乳酸菌と発酵食品
食文化ジャーナリストの睦田幸枝さんが「danchu Plus」(2007年7月)で以下のようにおっしゃっています。
「私が惹かれるのは、塩加減や気温差を利用して、麹や酵母、乳酸菌などの有用微生物を増やし、その力関係で有害な腐敗菌を抑えてしまう発酵保存。これらの食品は、塩分がそれほど多くなくても長期間貯蔵でき、味にいっそうの深みがでてきます。」
常識と思われている塩の働きの一つに、「微生物の繁殖を抑える」というものがあります。これは精製塩=塩化ナトリウムの働きです。菌を殺すということは、悪玉菌だけでなく、善玉菌も殺してしまうということです。
塩化ナトリウムは酵母や乳酸菌などの有用微生物を殺してしまいます。だから、塩化ナトリウムでは、発酵はしません。
昭和47年から「塩」がイオン交換膜製法で作られた塩化ナトリウムになってしまったため、日本では本当の発酵食品ができなくなってしまったのです。
「醤油」「味噌」「納豆」「酒」「ヌカ漬け」「漬け物」「梅干し」・・・スーパーで、発酵食品といわれているものの食品の裏を見てください。化学調味料や添加物が使われているものばかりです。これは、本来の発酵ができなくなってしまったために、発酵の味「うま味」を添加するためなのです。
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乳酸菌と浅漬け
発酵で有名な東京農業大学の小泉武夫先生の著書「発酵食品礼讃(文春文庫)」に以下のように書かれています。
「漬け物の中に生育して活躍する有用な微生物は乳酸菌と酵母である。まず乳酸菌。一夜漬けでも浅漬けでも乳酸菌による発酵が起こり、乳酸が生成すると同時に原料野菜の青臭みが消失し、熟れた風味となる」
NHK「きょうの料理」でもお馴染みの料理研究家の杵島直美先生が、「わじまの海塩」で作った浅漬けを評して「塩だけで乳酸菌発酵する」「懐かしい深みのある味」「これは浅漬けの革命かもしれません」とおっしゃりました。
「塩だけで乳酸菌発酵する」・・これは、塩化ナトリウムだけの塩ではできません。ミネラルバランスのよい「わじまの海塩」でなければできない浅漬けです。
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乳酸菌の働き
ヌカ漬けは、代表的な発酵食品ですが、ヌカに乳酸菌が育ち、その乳酸菌が雑菌を殺してくれるために、ヌカに漬けた野菜などの食品が腐らずに保存されるのです。
乳酸菌が育たなければ、雑菌が繁殖し、腐敗してしまいます。
ヌカを人間の体の中だと想像してみてください。善玉菌である乳酸菌が、雑菌を殺してくれる。体の中に精製塩=塩化ナトリウムだけを摂っていたらどうなるでしょう。塩化ナトリウムは善玉菌である乳酸菌まで殺してしまい、その結果、悪玉菌が繁殖します。この悪玉菌が発がん性物質を造りだします。
乳酸菌に抗がん作用があるということは、最近のヨーグルトなどの乳酸菌の広告で知られています。
日本では、1970年代から、癌による死亡率が急激に増えています。
これは、1972年(昭和47年)、日本でイオン交換膜製法の精製塩=塩化ナトリウムだけを使うようになったことと、呼応しています。
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新谷弘実先生の「病気にならない生き方2」
胃腸内視学のパイオニアとして知られる新谷弘実先生の「病気にならない生き方2」(2007年・サンマーク出版)に、以下のように書かれています。
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海水から水分だけを蒸発させた自然海塩には、塩化ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ヨウ素といった海のミネラルが非常にバランスよく含まれています。しかし、「食塩」という名で売られている精製塩は、海水からほぼ塩化ナトリウム(NaCl)だけを取り出したものなので、その99%は純粋な化学物質である塩化ナトリウムです。
精製塩が体に悪い最大の理由は、塩化ナトリウム以外の微量なミネラル分をすべて切り捨ててしまったことにあります。どうせこんな少しばかりの成分はたいした役に立っていないのだろう、そんな人間の傲慢さがそこには感じられます。
自然は完璧です。ナチュラルな状態で存在している成分は、すべて必要だからこそ、そこに存在しているのです。
私たちの体に有益な乳酸菌が生きられない塩が、体によいはずがありません。
ですから、現在台所に食塩がある人はすぐに捨て、これからは自然のミネラルが豊富に入った自然海塩を使うようにしてください。
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ご家族やお友達が、殺菌効果があり、乳酸菌を殺してしまう塩化ナトリウムを調理に使っていたら、ぜひ、この話を教えてさしあげてください。
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これまでの塩の常識
調理栄養教育公社から出版されている「調理用語辞典」の「食塩」の項目には、塩の効用として、以下のように書かれています。
・微生物の増殖を抑えて腐敗を防ぐ
これらは、日本人が専売法のもとで昭和47年から食べさせられてきた、塩化ナトリウム99%以上に精製された食塩・精製塩の効用です。確かに、精製塩は、食中毒を防ぐという功績を残したかもしれません。
けれども、微生物、菌の増殖を抑えるということは、悪玉菌だけでなく、善玉菌も殺してしまうということではないでしょうか。塩化ナトリウムは、酵母や乳酸菌などの有用微生物の働きを弱めてしまいます。
今、テレビや新聞の広告や記事で、乳酸菌が健康によい、と騒がれています。
乳酸菌は、アトピーや花粉症の薬や、ガンの治療に使われるよう研究が進められているそうです。
そもそも、人間の体の中には、乳酸菌が住んでいて、それが悪玉菌をやっつけてくれていたのです。それが、塩化ナトリウムを食べさせられ続けていたために、体の中が消毒され、乳酸菌が住まなくなってしまったのではないでしょうか。
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「塩売り主婦 奮闘記」のブログを始めます
「塩売り主婦 奮闘記」のブログを始めます。
私には娘が二人います。今年、社会人になった娘と、大学生になった娘。おかげ様で、生まれた時から、アトピーやぜんそくもなく、健康に育ちました。でも、それって、母体となる私の体を作ってくれた母の手作り料理のおかげかなあ、と思います。そうだとしたら、この娘たちが子供を産むとき、その子が健康かどうかという責任は私にある??
仕事をしていることを言い訳に、買ったお惣菜やお手軽調味料などの手抜き料理で、娘たちを育ててしまった私の結果は、娘たちの次の世代に・・・。
そう考えたら、恐ろしくなりました。食に対する問題について、真険に考えて取り組んでいかないといけないなと思いました。
そのようなとき、日本人が専売法のもとで食べさせられてきた塩化ナトリウム99%以上の食塩の問題を知り、能登・輪島の塩に出会いました。
そして、25年勤めた大手IT企業を2009年春に辞め、「わじまの海塩」を販売する会社を設立しました。
こんな塩売り主婦の生活や思いをこのブログに綴っていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
※レシピなどは、別のブログに掲載していたものを、このamebaブログに移行しました。
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杵島直美先生の梅干しの作り方【4】土用干し終わり
梅干し【下漬け編】【本漬け編】【土用干し編】の続きになります。
土用干しが終わったら、また梅酢の中に戻して、しっかり漬くまで寝かせます。
作り方:①写真のように、梅干しがすっかり乾いたら、干しおわりです。

梅の色が乾燥して薄くなり、しわができています。

②梅酢の中に、一粒づつ戻します。

③梅に梅酢がまんべんなく回るようにします。

④梅の粒全体に梅酢が浸るように、皿を乗せます。

⑤ふたをして常温で保存し、しっかり漬かるのを待ちます。

お正月ぐらいには食べられますが、1年後ぐらいが、一番おいしく食べられます。味がなじんだら、瓶やタッパーに移して、常温で保存ができます。
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杵島直美先生の梅干しの作り方【3】土用干し
杵島直美先生の「わじまの海塩」を使った漬物シリーズ その3 「梅干し【梅の土用干し編】」のレシピをご紹介します。
梅干し【下漬け編】【本漬け編】の続きになります。
梅雨が明けて晴天が続くようになったら、土用干しをします。
作り方:
①シソの赤い色が梅に移り、よい色になっています。
②土用干しのため、お皿の上にザルを置き、ザルに梅を一粒づつ載せていきます。ザルにはタコ糸をくくりつけて、上から吊せるようにしておくと便利です。
③シソもザルに載せて干します。シソにはまだ梅酢が残っているので、しゃもじなどで押して梅酢をザルの下の皿にたらします。
④皿にためた梅酢は、容器に戻します。
⑤ザルを日当たりのよい屋外に吊るして、梅を干します。
夏の日差しをあびて、梅がとてもきれいに見えます。
⑤土用干しの最終日は容器も外に出し、梅酢も干します。(黒く見えるのは残ってしまったシソの葉です)
干す期間は、昔は「三日三晩」といいましたが、夕立ちが来ると困るので、昼だけ外に干します。夜は、室内の風通しの良い場所に吊しておきます。これを3日繰り返します。日差しが強く梅干しが乾いたら、3日ではなく2日でもかまいません。
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杵島直美先生の「わじまの海塩」で作るらっきょうの甘酢漬け
杵島直美先生の「わじまの海塩」を使った漬物シリーズ その2「らっきょうの甘酢漬け」のレシピをご紹介します。
材料:
らっきょう 500g
A わじまの海塩 30g
水 2カップ
B 酢 1と1/2カップ
砂糖 150g
水 1/2カップ
赤とうがらし 2本
作り方:
①泥つきのらっきょうを買い求めたら、芽が伸びてしまわないよう、その日のうちに下ごしらえをします。下ごしらえは、らっきょうの塩漬けの作り方と同じです。一粒ずつにほぐしながら、水で洗います。
②砂や泥を洗い落としながら、薄皮を剥きとり、ざるにあげて水気をきります。
③らっきょうの根だけそぎとり、芽先を少しだけ切り落とします(切り過ぎるとシャキシャキした食感を損なうのでご注意ください)。
④容器に下ごしらえしたらっきょうを入れて「わじまの海塩」を振り入れます。
⑤容器をあおり、塩を全体にまぶしつけます。あおり方は、以下の写真を参考にしてください。
⑥塩が一粒一粒にいきわたったら、水を注ぎます。
⑦落としぶたをして1キロ程度の重石をかけて下漬けします(塩水に漬けることによって短時間でらっきょうに適度な下味がつきます)。
⑧1日後、下漬けしたらっきょうをざるにあげ、水気をよくきります。
⑨らっきょうを容器に戻し、赤トウガラシを入れます。
⑩鍋に酢と砂糖・水を入れて混ぜてから火にかけ、砂糖が煮溶けたら火を止め、熱いうちに⑨に回しかけます。熱い甘酢をまわしかけることで早く味が染み、パリッとした食感になり、らっきょうが透き通った感じに仕上がります。
⑪粗熱がとれたら蓋をして常温で保存します。
⑫熱い液なら1か月後位からが食べごろです。
※らっきょうを白く仕上げたい場合は、⑩で甘酢が冷めてかららっきょうと合わせてください。冷めた液で漬ける場合は味がなじむまでに2か月程がかかります。
出来上がり
保存方法:
常温でも一年間はパリパリした食感が楽しめますが、甘酢のにおいに誘われて小虫が寄ってきますので、できれば小さな容器に移して冷蔵庫保存しましょう。甘酢かららっきょうが飛びでているとやわらかくなってしまうので注意して下さい。
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