クラシック音楽のメロディーが、ポップス、ロックや歌謡曲の中で使われることはよくあるようです。
しかし、それらがヒット曲として一般に知られてる数はあまり多くない印象です。
クラシック楽曲の多くは著作権の期限が切れた、或いはパブリックドメインの音楽となっているので、大変使いやすく、カヴァーするにあたっても、複雑な権利関係に煩わされない自由さがあります☆彡
ここでは、一般にも比較的知られた(?)、海外発のポピュラーの、主に歌もの(ジャンルは何でも)を中心に紹介したいと思います。
♪パッヘルベル カノン
クラシックの世界のみならず他ジャンルでも有名ですが、この曲をピアノ等にカワヴァー した例は多くあるようです。
中でも、ジョージ・ウインストンの、♪パッヘルベルのカノンによる変奏曲は、インストとしては異例のヒットとなりました。
ちなみにこのパッヘルベルのカノン、
4小節(2小節)のコード進行(ベース進行)の繰り返しでできていて、こんにち、ポピュラー音楽、とりわけ日本のある時期以降のポップスでは、王道のコード進行パターンとしておびただしい数の曲に潜在的に使われています。
バッハ(現在では他の人の作であることが解ってます ) ♪メヌエット・ト長調 のメロディで大ヒットを記録したのは、♪ラヴァーズ・コンチェルト(恋人たちのコンチェルト)。
多くのアーティストにカヴァーされてるようです。
サラ・ヴォーンが歌う とりわけ有名なラヴァーズ・コンチェルト
この原曲、牛田智大さんが最初に耳コピで弾いたという、伝説の曲でもありますね♪
♪ バッハ G線上のアリア
この曲も何気に多くのポピュラー曲に使われている気がします。
イギリスのロックバンド プロコルハルム ♪青い影
日本では車のCMに使われて有名になったとか。
このロックバンドのデビュー曲だそうです。
一聴するとわかりにくいですが、巧妙に原曲の和声処理がなされています
♪バッハ マタイ受難曲 より 「血潮したたる主の御頭」
(↓この使用例は全~く知りませんでしたが・・・ )
ポール・サイモン ♪アメリカの歌
ポール・サイモン アメリカの歌
原曲の前半の部分を真似てるようですね。
バッハの楽曲は、普遍性があるのか、多くのポピュラーミュージシャンに、大きな影響を与えてるようです。
特殊な例といえるので、グループ名だけ挙げますが、
ザ・スウィングル・シンガーズ は、数多くのクラシック曲を8名からなるアカペラ・スキャットで芸術的に歌いあげます。
その原点となり、最も多くカヴァーしているのも、バッハ作品だそうです。
フランスの作曲家 ジャン・ポール・マルティーニ(-1816)の唯一のヒット曲ともいえる ♪愛の喜びは
エルヴィス・プレスリー ♪好きにならずにはいられない
原曲 マルティーニ 歌曲「愛の喜びは」
プレスリーは、この隠れた名曲のメロディを基にした、好きにならずにはいられない を発表、
大ヒットし、当時はもちろんのこと、こんにちでもこちらのナンバーのほうが遥かに知られてるようです。
♪ ベートーヴェン ピアノソナタ「悲愴」から第2楽章。
この上もない美しいメロディと響きを湛えた名曲中の名曲。
このメロディを使ったポピュラー音楽は日本でも多いようですが、洋楽ポップスの名曲といえば、
ビリー・ジョエル ♪This Night でしょうか!
♪ ショパン ノクターン第2番
ショパンの楽曲は意外にも、”歌もの”にはなってないようですね。
カーメン・キャバレロ ♪トゥ・ラブ・アゲイン
海外での最大のヒット曲(インスト)といえば、カーメン・キャバレロの名アレンジでしょう。
名作映画「愛情物語」の挿入曲として有名です。
♪チャイコフスキー くるみ割り人形
プログレッシブ・ロックのバンドによる代表的なクラシック曲のアレンジパフォーマンス
エマーソン・レーク&パーマー ♪くるみ割り人形(行進曲)
このロックバンドには、代表作に「展覧会の絵」の独自編曲(?)もあります☆彡
♪ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 第2楽章
<
このコンチェルトといえば、
牛田さんの浜コンファイナルでの大熱演が思い出されますね♪
エリック・カルメン ♪オール・バイ・マイセルフ
Aメロに巧妙に、原曲メインメロディーを歌わせています。
♪ラフマニノフ 交響曲第2番 第3楽章
この交響曲、牛田さんが15歳の時、プレトニョフ&RNOとの初共演の際、メインで演奏され、思い出深い方もおられるでしょう。
ラフマニノフ 交響曲第2番 第3楽章
エリック・カルメンはラフマニノフが気に入ったようなのか、またも似た手法で使っています。
エリック・カルメン ♪恋にノータッチ
♪ ボロディン オペラ「イーゴリ公」より だったん人の踊り
♪ ストレンジャー・イン・パラダイス
50年代制作のミュージカルの挿入歌として(原曲の出だしの美しいメロディーが)使われたそうで、以後、さまざまなアーティストによってカヴァーされているようです。
サラ・ブライトマン ストレンジャー・イン・パラダイス
・・・・またまた、すごい数の動画を並べてしまいました💦
今回の記事、ポピュラー一般にはあまり慣れないジャンルの楽曲も多く、下調べも大変でしたが、
新しい、新鮮な発見がありました。
クラシックの原曲を知らなくても、
多くの人々に聴かれ続け、そして原曲にも興味を持ってもらえたら嬉しいですね♪
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
新型コロナウイルスの世界的感染拡大、
日本ではいったん収束に向かいましたが、社会経済活動が動きはじめると、また再拡大の懸念も言われています。
第2波、第3波が来たとしても、最小限に抑えられるよう、ひとりひとりが十分に心掛け、行動したいものです。
コロナ禍によって、クラシック音楽への影響は本当に深刻です。
牛田さんを含め、コンサートの中止、延期でどこも莫大な損失を出しています。
現時点では日本ではまともな補償もなく、寄付頼みの状態・・・
日本の文化・芸術への、政府の理解、態度は、ヨーロッパ諸国などと比べると比較になりません。
クラシック芸術に携わる皆が、ファンがもっともっと声をあげていかねばなりません!
がんばりましょう!