【今昔物語集3】
今昔物語集 超現代語訳シリーズ、三回目でございます。今回もまた長文です。
太子が第二の仏様ばりに活躍している頃、日本では疫病(感染病ね)が大流行。次々に人が死んでいました。
守屋(もりや)さん、勝海(かつみ)さんという人は、天皇に
「日本はもともと神道(アマテラスとか、神社系の方)だったのに、馬子(前回出てきた、太子とタッグ組んだ人ね)が仏教とか言うやつを広めています。この疫病大流行は、そのせいで、元々の神様が怒っているんだと思います。仏教をぶっ壊すしか、助かる道はありません!」
と言います。
ビビった天皇は、「よし、じゃあさっさと仏教ぶっ壊そう」と即決。
それを聞いた太子は、
「守屋と勝海はまだ真理を知らないんだよ。良いことしたら良いことが起こるし、悪い政治をしたら不幸が来るんだよ。だからたぶんね、あの二人、そのうち大変なことになるよ」
と、悟ったような目で呟きます(目はイメージです)。
しかし、ビビりにビビった天皇はそんなこと聞こえません。守屋さんの手下に命じて、寺を壊して経文を燃やし、焼け残った仏を川にぶち込みました。そして、三人の尼さんを、「この疫病大流行の責任とれ!」ってことで追い出したんです。
でも、その時から、雲がないのに雨が降って風が吹く、という、イヤーな天気になります。
太子は、「これ、絶対やばいこと起こるわ」と言います。
それ見たことか(すみません)、その直後、天皇が疫病にかかります。守屋たちは反省し、天皇は
「これマジ痛いし辛い……。仏教に頼りたい……」
といい、追い出した尼さんたちを呼び戻し、寺も建て直させ、今まで通り仏教を信じさせました。
(あんまり太子活躍しないっすね。後ろで何かブツブツ言ってるイヤなやつみたいになりましたね笑)
さあこの後は策略に次ぐ策略ですよ! 太子16歳の時です。
ある日、ある覆面の人が(覆面かどうかは不明)、守屋さんのところに行って、
「太子と馬子がクーデター起こそうとしてますよ、軍勢集めてますよ」
と言いに来ます。やばいと思った守屋さん、家にこもって戦闘準備。勝海さんも加勢に来ました。
そんでもって、また別の覆面(不明)の人が、馬子に
「守屋と勝海が天皇呪おうとしてるらしいっす」
と告げます。馬子は太子にお願いして、一緒にあいつら討とう、ということに。
戦いは激しさを増し、馬子太子側が押され気味。
すると太子は、川勝(かわかつ)さんという味方の人に、
「急いで木をとってきて、四天王(してんのう 仏教の守護神)の像を彫って、髪の上にさして、みんなに掲げて見せて!」
とお願い。さらに、そのできた四天王に向かって、
「僕らを勝たせてくれたら寺建てますから勝たせてくれ」
と願掛けをします。
その間に木に登って太子を発見した守屋、自分のうちの「神様」に願掛けをします。そして、太子に向かって矢を放ちました! 危ない、太子!
しかし、その矢が当たったのは太子が乗っていた馬。次の瞬間、「四天王」に願掛けを終えた太子の部下が、守屋に向かって矢を放ちます。その矢は守屋の胸に突き刺さり、守屋は木から落ちて、攻めてきた馬子軍に首を落とされ、なくなりました。
神様VS仏様、仏様が勝った瞬間でした。
その後、太子は約束したとおり、勝たせてくれたお礼にと、四天王寺を建てたのでした。
盛りだくさんでしたね。疲れましたね。戦いばっかりでね。長かったしね。次回はまた太子が仏様っぽくなりますから、安心してくださいませ。
ではまた(^^)/
わらび