【和歌を知りたい 5】
さて。序詞でございます。
今後、「序詞」という言葉を見たら、
「伏線」
または
「プロローグ」
と脳内変換してください。
これは最初っから例を出したほうがいいですな。
「あしびきの…… 山鳥の尾の…… しだり尾の……」
※あしびきの→「山」の枕詞。 ※山鳥→しっぽめっちゃ長い
って言われたら、
あ、鳥のしっぽの話をしてるのね。長いよね。
って思うじゃないですか。でも、この続き、
「長々し夜を ひとりかも寝む」
ってなるんです。
「山鳥のほらあの、すっごーーいながいしっぽあるじゃん、そんくらい長い夜をね、恋人もなく一人で寝るんだよ( ノД`)シクシク…」
っていう歌だったんです。
初めだけ聞いたらわからないけれど、
最後まで聞くと、あの初めの部分が上手いこと伏線回収されて、なんか見事な歌になりましたって感じ。
それが序詞、伏線、プロローグです。
(正確にいえば「あしびきの~しだり尾の」は「長々し」を導く序詞、という説明になります。)
では練習問題。
「春柳 葛木山に 立つ雲の 立ちても居ても 妹をしそ思ふ」
※妹→いも。彼女のこと
この和歌で、序詞はどこまででしょう?
ヒントは、
「ここから、話変わってるよね?」
となるところの直前までが序詞……伏線です。
正解は、
「春柳 葛木山に 立つ雲の」までが、「立ちても」の序詞ですね~。
「春にさア、あの山にさア、雲が立つじゃない?」
と、雲の話をしているかと思いきや、
「で、立つといえば、俺立っても座ってても彼女のこと思ってるんだよね」
とかかってくるわけです。
なかなか難しいのが序詞ですが、慣れてきて見分けがつくようになると、
「おお~。うまいなおまえ」ってなります。
次回は、隠された暗号たち、「折句」でございます。
ではまた(^^)/
わらび