Koopのニュー・アルバム | 小川充オフィシャルブログ

Koopのニュー・アルバム

実はさっきまでやっと書いたブログが、何を操作を誤ったのか最後の最後に強制終了で飛んでしまいました汗
もう諦めて寝ようかとも思ったけど、やっぱりもう一度書きますね。



僕のやってるこのブログ、『Crossover Jazz』という括りの中の一つなのですが、他にこの括りでやってる方たちの更新のペースの速いこと、速いこと。
皆さん夫々お忙しいと思うのに、一体どこにそんな時間があるのやら。
僕も頑張らねばとあせる一方、中々更新出来なくてスミマセン。m(_ _ )m

「いや、僕もそれなりに忙しいのです」と言い訳をしたくはないのですが、つい言ってみました。


昼間はダンスミュージックレコードというところで働いていて、深夜に帰宅して待っているのは自分のプライヴェートな仕事。
音楽に関する物書きをやらしてもらっているのですが、これが大体夜更けに始まり、場合によっては明け方まで続く。
月頭は連載の締め切りがあったり、またそんな時に単発でライナーノートの執筆依頼があったりすると、もう休日は無いです。

「こんな生活でいいのかな~」、「自分のプライヴェートな時間が全然取れないんだけど」とぼやくことも時にありますが、でも自分が好きで選んだ道だからと、半ば諦めてます...。


人に言わせると、僕は文章を書く速度が速いようで、結構急ぎの原稿を頼まれることもあります。
自慢じゃないですが、今まで締め切りを飛ばしたことは一度もありません。
過去の最短記録では、明朝締め切りだからと頼まれて、5時間くらいで3000字ほどの原稿を上げたこともあります。

あ、でも手抜きはしてないですよ。
と言うか、適当に流して書くとか、そういった器用なことが出来ないたちなので。
だからと言って、急な仕事はやっぱり止めて下さいね。
関係者の皆様、原稿の依頼がある際はなるべく早目にお願いします。


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今日も先ほどまで原稿を書いてました。


今回はremix誌の連載で、シングルとアルバムのレヴュー。
アルバムで選んだのはKoopのニュー・アルバム。『Koop Island』というタイトルです。
もちろん、ユキミ・ナガノやアール・ジンガーことロブ・ギャラガーも参加。

あの名作『Waltz For Koop』からもう4年、いや5年かな? そんな時がいつのまにか経っていたのです。
Waltz For Koop

Koopは個人的にもとても思い入れの深いアーティストで、一体次のアルバムはいつ出るんだろうと思ってましたが、やっとです。
でも、KoopのHPの写真 、何だか益々グロな女装癖がエスカレートしてて、まるで昔のディヴァインみたい???

そう言えば、ウディ・アレンの『Match Point 』の音楽に「Waltz For Koop」が使われてるようだけど、何故かサントラには入っていない模様。何で?


で、その『Koop Island』の内容ですが、基本的には前作の路線。
でも、どこかトーンが違っている。
前作ではヨーロッパ、特に北欧の清廉として透明な空気感とか、東欧~中欧あたりの退廃的な美の感覚を割と強く意識したのだが、そういった意味では今回はアメリカ的かも知れないです。
モーダルと言うよりもスウィンギーかな? グレン・ミラー楽団とかチェット・ベイカー風のナンバーもあったりとね。

僕としては前作では「Waltz For Koop」、「Tonight」、「Baby」、「Bright Nights」といった暗めのナンバーが好きだったのだけど、そうしたどこかガラス細工のように脆く繊細な美しさは後退し、それに変わって何か全体的に明るくなっているのだ。
前作で言うと「Summer Sun」的な曲が増えたのかも知れない(「Summer Sun」は、それはそれで大好きですよ)。
正直言って、最初聴いた時の感想は、
「何か随分と大味になっちゃったな~」でした。


でも、それから「何だろう、この違いって」と2度、3度と聴く内に、
「う~ん、これはこれでいいのかな?」→「いや、これ結構いいかも」→「やっぱクープっていいわ~」
と考えが変わっていったのです。

確かにトーンは明るめ。でも、それだけじゃなくて、どこかメランコリックでノスタルジックな香りが漂う。
子供の頃にいったサーカス小屋とか、クリスマスの思い出、夏休みもあと僅かという日の夕暮れ時。
個人的には何だかそんなことが思い出されるアルバムなのだ。
とっても楽しい、でもそれはいつか終わってしまう。そんな儚さがどこかに見え隠れしているのかも知れないです。
大人っぽいんだけど、でも子供の頃をふと思い出させる、何だか不思議なアルバム・・・。

あと、彼らってやっぱり凄いエンターテイナーなんだなと思いました。それはよい意味で、夢を与えてくれるということ。


リリースは9/27に、いつも良心的な作品を届けてくれるヴィレッジ・アゲイン さんから。
ジャケはまだ見てないので、上がったらその内アップしますね。
で、このクープ、年末には来日公演も計画中で、それに先駆けてユキミ・ナガノは一足早く、メタモルフォーゼ でのスリープ・ウォーカー のライヴに参加する模様。要チェックです。



ということでクープの新作でしたが、こういった仕事をしていて役得というか、やってて良かったと思うのは、リリース前の音源をいち早く聴くことが出来ること。
これだからレコード・ショップのバイヤーや音楽ライターは止められません。