「ローディー」、「ボウヤ」という言葉、聞いた事があるでしょうか。
バンドをやってる人や、ライヴに興味のある方は、多分知っているかもです。
「ローディー」とは、バンドのアシスタント・スタッフの事をいいます。
もっと分かり易く言うと、ライヴなどへの同行スタッフの事です。(同じ事か)
主に、機材や楽器に関する仕事をするのが、「ローディー」です。
それ以外の運営や演出に関する仕事をするのが「スタッフ」です。
「ボウヤ」というのは、付いているバンド等の正式なメンバーを目指している者をいいます。
プロとしてデビューするために修行をしている者という事で、「ローディー」とは区別しています。
有名な人に、「志村けん」さん、クールスのボウヤだった「横山剣」さんなんかがいますね。
昔は、「ボーヤ」とか「バンドボーイ」という言葉で呼んでいましたが、1990年頃から「ローディー」という呼称が一般的になりました。
では、実際、「ローディー」は、どんな仕事をするのでしょうか。
1 積み込み・積卸ろし
「ローディー」の基本は、これ、楽器や機材を運送車に積込み、積卸ろしをする事です。
ただ積むのではなく、何を何処に積むか、どの順番で積むか、どの形の物をどう積むか、楽器や機材に負担がかからないように、積卸ろしの際の順番を考えながら積まなくてはなりません。
2 運送・輸送
予算をおさえるために、プロに頼まないで、「ローディー」に依頼される事があります。
早朝、夜間に走る事も多く、過酷なスケジュールになる事もしょっちゅうです。
3 セッティング
取卸ろした機材を、他の邪魔にならない場所に一時的に溜めておきます。
ステージがセットアップされるまで、楽器の弦交換やチューニング、ドラムの仮組み等をします。
ステージ監督のオッケーが出たら、速やかに定位置に機材をセッティングします。
アンプをコンセントに繋ぎ、シールドを接続し、スタンドを立て、ミュージシャンがすぐ音を出せるような状態を作ります。
4 リハーサル
ミュージシャンが会場入りする前に、スピーカーやアンプの音色調整、モニターの調整を行います。
ミュージシャンが入ってきたら、アンプやエフェクターの接続確認をします。
各セクションの音を貰いながら音色や音量を調整し、不備な点がないか確認作業をします。
ステージの各セクションの場所に立って、ミュージシャンの好みの音が出ているか、立位置等のチェックをします。
リハで確定した音量や音色のレベルを確実にメモしておきます。
5 メンテナンス
気温、湿度、電源状態等、あらゆる障壁を回避しながら、各楽器や機材のコンディションを最良な状態に保つのも「ローディー」の大事な仕事です。
楽器や機材の突然のアクジデントにも、迅速かつ最良な対応をします。
6 エフェクティング
ライヴの最中に、各パートの音色や音量を変化させるため、ステージのあちこちに専用ブースを設けて、「ローディー」がミュージシャンに代わって音色等を変える作業をする事があります。
アマチュアのライヴではあまりというか、まず無いとは思いますが、これをエフェクティングといいます。
7 ステージング
ステージ上で起こるかも知れないトラブルに対処し、ミュージシャンのケアやフォローを行います。
アーティストやミュージシャンが気持ち良くライヴできるように、万全なセッティングでスタンバイすることが「ローディー」の仕事です。
「ローディー」とは、将来的にミュージシャンを目指すという「通過点」ではありません。
ミュージシャンを裏からサポートし、コンサート・イベント等の設営、運営を行うプロ集団なのです。
今では、音楽の専門学校に、「ローディー・コース」が設けられてもいます。
バンドをやってみたいと思っているあなた、その前に「ローディー」をやる事をお勧めします。
機材や楽器の知識が増えて、きっと将来のバンド活動に役に立つと思います。
つづく