朝ドラ「エール」の音楽的演出 + メッセージ☆ | いつも心に音楽を

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クラシックの名曲等やピアノ演奏、音楽理論などを中心に展開。
また、尊敬する若きピアニスト牛田智大さんを応援します。

 

4月期から始まったNHK朝の連続テレビ小説『エール』について。

 

僕は作曲家・古関裕而についてはあまり知識がなかったのですが、

大正期から戦後昭和にかけて広く、ポピュラー音楽の世界で大活躍した、この人物の半生をドラマ化し描くとあって、興味をもちました

 

                 

                 

 

 

 

 先ずは残念なお知らせ、楽しみに見ているこの「エール」、

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、他のドラマ同様、撮影がストップしていて、何と放送自体も6月27日を以って一時休止が発表されましたガーンえーん

放送再開については今後の状況をみてまた判断されるそうです。

詳細は番組HPで。

 

 

 因みに、以前書いた記事「日本の作曲家 その1」が、最近アクセス数が多く、このドラマ人気の影響と考えられます。が、そこに古関裕而は挙げていませんでした💦 だってクラシック系の作曲家という認識じゃ全然無かったから~~汗

      

          

      

 

 

 福島県に生まれ(牛田智大さんと同じ☆)育ち、生涯に5000曲にのぼる流行歌・校歌・マーチなどを残し、日本のポピュラー音楽・大衆音楽界の歴史に輝く古関裕而。

福島では今も盛んに彼を讃え偲ぶイベントがおこなわれてるそうです。

 

 

 ドラマ自体は、古関裕而の半生をほぼ再現しているような、彼をモデルにした人物を描いていながら、よくあるフィクションをも織り交ぜた手法で構成され、笑いあり涙ありの、見やすい内容にもなっているようです。

 

音楽的な面からの考察や考証に基づいた効果的演出は勿論おおいに期待しましたが、そこはドラマ。一般に解りやすく親しみを持って見てもらう必要は当然ありますから、あまり理屈っぽいのは避けた、自然な演出も大切でしょう。

 

 

    

     

 

 

 

 まず音楽に目覚めてゆく描写は欠かせない幼少・児童期の裕一

 

wikipedia によると、古関裕而の父は元来音楽好き、とありますが、ドラマの中では特にそういう人物ではない。(この差、実は大きいと思うんですけど!)

 

10歳くらいの裕一が蓄音機から流れる、聴いたことのないクラシック音楽に、いきなり強い何かを覚え、楽器が出来なくてもめきめき才能を発揮し、楽譜が書ける!ようになる、とは、超天才!としか思えないなぁ(笑)

 

運動会の時、ハーモニカ合奏にも心打たれたり、特に新しく担任になった先生が、音楽に造詣があったのは、音楽家としての才能の芽を伸ばす過程として重要だったのはまずまず納得。

 

それでも、作曲入門の本(モデル:山田耕作 著)は、たぶん難解だと思いますね。💦     

    

        

 

この本がかなり影響して、学校で貰った詩に作曲(単旋律でも、譜面に書ける)したのは見事すぎるし、所謂、ずば抜けた才能を持ってた!と言いたいのでしょうが、、、、楽譜もいろいろ買って貰ってたけど、中身が知りたかった!

まず基本的なハーモニーはどこまで勉強できてたのかなぁ・・・とても興味ある所だけどニヤリ

 

         

 

 実質5話しかない、裕一の子供時代の描写に、音楽との出会い(具体的な技能習得の描写)、また後にヒット曲の作詞を手掛ける友人や重要な人物との関わり等(これらは後になって回想されますが)もう少し詳細に描いて欲しかったところです。

 

ただ、言葉や詩にインスピュレーションを得て作曲するという、後年の古関の才能の描写としては説得力はまずます?

 

 

 10代半ば以後の裕一

商業学校での音楽活動も、演奏できるものはハーモニカと卓上ピアノ。。。これでどうやって作曲する? と先輩に言われたのも妙にリアリティあり^^

しかしハーモニカとはいえ、本格的なアンサンブルの中で、傑出したオリジナルを書けるのは、なかなかの腕前といえるでしょう。やはり天才的才能? 

 

         

         

 

 

 家庭の都合(商売の失敗)で養子に出され、一時期銀行勤めをする裕一。

その間の音楽的な勉強・努力の過程が殆んど描かれていません。

 

いや既に若い頃の古関の凄さからして、この間、相当音楽に打ち込んでいた筈なのですが・・・

 

 

一念発起し、国際作曲コンクール(審査員はストラヴィンスキーと。当時は世界的に権威があったと思われる!)に応募するが、課題の1つは 交響曲 を作る事!  

おいおい、オーケストラ曲、それも 交響曲  など創作するには、オーケストラの勉強(管弦楽法)や、少なくとも何度か生のオーケストラを聴いたり、そこそこ各楽器について知ってないと、作れないゾ?  

     

         

 

 

 

        

         本格的なオーケストラスコアを、楽器を使わず書いてる!?

 

 

そもそもこの時代、山田耕作(日本のオーケストラ音楽のパイオニア!)が留学先で、日本人で初めてオーケストラ曲を作って(1912年頃)から、そんなに年月が経ってなく、日本国内に本格的なオーケストラはまだ誕生して間もなかったと思われますプンプン

 

ただ「天才的」で片付けてしまわれている点はどうにも気になりました(苦笑)

 

      

      

         日本人作の初のオーケストラ曲   山田耕作  序曲 ニ長調         

 

 

 因みに、ほぼ独学でクラシックの作曲法を学び、広くポピュラー音楽の分野で多くの名曲を残した人・・・と言えば、アメリカ音楽界の大天才 ガーシューインを思い浮かべてしまいます。(ガーシューインはピアノもかなり上手かったです!)が、似てるようでやはり「格」が違うように思っていましたが、、、

いやいや実際古関さんは、20歳そこそこで、幾つかの交響曲やピアノ協奏曲(スコアは残念ながら現存しないそうです←勿体ない~!)などを書いていまして、かなりの天才肌で、相当な実力を持たれていたのですね~! 目から鱗びっくり

 

 

 

 愛の力は創作の原動力、と言うのはよく解ります!

 

まさに ヒロイン 関内音 との出会いと交流(そしてあれよあれよという間に結婚)は裕一にとっての音楽創作には絶対に必要だったことでしょうドキドキ 

音も音ですね。ひたすら文通だけでそこまで裕一に想いを寄せられるものでしょうか~。もうラブラブ😍

 

   

 

  留学経験も豊かなミュージックティーチャー御手洗、当時相当な音楽の腕前だったと思われます!

 

 

       

          御手洗のキャラ、けっこう好きだった☆彡

 

 

       

 

 

 

       

 

 コンサートの場面はなかなか良かったなぁ。楽団のコンパクトな編成もよく考えられています。それにしても裕一、音 にとても優しい~😍          

    

 

      

        当時、先端?だったクラシックコンサートのプログラム、興味深いです♪♪

 

 

 

       

          小山田耕三(モデル:山田耕作)演じる志村けんさん!

 

 志村さん、撮影途中に亡くなられてしまい、出番も限られたものになり、本当に惜しいですね・・   

 

 

 その後、留学の話は流れてしまい、打ちひしがれる裕一 いや~その気持ちよく解かります。そりゃ無念ですよね。しかも実家は大変で、とても難しい立場にもいるし・・・

 

 

                     

               感動的な場面でも特に良かった~ 裕一をいつも応援し見守ってきた父・三郎との別れは

 

 

 20歳頃からの裕一

音と結婚し、共に東京へ移住。レコード会社に契約作曲家として入る裕一

 

     

                      

               当時の流行歌のレコーディング風景

 

 

                      

      クラシックを聴いたことがない同期の契約作曲家が、裕一より先に曲を出す

 

 

       

        

  青いレーベルには 長唄交響曲・越後獅子 作曲:小山田耕三とあります・・・びっくり(なんじゃそりゃ)

        当時、いったいどんな人が買ってたのでしょうか??

 

 

国内でも日本製レコードが急激に作られるようになり、小山田の後押しでレコード会社に入った裕一だが、ヒット曲を作ることが前提のレーベルにサインしたため、全く思うようには結果は出せない・・・未知の世界で悪戦苦闘、書いても書いても全くOKが出ない。

 クラシックを愛聴して育ち、交響曲で国際作曲コンクールを獲った、その道にかけてはエリートの裕一、その研ぎ澄まされた芸術性豊かな感性は当時の多くの庶民が喜ぶ音楽はなかなか結びつかないようです。

 でも、その音楽性なら、ヒット曲、いや普通に大衆向けの曲を書くのは苦にならないと思うんですが・・・ねー

 

(しかしこの契約のされ方ってけっこうエグイなぁ~ゲッソリ )  

 

この辺りの演出描写は昭和の最初期、日本の一般な音楽事情が知れて、なかなか興味深かったです。

 

 

 かたや東京帝国音楽学校声楽科に入学した 音 

 当時、日本の歌の将来を担う道を行くわけですが♪

        

      

      ミュージカル俳優 山崎育三郎さんの出演は、音楽にリアリティを持たせます♪

 

 

       

      記念公演の歌劇「椿姫」のヒロイン役に応募し、1次選考を通過する音

      

  

    

      

         大の憧れの小山田に思わず声を掛けるも、しどろもどろの裕一(笑)

        しかしドラマ初出演と思えない志村さんの貫禄!

 

 

書いても書いても、いっこうに曲は採用されない。

放送第8週は、そんな裕一のもとへ、早稲田大学の応援団がやって来て、応援歌を作って欲しいと。それでもなかなかアイデアが浮かばない・・・

   

                    

 

 

更にドラマはこの後、

次第に混乱の時代と戦時中へ。おそらく様々な困難の中でも音楽を愛し、制限されてたとは言え名曲を生み出す裕一と、支え続ける音、出会う人々との交流にも目が離せませんね。

また独特の笑いと涙の要素が色濃く、ベタで見やすい展開も楽しみです☆彡 

 

 

ドラマ制作もコロナ禍の影響で、特に 脚本に有ったであろう、重要な演奏会のシーンなどは撮影が実現できなかっただろうと推察できます。

とても良い企画、意欲作なだけに、惜しいというしかありません。

 

 

      余談ですが、

    

             

 

              

       裕一の子供時代を演じた子と、昔の牛田さん、何か似てませんか?爆  笑

 

 

 

 

          

    古関裕而の、楽譜が現存する唯一のクラシック作品!「亡き愛児に捧ぐる歌」から

 

 

 

これまでの記事と、かなり色あいの異なった内容で、書くのに一層苦労しました💦が、ダラダラ長い割に締まりがなくてスミマセン(笑)が、この続き、「エール」放送が終盤になった頃、気が向いたら(?)また記事にしてみたいと思います♪

 

 

 放送一時休止が決まってとても残念ですが、少しでも短縮期間が短くなり、放送が早く再開される事を願っています!

 

 

 

 

         ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 

 

 

                            Message from Tomoharu Ushida

 

 

 

 コロナ禍の中での音楽家の役割などを、感動的なメッセージで伝えてくれた牛田さん

 

 

 

    

 

 

    

  浜松国際ピアノコンクール・コンテスタントの主に上位の皆さんの メッセージ・アットホームが挙がってきてますが、 牛田さんも、5月13日に動画を公開

 

 

そのメッセージの何と何と深いこと!!

 

 あなたは本当にまだ20歳のピアニストですか??

 

 

 牛田さんの音楽家としての哲学とも言える一面を、この非常事態にこそ示してくれましたね

 

    英語圏での生活もまだ僅かなようですが、その流暢な英語にも驚きました!

 

 

    欲を言えば、他の方々のようにお家での演奏も公開して頂きたかったけど、

 

    浜コン3次でのシューベルト即興曲第3番も心に沁みました。

 

   

 コロナがだいぶ収束したら、再び旺盛なコンサート活動を! また、音楽番組にも出て頂きたいです!