クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

クラシック音楽を中心にした好きな音楽と読書感想、日々の雑感などを思いつくまま気まぐれに書き綴ります

 

キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるショスタコーヴィチの交響曲第8番を聴きました。2020年11月13日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うドイツ連邦政府と州政府の制限措置により閉鎖されたベルリン・フィルハーモニーホールでの無観客公演のライヴ録音です。

 

「交響曲第8番 ハ短調 作品65は、ドミートリイ・ショスタコーヴィチが作曲した8番目の交響曲である。

交響曲第7番『レニングラード』につづいて、交響曲で戦争を描くべく作曲されたが、第7番と比べるとあまりにも暗いため、当初の評判は非常に悪かった。スターリン賞受賞もされず、1948年にはジダーノフ批判の対象となり、1960年まで演奏が禁止された。しかし、戦争の悲惨さを描き、かつての音楽技法を駆使したレベルの高さゆえに最近ではショスタコーヴィチの最も注目すべき作品のひとつとされており、録音の数も増えてきている。

スターリングラード攻防戦の犠牲者への墓碑として、1943年の7月2日から9月9日にかけて、モスクワの「創作の家」で一気呵成に書き上げられた。彼自身戦争に対する思索と戦後への希望を描こうとしたが、悲惨な戦場の報道やニュース映画に触れていたこともあり作品自体が悲劇的な性格となった。

戦局が好転していたこともあって、発表当時評価をめぐって賛否両論となった。作曲家同盟の総会では、チモフェーエフが「前作の勝利の主題が踏襲されず、辛い体験や悪による苦痛とが乗り越えたり打ち勝つこともなく、代わりにパッサカリアとパストラーレに置きかえられている。」との非難を決議する事態となった。ショスタコーヴィチ自身もこのような非難に対する懸念があったのか、発表当時には「赤軍の勝利に関わる喜ばしいニュースの影響がない筈はない。多くの内的な、また悲劇的、ドラマティックな葛藤があるが、全体としては楽観主義的な人生肯定的な作品である」と述べていたり、一方では自作には一切触れることなくペシミズムと偉大な悲劇の相違を力説し、チャイコフスキー、チェーホフ等を例にとって、ソ連で誤解されていることを問題に挙げたりしていた。(この2つの発言は、13年後の1956年にスターリンの死の年に内容的に関係づけられ、作品の意図は訂正された。)

作品は1943年9月21日にまず芸術問題委員会のメンバーに紹介されたうえで、同年の11月14日に、モスクワ音楽院大ホールでエフゲニー・ムラヴィンスキーの指揮するソヴィエト国立交響楽団によって初演された。国外初演は、翌年の1944年の4月2日にロジーンスキー、4月21日にボストンでクーセヴィツキー、5月26日にメキシコでチャベス、7月23日にロンドンでウッドの指揮でそれぞれ行われている。当時の戦況を反映して「スターリングラード交響曲」の名称で呼ばれていた。」(Wikipedia 交響曲第8番 (ショスタコーヴィチ) より )

 

厳しい演奏です。もちろん曲の性格もあるでしょう。そして新型コロナによるパンデミックに直面した指揮の録音、と言う事もあるかも知れません。それにしても見事なアンサンブルと隅々まで指揮者の意思が行き届いた凄みのある演奏です。一瞬の緩みも無い演奏にはただ背筋が伸びる思いがします。この第8番の演奏は作曲者の「7番と8番の交響曲は私のレクイエムだ。」と言う言葉をこれ以上無いくらいリアルに再現してくれていると思いました。

 

 

 

ショスタコーヴィチ : 交響曲第8,9,10番 / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、キリル・ペトレンコ (Shostakovich : Symphonies 8,9,10 / Berliner Philharmoniker, Kirill Petrenko) [2CD+1Blu-ray] [Import] [日本語帯・解説付き] [Live]

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と首席指揮者キリル・ペトレンコによるショスタコーヴィチの交響曲第8,9,10番のボックス・セットが発売されます。2019年8月に行われたキリル・ペトレンコの首席指揮者就任公演をもって、ベルリン・フィルの新時代が始まりました。1972年生まれのペトレンコは、2006年にベルリン・フィルにデビュー。以来、目の覚めるような圧倒的演奏を聴かせ、2015年夏にサー・サイモン・ラトルの後任に選ばれました。両者のディスクとしては、ベートーヴェンやチャイコフスキーのコンサート・レパートリーの礎石となる交響曲や、フランツ・シュミットやルーディ・シュテファンといった現代において正当な評価を受けていない20世紀の作曲家の作品など、ペトレンコにとって重要なレパートリーが収録された「ファースト・エディション」(KKC-9600/6)に続く2作目のボックス・セットとなります。本セットは、新型コロナウイルスのパンデミック中に行われた録音です。

 

 

 

 

好評発売中のそえだ信「赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録」シリーズの第3弾が出版されました!!!

(表紙画像公開されました。正装した凜々しい貴公子ヴォルフと可愛いルートルフ!)

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録3 

 


ルートルフ、ついに正体がバレる!?


7か月かけた数々の発明により困窮する領地を救ったベルシュマン男爵家の兄弟コンビ。ようやく安定した長閑な生活を満喫する一家のもとに、王都の父から手紙が届いた。内容は建国記念祭を見に王都へ来ないかという誘いだった。ウォルフとルートルフは家族と伴に王都へ行くことを決める。
しかし数日後、王都への道中、ルートルフは妹のミリッツァと一緒に謎の男たちに攫われてしまう。護衛の助けが間に合わない絶体絶命の状況に、ルートルフは勇気を振り絞り……!?
さらに、自分が別世界の『記憶』を持っていることをこのまま隠し続けるのは難しいと考えたルートルフは、兄以外にも秘密を打ち明けることを決意して――。
新展開の数々に目が離せない、頭脳派1歳児の本格異世界ファンタジー第3弾。

 

 

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録3 (MFブックス)

 

 

 

 

 

 

 

そえだ信「赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録」シリーズ 1 、2 絶賛発売中!!!

 

 

 

下記リンクから、一部試し読みできます。

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録1
赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録2

 

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録1 (MFブックス)

不作による飢餓、害獣の大繁殖。大ピンチの領地を救うのは、赤ちゃん!?

ルートルフ・ベルシュマンは生後6か月で突然大人並みの意識に目覚め、別世界の『記憶』に何かを告げられるのを感じる。焦らず周りの状況認識と言語習得から始めると、間もなく自分が男爵家の次男であり、領地が困窮していることを知る。領民たちが冬を越せないほどの深刻さに、自分が大人になるまでじっとしていられないと感じたルートルフは、兄のウォルフに自身の正体を明かし、ふたりで領地救済に乗り出そうと決意する。
「ぼく、のこと、ひみちゅ」
ふたりは別世界の『記憶』と『加護』という不思議な力を頼りに、領地に襲い来る問題への対処法を考えていくが……。
秘密を共有した兄弟コンビは無事に男爵領を救うことができるのか?
頭脳派0歳児の活躍とかわいらしさに目が離せない、本格異世界ファンタジー。

 

 

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録2 (MFブックス)

ルートルフがようやく1歳に!! 兄弟コンビの領地復興ストーリー第2弾!

貧乏男爵家次男のルートルフは、別世界の『記憶』を持った頭脳派0歳児。やがて困窮する領民の状況を知った彼は、兄のウォルフにだけ自身の正体を明かして、領地救済に乗り出していく。ふたりは黒パンやコロッケなどを次々と発明し、おかげで領地は危機を脱しつつあった。
そんなある満月の夜、ルートルフとウォルフはオオカミのザムの背に乗せられて、隣のディミタル男爵領へ連れていかれる。森の中に着いたふたりが見たのは、柵に捕われたザムの仲間たちだった! 領地困窮の大きな原因となった害獣大繁殖のカラクリを知ったふたりは、オオカミ解放作戦を開始するが……。
さらに、1歳を迎えたルートルフの前に見知らぬ赤ちゃんが現れて!? 赤ちゃん度MAXでお届けする、領地立て直しストーリー第2弾。

 

 

掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先

 

 

臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい

二月の苫小牧。完全犯罪をもくろむ男が用意した完璧なはずのアリバイは、意外な人物によって崩される。人を【援護/まも】るつもりが、いつも必ず容疑者にしてしまう――史上最も不器用な「探偵」が活躍する、デビュー作『掃除機探偵の推理と冒険』に続く新感覚ミステリ

 

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