今日は移動の日でした。

朝、山形で経営者の仲間と食事をしながら打ち合わせ。
それから山形新幹線で東京へ。
羽田を経由して、福岡へ。
まあ、今日は移動の一日だね。
昨日の山形は寒かった。
でも福岡は、なかなか暖かい。
同じ日のうちに、季節が少し動いたような気がする。
■ Higgsfieldを試してみた
今日はHiggsfield(ヒグスフィールド)という動画生成AIを試してみた。
結構クオリティの高い動画が、簡単に作れる。
これは面白いなと思った。
まだ15秒くらいの動画しか作れないみたいで、長編は難しいらしい。
それでも、これができると、クリエイティブの幅はだいぶ広がる気がする。
道具が変わると、つくれるものが変わる。
つくれるものが変わると、考えることも変わっていくのかもしれない。
■ 映画監督になりたかった頃
昔、学生の頃に、映画監督になりたかった時代がある。
映画が大好きだった。
アメリカに行ったのも、アメリカ映画が好きだったことが、少しは影響していたのかもしれない。
そんなことを、今日ふと思い出した。
いつかAIを使って、自分で映画を作れる時代が来るかもしれない。
そんな時代が来たら、ちょっと挑戦してみたいな。
週末の、移動の一日の終わりに。
今日は若水会という長年お世話になっている経営者の塾で、山形を訪問していました。
■ 市長から聞いた、「市民の幸せ」という指標
塾長の井上先生と山形市長が懇意ということで、表敬訪問させていただきました。
山形市の財政状況、これから目指す市のかたち。
そういった話を、経営者の目線で聞かせていただきました。
財政が黒字であれば良し、というだけではありません。 税収や行政効率の数字だけでもありません。 最終的には「市民がどう幸せになるのか」という大きな問いがあって、そこから逆算されている。
これが、自分にとってはとても新鮮でした。
自分は、会社を売上や利益で見ることに慣れすぎていたのかもしれません。
事業の良し悪しを、数字の一面だけで語っていなかったか。
経営の評価軸は、本当は一つではない。 何を成功と定義するか。 それをどれだけ多層で持てるか。
市の単位で経営を見ると、その問いがくっきり立ち上がってきました。
■ けん玉工場で見た、一点突破の凄み
そのあとは、山形工房さんを見学させていただきました。
けん玉の国内シェアトップ。 海外にもコアなファンがいる、業界では知る人ぞ知るメーカーです。
驚いたのは、その絞り込みっぷりでした。
ひとつの製品を、ひたすら深く掘っていく。 ニッチではあるけれど、その世界の中心に立っています。
アスクは、これまで300事業に挑戦してきた多角化型の会社です。 方向としては、山形工房さんの経営とは逆かもしれません。
だからこそ、今日は素直に学びました。
一点に絞って、技術と製品を徹底的に深掘りしていく経営の凄み。 そこにしかない強さがあります。
そしてこれは、多角化型の会社にもブーメランで返ってくる話だと思います。
事業を増やすことは、一つひとつを薄くする言い訳にはなりません。
広げるなら広げる。でも、一つひとつにちゃんと深く向き合っているか。
そう問われた感覚がありました。
■ そして、夜は温泉旅館で
夜は経営者同士、温泉旅館で深夜まで語り合いました。
業種が違うからこそ、フラットに話せる悩みがあります。
こういう仲間がいるというのは、それだけで幸せだなと思います。
■ レイヤーを行き来する、ということ
市の視点。 職人の視点。 経営者同士の視点。
今日は、違うレイヤーの「成功」を行き来した一日でした。
経営とは、自分の評価軸を更新し続けることでもあるのかもしれません。
売上や利益という単一の物差しに閉じこもると、見えないものが少しずつ増えていきます。
会社を見るとき、自分は今、何の物差しで測っているのか。 その物差しは、誰の幸せに繋がっているのか。
山形からの帰り道、そんなことを考えていました。
先日、ある経営者とM&A業界の流れについて話していた。
今までのM&A業界は、とにかく専門家を増やす時代だった。
仲介会社が増え、アドバイザーが増え、プレーヤーが急速に拡大してきた。
それが、いま大きく変わろうとしている。
国家資格としての試験の導入が決まり、業界は明確に、数の時代から質の時代へ進化していく。
■ 厚くなり続ける「安心安全」のレイヤー
数が増えるほど、事故も増える。
反社チェック、eKYCによる本人確認、ISMSのような情報管理。
プラットフォームが担うべき安心安全のレイヤーは、年々厚くなっている。
ここにAIの時代が重なる。
生成された情報の真偽。なりすまし。AIによる過剰な評価や誘導。
新しいリスクが、これからどんどん表に出てくる。
仕組みでカバーする部分は、これからも増え続ける。
これは業界の前提だ。
■ ただ、本当の壁は「情報の非対称性」
その経営者と話していて、一番深いと感じたのはここだった。
M&Aの世界は、情報が一部に集まりすぎている。
どんな会社が売りやすいのか。
売却金額は、どんなロジックで決まっているのか。
仲介会社と事業会社で、なぜ期待がずれるのか。
こうした構造的な情報は、一般の経営者にはほとんど届いていない。
仲介会社のビジネスモデルは、成約手数料。
クロージングしない限り、収入が立たない。
そうなると当然、インセンティブはオーナーとはまた別のところで働く。
これは仲介の人が悪い、という話ではない。
完全にオーナーに寄り添える状態を作りにくい、構造そのものの問題だ。
ここを理解しているかどうかで、オーナーの判断は大きく変わる。
■ 仕組みだけでは、解けない
TRANBIはここ数年で、安心安全の仕組みを積み上げてきた。
ISMS、eKYC、反社チェック。
仕組みでカバーできる範囲は、しっかりやる。
ただ、AI時代に入って改めて感じるのは、仕組みだけでは追いつかない領域がある、ということ。
最後は、経営者自身が判断できる側に立てるかどうか。
自分の会社の価値を、自分のロジックで説明できるか。
仲介会社の立ち位置を、構造として把握できているか。
そういう「賢い当事者」を増やしていかない限り、業界の質は本当の意味では上がっていかない。
TRANBIが成約にこだわらないサブスク型に振り切ったのも、ここに理由がある。
クロージング数を追わない代わりに、コミュニティを通じて経営者の学びを積み上げていく。
中小企業から生まれたプラットフォームだからこそ、できることだと思っている。
M&Aの安心と成功率は、最後は当事者の解像度で決まる。
仕組みと教育、この両輪でしか進めない領域がある。
■ 業界の次のステージ
質の時代の本丸は、専門家を増やすことではない。
オーナー自身が、自分で意思決定できる状態を持つこと。
情報を一部に閉じ込めず、開いていくこと。
プラットフォームの役割は、これから明らかに変わっていく。
情報を取り次ぐ場所から、情報を開き、経営者を育てる場所へ。
派手な変化ではない。
ただ、業界の中心がどこにあるのかは、確実に動いていくなと感じる。
今日はある経営者とランチミーティング。 中小企業の事業承継支援をしている会社の社長で、AI時代の経営のあり方について話し込んだ。
業界は違っても、見ている景色はほとんど同じだった。
■ 情報の粒度が、変わった
AIのおかげで、今までとはレベルの違う粒度で社内の情報が取れるようになった。
社員の日報も簡単に整理できる。 満足度やモチベーションの動きも、以前よりずっと早く拾える。
経営判断のためのインプットが、一段深くなった感覚がある。
社員一人ひとりの状態を、解像度高く見にいける。 これは地味だけれど、ものすごく大きな変化だなと思う。
■ AI化のスピードは、死活問題
どれだけはやくAI化を進められるか。 経営者にとって、もうそれは死活問題になっている。
「やるかやらないか」を議論する時期は、たぶん終わった。 「いつまでに、どこまで」入れ込めるか。論点はもうそっちに移っている。
スピードが遅れた会社から、静かに置いていかれる。 そういうフェーズに入った気がする。
■ ただ、AIが届かない場所もある
一方で、AIにほとんど影響を受けない仕事もある、という話になった。
たとえば、デパートの祭事販売。 売り場で、人と人が話して、その場でお客様になっていく現場。
人と人の信頼を積み重ねて事業を作っていく営業。 このあたりは、置き換えようとしても置き換わらない。
便利になるところと、便利では片づかないところ。 その境目が、思ったよりはっきりしてきたなと思う。
■ 自分たちの事業でも、同じだ
これは、自分たちの仕事でも同じだと感じている。
TRANBIで言えば、オーナーとの面談。 会社を託す、託さないを決めるあの瞬間は、データではなく人を見て決まる。
長年の顧客との関係維持も、専門家との関係づくりも、結局は人と人。 最後の意思決定の手前には、必ず「この人だから」という温度がある。
フロントに立つ仕事は、最後まで人が残る。
AIで効率化できるところは、徹底的にやる。 でも、人がやるべきところを安易にAIに渡してしまうと、信頼の積み上げのほうが途切れる。
■ 経営者の仕事は、「見極め」になる
これからの経営者の仕事は、たぶん「見極め」だと思う。
どこをAIに任せて、組織を軽くするか。 どこは人で勝負して、信頼を積み上げるか。
その線引きを、誰よりも早く・正しく引ける経営者が、これからの数年で残っていくんだろう。
情報処理や効率化は、AIに任せていい。 でも、信用と信頼は、最後まで人が作るものなのかもしれない。
フロントは、人。 その前提だけは、ぶらさずに持っておきたいなと思う。
今日は長野で、月に1回のASK Holdingsの経営会議だった。
事業数は15。 KPIの進捗を一通り確認するだけで、けっこうな時間が過ぎていく。
そこから各チームが挙げた議案を議論していくと、毎回1時間半から2時間。 だいぶ長いこと続けている運用だけれど、毎回しっかり中身が詰まる時間になる。
事業をまたいで議論できる場所は、結局ここしかない。 だからこそ、この月1を大事に積み重ねている。
■忙しい事業と、そうでない事業
15も事業があると、当然、波がある。 忙しくて回りきらない事業と、少し余裕のある事業が同時に並ぶ。
その差をどう埋めるか。 余裕のある事業から、回らない事業へ人を派遣することもあるし、足りなければ採用に動くこともある。
ここは毎回、わりと生々しい議論になる。 誰を、どこに、どのくらい動かすのか。 事業の境界を越えて、ヒトという一番動かしにくいリソースを動かしにいく。
会社全体の地図を持っていないと、ここの判断はできない。
■役職ごとに、見える範囲を合わせていく
最近の経営会議で意識していることが、もう一つある。
役職ごとに、何が見えていて、どこまで語れているか。 そのレベル感を、定期的に合わせにいく作業だ。
担当者として語るのか。 事業責任者として語るのか。 それとも、会社全体を見ながら語るのか。
同じ数字を見ても、立っている場所によって意味が変わる。 そして、立っている場所は、本人の意識だけで決まるものではない。
「役職に応じて、何を見て、どう語ってほしいか」を、こちらから言葉にしていく。
これをやらないと、立場と発言のレベルがずれたままになる。 キャリブレーションというのは大げさだけど、感覚としてはそれに近い。
■「回す側」の経験を、どう渡していくか
そして最近のテーマが、この経営会議そのものを、若手にどう回してもらうか、ということ。
参加するのと、回すのは、まったく違う筋肉を使う。 議題を組み立てる。 時間配分を決める。 誰に何を聞き、どこに議論を寄せていくか。
回す側に立って初めて、見えるものがある。 というより、回す側に立たないと、絶対に見えないものがある。
だから、いまは少しずつ、一部のテーマや時間を若手に任せはじめている。
最初はもちろん、ぎこちない。 予定の倍の時間を使うこともあるし、議論が拡散することもある。 でも、それはたぶん必要なコストだと思う。
■痛みを伴う場が、いちばん人を育てる
15事業のKPIを毎月ひっくり返して見ていく、というのは、正直、楽な運用ではない。 でも、ここでしか身につかない視点がある。
事業の境界を越えてリソースを動かす感覚。 役職に応じて、自分の語り方を選ぶ感覚。 そして、場全体を回すという感覚。
痛みを感じながらも続けている、この月1の場が、たぶん次の経営層を育てる場所になる。
参加する会議から、回す会議へ。 静かに、でも確実に、その移行を進めていけたらと思う。
今日は東京信州経済人会で渋谷へ。
会場は GMOインターネットグループ の渋谷フクラス本社。
長野県出身の 熊谷社長の配慮で開催された。
最初はスタートアップ3社によるピッチイベント。
その後、熊谷さんの講演。
30分予定だったものが、気づけば1時間近く。
それだけ熱量のある内容だった。
印象的だったのは、熊谷社長のAIに対する強い危機感。
ここまで大きな会社を作られた方でも、「いまは危機感しかない」と話されていたのがとても印象に残った。
AIがほとんどの産業を変えていく。
その変化に適応できるかどうか。
そこをかなり強く語られていた。
また、ご自身でもClaudeと会話しながらアプリ開発を進めているとのこと。
経営者自身が実際に手を動かしている。
やはりこの変化は、知識として理解しているだけでは難しく、実際に触り続けているかどうかが大きいのだと思う。
触っている人と触っていない人の差は、これからさらに広がっていくのかもしれない。
その後の懇親会では、 阿部知事のご挨拶もあり、長野に縁のある方々と色々な情報交換をした。
東京に出てきていても、皆さん長野への想いが強い。
どうやって長野に貢献していくか。
どうやって地域を良くしていくか。
自然とそんな話になる。
自分としては、やはり起業家育成や企業支援。
その領域で少しでも貢献していきたいと思う。
長野には、人の距離感の近さや、挑戦する人を応援する空気がある。
そこにAIという大きな変化がどう重なっていくのか。
これからが少し楽しみでもある。
日曜の朝。
最近、作業がだいぶ捗っている。 AIに助けられている部分も大きい。 気づくと、同時に色々なものが並走している。
アスクの組織改革とGPTWに向けた動き。 TRANBIの事業フェーズの進化。 全社へのClaude浸透と、AIを前提にした組織への移行。 そこにEO、長野、家族のことも重なる。
一つひとつは別物だけれど、自分の頭の中では同じテーブルに乗っている。
■ アクセルが効いているとき、走り続けてしまう
捗っている、というのは気持ちがいい。 朝起きてから、頭がよく回る。 やりたかった整理が一気に進む。 昨日まで止まっていた判断が、すっと前に動く。
ただ、こういう状態が一番危ない気もしている。
アクセルが効いていると、走り続けてしまう。 立ち止まる理由が見つからない。 今日の自分が、どこに向かっているのか。 何のためにこのスピードを出しているのか。
そういう問いを、自分にぶつけるタイミングを失う。
■ 棚卸しは、タスクではなく気持ちの確認
だから今日は、棚卸しに時間を使うことにした。
何が同時に進んでいるか、を書き出す。 それぞれに対して、自分は今どう感じているか。 楽しんでいるのか、義務でやっているのか。 誰のために、何のためにやっているのか。
これはToDoリストの整理ではない。 気持ちのキャリブレーションだ。
数字や進捗を確認する作業は、平日でもできる。 週末にやるべきは、その手前にある「自分の状態」を確かめることだと思う。
■ 苦しい時ではなく、調子がいい時こそ
整える時間が必要、というのは多くの人が意識している。 ただ、それは大体「焦っているとき」「うまくいっていないとき」の話だと思う。
自分もこれまで、そういう文脈で書いてきた。
でも今日改めて感じているのは、本当に難しいのは、調子がいい時に立ち止まることだ、ということ。
うまくいっているときは、止まる必要を感じない。 むしろもっと進めたくなる。 そのまま走り続けると、ある日ふと、自分がどこに向かっていたのか分からなくなる。
経営者として、ここの習慣の差は大きいと思う。 不調なときに整えるのは、誰でもやる。 好調なときに整えられるかどうか。 そこに、長く走り続けるための差が出る気がしている。
■ 週末を、何もしない日として設計する
週末はできるだけ何もしない。 予定を入れず、振り返りに当てる。
そう決めてしまうと、楽になる。 平日のスピードのまま週末まで走ろうとすると、結局どこかで折れる。 最初から「整える日」と決めておくほうが、来週に向けてちゃんと走り出せる。
これは個人の話というよりも、リズムの設計の話だと思う。
仕事の質は、走っている時間だけでは決まらない。 止まっている時間の質も含めて、自分のリズムができている。
今日は静かに過ごす。 頭の中の棚卸しをして、心と体を整える。 来週からの並走を、もう一度、自分の意思で始めるために。
最近、自分の中で奇妙なことが起きている。
自分で作ったものを、作ったこと自体、忘れてしまうのだ。
ウェブアプリ、企画書、資料、ツール。 AIと一緒に手を動かすようになってから、思いついたものをすぐ形にできるようになった。
それ自体はありがたい。 ただ、作成する量があまりに増えすぎて、自分が何を作ったのかを覚えていられなくなってきた。
■ 管理しないと、消えていく
最近、自分が作ったものを一覧化するスプレッドシートを作った。
何を作ったか、いつ作ったか、誰に渡したか。 記録しておかないと、自分の頭から消えてしまうから。
書きながら気づく。 これは少し異常な状態じゃないか、と。
本来なら、一つ作ったらそこから次のステップに入るべきものたちだ。 渡して、磨いて、運用に乗せて、改善する。 そういうサイクルがあって初めて、作ったものに価値が生まれる。
なのに、作った瞬間に放置してしまっている。 作ったことすら忘れて、また別のものを作りに行っている。
作ることが、目的になってしまっている。
■ 速くなった分、考えなくなった
少し前まで、自分は何かを作るときにもっと丁寧だった気がする。
AIが入る前は、一つ作るのに時間がかかった。 だから、作る前に「これは本当に作るべきか」「誰に何を届けたいか」を、自然と深く考えていた。
今は違う。 思いついたら、その瞬間に手が動く。 検討より、手のほうが先になっている。
便利になったのは間違いない。 ただ、検討の時間が削られた分、無駄なアウトプットが確実に増えている。
作る速度が上がったぶん、「とりあえず作ってみる」のコストが下がった。 コストが下がると、人は深く考えなくなる。
これは個人にも、組織にも、同じことが起きていると思う。
■ 速い時代こそ、行き先を決める
ここで気づいたのは、シンプルなことだった。
速く動けるようになったからこそ、動き出す前に「どこへ向かうか」を決める時間を、もっと取らなければいけない。
自分はこの先、どこへ向かいたいのか。 会社をどこへ連れていきたいのか。 社員一人ひとりは、何のためにその仕事を選んでいるのか。
ベクトルが曖昧なまま手を動かせる時代になった。 だからこそ、ベクトルを明確にしている人と、そうでない人の差が、これからどんどん広がっていく気がする。
経営者としてだけの話ではない。 社員一人ひとりも、自分が何のために何を作るのか、解像度を上げて持っておく必要がある。
行き先を決める。 そこに至る道筋を、自分の言葉で描く。
地味で、退屈で、すぐには成果に見えない作業だ。 でも、これがないまま手を動かしても、また忘れられるものが一つ増えるだけになる。
便利になった時代だからこそ、立ち止まる時間が要る。 そんな当たり前を、自分はAIによって改めて気づかされているなと思う。
今日はEOのモデレーターフォーラムメンバーで集まり、ミニリトリートだった。
リトリートというのは、普段と違う環境に身を置くことで、日常では掘り出せない自身やメンバーの思考や活動を共有し、TAV(TakeAwayValue)として持ち帰る、という時間。
EO Centralは、創業経営者だけが入れる経営者のクラブだ。 それなりに色々な波を乗り越えてきたメンバーが集まっている。 中にはプライム市場上場を果たした経営者もいる。
そんな彼らと、経営の深い話、組織づくりの話、戦略の話を、肩書きを脇に置いて腹を割って話せる。 こういう機会は、本当に貴重だなと思う。
■ 場を変えると、人の別の顔が見えてくる
今日、一番の持ち帰りはこれだった。
普段、自分たちは効率の中で生きている。 スケジュール、KPI、意思決定、次のミーティング。 その流れに乗っていると、目の前の人を、どうしても「役割」や「肩書き」で見てしまう。
でも、場所と時間の使い方を少し変えるだけで、その人の感情、迷い、好きなもの、過去の傷、これからの欲求のようなものが、ふっと出てくる瞬間がある。
ああ、この人にはこんな側面もあったのか、と気づく。
そして、それは相手だけの話ではない。 自分自身も、普段は出していない部分が、自然と出てくる。
人間というのは、本来もっと感情的で、もっと深い生き物なのだと思う。 忙しく生きていると、自分も他人も表層しか見なくなる。 それは効率ではあるけれど、関係性としては、たぶんとても薄い。
リトリートは、その薄さに気づかせてくれる装置だなと感じた。
■ 出会いを「設計する」というEOの仕組み
EOの面白いところは、メンバー同士の新しい接点を、構造で作ってくれることだ。
フォーラムは固定。 LALAは年単位で変更。 運動会は毎年メンバーが変わる(今回、自分は初参加)。 メンターメンティー制度も、毎年新しいメンターを紹介してくれる。
つまり、ずっと同じ仲間と深まる場と、毎年新しい出会いが生まれる場が、両方ある。
これがすごい設計だなと思う。 人は放っておくと、心地よい関係の中だけで時間を使うようになる。 でも、毎年強制的に新しい接点が差し込まれることで、ネットワークが広がるだけでなく、自分の中に新しい視座が立ち上がる。
偶然の出会いを偶然のままにせず、構造で起こしにいく。 これは、組織にも応用できる発想だと思う。
■ 貢献できるレベルに、自分を磨く
そして何より、こういう場に身を置くと、自分がこのEOに貢献できるレベルに成長しないといけない、というプレッシャーが自然に生まれる。
このプレッシャーが、自分を磨いてくれているのだと思う。
肩書きや会社規模ではなく、「自分は今、誰かのTAVになれる存在か」と問われ続けている感覚。
社員のみんなにも、こういう場を一つでも持ってほしいなと思う。 気の合う同期でも、業界のコミュニティでも、社外の勉強会でも、なんでもいい。 腹を割って話せる関係資本は、長く効くキャリアの財産になる。
そして、そういう関係は、効率の外側でしか育たない。
少しだけ場を変える。
少しだけ役割を脱ぐ。
それだけで、自分の中にも、相手の中にも、まだ知らない深さが残っていることに気づける。
そういう一日だった。
ASKには「委員会活動」という仕組みがある。
全社横断で動く活動で、5S推進や改善推進などをテーマにしている。
若手の育成と、組織のコミュニケーションを円滑にすることも、大きな目的の一つだ。
先日、その中の一つ「サンキュー改善活性化委員会」の月例会に参加した。
■ 15年続いてきた、小さな積み上げ
サンキュー改善活性化委員会の活動は、たしかもう15年ほどになる。
小さな改善を、コツコツ積み上げてきた活動。 派手ではないが、こうやって長く続けてこられたこと自体が、組織の文化になっている。
■ 今日のテーマは「ありがとう」
今回の発表は、「ありがとう」という言葉についてだった。
ありがとうは、他人を幸せにする。 そして同時に、自分自身も幸せにする。
そんな話だった。
特に印象に残ったのは、こんな指摘だった。
幸せというのは、ベースにあるものほど、無くなってから初めて気づく類のものだ。
健康、家族、仕事、仲間。 当たり前に存在しているうちは、それが「幸せ」だと意識することは少ない。
失ってから、はじめてそれが幸せだったと気づく。
■ ありがとうは、センサーになる
ここに、ひとつの仕掛けがある。
普段から「ありがとう」と言える場面を、意識して探す。
それは、自分が今どれだけ幸せに囲まれているかを、自分自身に気づかせるセンサーになる。
ありがとうを言うために、自分のまわりを見渡す。
すると、見えていなかった支えや、つながりが、ふっと浮かび上がってくる。
幸せに気づくセンサー。
それを、組織として意識的に育てていく仕組みが、この委員会活動なのだと思う。
15年続けてきた意味は、まさにここにあるのかもしれない。
■ 発表してくれた社員に、感謝
最後に、こうやって素晴らしい発表をしてくれた担当の社員に、心から感謝したい。
そして、長年、地道にこの活動を支えてくれているメンバーにも、ありがとう。
無くなって初めて気づく、では遅い。
今、ここにある幸せに、ちゃんとセンサーを向けていこうと思う。








