つれづれにっぽん69 【和歌を知りたい 5】 | つれづれ にっぽん

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にっぽんの神話を、エッセイ風に書いています。

【和歌を知りたい 5


さて。序詞でございます。

 

今後、「序詞」という言葉を見たら、

 

「伏線」


または


「プロローグ」


と脳内変換してください。

 

 

これは最初っから例を出したほうがいいですな。

 

 

「あしびきの…… 山鳥の尾の…… しだり尾の……」

※あしびきの→「山」の枕詞。 ※山鳥→しっぽめっちゃ長い


って言われたら、

 

あ、鳥のしっぽの話をしてるのね。長いよね。

 

って思うじゃないですか。でも、この続き、

 

「長々し夜を ひとりかも寝む」


ってなるんです。

 

 

「山鳥のほらあの、すっごーーいながいしっぽあるじゃん、そんくらい長い夜をね、恋人もなく一人で寝るんだよノД`)シクシク…」


っていう歌だったんです。

 

 

 

初めだけ聞いたらわからないけれど、

最後まで聞くと、あの初めの部分が上手いこと伏線回収されて、なんか見事な歌になりましたって感じ。

 

それが序詞、伏線、プロローグです。

(正確にいえば「あしびきの~しだり尾の」は「長々し」を導く序詞、という説明になります。)

 

 

 

では練習問題。


「春柳 葛木山に 立つ雲の 立ちても居ても 妹をしそ思ふ」

※妹→いも。彼女のこと

 

この和歌で、序詞はどこまででしょう?


ヒントは、


「ここから、話変わってるよね?」


となるところの直前までが序詞……伏線です。

 

 

 

正解は、

「春柳 葛木山に 立つ雲の」までが、「立ちても」の序詞ですね~。

 

「春にさア、あの山にさア、雲が立つじゃない?」

と、雲の話をしているかと思いきや、


「で、立つといえば、俺立っても座ってても彼女のこと思ってるんだよね」


とかかってくるわけです。

 

 

なかなか難しいのが序詞ですが、慣れてきて見分けがつくようになると、


「おお~。うまいなおまえ」ってなります。

 

 

 

次回は、隠された暗号たち、「折句」でございます。

 

ではまた(^^)/

わらび