三重県熊野市紀和町の棚田「丸山千枚田」での虫送りの行事、

沖縄本島北部での「アブシバレー」という虫払いの行事は、

ともに地域の「害虫駆除と五穀豊穣」祈願イベントだけど、
沖縄での米作について私見を述べたい。

新潟県の「魚沼産コシヒカリ」や秋田県の「あきたこまち」、

宮城県の「ひとめぼれ」、北海道産「ゆめぴりか、ななつぼし」、

山形県の「つや姫」、三重県では「伊賀米」…、
こういった有名ブランドは誰もが一度は食べたことがあると思うけど、
「沖縄県産米」って本土のスーパーで見かけたことがないはず。

沖縄県でも米作は行われているけど生産量が少な過ぎて

県内だけで消費されてしまうから本土には出回らない。


おそらく東京や大阪、名古屋、福岡の沖縄県のアンテナショップには

少量置いてある可能性はあるから、興味がある人は買って食べてみたらいいよ、

あまり美味しくないけどね。

亜熱帯気候の沖縄での米作は二期作が可能で、
石垣島や西表島では一部で二期作が行われている。

本島北部では名護以北の国道58号線沿いに

一部田んぼも見られ米作が行われている。

名護市の古老の話では
「子どもの頃は見渡す限り田んぼだったよ」
と言っていたから、

半世紀以上前は「見渡す限り」かどうかは主観によるから別にして

昔は米作が多かったのは事実なのだろう。

今では沖縄で田んぼを見かけるのは少ないから、本島北部の

「アブシバレー(=畔払い)」という虫払い行事が受け継がれていることに、
「ところで畔(あぜ)とか田んぼってどこにあるの?」
とは思うけど、

「アブシバレー」は昔米作が盛んだったころのなごりなんだろうね。


18世紀~19世紀にかけて大量のハイテク機械の発明により、

産業の主体が手作業の分業から工場による大量生産に変わった産業革命以降、
地球の温暖化が進み、近年日本近海の海水温度が高くなっているのは

多くの人が知っているはず。

日本近海における2019年までのおよそ100年間にわたる海水温度の上昇率は「+1.14℃」で、世界平均の上昇率「+0.55℃」の約2倍になっている。

昔の台風はフィリピン東海上で発生し、北上して台湾付近を通過、

琉球弧列島に沿って沖縄本島までは強い勢力のままやってきて、
海水温度が低い日本近海で勢力が衰えて本土に来る頃には

熱帯低気圧になったり消滅したりしていたのが、
近年は日本近海の海水温度が高くなり、グアムや小笠原諸島方面からも

台風は本土に直接やってくるようになってきた。

昔の沖縄での台風シーズンは
「5月のGWから概ね10月まで」
だけど、

沖縄での米作は台風被害を免れるために6月には収穫を終えたい、
それが一期作での「超早場(はやば)米」。

二期作目は9月上旬までの苗の植え付けになり、
沖縄では7~9月は最も勢力の強い台風が襲来する時期に重なる。

そのため収穫量や歩留まりが低いなどの理由で、
稲作は一期作の半分以下の作付けとなっている。

令和元年の沖縄県のデータ
・一期作 作付面積506ha 収穫量1670トン 10a当たりの収量331kg
・二期作 作付面積171ha 収穫量321トン 10a当たりの収量188kg

沖縄では二期作は可能だが、

台風の被災を怖れ二期作目をしないのは当然だよね。


沖縄県のお米の生産量は、

令和4年産で「3370トン」(全国の米生産量の0.05%に相当)。

沖縄県の年間米消費量は「約9万1千トン」といわれるから、
県内の米生産量は県内需要量のわずか約4%に過ぎない。

沖縄県内で消費されるお米の約96%は

本土から船便で玄米を輸入し精米しているのだ。


そのため沖縄で売られているお米は船代が加味されている分、高い。
私が在住してた頃では5kg袋で2000円以下のお米は見かけないし

混合米が多かった。


本土の有名ブランド米でも特に美味しいと感じなかったから

ホンモノかどうかは疑わしかった。
(魚沼産コシヒカリは、実際の生産量の30倍以上が流通しているのが現状だから

 お米ってウソだらけ、ある意味パンドラの箱)

そのため私はネットで本土からカルガモ米や減農薬米を取り寄せていた。

沖縄県の米の収穫量は、2012年~2021年の10年間で11.8%減少、
作付面積も27.5%減少しているから、沖縄県産米は今や絶滅危惧種なのだ。

名護市近郊のお米は「名護米」というのだけど、
令和4年産の農水省データでは作付面積が0.3ha(3000㎡=907.5坪)。

沖縄県の10a当たり平年収量は

313kg=収穫量は約0.9トン(=900kg)でしかない。

収量900kgは玄米であり、

これを精米すると約1割減になるから概ね800kgになる。

800kgをスーパーで売られている5kg袋に換算すると約160袋でしかない。


名護米はJAが運営する道の駅許田(きょだ)でしか買えないんじゃないかな、

他で売られているのは見た記憶がない。


私が在住している当時は5kg袋2700円だった。
(石垣米は5kg袋3000円)
一度だけ名護米を買ったことがあるけど、本土の二等米レベルの味。
だけど希少性はあり、毎年完売していた。


沖縄特産の泡盛は原料はお米だけど古来からタイ米が使われている。

泡盛は14世紀後半~15世紀頃、
「シャム国(現在のタイ)から琉球に伝えられた蒸留技術から始まった」
とされている。
当時の琉球王国はアジア貿易のハブ(hub=拠点)として繁栄していた。

琉球王朝はアジア各地に貿易使節船を派遣。
琉球国内の硫黄や馬、夜光貝などを中国に献上し、

代わりに陶磁器や絹織物などを入手し、

シャム、マラッカ、スマトラなどの東南アジアや日本へ再輸出した。


一方で、東南アジアで入手した胡椒や蘇木(そぼく)を中国や日本へ、

日本で入手した刀剣や扇子、屏風を中国や東南アジアに再輸出していたのだ。

そうした経緯で、タイ米は泡盛の原料として泡盛の製造技術とともに

シャム国から一緒に伝えられたもので、
現在に至るまで500年も昔からほとんど変わっていないといわれている。
(私は両親の遺伝で「下戸(げこ)」、

 お酒を飲めないから名産泡盛は飲んだことがない)

タイ米はインディカ米という粒が長く粘り気がないお米。
カレーやピラフ、パエリアなどの料理に合う。

(インドから栽培が始まったことに由来、日本のはジャポニカ米)

前にテレ朝の「羽鳥慎一モーニングショー」で玉川徹さんが
「お米の消費量が減少し、お米の流通価格が下がり、

 高齢化と採算悪化から米作から離農が増えている」
ことに対し、
「日本ではお米をじゃんじゃん生産すべき。余ったお米は海外に輸出すればいい」
と語ったが、私は異論がある。

インディカ米は世界で最も多く生産されているメジャーなお米で、

世界全体の生産量のおよそ8割を占めている。


主なインディカ米生産地は、

インド・バングラデシュ・タイ・ベトナム・マレーシアなどの

東南アジアや中国の中南部など、気温の高い地域で、
インディカ米に合う食文化になっているから、

粘り気のある日本人向きのジャポニカ米は東南アジアでは売れないのだ。
(寿司は今や海外でも人気の日本食になり、

 寿司店用であればジャポニカ米は売れる可能性はある)


沖縄本島中・南部は、隆起サンゴ礁台地(=琉球石灰岩地層)のため、

カルシウム成分が多く硬度が高い硬水だし、雨水が地下に浸透してしまう。


晴天が続けば日照りになり、大雨が続くと地面はじゃぶじゃぶになり

稲作向きとはいえない。


一方、北部の本部(もとぶ)半島と読谷(よみたん)を除く北部地域は、

本土の地層と同じ四万十類型の強酸性土壌で、超軟水。

沖縄の水は、地域によって硬度が極端に違う。
土壌も本島中・南部は「ジャーカル(クチャ)」という粘土質のアルカリ土壌、

北部は「国頭(くにがみ)マージ(真地=赤土)」という

痩せた強酸性土壌と極端に違う。

本島北部の「名護米」は「強酸性土壌+硬水」だから美味しくないのかもね。

沖縄ではかつては米作が盛んだった時代があったのだろうが、
戦後の食糧難や農地改革、台風の被災、サトウキビの需要増などにより、

台風でも倒されるだけで枯れないサトウキビ栽培にシフトしていったのだと思う。

私が沖縄在住の頃、県庁農水部の課長レベルでも
「新規就農者はサトウキビ栽培をするべき」
と言う。

理由は、
「作ったら全量国が買い上げてくれるのだから」
と言うのだが…。

現在はサトウキビの生産量は米作に比べるとはるかに多く、

沖縄県の農業産出額の約2割を占める基幹作物になっている。

しかし、沖縄のサトウキビ生産でも高齢化+収益性が課題で今後はどうなるのかな?

沖縄のサトウキビの収穫量と栽培面積は、令和2年産では
・収穫量81万3853トン(前年産20%増、台風被災の有無でも収量は違う)
・収穫面積1万2871ha(前年産100ha減少)

1万3千haというと想像もつかないと思うけど、
・東京ディズニーリゾート 1万2900ha
・富士急ハイランド 1万2800ha
・岩手県一関市 1万2976ha
・北海道網走市 1万2867ha
・北海道美唄市 1万2816ha
・岩手県花巻市 1万2764ha
・屋久島 1万3600ha
・佐渡島 1万3500ha
・隠岐の島 1万3400ha
・種子島 1万2900ha
こういう感じ。

令和2年産の沖縄産サトウキビの

10アール(1000㎡=302坪)当たり収量は6323kg(前年産1085kg増)。


地域別では、沖縄地域(沖縄本島と周辺離島)が収穫量の42.1%、

宮古地域が43.4%、八重山地域が14.5%を占めている。

沖縄のサトウキビ生産では収量1トンの栽培面積は、

平均して約16アール(1600㎡、484坪)。


令和2年産の場合、10アール当たりの単収は6323キログラムなので、
「収量1トンに必要な栽培面積は約15.8アール(1580㎡、478坪)」

令和4年のサトウキビ価格は、糖度13.7度の場合、トン当たり23506円。
(国内産糖は輸入粗糖から製造される砂糖に比べ生産コストが高いため、

 国策として糖価調整制度が作られている。
 糖価調整制度は輸入粗糖に調整金を課して、

 国内産糖の生産者・製造事業者に交付金が交付されている)

23506円の内訳は

生産者交付金16860円+原料取引価格6646円。

(糖度が13.7度を上回るか下回る場合は、それに応じて価格が変動)

「収量1トンに必要な栽培面積は約15.8アール(1580㎡、478坪)で

買い取り価格が23506円」
というと、
23506円÷478坪=49.2円
1坪あたり年間約50円の生産性でしかないのだ。

沖縄県農家の平均農地面積は本土の約半分の約3000坪。
3000坪×50円=15万円(年間)
これでは生きていけない。


県庁ではこれを推奨いるのだからお気楽なものだよね。
(狭い農地では今でも昔ながらの鎌で刈り倒す人海戦術方式だけど、

 広い農地では収穫機械ハーベスタを使う。
 少人数で広大な農地の収穫が出来れば収益性もあるはず)


なので、私が知ってる限りでは、沖縄のサトウキビ栽培は耕作放棄地とかで
「空き地にしとくならサトウキビ栽培をした方がマシ」
という人が多かった。


「美味しいお米」といえば、
新潟県の「魚沼産コシヒカリ」や秋田県の「あきたこまち」、

宮城県の「ひとめぼれ」、北海道産「ゆめぴりか、ななつぼし」、

山形県の「つや姫」、三重県では「伊賀米」…、
寒暖差の大きい、寒い地方ばかりだよね。
 

三重県熊野市紀和町丸山地区の斜面の棚田、
日本の棚田百選にも選ばれている「丸山千枚田」で、昨日6月10日(日曜)、
「虫送りの行事」
が行われた。
(新型コロナウイルスの影響で中止が続き、今回は4年ぶりの開催)

「虫送り」とは、

「田畑の害虫を駆除し、豊作を祈願する伝統行事」

のことで、
虫おくりの日は、夕方になると棚田ごとにキャンドルが灯され、
人々が太鼓や松明(たいまつ)を持ち千枚田の畔(あぜ)を練り歩き、

最後は北山砲が鳴り響く。


「北山砲」って聞いたことないよね?


戊辰戦争最初の内乱「鳥羽・伏見の戦い」は1868年(慶応4年)。
その5年前の1863年8月(文久3年)に

大和国(現在の奈良県)で尊王攘夷派志士による最初の挙兵事件が起こった。

同年5月、下関海峡を通過する外国船を長州藩が砲撃するという

外国船砲撃事件が起き、朝廷もこの攘夷決行を称賛していたが、

6月にはアメリカ・フランスの艦隊が長州藩に報復攻撃をして、
8月に孝明天皇が攘夷の祈願をした。


それにより尊王攘夷派の志士たちは討幕を進めようと動き出した。

土佐脱藩浪士の吉村寅太郎は急進的な攘夷派公卿の中山忠光を首領として、

土佐・因幡・久留米・肥後などの脱藩士38名で「天誅組」と名乗り、
「我こそが尊王攘夷の先鋒となろう」
と大和国へ向かう。

「天誅組」のリーダー中山忠光以外の全員は「草莽(そうもう)の徒」。
「草莽の徒」というのは、

「武士という身分を捨てた人=脱藩した人」

「武士身分でありながら農業を営んでいた人」
つまり志のため地位を捨て、

国家の危機に国家への忠誠心に基づく行動に出る人たちが結集し、
「天に代わって悪を倒し、世の中を変えよう」
として集まったのが「天誅組」。

「天誅組」は8月17日、幕府直轄地の大和国五条藩(奈良県五條市)に到着し、

幕府代官所を包囲して代官に降伏を要求。
翌8月18日、代官たち30人は殺され代官所は焼き討ちされる。


これが「天誅組の変(=大和義挙、大和の乱)」というのだけど…。
あと5年決起を待っていれば彼らは逆賊ではなく

ヒーローになっていたかもしれない、彼らは焦り過ぎたね。


三重県や奈良県、和歌山県では、この「天誅組の変」は知られているけど

全国的には「天誅組の変」はほとんど知らないんじゃない?

8月18日同日、会津藩と薩摩藩を中心とした公武合体派が

朝廷の実権を握るために京都で「八月十八日の政変」が起こる。


朝廷内で勢力を伸ばしつつあった攘夷急進派に対して

公武合体派がクーデターを起こし、攘夷急進派を京都から追放したという事件。
(新選組が公式デビューした事変、この政変が原因となり、

 後に池田屋事件や禁門の変が起こる世相が激変してる頃)

この事変で「天誅組」は暴徒、逆賊とされるが「天誅組」は後に引けなくなり、
尊王の志が高い大和国十津川郷(紀和町近隣)で

約1000人の農民を同志にするが、幕府は紀州藩などに天誅組の討伐を命じる。

紀州藩は8代将軍徳川吉宗を出した徳川御三家の名門。
幕府連合軍は総勢1万4千人もの精鋭部隊、もちろん大砲や銃などもあり、

「天誅組」に総攻撃を仕掛ける。

「天誅組」は元武士が38人で武器は刀だけ、

1000人の農民は武闘経験もなく竹槍とかクワ。
圧倒的な戦力で圧倒し「天誅組」は惨敗。

紀和町小川口の村では敗走してくる「天誅組」を迎え撃とうと準備。
北山川の河原に多く生えていた松の木を切り倒し、

幹をくり抜いて竹を巻き大砲を造って並べ敗残兵を待ち構えていたが、
「天誅組」はこの地域に侵入することはなかった。


この松の木の大砲は一度も発射されることなく、河原で朽ち果てたらしい。
この大砲を地名の北山川にちなんで

「北山砲(きたさんぽう)」と呼ばれているのだけど、

木の大砲って…?空砲?


この丸山千枚田「虫送りの行事」は、

たまたま観た三重テレビの「三重テレビニュースウィズ」という

15分の県内ニュースを観て私は初めて知った。


この番組はJAグループの提供なので農業関係が主体のニュースと思われる。
スポンサーであるJA批判やJA内での不祥事とかの報道はもちろんないだろうけどね。

丸山千枚田の棚田は日本一ともいわれている。
西暦1601年(慶長6年)には2240枚の棚田があったという記録があるらしいが、
昭和40年代半ばから始まった稲作転換対策による杉の植林や

昭和50年代以降の過疎・高齢化による耕作放棄地の増加によって、
平成初期には530枚までに激減。


地元住民たちは

「素晴らしい景観と農耕文化を後世に残し伝え残したい」

と、平成5年に丸山地区住民全員による丸山千枚田保存会が結成され、

丸山千枚田の棚田復元と保全活動が始まり、
現在は約1340枚(7ha )の棚田があるらしい。

「虫送りの行事」は農薬が無い時代の地域の伝統行事で、
「虫送り殿のお通りだい」
と言いながら、住民が太鼓や鐘を打ち鳴らして田畑の畔を練り歩く。

「虫送り殿のお通りだい」
というと、
「国松さまのお通りだい」
(原作ちばてつや、アニメの題名は 「ハリスの旋風(かぜ)」?)
主題歌が
「ドンガ ドンガラガッタ 国松さまのお通りだい…」
というのだけ覚えているけど、これと言い方が似ているよね?

田畑には、
「ウンカ、カメムシ、ハムシ、ヨトウムシ、ゾウムシ、カタツムリ、

イナゴ、バッタ…」
といった害虫がいて、それを捕食するのが
「アメンボ、ゲンゴロウ、クモ、トンボ、アカハライモリ…」
といった益虫。

また、それらをカエル、ツバメ、カナヘビ、トカゲ、スズメが捕食し、
それらをトンビ、カラス、サギ、カモ、雉(キジ)などが捕食する。

生態系の食物連鎖=厳しい自然界では

「食べる」「食べられる」の捕食のつながりがあるのだ。


田んぼのカエルというと、

「カエルの声がうるさい」という騒音問題が最近あった。


私が中学生の頃までは父が米作も行っていたので、

カエルの大合唱は春~初夏の風物詩といえども

テレビの声が聞き取りにくいくらいの騒音レベルだったけど、
例年聴きなれた慣れもあって癒されもした。


今では減反や離農、放棄地が増えたし、

日本最大の農薬販売会社(=JA)の組合員農家は

農薬を使うためカエルの声も激減している。

カエルのいない農薬米、私は絶対食べたくない。
そのため私は自然農法に近い有機農法を実践している。

「カエルの声がうるさい」と抗議した人は訴訟を起こしたが、裁判所から
「カエルの鳴き声は自然の音の1つで、我慢すべき限度を超えているとはいえない」
と、原告の請求が却下されている。

また、「声がうるさい」といえば、
「(長野県長野市の)公園で遊ぶ子どもの声がうるさい」
と近隣住民からの抗議で公園は閉鎖になってしまった。

保育園や小学校でも「子どもの声がうるさい」という苦情がよくあるが、
クレームを言う人たちが幼少の頃はさぞかし静かにしていたんだろうね?

また、「騒音」といえば約20年前の奈良県の「騒音おばさん」を思い出す。

CDラジカセで大音量の音楽を流し、

ベランダに干した布団をバンバン叩きながら鬼の形相で
「引っ越し、引っ越し、さっさと引っ越し、しばくぞ」
と吠える中年女性の映像を覚えている人も多いはず。

この「騒音おばさん」は最高裁で懲役1年8ヵ月の実刑判決を受けた。


騒音を訴えた奥さんはすでに亡くられているらしいが、

マスメディアは面白おかしく興味本位で「騒音おばさん」を

終始悪者に仕立て上げて報道。


「騒音おばさん」は当時難病の家族を抱えて心身ともに疲弊していたとか

クレームした被害者にも落ち度があったとか判決後に週刊誌で報道され
真偽不明のままうやむやになった。

「カエルの鳴き声」「公園の子どもの声」「騒音おばさん」は、
いずれも、よそから移り住んできた移住者が

「うるさい」と騒ぎ立てた騒音トラブル。

「郷には郷に従え」
というように、地域の伝統風習を無視して自己主張を貫こうとすると、
地域から総スカンを食らうことになり居場所を狭めると思うけどね。

丸山千枚田から直線距離約9kmあたりに

「金山パイロットファーム」

というみかん園がある。


天皇・皇后両陛下もご来園された大みかん園で、

三重県人にとってはわりと有名なみかん園。


元気の良い木に気を配り、果実に対しても防腐剤やワックスを使用せず、
できるだけ農薬を使わないようにした栽培ポリシー、

私だけでなく近隣でも12~1月頃はここのみかんを買っている。


沖縄在住時、沖縄本島北部では「アブシバレー」という

虫払いイベントが毎年旧暦4月に行われていた。

「アブシバレー」の「アブシ」は田や畑の「畦(あぜ)」、

「バレー」は「払う」という意味。

「農作物から害虫を追い払い、五穀豊穣を願う」
という伝統行事だから、丸山千枚田の「虫送りの行事」と同じ。


こういう「害虫駆除祈願+五穀豊穣祈願行事」は、

おそらく全国的に行われていたはずだけど、
私の住む集落ではいつ頃廃(すた)れたのかわからない。


私の祖母は明治生まれで97歳で亡くなったけど、

そういう話は生前聞いたことが無かった。

「アブシバレー」は、笹舟にバッタなどの虫を捕まえて乗せ海に流すとか

集落によって風習が違うけど、ほとんどはビーチでの集落のピクニック会食。

私が居た集落では弁当や飲み物は各宅持参だったよ。

 

 

「沖縄の米作は減少の一途…。」

に続く。

先月5月23日(火曜)、桑名市立精義小学校で5年生の担任女性教師(27歳)が

女子児童と口論になった男子児童の言動を問題視して
男子児童を2時間以上にわたり教室の前に立たせ、指導していた。

女性教師は市教育委員会に
「(児童に)分かってもらいたい思いから長く指導をしてしまった」
という趣旨の説明をしているらしい。

学校はこの問題について、

6月5日(月曜)に開かれた保護者会で経緯を説明し謝罪した。

メーテレ(NBC、名古屋放送)の市教委への取材で、

今度はその翌週の5月31日(水曜)、またもや同じ小学校で
給食準備中だった2年生のクラスで男子児童同士の口論があり、
中指を立てて挑発した児童に

担任教師が刃の出たカッターナイフを持たせていた不適切指導が判明。

クラス内の児童が保護者に伝え、保護者を通じて学校側が把握し市教委へ報告。

男性経論は市教委に
「児童のしぐさは『殺す』という意味もある。

 だから報復されることもありうることを伝えたかった」
と説明しているらしい。

この男性教諭は市教委により6月2日から自宅待機させられている。

昨日6月9日(金曜)夕方、この小学校で臨時の保護者説明会が開催された。

参加した保護者
「先生は謝罪しました。残念だと思った」

市教委によると、
「男性教師は普段から強い口調で児童を注意することがあり、

 問題が起こる1週間ほど前に、教頭から指導を受けていた」
と。

昨夕の「アップ!」(メーテレ=NBC、名古屋放送)の報道では、
「市は、この学校で問題が相次いだことを受けて、

 夏休みに市内の小中学校に勤務する全ての教職員を対象に

 研修会を開き再発防止に努める」
のだと…。

(ほとんどの真面目な教師からするとえらい迷惑な研修会だよね)

認定こども園の不適切保育問題もあるし、
桑名市って園児や児童の保育や教育ってどうなってるのさ?
と思うのだけど、

一方で不適切指導は容認できないし擁護する考えは一切ないが
日本の教育現場は危機的状況にあるのも事実なのだ。

私の小中学校当時は、

学校内での口論とか授業の邪魔をしたとかトラブルがあると
教師の強権で生徒は水を入れたバケツを持たされて廊下に立たされるとか

ほうきで叩かれるとか校庭1周のうさぎ跳びを命じられるとか、

黒板消しで頭を叩かれ頭が真っ白になるとか、1週間掃除当番とか
ひどい時は出席簿で頭を叩かれたり

教師のスリッパでビンタとかの厳罰を与えられたものだが、
当時は児童や生徒も自業自得とされて問題視されることはなかった。

(私の小学校ではホントかどうかわからないけど

 元関東軍将校といわれた怖い教師がいつも竹刀を持ち歩いていた)

近年、教職員に対する要望や批判的意見が強まり、

同時に教師の責任も重くなっている。


「教師の過重労働や教師不足など教育現場の劣悪な環境は

 子どもの成長に悪影響を与えている」
ともいえるし、また
「みんなで同じことを、同じペースで、同じようなやり方で、

 同質性の高い学年学級制の中で、教科ごとの出来合いの問いと答えを勉強する」
という没個性のベルトコンベヤー式金太郎飴養成教育システムの弊害で、

イジメや不登校、落ちこぼれも近年は激増しているのだ。

また、教師に反抗したり挑発したり、悪ガキの質やレベルも

昔より悪化しているようにも思えるし、

近年はモンペ(モンスターペアレント)も増加している。


文部科学省「教員勤務実態調査(2016年実施)」
小学校400校と中学校400校の教師に、10~11月のある1週間のあいだ、
「30分ごとにどんな業務に従事したか」
という調査だけど、
小学校教諭の33.4%、中学校教諭の57.7%が

「週60時間以上勤務(=月80時間以上の時間外労働)」

をしており、
これは過労死リスクが高まる過労死ラインを超えている。
(1日8時間勤務で週5日、40時間労働に対し、

 週20時間以上時間外勤務がある計算)

このデータは学校内にいる時間についてのみの数字、自宅等への持ち帰り残業や

週末の部活動の顧問活動を加えた実労働時間ではないのだ。

「1週間に小学校は約5時間、中学校は約4時間の持ち帰り残業がある」
というデータもあり、週末の部活動業務を加えなくても
「週55~60時間労働の教師は、実際には週60~65時間働いている可能性が高い」
といえる。

教育現場は完全なブラック業界なのだ。

それに、公立学校の教職員の給与は

「教員給与特措法」(給特法)と呼ばれる法律で

「月給の4%分が上乗せされる代わりに、残業代は支給されない」

と定められている。

(教育職員の教職調整額の支給等)
第三条 

教育職員(校長、副校長及び教頭を除く。以下この条において同じ。)には、

その者の給料月額の百分の四に相当する額を基準として、

条例で定めるところにより、教職調整額を支給しなければならない。
2 教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない。


若手教師の場合、月にもらえる残業代はわずか1~2万円程度。
「労働過多だが、その分残業代が増えるから、まあいいか」
というモチベーションも無い「定額働かせ放題」では

教員志望が激減するのも当然だ。

教員の多くは、熱意をもって教育現場へやってくるが、
想像以上の忙しさに本来の目的を見失い、

心身をすり減らしてしまう人も少なくない。

年間5000人の教師が精神疾患休職となる「死と隣り合わせの現場」で働き、

その過酷な労働環境が「学ばない教師」「信頼されない教師」を

生み出しているのが現状なのだ。

過度な緊張やストレスが続くと脳内でノルアドレナリンが活発に働き、

頭がテンパって
「ミスがミスを呼ぶ」
「感情的になって正常な判断が出来ない」

「イライラして感情的に生徒にあたる」
のも起こり得るといえよう。


文科省指針では、
『教員の残業時間の上限を原則「月45時間以内」とする』
とされているが、
実質的に「週60時間以上」勤務の過労死ラインを超える教員の割合は、

小学校教諭の約6割(57.8%)、中学校教諭の4人に3人(74.2%)にも上り、
さらに
「月120時間以上残業(週65時間以上勤務、持ち帰り残業も考慮)」
という、過労死ラインをはるかに超えて働く教員は

小学校で17.1%、中学校で40.7%にも上る。

7年前の2016年、

電通の新入社員だった高橋まつりさんが過労死で自殺したが、
労基署が認定したのは「月105時間の残業」、
遺族側弁護士が入退館ゲートのデータをもとに集計した残業は

「月130時間を超えることがあった」
と報道されていた。

経済協力開発機構(OECD)が世界の中学校教員を対象にした

「国際教員指導環境調査(2014年発表)」では、
日本の教員の「勤務時間」は最長だった(34の国・地域を調査)。

日本の中学校教員が世界一労働時間が長いという結果が出たのだが、

授業に費やした時間は世界平均以下。
他国より長かったのは、会議や授業準備、とりわけ課外活動に費やす時間だった。

「月120時間以上残業(週65時間以上勤務、持ち帰り残業も考慮)」
という、過労死ラインをはるかに超えて働く教員は

小学校で17.1%、中学校で40.7%。


多くの教師が高橋まつりさんと同じか、

もっと長く働かなければいけない職場で苦しんでいる。

全国の公立学校では、近10年、

毎年約5000人の教員が精神疾患で休職しているが(10年だけで延べ5万人)、
こんなに精神疾患休職を出す業界が他にある?
(精神疾患による休職者数は、2000~02年度は毎年2300~2700人程度、

 1997~99年度は毎年1600~1900人程度なので近10年は倍増)

2023年4月、今年度以降の部活動改革で
「学校部活動から地域部活動への転換」
になった。

教員による部活動業務が外部の部活動指導員を活用することが出来るようになり、
若干でも教員の負担減になるのは朗報といえるが、

実際どの程度負担減になったのかな?


前置きが長すぎたが、ここからがようやく本題。

昨日6月9日(金曜)午前10時ごろ、

スーツ姿の三重県、桑名市職員計10人が不適切保育の認定こども園を訪問。

桑名市は3月に給食強要問題を把握。
その後、
①言うことを聞かない園児を廊下に立たせる
②決まった時間にしかトイレに行かせない
③人格を尊重しない発言

といった問題行為も確認し、

5月22日、これらをまとめた報告書を県に提出した。

特別監査は定期監査とは区別され、結果次第で自治体は指導や勧告を行うが、
県と市は昨日6月9日(金曜)、認定こども園法などに基づき

不適切保育の長寿認定こども園を特別監査したのだ。

今後も保育態勢などについて元園長や保育士らから聞き取り調査を行い、

指導や勧告を検討する。

昨日6月9日(金曜)23時30分放送の「news zero」では、
(日テレ系、東海三県は中京テレビ、金曜日は有働由美子氏は休み、

 中島芽生キャスター+パートナー元欅坂46長濱ねる)
この件の報道は無かった。

「第三者委員会の設置や過去14年に及ぶ市の怠慢についての言及が無い

 =報道する価値がない」
からだと思われる。


長寿認定こども園の不適切保育について、

桑名市は過去14年以上保護者からの相談を

「私立園だから」という理由で門前払いにしてきた。

市長はこの怠慢にはこれまで一切触れず、GW連休明けの先月5月9日(火曜)に
「第三者委員会の設置を検討する」
と言ったまま、1か月以上経過したが前進は何も無い。

第三者委員会の主な役割は、
「事実関係の調査・分析を行い、最終的に調査報告書を提出すること」
にある。

そのため第三者委員会はまず、
①発生した問題に関連する社内文書の提出や

 実際に送受信されたメールの開示を求める
②職員や保護者に対して直接ヒアリングを行いながら事実関係を把握していく
ことになる。

そのうえで、
「事実関係を分析しながら不祥事が発生した原因を分析し、

 これらの調査・分析の結果を調査報告書にまとめて(市に)に提出する」
ことになるが、
市長が困っているのが
「過去14年以上にわたる市の門前払い」
「市長自身が近12年間在職」
といった市の怠慢が調査報告書に書かれてしまい、

自身の責任問題に発展することを怖れ、
そのため、第三者委員会の人選に手間取っているわけだ。


先月5月24日(水曜)、福岡県柳川市の

ハリウッドワールド美容専門学校でのBBQで火災が起き、
1年生の男性4人がやけどを負い、

うち1人が今月6日に死亡したことが報道されている。

60代の男性理事長が火起こしの際に

事故の原因となったアルコール消毒液を使用して爆発的に燃え上がったとみられ
福岡県警柳川署は、業務上過失致死傷容疑で捜査をしている。

学校は当初SNSでの拡散を防ごうとしていたが、昨日6月9日(金曜)、

福岡県に事故の経緯や対応の報告書を提出するとともに
今月中旬ごろには第三者委員会を設置して

事故の原因や再発防止策などを検証することにしている。

桑名市と比べると第三者委員会の設置がかなり早い、というより当たり前だ。
被害者だけでなく全校生徒、保護者に誠意ある説明が求められ、

責任も明らかにしたうえで再発防止策を策定し、再出発を目指したいからだ。

2年前の2021年3月、北海道旭川市の公園で

当時中学2年生の廣瀬爽彩さんがイジメにより自殺。


市教育委員会が第三者委員会を立ち上げようとしたが

その人選が完全な第三者ではなく、市側に有利な人選で
遺族側が「著しく公平さを欠く人選」として振り出しに戻されたことがあった。

第三者委員会の人選は、今回の桑名市の不適切保育園でいえば

市の依頼に基づいた人選になるわけだ。

そのため、桑名市は市の怠慢追及を免れるために

御用弁護士、御用学者などに声をかけているものと思われるが、
全国報道されている事案でもあり最終報告によっては

第三者委員会のメンバーが矢面に立つ場面も有り得るわけで
市の打診で躊躇している人たちがいて

第三者委員会設置が遅れているのだと思われる。


ジャニーズ事務所のHPでは、
外部専門家による再発防止特別チームに関する件について
「弊社創業者である故ジャニー喜多川による性加害問題につき、

 大きな失望とご不安を与えてしまい、心よりお詫び申し上げます。
 弊社は、2023年5月26日、「外部専門家による再発防止特別チーム」

 (以下「本チーム」といいます。)を組成することを公表しました。
 本チームは、検事総長経験者、精神科医、性暴力等の被害者支援の

 実践を行っている臨床心理の研究者から構成しており、

 いずれの方も弊社とはこれまで関係を一切有していません。
 本チームは、弊社から独立した外部の第三者として、

 弊社代表であった故ジャニー喜多川からの性被害を

 申告されている方々に寄り添って、弊社の過去の対応上の問題点を調査し、

 ガバナンス上の問題に関する再発防止策を提言するものです。
 このように、本チームは、外部の独立した第三者が調査・提言を行うものであり、

 第三者委員会としての機能を有しています。
 また、一部週刊誌にて、弊社に以前所属していたとされる人物の

 性加害に関する記事が報じられていますが、

 本チームからは、この問題も含めて調査していく旨をお聞きしております。
 本チームによる調査結果及び再発防止策の提言を受けまして、

 弊社としましても適切に対応を進めていく所存でございます。
 皆様にご報告すべき事項が発生した際には

 適宜お知らせさせていただきたいと考えておりますので、

 今後とも、これまで以上に様々なご意見ご指摘を賜りますよう、

 心よりお願い申し上げます。
2023年6月9日
株式会社ジャニーズ事務所

と出ている。


下部の
「一部週刊誌にて、弊社に以前所属していたとされる人物の性加害に関する記事」
というのは、今週6月15日号の文春砲
『「6人くらいと…」ジャニーズ事務所・男性マネージャーも

 ジュニアに性加害していた<本人告白>』
のこと。

弊社代表取締役社長より皆様へ

故ジャニー喜多川による性加害問題について当社の見解と対応 2023.5.14
これは更新されずそのまま。

「本チームは、外部の独立した第三者が調査・提言を行うものであり、

 第三者委員会としての機能を有しています」
というなら、正々堂々と第三者委員会を設置すればいいのに、
それを避け、社内調査チームを設置するから信用ならないのだ。

 

膿を出さずにもみ消そうとしていると思われてもしかたがない。

ジャニーズ同様、桑名市が早々と第三者委員会の設置をしないのは

「やましいことがある証拠だ」

と受け取られてもしょうがないのだ。

ジャニーズも桑名市もパンドラの箱は開けず、闇に葬り去りたいのだろうが、
膿を出し切り、原因を究明し、再発防止策を策定し、

園児も保護者も安心な保育環境づくりを目指せばいいのに。

市の怠慢も問題だけど、桑名市議ってどうしてるの?

 

 

三重県桑名市「こども園」の虐待…。

三重県桑名市「こども園」の虐待②

三重県桑名市「こども園」の虐待③

三重県桑名市「こども園」の虐待④

三重県桑名市「こども園」の虐待⑤

三重県桑名市「こども園」の虐待⑥
 

6月5日(月曜)23時の日本テレ系「news zero」(東海地区は中京テレビ)で
ジャニー喜多川氏の性加害問題について有働由美子キャスターが、
「このお題については当番組でも伝えてきましたが、

今日は桜井さん、この件について自分のことばでお伝えできれば、と思います」
と言って、隣の「嵐」の櫻井翔キャスターに。
(これまではジャニー喜多川氏の性加害問題は有働氏がコメントし、

櫻井氏は沈黙を守っていたので発言が注目された)

櫻井氏は、
「責任が問われている事務所に所属していること、

 被害者に見られうる立場でもあり、

 コメントすることは難しいと考えていました」
と釈明し、
「ジャニーズ事務所は話したくない人の口を無理やり開かせることなく、

 しっかりとプライバシーを保護した上で、

 どのようなことが起こっていたのか調査してほしい。

 あらゆる性加害は絶対に許してはならない」
と語り、目を潤ませ、声を詰まらせる場面もあった。

それでも「大切な仲間」が性被害にあっていたことについて
まったく知らない?ウワサも聞いたことも無い?
仲間の性被害の事実を具体的に知っている?

あるいは聞いたことがあるが立場的に言えない?
櫻井氏はひと言も触れなかった。

短いコメントなのかと思っていたらけっこう長く、

原稿を読まずにカメラ目線で淡々と語っていたが、
内容は会社側擁護の一般論に終始した。

原稿を何度も修正しつつ、相当なリハーサルをしたような感じで、
藤島ジュリー景子社長やジャニーズの弁護士と入念な打ち合わせをして、

事務所の意向に沿うコメント内容にしたのだと思われる。

側近中の側近といわれる東山紀之氏の社名変更説が珍コメントであれば、

櫻井氏は迷コメントといえる。
それに、景子社長はその後会見をしないがどうなってるの?


ジャニーズ事務所は
・「心のケア相談窓口の開設」
・「外部専門家による再発防止特別チームの設置」
・7月1日付で3名の「社外取締役」の就任

というピンボケな3対策を発表しているが、
櫻井氏の言う「調査」は第三者委員会ではなく社内のもみ消し相談窓口なのだ。

ジャニーズの貢献度が高いのは言わずと知れたSMAPと嵐。
解散時のSMAPのファンクラブ会員数は100万人と言われたが、

嵐は230万人以上といわれ、
(2019年の嵐20周年5大ドームツアーでは、50公演で237万人超を動員)
年会費だけでも5億円超が事務所に入るジャニーズきっての稼ぎ頭だし、
嵐はジュリー景子社長の「オキニ」と言われているのだから、
櫻井氏は会社側から火消し役を託されているものと思われる。

TVドラマ「半沢直樹2」では、半沢の信念は3つあった。
①正しいことを正しいと言えること。
②組織の常識と世間の常識が一致していること。
③ひたむきで誠実に働いたものがきちんと評価されること。

ジャニーズ事務所は半沢直樹の爪の垢を煎じて飲むべき。

また、第1話で三笠洋一郎副頭取(古田新太)が

伊佐山部長(市川猿之助)に言ったセリフ、
「君はもう、おしまいです。お・し・ま・い・death!」
ジュリー景子社長のことだよ。

一昨日5月30日(火曜)23時放送の「news zero」
(日テレ系、東海三県は中京テレビ、有働由美子キャスター)で
桑名市の不適切保育があった認定こども園について市長による会見が報道された。

市長は
「市は過去にも(こども園で)不適切がなかったか、

 保護者を対象に追加調査を実施する」
と発表。

市はこれまで、当時の園長と保育者に聞き取り調査を行っていた。
再度「保護者を対象にアンケート調査を実施する」というのだが、
これは市長の考えではない。

こども園の保護者会から要望書が出され突き上げられたからだ。

中京TVの取材(5月30日番組内)
「不適切保育が10年以上続いていた可能性がわかっているが、
 先週の保護者会で市へのさらなる追加調査を要望した」

市長は
「調査対象は園児の保護者と過去に通園の保護者、今後元職員にも拡大予定」
というが、
「迅速に対応し、市内の園で二度とこういう事態が生じないよう対策を講じ、
 安全で安心できる保育体制を確保していく」
と5月9日の会見で自身が言ってた市長としては動きが鈍いよね。


一昨日5月30日の市長の会見では
「市が過去14年以上保護者からの不適切保育に関する相談を

 見過ごしてきたことについて」
の言及はまったく無かった。

この点について、

記者の追及や吊し上げを食らう可能性を怖れていたからこそ、
会見での市長の顔はこわばっていたのだ。

取材記者は御用記者であってはならない。
記者は忖度せず、疑問があれば堂々と質問すべきだ。

伊藤徳宇(なるたか)現市長は3期目、

2012年12月に市長に就任し今年で11年目になる。

問題こども園では少なくとも14年前から不適切保育があったといわれている。


当時から保護者は市に不適切保育の相談をしながら

市は「私立園だから」という理由で、

今年の3月まで切実な思いで相談しようとした保護者たちの気持ちを踏みにじり

門前払いにし続けていたのだ。


不適切保育が明るみに出たきっかけは、

虐待や不適切な保育が疑われた証拠をつかむため、
3月に保護者がカバンに入れたボイスレコーダー。


録音データには、「窓から放り出されて爆泣き」「目の前で最高」などの
保育士の会話が記録されていたことで、

こども園がようやく不適切保育を認めたのだ。

市長が就任以来、在任期間中ずっと不適切保育が放任されていたことになる。

ある意味、市の無責任さは問題こども園の不適切保育を

「幇助(ほうじょ)」したといえよう。


当初、市は保護者から提供された問題の音声を

聞くことを拒んだのだからあまりにも無責任すぎる。

桑名市の令和5年当初予算概要では、
民生費に
「私立保育園運営費補助金 1億7065万9千円」
と予算化されているのだから
「私立園だから、まずこども園に相談して善処すべし」
「こども園側が不適切保育を認めてないので、指導できない」
と言うのは怠け癖の公務員の詭弁なのだ。

約4時間にわたり給食を食べきるよう強要され、トイレにも行かせてもらえず
おしっこを垂れ流して泣く園児を罵倒する保育士。


この園児はその後腹部にじんましんが出ていたが、

心のケアとかその後どうなったのだろう?

5月9日(火曜)の市の会見では、
①臨床心理士を毎週金曜日に派遣して園児の心理的ケアにあたっている
②第三者による委員会で再発防止策などを検討する方針

と発表していたが、
5月30日(火曜)の市長の会見では、この2点についての言及はなかった。

臨床心理士を毎週金曜日に問題こども園に派遣してるらしいけど、

まだ行われているの?
過去14年の当時の被害園児の心理的ケア、

うつ病になっている子もいる可能性がある。
その治療や補償については問題こども園は当然としても、

ある意味共犯の市はどう対応するの?
第三者委員会はいつ設置されるの?

市長も問題だけど、取材記者も…。
メディアは大本営発表を鵜呑みにしてはいけない。


安倍政権でのメディアへの圧力以降、

どうも政治とメディアの距離が一体化してるようで薄気味悪い。


「これまで知ることがなかった現実、ときに隠蔽されがちな問題を

 問題だと可視化し、社会に訴える活動」
をジャーナリズムというのだけど、

今の日本にはジャーナリズムは存在しないの?

問題こども園では過去どんなことがあったのか?
市内の公立、私立の区別なくすべての保育園で

過去から現在までの不適切保育の有無は?
市が保護者からの相談を「私立園だから」と門前払いし続けた、

歴代担当の怠慢に対する責任は?
約14年にも及ぶ無責任な怠慢は
「今後はこのようなことがないように…」
というお決まりの謝罪だけでは済まされない。

この際、膿はすべて出すべきだ。
そのうえで、今後市内の保育園で不適切保育がないような対策は当然としても
保護者が安心して子どもを預けられる保育園、
市と保育園、保護者の連携システムを全国に先駆けて構築し
「子育てなら桑名市が安心」
と言わしめるような政策を創り出してほしいものだ。

「1件の重大な事故・災害の背後には、29件の軽微な事故・災害があり、
その背景には300件の異常がある」
というのがハインリッヒの法則(=ヒヤリハットの法則)だけど、
それをどう活かすかを考えるべき。

市は「保育」だけでなく、市のすべての部署の相談窓口で

「門前払い」「たらい回し」が過去あったのかどうか、
あったのなら今後二度とないように
「桑名市は市民からの相談を絶対に門前払い、たらい回ししない」
と市長が高々と宣言し、

その精神を市の職員で本気で共有すればいいだけのことだ。

市長は市民の好感度ポイントを上げ、

一期でも長く市長を続けたいのだろうけど、
市長選挙はAKB選抜総選挙みたいな人気投票ではない。
「住み続けたいまち」
「住み心地の良いまち」
「弱者が住みやすいまち」
を創り出すのが職務であって、市長は八方美人である必要はない。

都合の悪いことや醜聞が他に漏れないように、一時しのぎの方法で隠すことを
「臭い物に蓋をする」
というが、
(「怖いモノには蓋をしろ」というサスペンスホラーゲームもある)
「迅速に対応し、市内の園で二度とこういう事態が生じないよう対策を講じ、
 安全で安心できる保育体制を確保していく」
と市長は自分で言ったくせに、
実態はそれとほど遠い、亀のような鈍い動きで
「第三者による委員会で再発防止策などを検討する」
のはいったいいつのこと?

歯切れの悪い市長は早期幕引きを図ろうと懸命だが、
ジャニーズのジャニーズの性加害問題での会社側の煮え切らない対応と重なる。

ジャニーズのナメきった再発防止策で「逃げ切り」許すテレビ・新聞の重罪DIAMOND online

桑名市もジャニーズも
「第三者委員会設置を避けたい」
「危機の認識がない」
「危機管理の緩さ」
が共通している。

毎夏恒例の感動押し売り偽善番組

「24時間テレビ 愛は地球を救う(日本テレビ系)]

の放送まで3カ月を切った。
今年は8月26~27日に放送される。


例年、番組のメインパーソナリティーには

ジャニーズ事務所所属のタレントが起用され、

今年は「なにわ男子」が決定されている。

ジャニーズタレントをテレビで観るたびに
「この子は性的犠牲者なのかな?」
と色眼鏡で観てしまうが、
会社側が本気で性加害問題に取り組まないのは
視聴者側だけでなくジャーニーズタレント、会社側にとっても

みんなが不幸なことだと思うけどね。

 

近江商人が掲げていた教訓「三方良し」にするには、

「膿を出し尽くして新たな対策を講じての再出発」

であって、東山紀之の社名変更説なんかナンセンスなんだよ。

 

 

 

三重県桑名市「こども園」の虐待…。

三重県桑名市「こども園」の虐待②

三重県桑名市「こども園」の虐待③

三重県桑名市「こども園」の虐待④

 

三重県桑名市「こども園」の虐待⑤

 

三重県桑名市「こども園」の虐待⑦