ついに来たこの日。来て欲しくなかったこの日。
抗ガン剤16回目。お腹パンパン。血液検査。さあ、抗ガン剤!と思ったら腎機能の数字が悪く今日は中止と。お腹パンパンも酷いためCT&エコー検査を引き続き。結果待ち。Y氏さ〜んと呼ばれ結果発表!まず、もうひとつの尿管は詰まっちゃいるけどステントまではやんなくていいかなぁと。良かった〜。あれはもうしたくない!で、お腹パンパンの原因なんだけど胃のすぐ下の小腸が癌に圧迫され詰まっているのが原因です。そしてこれは対処しようがありませんと。ふ〜ん。ん?対処しようがありません?で、どうなるの?今はまだ完全に詰まっているわけではないから多少食事をとったりできますがこのまま癌が進行すれば完全に詰まって食べられなくなります。どうしようもありません。それがあと1カ月なのか2カ月なのか。わ〜。終わった〜。白いタオルがリングに舞った。カンカンカンカン(ゴングの音、試合終了の合図)。頭の中で鳴り響いた。3月31日(金)、ある種の最後通告が出てしまった。いつかこんな日がくるとは思っていたがちょっと予想より早かった。ま、いつこうなっても予想よりちょっと早いって言いそうだけど。人間、食べられなくなったら終わり。それは以前の自分、周りの方を見ればわかる。そして現実的に今、3日ほど食べられてない便が出ない。う〜、そうか〜。溢れる涙。すぐ泣く。受け止めながら涙が止めどなく。先生と話しながら泣き続け、看護師さんと話しながら泣き続け。か〜、時間ねぇなぁ!溢れる涙。まだ泣いてる。やはり先生の話、看護師さんの話を総合すると余命2カ月くらい?1カ月で食べられなくなり、2カ月目で入院、点滴処置。みたいな。マジか〜俺、死ぬんだな。とりあえずついに本格的な死のロードが始まるんだな。ふ〜。受け止めろ受け止めろ。受け入れろ受け入れろ。難しいなぁ。しかし時間がない。今までやるべきことはやってきたつもりだが本当に最後の準備はまだやってないことが多い。家族にどう伝える?仕事はどうする?もー!大変!でもやるしかない。尿を促す点滴を2時間ほど。その間いつも相談に乗ってくれる相談員のおば様がひょっこり。何か聞きつけて。色々話す。2人で泣く。介護用のリクライニングベッドを借りようということに。そりゃいいわ。ママ病院に到着。ママに報告。ママ絶句。ゴメンね。2人で色々話し合う。本当に色々話し合う。こうやって話し合う時間が愛おしい。会計を済ませ病院を出る。仕事はもう辞めだな。頼りにされてる色んな人がいるけどゴメンなさい。店じまいします。段取りしなくちゃ。あー、夢半ばではあったがしょうがない夜、お兄ちゃん(もうすぐ高3)に話す。お兄ちゃんうろたえ泣いてる。ほんとゴメンね。お兄ちゃんから色々聞いてくることはない。これから私を見て、色々と受け止めていくのだろう。お姉ちゃん(もうすぐ高1)は今日はお出掛け。明日伝えよう。仲間にも連絡。パニックゴメンね。夜ひとりで色々考える。しかしどう考えても大変だなでも、去年の夏で終わってたかものこの体。よく頑張ってくれたな。と、そんなことも思いつつ。でもまだまだ全然受け入れられない!とも叫びつつ。何だか急に今まで以上に周りへの感謝が溢れてくる。そういうもんかね。しかし、一点。もっと延命してやるぞの心意気は絶対に捨てない!5月の治験検査にもダメ元だけど(ビビってる。ピッチャービビってる。)希望も満載で果敢にトライ!この気持ちは捨てない。捨てられない。宣告された翌日の朝、少し冷静になれていた。さあ、この死のロード、何からやる?まずはトイレに行くか。