水曜日に工科大の今年度第一回講義に行った。

寒かった。。。

寒さにもかかわらず、去年くらいの数の学生さんに集まってもらって、第一回ということで、オリエンテーションと最初だからベンチャーの概要みたいな話をした。

教室に入る前に、昨年見覚えのある顔とも接近遭遇して楽しかった。なんとなく覚えているものだ。


第一回ということで大勢集まってもらったが、繰り返し言ったように、講義を受けたくない人は無理やり来て聴講する必要はない。

最初から数名は寝てたが、興味の無い一般教養のクラスを無理やり来させるほどザンネンながら教育に使命感を感じてないので、別に来なくてもいい。すでに採点要領は話したので、それに合致するよう自習してくれれば全く問題ないし、講師としての責務も果たせていると思う。教室に来るのは、直接話が聞きたい、意見交換(ディスカッション)をしたいという人だけで十分だ。

・・・と教室も狭いし、机に突っ伏して寝られると講師も傷つくので、互いにまたみんなのためにも自己判断しよう。


さて、最初の講義の中では、どういう会社がベンチャーで、どういう会社がそうでない中小企業かを話した(つもり)。

IPOするばかりがベンチャーのゴールでなく、あくまで高い志と傑出したリーダのもとで新たなことにチャレンジして、最終的ニは数千億円の売上のエクセレントカンパニーを作って、企業特有の伝統を作るのがゴールである・・・と言ったつもり。


教室の最前列の学生さんに思いつくベンチャー企業をあげて貰った。

ドワンゴ

ライブドア

楽天

ホンダ

ファイザー ?

・・・

あまり知らないんだなあ・・・というのは実感。(勿論、これから学べば良い訳で最初、知らないのは問題でない!)

ただ、2年生も少なくないはずだから、就職を有利にするためにはそろそろいろいろ考えた方が良いでしょうね。


僕が大学を卒業するウン十年前は、機械系-航空学科だったこともあり、一番人気は当時NASDAだが、ついで航空機メーカである三菱重工・川崎重工、そして関東の自動車会社である日産・ホンダや富士重工などが人気だった。文型就職も花盛りで銀行や生保もいた。今、考えるとあまり華々しくない業界・会社ばかりだ。『東大生が大挙する会社は滅びる』と当時から言われていたが、日産などはまさにその例だった。


若い人も、就社というものがなくなった今、キャリアを真剣に早いうちから考えないといけない。

ベンチャーもその選択肢である現代社会を生きる若者として、「知らない」では済まされない=負け組路線に足を踏み出していることの証左であろう。


言葉はきつかったかも知れないが、自分も学生時代、ベンチャーには全く関心が無かったし、専門書や学会誌は読んでも、ビジネス書も日経新聞も読まなかった。大いに自省している。皆さんにはその悪しき轍を踏んで欲しくない。この講義で立派な経営者になれるはずは毛頭ないが、自分のキャリアを考える契機になれば、またベンチャーへの関心が生まれる素となれば、そういう人が10人でもいたら、大成功だと思う。


PS 採点で「D=不可」を付けざるを得ないような、小論文と試験解答だけはしないようくれぐれもお願いしたい。



桜



東京工科大でのベンチャービジネスの講義が始まる。

今年は講義とブログのカップリングを試行してみたいと思っている。

2週に一回の非常勤講師の講義のため、どうしても十分伝えきれないこともあり、かといってウェブも面倒だと思っていたので、手頃でかつ双方向コミュニケーションができるので、格好だと思うが、どうだろう。


工科大での講義は今年で4年目になる。

ベンチャーというよりは、理工系(コンピュータサイエンスとバイオメカニズム)の大学生に、最低限知っておいて無駄でない経営学の入門編のようなことをさらっと学ぶカリキュラムにしている。

自分自身、大学の教養では、それこそ今や参議院議員である舛添氏の国際関係論や、文化人類学、法哲学入門などなどを履修して、それぞれが無駄だったとは言わないが、実はビジネスマンとして、また起業するために必要な会社のこととか、会計、税務、知財、マーケティングなどを学ぶ講義は一つも無かった。それこそ大学の必修科目で習得させるべきだと思うが。


また、講義では極力、学生参加型の講義を目指している。

これはアメリカの大学でサマータイムだけだったが、講義を受けたときの強烈な印象に基づいている。

投資理論の先生は、まず教室に入ると机をバンバン叩いて「今日、すごくエクサイティングなことがあった!何か?」と言うところから、その日に起こった経営関連のトピックス、どの企業が買収されたとか、どの企業がIPOしたとか、マイクロソフトがこんなことを発表したがその戦略は何かなどをまず学生とディスカッションしてから講義に入っていた。

もう一人の経済成長モデルの先生は、講義中にいくつかの課題について、解法や視点などを学生に発表させてそれに対するコメントを学生とともにしていく様式だった。

僕自信は言葉の限界もあり、そのディスカッションにどれだけ加われたかと言うと皆無に近くてザンネンだったが、東大の高い教壇から一方的に知識の伝授を図るスタイルでなく、学生が講義の中で発言し考えることで学びの力をアップさせるスタイルに感銘を受けた。昨今の日本のMBAコースもそうだと言うが、工科大の講義でも極力学生が参画する講義を目指している。


ただ、限界もあって、何と言っても200人くらい受講生がいるので、全員に発言機会を提供することは不可能である。またどうしても発言する人は偏ってしまうことも否めない。それでも毎年、楽しいと言ってくれる学生も何人かはいるので、今年も同様のスタイルをやろうと思っている。


・・・という訳で、来週水曜日から講義が始まり、きっと工科大の学生諸君もこれを見ることになると思う。

そこで二点だけ注意を。

第一は、暇つぶしに教室へ来ないこと。出席は取らないし、講義ノートは配布するので、興味が無ければ教室に来る必要は無い。狭い教室がますます狭くなるので、来て寝てたり、メールし続けているなら、別に空き教室でした方が、互いに快適だ。

第二は、非常勤講師の一般教養の講座だから特段厳しく採点するつもりはない。ただ、受講する側には必要な教養を習得しtとアピールすることが当然求められている。毎年、小論文も試験も、「出すだけ」の学生が複数いる。流石に合格点は与えられずに「不可」にしているが、こちらも不可を付けたい訳ではない。そうしないで良いだけの努力をお願いしたい。



学校


ふと気づけば、10日ぶり。

何があったわけでなくて、手帳を見てもフツーの日々だったのだが。。。

でも、意外なのは手を抜いていても、ランキングはかわらない、むしろアップしているくらいだってこと。


モルスタが全日空ホテルを買収するって記事が日経トップにあった。

片やHOYAとペンタックスの泥沼の合併問題もある。

まだまだ日本経済の再編は終わらない。

・・・というか、離合集散が常態化したということか。

しかし、それにつけても痛感するのは、『会社に奉仕』という時代は終わったなあと。

昔は業種によると思っていたが、これだけ変化が激しいと、たとえ安定第一の公益企業でも安穏と会社に奉仕ではすまない。

社会人としての技能を修得しないと、これからの時代はどんどん厳しくなろう。

僕はその時そのときの環境に対応してしまう方で、ある意味、会社に奉仕型の人間として社会人キャリアをスタートしてしまったこともあり、卓越した自分しかない技能が何か?と問われると返答に窮してしまう。もうちょっと自分のキャリアを意識した社会人人生を送るべきだったと反省しきり。



ダウン


VCの投資後のスタンスもいろいろ。

全くケアしないのも、日本流のVCのあり方として、パフォーマンスを考えた場合には一つのやり方かも知れない。

一方で、ハンズオンと称して何かにつけてケアをするのをモットーとするVCも少なくない。当社もその一つ。そもそもの米国のクラッシックなVCはこの手法で成功してきた。

しかし、VCができるケアは何だろうと最近、その限界も感じる。


最大のものは何と言っても、ファイナンスをリードすることだろう。追加の資金調達ステージでリードキャピタルとして、シンジケート団を組織し、株価の設定や契約内容その他の調整を行う役割は確実にある。これに準ずる役割は特に草創期において会社のしくみを構築し、公開企業に相応しい体制作りを誘導する役割もある。場合によっては孤独な経営者のメンター的な役割もあろう。

アップ


ただ、事業が不調になったときの営業面でのサポートは、結構期待されるし、ついつい口出ししたくなるが、これは素人の心配、要らぬ世話になってしまって、なかなか上手く行くものではない。前に述べた役割は事業が上手く行く場合のものだから、逆に事業が上手く立ち回らないときには、その類のことよりも、まずは営業であるし、その支援となるとカラキシ力不足だから、冒頭に述べたように日本流VCのように知らん振りを決め込むのも一策だろう。

昔、某キャピタルは、「投資先と親会社で売上を相互にあげればIPOするくらいの売上はすぐにでき」て、それでIPOすれば親会社には莫大なキャピタルゲインが入るから、それをまた投資先の資本と売上に充当すればよいと真顔で語っていたが、流石に最近ではこれはまかり通らないが、そこまで腹をくくれば別だが、一般かつ良識あるVCではそんな野蛮なことはできない、ということは営業協力はほとんど無力ということだ。

「計画を下回ったときには再生計画を構築し断行するパートナー」と言うことも理論的にはあろうが、現実問題としてシェアも高くなくて常勤でもないVCにそれだけの影響力があるかというと甚だ疑問である。

ダウン


う~む、どうするか。万能薬を持っている訳でないから、正面の大問題には無策でウロウロ限界に悩むだけだが。。。

そんなことをしている時間的余裕もそんなにあるわけでもなく。無為に過ごすのも過誤だとはわかっているけど。

経営的に言えば、過去の上手く行かない事業に早期に見切りをつけて、周辺で新規事業を立ち上げ経営資源を集中するとなるんだろうが、現実問題としてはそう上手くは変革できない。できないと壁を造るところでもうダメダメなんだろうが。

もう一度、白紙からあらゆることをシンプルかつ論理的に考えてみることか。


爆弾

今日から新しい年度がスタート。

・・・といっても僕および周辺では画期的なものはないが。


六本木ミッドタウンへ行ってきた。

ここは前の会社というか社会人スタートのときのお客様=自衛隊があったところ。訳もわからずがむしゃらに仕事をしていた時期でもあった。今の市谷の自衛隊はなんだか敷居が高くて入りづらいけど、昔の六本木の頃の自衛隊は、ある意味アナログで、中も庁舎も低層で、隊員さんは自転車で行きかっていてとてものんびりしていた。今の市谷がどうだかはわからないけど、六本木の旧自衛隊は、「生協に鮭買いに行きます!」でも実は入館証がもらえて、鮭を買ったレジで領収書とともに入館証に捺印貰えばそれで良かった。・・・厳密には試してはいないが。

ミッドタウンになって、自衛隊時代の桜はそのまま移設したということで、古木がたくさん満開の花を咲かせていたけど、全く当時の面影はなくなっていた。昔からの悲喜こもごもも、すべて今や明るい栄華を極めたようなミッドタウンに変わっている様は感慨深い人も多かろう。自衛隊と言うと今朝もサンデーモーニングで誰だかは「災害派遣のときは自衛隊のありがたさを痛感する」ようなことを言っていたが、先日も奄美で陸自のヘリが墜落して4名の隊員が亡くなったが、そんなに甘くない仕事で、かつ昨今は政治に左右されて理不尽な任務も遂行せざるを得ないでいる。海外派遣だって、ゲリラに襲われたら相手が襲っているのか、言葉もわからないところで確認しないと発砲もできない、そんな状況で部下に警備に当たらせる幹部たるや尋常の精神ではいられるものでないだろう。・・・などなどと思っていたのは、ミッドタウンにいたウン万人の中で何人だろう。

手裏剣


時代は変わる。流行も、社会も、価値観も変わる。

その中で新しい価値を追い求めるが良いか、かたくなに古き良きものを守るが良いか、散り始めた桜花のもとで、ふとそんなことに思いを巡らせた。

結論はすべて『バランス』なんだろうが、最悪は、どっちつかずでその罠にははまりたくない、嵌りかけたのであればとっとと逃げたい。自衛隊の海外派遣がそうかは別としても。古き慣習に因循して倒産の危機を迎える会社なんていうのはまさにその典型でもある。

そう、古き良きことは独り心の根に暖めるもので、決して重荷にしてはいけない。

前に進み続けること、進むこと環境にしておくことが大切だ。


・・・と少し新年度の初めらしいまとめになったかな?


桜

先週からファンドの出資者総会と、投資先の株主総会が相次いだ。

今日でそれも終了。


ファンドの出資者総会は、例年通りタンタンと進んだが、機関投資家、要は金融機関の方々は昨今の時勢柄、ファンド会計をどう取り込むかに関心が高かく、別途意見交換の場を設けさせてもらった。互いに本質でない部分で、機関投資家の方も済まなさそうに質問されるし、なんとも無駄で、互いに楽しくない時間だ。ホリエモンや村上さんが聞いちゃった!じゃなく、「やっちゃった!」お陰でえらい迷惑である。日ごろ、どちらかというと彼らの弁護側の僕もこのときばかりは恨み節。


日本はよく「嫉み社会だ」と言われ、「出る釘は打たれる」が、いつまでそれを続けるつもりなんだろう。

「出る釘を引っ張り延ばす」社会に変わるはずだったのが、少し景気が良くなって危機感がなくなるとまた「出る釘は叩く」社会へ後戻り。ファンド運営でも同様で、少人数でリスクをテイクするから良いパフォーマンスも可能だが、それを過度な事務作業とあらゆる事態を想定してリスク回避に走ったら、制約下での運用を余儀なくされたら、事故はないかも知れないがパフォーマンスはその分、低下する。


さて、投資先の株主総会に話題を転じると、

一社は完璧なまでの運営だった。非の付け所もないが、事務局のご苦労たるやいかばかりだろうと。「やりすぎ」でないかとさえ思うが、IPOを目指す以上、それだけの高潔な姿勢は尊ぶべきものだ。

もう一社はそれと比べるとラフだ。ちょっと極端。ゆえに一事が万事で業績も優れない。まだ全然投資としてはデフォルトでないが、深く反省させられる投資案件になってしまった。この振り返りも時候になったらしたいと思う。



最近、日経、私の履歴書の宮城まり子さんの連載が面白い。

まり子さんは自分の思いだけで、障害者のためのねむの木学園を始める。その時、作家で愛人だった吉行淳之介さんは、「途中でやめないこと」などの3つの条件を出すだけで応援したという。一般の人はすぐに「儲かるの?」「採算は?」と下世話なことばかり考えてしまうけど、そうした不安・課題を信念で打ち破ったまり子さんも、それを傍で見ていて口にしなかった淳之介さんも素晴らしい。最後は面倒を見る覚悟?自信?があったのか、薄っぺらな言葉は要らないと腹が据わっていたのか。

世の中、相変わらずお金だけ。自分も会社もそんな感じ。高潔な理想も確固たる信念もなく、普遍的な価値観である金銭尺度に浸っている。

日々、かなり反省と幻滅。。。


キムタク死んじゃった。勿論、華麗なる一族の中で。

八方塞りの中で、自己の存在も否定されて、自殺の道を選んでしまう。

ドラマだから仕方ないが、実際には太郎(子供)のことも考えて、みっともなくても生き抜く勇気の方がむしろ褒められるな。

うり坊

別の視点から。

元々キムタク率いる阪神特殊鋼が民事再生に追いやられたのは、帝国製鉄からの銑鉄の供給を停止されて、イチカバチかの昼夜突貫工事で、未体験の高炉建設を強行して、事故を起こして建設が頓挫し、信用不安を引き起こし、資金繰りがショートしたためだ。そして最終的には帝国製鉄の支援の下で、子会社として再生をする訳だ。

要は突貫工事に突入する際に、帝国製鉄との業務&資本提携を行うという選択肢もあったはずだ。

それを考えなかった、または否定して暴発したとしたら、やはり経営責任ということだろう。

メモ

最近、楽しみにしているもう一つのドラマはNHK土曜ドラマ「ハゲタカ」。

ファンドによる買収と企業再生を扱った社会派ドラマで、結構、面白い。&勉強になる。

バックにある人情的な部分はどうかとも思うが。

企業を支えてきた事業領域も、目まぐるしい環境変化の中で衰退を余儀なくされるが、それを捨て去ることは容易ではない。

このドラマのように外部からの外科的手術が必要な会社、場面も多々有ろう。


4月から大学での講義が始まるが、ドラマを題材にした解説もしてみようかと思う。

春のドラマで、どんなのがあるかはまだリサーチしてないが。



桜

昔、「明日がヤマダ」という良くわからないギャグがあったことを突然思い出した。

それを言っていた人が確か同じ駅(高津)に住んでいたなあ・・・。


午前中はVCのパートナー会議で、新規投資案件の審査。

前回、ペンディングで「要追加調査」だったから、今回、現実的には最終検討会か。

担当者としては、行きがかり上も是が非にも「通したい」気持ちがある半面、拭いきれないリスクの前に怯える気持ちもある。

VC投資だから、最後の不確実性に対するリスクはテイクしないといけないことは頭では理解しても、きっと朝まで悩むことになろう。今次の案件は、経営者らが良い人=スマートでかつ誠実で、将来性も豊かだから、応援した気分は一杯だし、大成功案件になる可能性も十分ある。ただ絵に描いた餅というか、最初の一歩が踏み出せないで終わる可能性も懸念される。だからVC投資なんだが。。。 僕としてはリスクは一点に限定されているので、あとは期待IRRとの比較考量だと思いたいが。

今晩、もう一度、資料を読んで悩むことにしよう。


午後は、別件、投資先の取締役会。

大荒れが予見されていて、気が重い。

最初からリーダー不在が課題視されてきたが、事ここに至って非常に憤懣やる方ないところ。

みんな、真面目に必死にやろうよ!!と言いたい。


明日はヤマダ。



雷

フ社が大幅な決算修正をして株価を下げている。ダウン

昔、会社が渋谷で谷を挟んだ向かい側だったし、小さな仕事も一緒させてもらったこともある。


確かに、ビジネスの変遷と上場が早かった印象はあるが、今回、会計処理の問題もあり、計画大幅未達で赤字転落。10月に40万円で公募の株が、すでに17万円でも買いがない状況では、株主も怒りたいのもわかる。

大口の商談が入らなかったのは仕方ないとして、ソフトウェア仮勘定云々の会計処理の問題は、問題指摘されても仕方ないか。監査法人はウチと同じあずさ監査法人のようだが、ウチ(Fixstars)では、資産計上は極めて厳密に指導されているので、ソフトウェア資産は購入会計ソフト程度で、仮勘定はない。・・・というかソフトウェア仮勘定の概念自体が"バブルの遺物"と認識しているが。日興コーディアルでも、昔のライブドアでも、監査法人、会計士が会計処理方法については"監査"して、「適正」意見を出しているのが腑に落ちない。しかし、このブログでも何度も書いているけど、アイエックスアイにしろ、日興コーディアルにしろ、流石に"会計処理方針の喰い違い"では済まされない、一般常識から判断して素人でもおかしい、塀の上でなく完全に向こう側だと思うことを押し通そうとする経営陣も問題だが、わかっていて「適正」意見を出してしまう監査法人が一番の問題だ。


かと言って、監査法人がますます保守的な監査スタイルを固持されても困るし、そうすると監査法人OBのコンサルを頼まないと実質IPO準備ができず、ますますIPOコストが高くなって、本来目指すところと懸離れたことになる。

監査法人の独立性・公平性を担保しつつ、競争原理を維持する新たなしくみの考案が必要かも知れない。


今週はより大変だろうなあ。。。社長、めげすぎることなく頑張って!



流れ星




三菱総研の元会長の牧野昇氏が昨日お亡くなりになった。

牧野さんには、前職時代いろいろとお世話になった。

まさに『三菱総研の顔』であり、僕が入社したころは『牧野さんの三菱総研』と呼ばれた。

初めて室長になったときも、講演などをして助けていただいたし、三菱マーケティング研究会のリーダーをしているときも何度か一緒に食事をさせていただいた。


牧野さんは、東大時代に「MKマグネット」を発明し、戦後の技術輸出第一号をやり、その後、三菱総研を含む3社の創業に関わってこられた。ベンチャーに関する著作も多く、僕が会長室にベンチャーのことでお願いに行くと、いつもその当時の苦労話をしてくださったのを良く覚えている。インターネットにはあまり乗り気ではいらっしゃらなかったが、ものづくりベンチャーには常に温かい支援を寄せていてくださった。

また、『テクノ漫談』とも評されるように話が面白かったが、元々はエンジニアであり、ご本人曰くは「口下手」だったそうで、三菱総研で人前で上手く講演をしなければならず、そのために寄席に通って学ばれたそうである。顧問に退いてからも、いつも両脇に英字新聞など新聞をいくつも抱えてエレベータに乗っていらっしゃったし、顧問室はご自身の著作を含め、大量の本に埋もれていらっしゃった。勉強家、努力家の一面もお持ちだった。


「牧野でございます。」で始まる名調子をもう聞けないかと思うと残念である。

心からご冥福をお祈り申し上げます。


黄色い花