今朝起きて、仕事のことを考えていた。
 

上司という立場にある人間は、
部下の仕事を、どこまで理解しておくべきなのだろうか。

 

組織が大きくなると、こんな言葉をよく耳にする。

「全部を把握するのは無理だよね」
「現場は現場に任せた方がいいよね」

確かに、それは一理ある。
 

でも本当に、それでいいのだろうか。
少なくとも僕は、この問いをずっと抱え続けている。

 


最近、あるマネジメントの場で、
「現場業務への理解がまだ十分とは言えない」
そう感じる出来事があった。

 

複数の業務領域にまたがる仕事を見ていて、
表面的な流れは把握できているものの、
実際にどこで負荷がかかり、
どこで判断が難しくなり、
どこに改善余地があるのか。

 

そこまで踏み込めていないように感じた。

 

本来、上司であれば、

「こういう状況になったら、どうすればいいですか?」

と部下から相談されたときに、
業務の背景や構造を理解したうえで、
一緒に整理し、次の打ち手まで示せる状態でありたい。

 

少なくとも、
部下よりも業務を分かっていそうに見える
その状態を作れていなければ、
安心して相談は集まらない。

 


僕自身、コンサルティングの仕事を長くやってきた。


その影響もあってか、
業務を見るときの視点は、かなり厳しい方だと思う。

 

コンサルタントはクライアントの業務を一度見たら理解する必要がある。
情報がどう組み立てられ、
どれくらいの工数で回り、
どこに無理が生じているのか。

 

そして同時に、
「どうすれば改善できるか」を頭の中で組み立てる。

 

何度も何度も聞き返すことはできない。
それは相手に対して失礼だからだ。

 

だからこそ、
一回で理解し切ろうとする集中力と覚悟が、
常に求められてきた。

 

この基準で考えると、
現場理解が浅いまま、
改善案や企画だけを語ることはできない。

 


上司に求められる役割は何だろうか。

 

僕は、
・部下にどれだけ寄り添えているか
・部下の仕事をどれだけ理解しているか
・その仕事が、お客様のために適切に回っているか

この3つを把握し、改善し続けることだと思っている。

 

その中でも、
部下の仕事を理解していることは、すべての土台だ。

 

確かに、
組織が大きくなり、業務が複雑になると、
すべてを完璧に把握するのは難しくなる。

 

でも、
だからといって
理解しようとする努力をやめていい理由にはならない。

 

上司は、
分かろうとし続けなければならない。
努力し続けなければならない。

 


組織構造をはっきりさせ、
上司と部下の関係性を強化していく中で、
むしろ浮き彫りになる課題もある。

 

階層ができたからこそ、
上司が現場から遠くなり、
細かな業務が見えにくくなる。

 

でも、ここでも結論は同じだ。

だから諦める、ではない。

 

「どうすれば、部下の仕事を部下以上に理解できるか」
それを考え続けることが、
上司の役割なのだと思っている。

 

現場で起きる小さな違和感や、
置いてきぼりになる業務は、
多くの場合、
上司が現場を十分に理解できていないところから始まる。

 


構造的に難しい組織だからこそ、
上司に求められる理解力、共感力、先回りする力の水準は高い。

「できない」ではなく、
「どうやったらやり続けられるか」。

 

アスクの入社直後に全事業部を渡り歩くフレッシャーズキャンプの仕組みも、
そのための一つの工夫だと思っている。

 

特に上司は、
業務を理解したうえで、
改善のアイデアを考え、進める立場にある。

 

現場の人と話したときに、
「今の課題はここだな」と自然に分かる。


そこまで理解度を高めておく必要がある。


 

上司は、完璧である必要はない。
でも、理解しようとする覚悟は、持ち続けなければならない。

 

部下よりも、部下の仕事を知ろうとすること。
 

お客様が経営者であれば、
経営者以上に、その気持ちを理解しようとすること。

 

それができなければ、
本当の意味で、組織を率いる立場には立てない。

 

上司とは、
「分かっている人」ではなく、
分かろうとし続ける人なのだと思う。