ショパン 幻想曲 ♪ | いつも心に音楽を

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クラシックの名曲等やピアノ演奏、音楽理論などを中心に展開。
また、尊敬する若きピアニスト牛田智大さんを応援します。

 

牛田智大さんが、今年初めのリサイタルシリーズから初披露されています、ショパンの名曲の中の、

 

(しかし実際には、2月末頃、新型コロナの拡大により、以後予定のリサイタルは中止か、運良ければ延期・・・・ガーンえーんえーん   その為、まだ数回の披露に終っていますが・・・)

 

         

         今年行われた牛田さんのリサイタル、今のところこれが最後です・・・涙

 

 

 

        ショパン  幻想曲 へ短調 Op.49  

 

 1841年、ショパン31歳ごろ作曲。

ジョルジュ・サンドと毎年夏をノアンで過ごしていた頃の、健康状態も比較的安定した時期の力作とされています。

 

ですが、僕はショパンの作品の中ではなぜか聴いた経験(ピアノリサイタル等で)が僅かなせいか、

馴染みが薄かったのです。

同時に、曲としてインパクトをあまり感じなかったのもありますが・・・。

 ショパン様、スミマセンm(__)m

               

 

      

 

 

 

      幻想曲 という名称付きで作られたピアノ(鍵盤楽器)曲は、ショパン以前には、

 

  

   バッハには「幻想的~」と付く作品は様々ありますし、

 

   モーツアルトには有名な2作品があります。

 

 

  ピアノ曲ではないですが ベルリオーズ 幻想交響曲 は、その時代ではぶっ飛んだ世界観を持つ、後期ロマン派風の「幻想的な」サウンドにグッと近づいていきます。

 

  

   このショパンの幻想曲の少し前に世に出された重要なピアノ曲では、

 

  ♪シューベルト さすらい人幻想曲 ハ長調 D760

 

  ♪シューマン  幻想曲 ハ長調 Op17

 

 

が挙げられそうですが、 上記2作品には個人的には、ショパンの幻想曲同様、ほどほどの魅力しか感じていませんでした・・・あせる  というより、あまり聴いていなかったという事ですあせる

 

            

 

   ジャンルとしての幻想曲 とは、

 

 ファンタジア。作曲者の自由な想像力に基づいて創作される器楽作品の名称として用いられる。

即興的なものから、厳格な対位法によるものまでその内容は多岐にわたっている。

  by Wikipedia

 

 

 ショパンの幻想曲は、

ソナタ形式という大掛かりな枠の中に、自由に溢れ出るさまざまな楽想を、ある程度形を整えつつ、魅力的な大作に仕上げられました。

 

 

ショパンの、他に「幻想」と付く有名作品には、幻想即興曲、 幻想ポロネーズがあります。   

        

 

 

  

           ツィメルマン演奏

 

  曲の形式は、かなり自由なソナタ形式と捉えることができます。

 

何ともゆっくりした重苦しい、葬送行進曲風に始まります。

最初はへ短調で、暗く悲しいですが、繰り返されるたび長調の響きが増えてきます。

 ややテンポを上げ 3連符のリズムフレーズが特徴的な(上の動画の3:38-)楽想になり、即興的な盛り上がりを見せると、 

  (4:32-)アジタート(せき込んで)となり、早い情熱的なテーマ(第1主題とみることができる)が、自由な雰囲気でまた力強く展開されます。 

行進曲風の歯切れのよいフレーズ(6:05-)が、印象的に表れ、再び(6:45-)最初のテーマがやや形を変えて、やはり情熱的に展開されます。3連符のフレーズの連続が,次第に力を弱めてゆくと、  レント・ソステヌート ロ長調に転じ(8:03-)安らぎに満ちた美しい楽想がしばし示されます。

突然(9:40-)sf で早く畳み掛けだテンポに戻り、メインテーマと思われる楽想を中心に展開され、変イ長調(ここから曲の最後まで)で行進曲風の部分が更にテンポアップし現れ(11:30-)、やがてゆっくりと静まるかに見え、最後は1つの和音のアルペジオの中に華麗に終わります。  

 

   演奏時間12分~14分

 

 

 特に超絶技巧は必要とはしないものの、楽想の変化が頻繁で、それに応じた高い演奏能力、表現力を必要とします。

 

 

                           牛田さんの現在のお気に入りピアニストの一人  アブデーエワさんの演奏

 

 

     

 余談ですが、

最初の葬送行進曲風の序奏主題は、日本でかつてヒットしたポピュラーソング、「雪の降る街を」 のメロディにそっくりと言われています。 が、 真似をした(?)のはもちろん「雪の~」の作曲者のほうです・・・ね(笑)

     

      

 

 

 

 

先に挙げました、シューベルト さすらい人幻想曲、 シューマン 幻想曲ハ長調、 どちらも複数の楽章から成る、演奏時間30分!もの大作となっています。  

 

殊に前期ロマン派の「ドイツ的な幻想曲」の世界としては、どちらも強い共通性があるように思います。

 

なかなかロマンティックで奔放な楽想にあふれながらも大きく意外な程のサウンドはあまり無く、形式的にも統一されてる、といった印象です。

本作ショパン・幻想曲へ短調とも大きな共通点を感じ取れます。

 

       

            

 

因みに シューマン 幻想曲ハ長調は1838年に作曲されていたそうで、ショパンはこれを聴くチャンスはあったかと思われます。

が、ショパンはシューマンと交流(シューマンの片思い?)が深かったとは言えず、聴いたかどうか、参考にしたかは定かではないそうです。

 

 

   

           シューマン 幻想曲ハ長調  第1楽章      プレトニョフ

 

  

 

    幻想曲、幻想的~ と付く作品(ピアノ曲以外でも)は、後期ロマン派~近代(ワーグナーチャイコフスキー、ラフマニノフ、ドビュッシー 等々となると、がぜん多くなり、

   曲想もはっきりとロマン色が濃く、奇抜で面白いものが続々と出てきます☆彡

 

       

            

 

 

 

    さてさて次回、牛田さんがこの曲を披露する予定なのは、

  

  3月から8月31日に延期振替となりました、サントリーホールでのデビューリサイタル、約半年ぶり!のリサイタルですね♪

 

 

       

          

 

    コンサートはもちろん入場人数制限をして、徹底した感染防止対策がされるようです。

  

  ただ、今後の新型コロナ感染再拡大も、なかなか予断を許さない状況は続くかも知れませんが、

  

 

  どうぞ、つつがなくこの記念のリサイタルが行われることを願っています!!