤井さんで、池田さんはDF、いや今日に限って言えばボランチかな?
今まではチームの中で、中田英寿のような存在として吉澤さんが引っ張ってたと思うのですが、今日はどこからでもボールが回せる、パスが出せる状況で、より攻撃のヴァリエーションが広がっていた気がします。
僕は今日のマン・オブ・ザ・マッチは池田さんにあげたいと思います。


そんな事を考えている内に、バンドはラスト・ナンバー「The Voyage」を奏で始める。
ファラオ・サンダースは今日はいないけど、それは8/26のメタモルフォーゼでのお楽しみかな。
ユキミ・ナガノが歌う「Afloat」も、その時に聴けるのでしょう。


最後にメンバー紹介し、4人の漢がカーテン・コールして退場。
でも、もちろん、これじゃ終わりません。
ベンベは1曲しか歌ってないし。
となれば、当然アンコールは「River Of Love」。
今までマサやん仕切りだった掛け声が、今や完全にベンベ仕切り。
ベンベ「サン、シ」
観客「セーノ」
そしてSleep Walkerの音が一気に迸る。




そんなこんなで約2時間のライヴは無事に終了。
ほんと、2時間という時間を感じさせないあっという間のものでした。
それだけ濃い~演奏だったのでしょう。


外は蒸し蒸ししていて、ホールは更に熱気に満ち溢れていた。
でも、ライヴの間、不思議と僕は暑さを感じることなく、とても心地良かった。
空調のせい? それもあるかも知れない。
いや、それよりも風を見たからからだろう。
Sleep Walkerが生み出す爽快な東風を。

Big Bang

Big Bangってご存知ですか?

ニュー・ジャズ/クロスオーヴァー系を聴いてる人なら知ってると思いますが、イタリアはボローニャ出身で今は西ロンドンで活動をするDJ/プロデューサーのシモーネ・セリテラによるユニットです。
今年の春にセカンド・アルバム『Way in Jazz』をリリースして、その初来日記念DJイベントが今週土曜に南青山のFaiで行われます。
 
Big Bang
Way in Jazz

シモーネは自分でArision というレーベルも運営していて、自分のアルバムはもちろん、イタリアの大御所ピアニストのマルコ・ジ・マルコの新作を出したり、昔のアルバムのリイシューを手掛けたりと、本当に音楽が好きでそれが高じて色々とやってる、そんな愛すべき人です。
ファースト・アルバムの『Arriving Soon 』では吉澤はじめさんもピアノを弾いてましたね。


シモーネとは昔からメールやチャットでのやり取りをしたり、僕の書いた『ジャズ・ネクスト・スタンダード―500 CLUB JAZZ CLASSICS 』ではチャートを寄稿してもらったりと、色々と親しくしていたのですが、実は実際に顔を合わせるのは今回の来日が初めてで、昨日彼がDMRに現れた時は、「やあ、お前だったのか~」てな感じで、お互いに感慨ひとしおでした。

根が陽気な人みたいで、決して気取ったところはなく、やっぱりイタリア人だな~という感じです(イタリア人もスノッブな人は物凄くスノッブだけど)。


12日のイベントは、他に小林径さん、松浦俊夫さんも出演と豪華な布陣で、僕もDJで回します。
皆さん、是非遊びに来て下さいね!
あ、12日はJz Bratでquasimodeのアルバム・リリース・パーティーがあったり、The Roomでは恒例のJoyrideもありと、結構ジャズ / クロスオーヴァー系が華やかな一日なので、ハシゴなんてのもいいかも知れませんね~。

Koopのニュー・アルバム

実はさっきまでやっと書いたブログが、何を操作を誤ったのか最後の最後に強制終了で飛んでしまいました汗
もう諦めて寝ようかとも思ったけど、やっぱりもう一度書きますね。



僕のやってるこのブログ、『Crossover Jazz』という括りの中の一つなのですが、他にこの括りでやってる方たちの更新のペースの速いこと、速いこと。
皆さん夫々お忙しいと思うのに、一体どこにそんな時間があるのやら。
僕も頑張らねばとあせる一方、中々更新出来なくてスミマセン。m(_ _ )m

「いや、僕もそれなりに忙しいのです」と言い訳をしたくはないのですが、つい言ってみました。


昼間はダンスミュージックレコードというところで働いていて、深夜に帰宅して待っているのは自分のプライヴェートな仕事。
音楽に関する物書きをやらしてもらっているのですが、これが大体夜更けに始まり、場合によっては明け方まで続く。
月頭は連載の締め切りがあったり、またそんな時に単発でライナーノートの執筆依頼があったりすると、もう休日は無いです。

「こんな生活でいいのかな~」、「自分のプライヴェートな時間が全然取れないんだけど」とぼやくことも時にありますが、でも自分が好きで選んだ道だからと、半ば諦めてます...。


人に言わせると、僕は文章を書く速度が速いようで、結構急ぎの原稿を頼まれることもあります。
自慢じゃないですが、今まで締め切りを飛ばしたことは一度もありません。
過去の最短記録では、明朝締め切りだからと頼まれて、5時間くらいで3000字ほどの原稿を上げたこともあります。

あ、でも手抜きはしてないですよ。
と言うか、適当に流して書くとか、そういった器用なことが出来ないたちなので。
だからと言って、急な仕事はやっぱり止めて下さいね。
関係者の皆様、原稿の依頼がある際はなるべく早目にお願いします。


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今日も先ほどまで原稿を書いてました。


今回はremix誌の連載で、シングルとアルバムのレヴュー。
アルバムで選んだのはKoopのニュー・アルバム。『Koop Island』というタイトルです。
もちろん、ユキミ・ナガノやアール・ジンガーことロブ・ギャラガーも参加。

あの名作『Waltz For Koop』からもう4年、いや5年かな? そんな時がいつのまにか経っていたのです。
Waltz For Koop

Koopは個人的にもとても思い入れの深いアーティストで、一体次のアルバムはいつ出るんだろうと思ってましたが、やっとです。
でも、KoopのHPの写真 、何だか益々グロな女装癖がエスカレートしてて、まるで昔のディヴァインみたい???

そう言えば、ウディ・アレンの『Match Point 』の音楽に「Waltz For Koop」が使われてるようだけど、何故かサントラには入っていない模様。何で?


で、その『Koop Island』の内容ですが、基本的には前作の路線。
でも、どこかトーンが違っている。
前作ではヨーロッパ、特に北欧の清廉として透明な空気感とか、東欧~中欧あたりの退廃的な美の感覚を割と強く意識したのだが、そういった意味では今回はアメリカ的かも知れないです。
モーダルと言うよりもスウィンギーかな? グレン・ミラー楽団とかチェット・ベイカー風のナンバーもあったりとね。

僕としては前作では「Waltz For Koop」、「Tonight」、「Baby」、「Bright Nights」といった暗めのナンバーが好きだったのだけど、そうしたどこかガラス細工のように脆く繊細な美しさは後退し、それに変わって何か全体的に明るくなっているのだ。
前作で言うと「Summer Sun」的な曲が増えたのかも知れない(「Summer Sun」は、それはそれで大好きですよ)。
正直言って、最初聴いた時の感想は、
「何か随分と大味になっちゃったな~」でした。


でも、それから「何だろう、この違いって」と2度、3度と聴く内に、
「う~ん、これはこれでいいのかな?」→「いや、これ結構いいかも」→「やっぱクープっていいわ~」
と考えが変わっていったのです。

確かにトーンは明るめ。でも、それだけじゃなくて、どこかメランコリックでノスタルジックな香りが漂う。
子供の頃にいったサーカス小屋とか、クリスマスの思い出、夏休みもあと僅かという日の夕暮れ時。
個人的には何だかそんなことが思い出されるアルバムなのだ。
とっても楽しい、でもそれはいつか終わってしまう。そんな儚さがどこかに見え隠れしているのかも知れないです。
大人っぽいんだけど、でも子供の頃をふと思い出させる、何だか不思議なアルバム・・・。

あと、彼らってやっぱり凄いエンターテイナーなんだなと思いました。それはよい意味で、夢を与えてくれるということ。


リリースは9/27に、いつも良心的な作品を届けてくれるヴィレッジ・アゲイン さんから。
ジャケはまだ見てないので、上がったらその内アップしますね。
で、このクープ、年末には来日公演も計画中で、それに先駆けてユキミ・ナガノは一足早く、メタモルフォーゼ でのスリープ・ウォーカー のライヴに参加する模様。要チェックです。



ということでクープの新作でしたが、こういった仕事をしていて役得というか、やってて良かったと思うのは、リリース前の音源をいち早く聴くことが出来ること。
これだからレコード・ショップのバイヤーや音楽ライターは止められません。