今日は、M&Aの専門家の方々との会食だった。

 

 

このメンバーとは、定期的に食事をしている。
特にテーマを決めているわけでもなく、
プライベートの話から仕事の話、業界の流れまで、自然と話が広がっていく。

 

みんなこの業界が長い。
ネットワークも広く、自分の知らない情報や視点をたくさん持っている。

「ああ、そういう見方もあるのか」
そんな気づきを、毎回もらえる時間だ。

 

ふと気づけば、自分もこの業界に関わって15年が経っている。

 

この間に、業界は大きく変わった。

専門家の数も、かなり増えた。
 

異なる業界からの参入も増え、
マーケットとしての広がりを感じる一方で、
専門家としての質がより問われる時代になってきているとも感じる。

 

オーナーから指名される専門家には共通点がある。

 

それは、数に追われず、
真摯にオーナーに向き合っていること。

当たり前のようでいて、これが難しい。

 

組織にいると、どうしても「数」が求められる。

売上を上げるためには、案件数を増やす必要がある。
これはビジネスとして当然の構造だと思う。

 

ただ、その中で気を抜くと、
仕事の目的が少しずつ変わっていく。

 

本来はオーナーを支援する仕事だったはずが、
いつの間にか会社を売ることが目的になってしまう。

 

これは仲介会社が抱える構造的なジレンマだと思う。

 

では、どうすればいいのか。

自分なりに感じているのは、
「理念経営」の重要性だ。

 

質を上げながら、数も伸ばしていく。
その難しいバランスを取るためには、
最後は“人”に依存する。

 

オーナーのためにならないのであれば、
あえて数を諦める。

 

その判断ができるかどうか。

それはスキルではなく、
人間性や倫理観の問題だと思う。

 

 

だからこそ、
そういう判断ができる人材を増やしていくこと。

 

そのための思想や価値観を、
組織として持ち続けること。

 

これが、これからの時代のM&Aには必要なんじゃないかと感じている。

 

 

社会全体の価値を高める。

一つ一つのディールの先にある、
企業や人の未来を見据える。

 

そういう視点を、
専門家一人ひとりが持っていくことが大切なんだと思う。

 

今日会った仲間たちは、
昔から一緒にやってきた人たちだ。

 

みんな、本当に人間性が高い。

だからこそ、こういう話をしていても、
すっと腹に落ちるし、共感できる。

 

 

長く続けてこれた理由は何だろうと考えると、
やっぱり「仲間の存在」なんだと思う。

 

そして、その仲間たちと改めて向き合うことで、
自分の中の軸も再確認できる。

 

 

これからも、この業界でやっていく。

だからこそ、
何を大切にするのか。

 

そんなことを、改めて考えた夜だった。

今日は、アスクの原点について少し書いてみたい。

アスクホールディングスの歴史は、もともと研磨剤屋から始まっている。
 

今の事業ポートフォリオを見ると、かなり多角化しているけれど、そのスタートはとてもシンプルだった。

「お客様の困りごとを解決する」

ただそれだけだ。

 

 


スキーメーカーの一言から始まった

創業者である父が、まだ研磨剤を扱っていた頃。

(今も扱っているが売上比率は2%程度)


当時のお客様のひとつが、スキーメーカーだった。

ある日、その技術者から相談を受けたらしい。

「スキーがうまく接着できないんだよね」

 

一見すると小さな話に見えるけれど、現場にとっては致命的な課題だ。
製品が成立しない。

 

父は、その課題に対して「自分たちには関係ない」とは思わなかった。
むしろ、「自分たちに何かできないか」と考えた。

 

そこから、技術者と一緒に試行錯誤を繰り返す日々が始まった。

そして生まれたのが、「アスナーシート」だった。

 


誰もやらない領域に踏み込む

このアスナーシート、実はかなり特殊な製品だ。

 

世界でも製造できる会社は、わずか2社しかないと言われている。
それだけ難易度が高い。

 

当時、大手企業もこの領域には挑戦していたらしい。
ただ、多くは途中で撤退している。

 

理由はシンプルで、
「難しい」「儲からない」からだ。

 

でも父はやめなかった。
というより、「やめる」という選択肢がなかったのかもしれない。

 

目の前に困っているお客様がいる。
それを解決する。

 

ただそれだけに向き合い続けた。


事業の定義が変わった瞬間

この経験は、アスクにとって大きな転機になったと思う。

 

それまでの「研磨剤メーカー」という枠から、
「顧客の課題を解決する会社」へと、定義が変わった。

 

何を作るかではなく、
誰のどんな課題を解決するのか。

 

この問いに軸足が移った瞬間だった。


多角化しても、軸は変わらない

今のアスクは、かなり幅広い事業をやっている。

 

工業製品もあれば、健康食品もある。
飲食やマーケティング支援、人材領域にも広がっている。

 

一見すると、バラバラに見えるかもしれない。

でも、やっていることは変わっていない。

 

「顧客の困りごとは何か?」

この問いからスタートしているだけだ。


スタートアップと同じ原則

スタートアップの世界ではよく、
「ペインドリブン」という言葉が使われる。

 

顧客の痛みから出発して、事業を作るという考え方だ。

 

でも、振り返ってみると、
アスクはそれをずっとやってきただけなんだと思う。

 

スキーが接着できない。
その一点から始まった話。

 

すごくシンプルだけど、
だからこそ強い。


最後に

多角化を進めていくと、どうしても軸がぶれやすくなる。

あれもやりたい、これもやりたい。
気づくと、何の会社なのか分からなくなることもある。

 

でも、原点はシンプルでいい。

「お客様は何に困っているのか」

 

そこに立ち返れるかどうか。
それが、成長できるかどうかの分かれ道なんだと思う。


顧客の困りごとから始まる事業。
これはスタートアップだけじゃなくて、どんな会社にとっても本質なんだと思う。

 

知り合いの経営者が、こんなことを言っていた。

 

「最近、1日1.5食にしてるんだよね」

 

朝はほぼ食べない。
昼は軽めにして、夜にしっかり食べる。

そういうスタイルらしい。

 

 

「体が軽くなって、頭がスッキリするよ」

そう聞いて、早速自分も試してみることにした。

 

■ やってみてわかったこと

お腹は空く。
初日から、普通に空く。

 

ただ、それと同時に気づいたことがある。

お腹が空いているほうが、調子がいい。

 

集中力が上がるし、
食後にくるあの眠気も、ほとんどない。

頭がしっかり動いている感覚がある。

 

これまで
「お腹いっぱい食べる=元気が出る」
と思い込んでいたけれど、

 

もしかすると、自分の体は逆だったのかもしれない。

 

■ 炭水化物が、体を疲れさせていた

もう一つ、大きな気づきがあった。

炭水化物って、意外と体を疲れさせる。

 

昼にご飯やパンをしっかり食べた日と、
そうでない日とでは、午後のコンディションがまったく違う。

 

食べた「量」よりも、
何を食べたかのほうが、体への影響は大きい。

 

これまで当たり前に食べてきたものが、
実はパフォーマンスを下げていたとしたら。

 

そう考えると、食事の見方が少し変わってくる。

 

■ 50が近づくと、体は変わる

年齢のせいか、以前より腹回りが気になるようになってきた。

特別なことをしていなくても、
体はじわじわと変わっていく。

 

そういう時期なんだと思う。

 

1日1.5食を続けていると、
体が少しずつ引き締まってきた。

 

体重計の数字以上に、
感覚として変化が伝わってくる。

 

パフォーマンスが上がって、体も整う。

そう考えると、やらない理由がないなと思い始めている。

■ 続けるコツは、ゆるさ

会食や外食がある日は、無理に合わせない。

 

「できる日だけやる」

 

そう決めてから、かなり続けやすくなった。

 

食べることは、エネルギーでもあるけれど、
同時に体にとっては“負荷”でもある。

 

やってみて、はじめてその感覚がわかった。

しばらく、このスタイルを続けてみようと思う。

 

ここ数年、AIといえば自分の中では完全にChatGPT一択だった。

仕事でも、アイデア出しでも、文章のたたき台を作るときも「とりあえずGPTに投げてみる」が日常になっていた。

ある意味、AIの使い方を身体で覚えたのはGPTのおかげでもある。

でも最近、少し空気が変わってきた。



■ きっかけは「文章の質」だった

試しにClaudeで同じプロンプトを投げてみたとき、返ってきた文章の「温度感」がGPTと明らかに違った。

GPTは速くて正確だけど、どこか機能的な感じがある。Claudeは、ちゃんと文脈を読んで、言葉を選んでいる感覚がある。特に日本語の文章では、その差が出やすいように思う。

TRANBIでは経営者向けのコンテンツや、ユーザーへのコミュニケーション設計など、「言葉の解像度」が問われる仕事が多い。そういうときに、AIに何を求めるかがだんだん変わってきた。

■ 経営者としての視点から

M&Aの世界では、意思決定の質がすべてに直結する。そのための情報整理、論点の構造化、資料のたたき台作り——そういう「思考の補助」としてAIを使う場面が増えている。

GPTで十分な場面も多い。でも、「この判断の前提を整理したい」「複雑な文脈を一緒に考えたい」という場面では、Claudeのほうが対話の質が高い、と感じることが増えてきた。

これは感覚の話でもあるけど、経営者として感覚を大事にしているのも本音だ。「考える仕事」「言語化する仕事」は、これからClaudeをメインにしていこうと決めた。


そして——「フルスタック営業マン」の話

ちょうどこの話をしていたタイミングで、知り合いの経営者から面白い話を聞いた。

新入社員全員にClaude Codeを与えて、文系の新卒営業マンにも、自分でツールを作らせている、という。コードが書けなくても関係ない。AIに指示を出しながら、自分の業務に必要なものを自分で作る。いわば「フルスタック営業マン」を育てているのだそうだ。

聞いた瞬間、「これだ」と思った。

■ 「ITリテラシー」の定義が、また変わる

少し前まで、社会人のITリテラシーといえば、ExcelやPowerPointが使えることだった。その後、クラウドツールやSaaSの活用になった。

次のステージは、AIを使った作業の自動化と、簡単な開発ができること——だと思う。

これまで「エンジニアに依頼する」か「諦める」しかなかった小さな自動化が、自分でできるようになる。その差は、仕事のスピードと質に直結する。

プログラミングの専門家になる必要はない。でも、「AIに何かを作らせる」という感覚を持てるかどうかで、仕事のキャパシティが大きく変わる時代が、もうそこに来ている。

■ まず自分がやってみる

TRANBIを経営していると、チームの生産性が事業の成長に直結することを毎日感じている。採用において「AIを使いこなせるか」は、すでに無視できない評価軸だ。でも今後はもう一段上の話になると思う。

正直に言うと、自分もClaude Codeをまだ本格的に使いこなしてはいない。でも、この記事を書きながら、そろそろ自分で手を動かす時期だと思った。

経営者が使えないものを、チームに求めるのは違う。まず自分がやってみる。その記録も、またここに書いていこうと思う。

 

今日は息子の高校の入学式があった。

 

 

つい2週間ほど前に卒業式があったばかりなのに、
時間が過ぎるのは本当に早いものだなと感じる。

 

高校の空気は、中学とは少し違う。
先輩たちの演奏や話し方にも、どこか大人びた雰囲気がある。
 

義務教育が終わり、一歩ずつ社会に近づいていく。
そんな節目の場なんだなと思った。

 

新しい制服に袖を通した息子は、
どこか緊張した表情をしていた。

 

その姿を見ていると、
なぜか自分まで少しドキドキしてくる。

 

自分が高校に入学したときも、
きっと同じような気持ちだったんだろうなと思い出す。

 

そして同時に、
ああいう「はじまりのドキドキ」を、
自分はもうあまり感じなくなってきたな、とも思う。

 

そう考えると、
息子を通してもう一度その感覚に触れられることは、
とてもありがたいことなのかもしれない。

 

これから息子は、
たくさんの「はじまり」に出会っていく。

 

新しい友人、
新しい挑戦、
そして、まだ知らない自分。

 

どんな経験をしていくのかはわからないけれど、
その一つひとつのドキドキを大切にしながら、
健やかに成長していってほしいと思う。

今日は、中小企業庁が出している
「中小M&A資格試験」の方針について、少し整理してみたいと思います。

 

 

最近、M&A業界ではルール整備が一気に進んでいますが、
今回の資格試験の話は、その中でも非常に大きな転換点だと感じています。

 

まず、この資格制度が作られる背景について。

 

端的に言うと、「市場の質を高めるため」です。

 

これまで中小M&Aの領域は、
プレイヤーの質にばらつきがあり、

  • トラブルの発生

  • 情報の非対称性

といった課題が一定程度存在していました。

 

そうした状況を踏まえて今回、

  • 知識

  • スキル

  • そして倫理

この3つを一定水準まで引き上げることを目的に、
国主導で資格制度が設計されています。

 

興味深いのは、この試験の設計です。

 

単なる知識試験ではなく、
かなり実務に寄せた内容になっています。

 

科目は大きく4つ。

  • M&A実務

  • 財務・税務

  • 法務

  • 倫理・行動規範

つまり、

「現場で適切に判断し、動ける人材かどうか」

が問われている構造です。

 

その中でも特に印象的だったのが、
倫理の扱いです。

 

今回の試験では「禁忌肢」という考え方が導入されています。

 

これは簡単に言うと、

「絶対にやってはいけない行為を選んだ場合、それだけで不合格となり得る」

というものです。

 

例えば、

  • 利益相反を隠す

  • リスク説明を行わない

  • 反社会的勢力のチェックを軽視する

といった行為です。

 

これは単に知識を問うのではなく、

「支援者としての最低限の倫理観を満たしているか」

を厳しく見ている設計だと感じます。

 

さらに、この制度は試験で終わりではありません。

 

合格後には登録制度があり、

  • 倫理規程の遵守

  • 定期的な講習の受講

  • 違反時の処分(氏名公表や取消)

といった仕組みが用意されています。

 

これはまさに、

「資格」だけでなく「継続的なライセンス管理」まで含めた制度

と言えると思います。

 

 

では、この流れによって何が起きるのか。

 

私は、

M&A業界は「自由競争のフェーズ」から
「品質競争のフェーズ」へ移行していく

と考えています。

 

 

これまでは、

  • 案件を持っていること

  • マッチングができること

これだけでも競争優位になり得ました。

 

しかしこれからは、

  • 説明責任を果たせるか

  • 倫理的に適切な判断ができるか

  • プロセスを正しく進められるか

といった点が、より強く問われるようになります。

 

 

言い換えると、

「誰でも参入できる市場」から
「適切に実務を遂行できる人だけが残る市場」へ

変わっていくということです。

 

 

個人的には、この流れは非常に良い方向だと感じています。

 

M&Aは、

  • 経営者の人生

  • 会社の未来

  • 従業員の生活

そういった重要な要素が交差する意思決定です。

だからこそ、関わる人の質が上がることは、
市場全体にとって大きな価値になるはずです。

 

 

そしてもう一つ重要なのは、
この流れによって「プラットフォームの役割」も変わっていく点です。

 

 

これからは単なるマッチングではなく、

  • 信頼できるプレイヤーの可視化

  • プロセスの標準化

  • リスクの低減

といった機能が、より重要になっていきます。

 

 

M&Aはこれから、

「量の時代」から「質の時代」へ。

その入り口に、今まさに立っていると感じました。

 

最近、ふと感じることがある。

 

 

感謝できる環境がある。
目標もあるし、やりがいもある。
良い仲間にも恵まれている。

 

それでも、すべてがうまくいっているわけではない。

特に、EOの仲間に会うと、自分に足りないものがはっきりと見える。
その度に、少し焦る。

 

充実感と、成長への焦り。
この2つが同時に存在している状態。

このバランスをどう取るかが、今の自分にとって一つのテーマなんだと思う。

 

 

人生を振り返ると、
自分が一番成長を実感できたのは、「苦労している時」だった。

 

むしろ、
焦りでもなく、充実感でもなく、
何も感じないくらい没頭している状態。

 

ただひたすら目の前のことに打ち込んでいる時。

あの状態こそが、
一番自分を前に進めていた気がする。

 

 

そう考えると、
「苦労できる環境に身を置けていること」自体が、
実はとても恵まれていることなのかもしれない。

 

だからこそ、経営者としての役割はシンプルで、

自分自身が成長し続けられる環境に身を置くこと。
そして同時に、社員一人ひとりにも、
適度にストレッチした成長機会を提供すること。

それが、組織としての強さに繋がるんだと思う。

 

 

できるかどうか分からない。
そもそも、自分が本当にやりたいかも分からない。

それでも、とりあえず挑戦してみる。

 

コンサル時代は、そんな感覚で
ほぼすべての仕事に向き合っていたことを思い出す。

 

 

成長の機会は、誰にでも平等に訪れるわけではない。

でも、
成長に貪欲な人ほど、
結果的に多くの機会を引き寄せているように見える。

 

きっとそれは、
チャンスの数ではなく、
「それを掴みにいく姿勢」の違いなんだろう。

 

 

充実でもなく、焦りでもなく、
ただひたすら没頭する。

 

またあの感覚に、自分を置きにいこうと思う。

今日は、子供達が久しぶりにディズニーランドへ行くということで、早朝に車で送り届けた。

 

 

息子は、いつぶりのディズニーだろう。
聞いてみるとファストパスが課金制になっているらしく、1枚2000円もするのだとか。ディズニーもずいぶん単価の高い遊びになったものだなと感じる。

 

最近は日本とアメリカの物価差がよく話題になるけれど、
海外の人から見れば、この価格もそこまで高くは感じないのかもしれない。
そう考えると、同じ場所でも「価値の感じ方」は立場によって大きく変わるものだなと思う。

 

子どもたちを送り届けたあと、久しぶりにひとりの時間。
ここ最近、EOのフォーラムリトリート以降の疲れが思った以上に残っていて、
今日はしっかりと心と体を休めることにした。

 

コーヒーを入れながら、湧き立つ香りを楽しんでいるときに

ゆっくり自分と向き合えるという幸せを感じる。

 

EOの良いところは、
半ば強制的に「内省の時間」を取らされることだと思う。

自分の感情や状態に意識を向ける習慣がつく。
それによって、無理をしている時や、少しズレている時にも気づきやすくなる。

 

若い頃は、多少無理をしてでも前に進むことが正義だと思っていた。
でも今は、健全な状態でいることこそが、良い判断や良い仕事につながると実感している。

 

今日は何もしない。
ただ休む。

そういう日をちゃんと選べるようになったのも、
一つの成長なのかもしれない。

今日は仕事前に、春休み中の息子と二人で、
中目黒の目黒川まで桜を見に行った。

 

 

ゆっくりと川沿いを歩きながら、満開に近い桜を眺める。
天気もよく、空は澄んでいて、朝の光がとても心地よかった。

そのまま近くのカフェに入り、朝食をとる。
 

特別なことをしたわけではないけれど、
親子二人だけで過ごす時間というのは、どこか特別だった。

 

思い返してみると、
こうして二人でゆっくり桜を見る機会は、
これまであまりなかった気がする。

 

最近は息子も大きくなってきて、
勉強の話や、これからのこと、
時には仕事の話なんかもできるようになってきた。

 

ただ一緒に過ごすだけじゃなくて、
「会話ができる関係」になってきたことが、
何より嬉しい。

 

男同士だからこそ、
一緒にスポーツをしたり、体を動かしたりする楽しさもある。

週末には、一緒にスノーボードにも行った。
 

初めての挑戦で最初は苦戦していたけど、
帰る頃にはターンもできるようになっていた。

 

やっぱりサッカーをやってきただけあって、
体を動かすことには強いんだな、と感じた。

 

こうして同じことを一緒に体験できるようになっていくこと。
それは、親として本当に嬉しい変化だと思う。

 

これから息子は高校生になる。
世界はこれからますます複雑で、変化も激しくなる。

 

だからこそ、
できるだけ多くのものを見て、触れて、感じてほしい。

 

親としてできることはシンプルで、
「機会をつくること」だと思っている。

 

新しい景色を見せること。
違う価値観に触れさせること。
そして、挑戦するきっかけを渡すこと。

 

今日の桜のように、
ふとした時間の中にある美しさや豊かさを感じられる人に、
育ってくれたら嬉しい。

 

そんなことを思いながら、
少しだけ背中が大きくなった息子と並んで歩いた、春の朝だった。

今日は、NASAの月探査プロジェクト「アルテミス計画」の打ち上げがあった。

 

 

今回のミッションは月面着陸ではなく、月の周回。
本番に向けた重要なステップだ。

 

ロケットはSpace Launch System、宇宙船はOrion spacecraft。
 

ロケットは地球から宇宙へ押し上げる役割で、途中で切り離される。

実際に月まで行って帰ってくるのはオリオンの方だ。

 

 

今回のプロジェクトを見ていて、強く思ったのは

業務委託のスケールの大きさ。

 

月面に降り立つ。
しかも人を乗せて、安全に行って帰ってくる。

 

これは、国のプロジェクトの中で最も難易度が高い部分だと思う。

 

普通に考えれば、

「ここは自分たちでやるしかない」

そういう判断になりがちだと思う。

 

でもアルテミス計画は違う。

 

その最も難しい部分を、
SpaceXに任せている。

 

 

業務委託とか外部パートナーに任せる、という考え方自体はどこでもある。

ただ、普通の業務委託はこうだ。

  • コアではない部分を外に出す

  • リスクの低い部分を任せる

  • コントロールしやすい範囲にとどめる

 

でもこれは違う。

一番難しいところを外に出している。

 

 

もちろん丸投げではない。
ミッション設計や安全基準といったコアはNASAが握っている。

ただ、「実装」は外に出している。

 

さらに驚くのは、

その壮大なビジョンについていける企業が存在していることだ。

 

 

普通の会社なら、

「月に行く?しかも着陸?無理でしょ」

で終わる話だと思う。

 

 

でもSpaceXは違う。

再利用ロケットを前提にし、
宇宙輸送コストを桁で下げ、
火星移住まで視野に入れている。

 

 

前提としている世界のスケールが違う。

 

だからこそ、NASAのような国家プロジェクトと組める。

 

そして彼らが狙っているのは、月面着陸そのものではない。

 

その先にある

「宇宙の輸送インフラ」

 

人を運ぶ。
物を運ぶ。
燃料を運ぶ。

 

いわば、宇宙版のFedExのような存在だ。

 

 

 

何でも自分でやることが正しいわけではない。

むしろ重要なのは、

  • どこを自分たちで握るのか

  • どこを外に任せるのか

その設計だ。

 

 

難易度が高いから内製化するのではなく、
難易度が高いからこそ、最も進化しているプレイヤーに任せる。

ただし、意思決定と基準は手放さない。

 

 

アルテミス計画を見ていると、

単なる宇宙開発ではなく、
挑戦のやり方そのものが進化していると感じる。