つれづれにっぽん59 【今昔物語集3】 | つれづれ にっぽん

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にっぽんの神話を、エッセイ風に書いています。

【今昔物語集3


今昔物語集 超現代語訳シリーズ、三回目でございます。今回もまた長文です。

 

 

 

 太子が第二の仏様ばりに活躍している頃、日本では疫病(感染病ね)が大流行。次々に人が死んでいました。

 

 守屋(もりや)さん、勝海(かつみ)さんという人は、天皇に


「日本はもともと神道(アマテラスとか、神社系の方)だったのに、馬子(前回出てきた、太子とタッグ組んだ人ね)が仏教とか言うやつを広めています。この疫病大流行は、そのせいで、元々の神様が怒っているんだと思います。仏教をぶっ壊すしか、助かる道はありません!」


と言います。

 

ビビった天皇は、「よし、じゃあさっさと仏教ぶっ壊そう」と即決。

 

 それを聞いた太子は、

「守屋と勝海はまだ真理を知らないんだよ。良いことしたら良いことが起こるし、悪い政治をしたら不幸が来るんだよ。だからたぶんね、あの二人、そのうち大変なことになるよ」

と、悟ったような目で呟きます(目はイメージです)。

 

 しかし、ビビりにビビった天皇はそんなこと聞こえません。守屋さんの手下に命じて、寺を壊して経文を燃やし、焼け残った仏を川にぶち込みました。そして、三人の尼さんを、「この疫病大流行の責任とれ!」ってことで追い出したんです。

 

 でも、その時から、雲がないのに雨が降って風が吹く、という、イヤーな天気になります。

太子は、「これ、絶対やばいこと起こるわ」と言います。

 

 それ見たことか(すみません)、その直後、天皇が疫病にかかります。守屋たちは反省し、天皇は

「これマジ痛いし辛い……。仏教に頼りたい……」

といい、追い出した尼さんたちを呼び戻し、寺も建て直させ、今まで通り仏教を信じさせました。

 

(あんまり太子活躍しないっすね。後ろで何かブツブツ言ってるイヤなやつみたいになりましたね笑)

 

 

さあこの後は策略に次ぐ策略ですよ! 太子16歳の時です。

 

 ある日、ある覆面の人が(覆面かどうかは不明)、守屋さんのところに行って、

「太子と馬子がクーデター起こそうとしてますよ、軍勢集めてますよ」

と言いに来ます。やばいと思った守屋さん、家にこもって戦闘準備。勝海さんも加勢に来ました。

 

 そんでもって、また別の覆面(不明)の人が、馬子に

「守屋と勝海が天皇呪おうとしてるらしいっす」

と告げます。馬子は太子にお願いして、一緒にあいつら討とう、ということに。

 

 

戦いは激しさを増し、馬子太子側が押され気味。

すると太子は、川勝(かわかつ)さんという味方の人に、

「急いで木をとってきて、四天王(してんのう 仏教の守護神)の像を彫って、髪の上にさして、みんなに掲げて見せて!」

とお願い。さらに、そのできた四天王に向かって、

「僕らを勝たせてくれたら寺建てますから勝たせてくれ」

と願掛けをします。

 

 その間に木に登って太子を発見した守屋、自分のうちの「神様」に願掛けをします。そして、太子に向かって矢を放ちました! 危ない、太子!

 しかし、その矢が当たったのは太子が乗っていた馬。次の瞬間、「四天王」に願掛けを終えた太子の部下が、守屋に向かって矢を放ちます。その矢は守屋の胸に突き刺さり、守屋は木から落ちて、攻めてきた馬子軍に首を落とされ、なくなりました。

 

神様VS仏様、仏様が勝った瞬間でした。

その後、太子は約束したとおり、勝たせてくれたお礼にと、四天王寺を建てたのでした。

 

 

盛りだくさんでしたね。疲れましたね。戦いばっかりでね。長かったしね。次回はまた太子が仏様っぽくなりますから、安心してくださいませ。


ではまた(^^)/

わらび