ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016) | つぶやキネマ

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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016)

 

 遠い昔、はるか彼方の銀河系で…

銀河のフォースと共振する性質がありライトセーバーのエネルギーでもあるカイバー・クリスタルの研究者だったゲイレン・アーソ(マッツ・ミケルセン)は、その研究が銀河帝国の超兵器開発に利用されている事を知り、帝国から身を隠すため妻ライラ(ヴァリーン・ケイン)と娘ジン(ボー・ガズドン)と共に惑星ラムーで隠遁生活を送っていた。しかし追跡して来た超兵器開発司令官オーソン・クレニック(ベン・メンデルソーン)によって再びプロジェクトへの参加を強要されライラは殺害されてしまが、娘のジンは洞窟に身を潜めて反帝国パルチザンを率いるソウ・ゲレラ(フォレスト・ウィテカー)の救助を待ち難を逃れる。

 15年後、銀河帝国の超兵器デス・スターは完成間近だったが、ゲイレン・アーソは帝国軍のパイロットのボーディー・ルック(リズ・アーメッド)に超兵器の弱点に関する情報を託してソウ・ゲレラに知らせるため脱走させる。犯罪者となっていたジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)はウォバニの帝国労働キャンプから反乱同盟軍によって救出されるが、惑星ヤヴィンの第4衛星の反乱軍基地でゲイレン・アーソの娘である事が発覚、評議会のモン・モスマ議員(ジュヌヴィエーヴ・オライリー)から反乱軍とソウの仲介を要請され、反乱軍諜報員のキャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ)と元帝国軍ドロイドのパイロットのK-2SO(アラン・テュディック)と共にソウ・ゲレラの本拠地がある惑星ナジェダの衛星ジェダに向かう。

 衛星ジェダのジェダ・シティで聖なるウィルズ寺院の守護者のチアルート・イムウェ(ドニー・イェン)とベイズ・マルバス(チアン・ウェン)に出会うが、帝国軍とパルチザンの戦闘に巻き込まれ拘束され一行はパルチザンのアジトへ連行される。ソウ・ゲレラと再会しゲイレンのメッセージを見たジンは、父が帝国軍に気付かれぬようにデス・スターに弱点を仕込んだ事を知る。帝国軍は完成したデス・スターのスーパーレーザーの試射の標的にジェダ・シティを選び一帯は完全に破壊されるが、ジンたちはボーディーを救出し脱出、ソウ・ゲレラは崩壊するアジトと運命を共にする。

 ゲイレンが惑星イードゥの研究施設にいるのを知った反乱軍の命令でジンとキャシアンは救出作戦に出撃、しかしキャシアンは秘密裏にゲイレン暗殺命令を受けていた。デス・スターの機密漏洩の犯人捜索のためイードゥーを訪れたクレニックはゲイレン以外の研究員を皆殺しにするが、反乱軍のXウイング・ファイター部隊が研究施設への攻撃を開始、爆撃に巻き込まれたゲイレンは駆け付けたジンに弱点の設計図データが惑星スカリフにある事を伝え息絶える。

 帰還したジンはデス・スターの脅威と弱点の存在を報告し惑星スカリフへの攻撃を進言するが、反乱軍評議会は情報の真偽を疑い異議を唱え攻撃作戦は却下されてしまう。評議会の決定に落胆したジンに対しキャシアンとK-2SO、ボーディー、チアルートとベイズ、特殊部隊のメンバーたちが決定を無視し共に出撃する事を申し出る。帝国軍の貨物シャトルに乗り込んだ造反部隊に「フォースが共にあらんことを」と語りかけるジン、そして管制塔から部隊のコールサインを聞かれたボーディーは「ローグ・ワン」と答えるのだった…というお話。

 

 ルーカスフィルムがディズニーに売却され新シリーズが始まると聞いた時はいい歳して飛び上がって喜んだが、並行してスピンオフ・シリーズも開始というニュースには「ディズニーならやるよね」というぐらいの感想で、そっちはあまり期待しないでおこうと思ったのだった…過去にトホホなスピンオフ作品の被害(オオゲサ)にあっていたからね。

 新シリーズとして先に公開された「スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015)」は、ルーカスの自己満足でしかなかったアナキン三部作より20倍は楽しめたので、ディズニーもやるなあと思っていた時に公開されたのが本作。ストーリーは「スター・ウォーズ(1977)」の最初の斜め上に流れる字幕で言及されている反乱軍がデス・スターの設計図を入手する迄を描く前日譚で、ラストは第1作に直結しているという情報には思わず興奮。監督は低予算Sci-Fi映画ながら高い評価を得た「モンスターズ/地球外生命体(2010)」と「GODZILLA ゴジラ(2015)」を成功させアメリカ版ゴジラ・シリーズ(モンスター・ヴァースと呼ぶらしい)を始動させたギャレス・エドワーズという事で、今回は「イウォーク・アドベンチャー(1984)」「エンドア/魔空の妖精(1985)」の時のように落胆せずに済みそうだと期待が高まった(注1)。

 

 冒頭の雰囲気やクレニックの乗ったシャトルと惑星ラムーのセット・デザインもシリーズのコンセプトに沿ったまさしく「スター・ウォーズ」なのだが、ルーク三部作の前日譚なのに色調が暗過ぎて少し違和感を感じて不安になる…構図やカメラワークは良いのだが照明や色彩設計が違うのだ。それはキャシアン・アンドーが初登場するカフリーンの環の交易地も同様で、一瞬これはハズレかもと思ったが「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐(2005)」のキャシークの戦いに登場した10輪装甲車HAVwA6ジャガーノートと同型の輸送車HCVwA9ターボ・タンクの登場やヤヴィン第4衛星の反乱軍基地の場面あたりから少しずつルーク三部作の色調に近づけているのがわかりホッとする…ジンの捕らえられている牢屋の格子のデザインまでもがまさしく「スター・ウォーズ」なのだ(注2)。

 

 ジン・アーソを演じるフェリシティ・ジョーンズを筆頭にいわゆる演技派の俳優さんばかりのキャスティングで、アクション系はドニー・イエンぐらいなのも不安材料の一つだったが、みんなアクションもしっかりこなしていて素晴らしかったし、C-3POとR2-D2を合わせたようなドロイドのK-2SOが良い味を出していて要所要所で笑わせてもくれる(注3)。

 

 ソウ・ゲレラの本拠地の衛星ジェダの景観も砂漠に巨大な彫像が埋もれていたりと神秘的な雰囲気たっぷりで良かったのだが、ソウ・ゲレラのアジトにはスター・ウォーズ的なパルチザンのメンバーたちやチューバッカを怒らせたあのゲームの元ネタも登場していて嬉しい…ボーディー・ルックの自白強要に使うの巨大な蛸のような生物はちょっとやり過ぎ。チアルートとベイズは最初の登場場面では作品から少し浮いた存在に見えたがアジトの牢屋の場面あたりからチームにしっかりなじんだ感じになった…監督が意識して演出したのかも知れないなぁ。

 ここからはスター・デストロイヤーやAT-ST等のシリーズおなじみのメカも多数登場しナカナカ楽しいのだが、デス・スターのスーパーレーザーの威力を詳細に観せてくれる映像の凄さに拍手喝采…第一作から付き合ってきたファンはこういうのが観たかったんだよね(注4)。

 

 惑星イードゥの研究施設のシーンでは、冒頭のシーンのように画面が異常に暗くなってスター・ウォーズらしさが減少。シーンごとに照明や色彩設計を変えるのは良いのだがここはもう少し明るくても良かったと思う。ゲイレン・アーソの殺害指令が出ていて狙撃のチャンスがあったのにも関わらず引き金を引かないキャシアンの描写は、反発し合っていたジンへの想いが解るシカケ…キャラクターの心理も何もかも全部台詞で説明しちゃうどっかの国の映画製作者・監督・脚本家にしっかり見て欲しいよね(注5)。

 

 惑星スカリフの場面からはスター・ウォーズの世界感満載で怒涛の勢いでラストへ、ベトナム戦争映画を想起させる白兵戦の場面には「スター・ウォーズ/帝国の逆襲(1980)」で大活躍したAT-ATも登場、反乱軍の総攻撃は「スター・ウォーズ/ジェダイの復讐(1983)」なみの宇宙空間バトルが展開、そして第1作へ繋がるシーンが描かれダース・ベイダーが反乱軍兵士を相手に大暴れ、若きプリンセス・レイアも一瞬だけ登場というルーク三部作のファンには涙モノのラストへ(注6)。

 

 第1作ではデススター設計図を手に入れた事が描かれているので作戦は成功したのは解っていたが、ボーディーやチアルートやベイズ等の仲間たちが次々と倒れて行くので悲劇的な結末に終わるのは覚悟していたものの、まさかジンとキャシアンまでがデス・スターの放ったスーパーレーザーによる爆発に巻き込まれローグ・ワンが全滅してしまうとは予想していなかったのだ(注7)。

 

 本作が予想外に面白かったので翌年公開予定の「スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017)」への期待感が少しだけ高まったが、あんな惨状を観せられるとは思ってもいなかったなぁ。こんな完成度の高いスピンオフ作品ならどんどん作って欲しいと思ったが世の中そう甘くはなかったのであった。

 

●スタッフ

監督:ギャレス・エドワーズ

脚本:クリス・ワイツ、トニー・ギルロイ

原案:ジョージ・ルーカス

ストーリー原案:ジョン・ノール、ゲイリー・ウィッタ

製作総指揮: サイモン・エマニュエル、ジョン・ノール、

ジェイソン・マクガトリン、アリソン・シェアマー

製作:キャスリーン・ケネディ  

撮影:グリーグ・フレイザー

特撮:ILM

音楽: マイケル・ジアッチーノ

 

●キャスト

フェリシティ・ジョーンズ、ディエゴ・ルナ、

ベン・メンデルソーン、フォレスト・ウィテカー、

アラン・テュディック、リズ・アーメッド、

ドニー・イェン、チアン・ウェン

マッツ・ミケルセン、ヴァリーン・ケイン、

ボー・ガズドン、ジュヌヴィエーヴ・オライリー、

ジミー・スミッツ、アンソニー・ダニエルズ、

ワーウィック・デイヴィス、ジェームズ・アール・ジョーンズ

 

◎注1; 

 ストーリー原案を作り製作総指揮とVFX監修を担当したのはルーカスフィルムの特撮工房ILMで1986年から活躍しているジョン・ノールで、スピンオフ・シリーズ製作の話を聞いてルーカスフィルム社長のキャスリーン・ケネディにストーリー概要と自主製作のショート・フィルムを提出したのが映画化決定のきっかけだそうだ。スピンオフ・シリーズ第1作として製作が決まってからも、監督・脚本等のメイン・スタッフがすぐには決まらなかったために、ジョン・ノールが中心になりILMのデザイン部門の仲間たち数人でメカ・デザイン等をスタートさせている…映画製作に対する姿勢が素晴らしいですな。

 「モンスターズ/地球外生命体」を観た(「GODZILLA ゴジラ」は公開前)ルーカスフィルムのスタッフによって監督に選ばれたギャレス・エドワーズは、第1作が撮影されたチュニジアのロケ地を訪れるぐらいのスター・ウォーズのファンで、シリーズで使われた小道具やミニチュアが保管されているルーカスフィルムの倉庫を撮影前に訪れ興奮している映像がメイキングに収録されている。シリーズのファンで作品の細部にまで精通している彼が監督した事で、新しいアイデアを投入しながらも世界観を守った王道のストーリー展開とマニアックなこだわりがバランス良く配分された作品になっていると思う。

 

◎注2;

 この色彩設計や画質、構図・照明やカメラワークは作品の映像的イメージを左右する重大な要素なのだが、最近はシリーズ物なのにその辺にこだわらない監督・製作者が多くて困ったものなのだ。J・J・エイブラムスは「フォースの覚醒」を製作・監督するにあたり徹底的にこだわって、近年はCGを多用する作品では当たり前になっているデジタル撮影ではなく、わざわざ手間が増えて作業効率の悪いフィルム撮影を選択している。

 本作では画質・構図・照明・カメラワークについてはシリーズの雰囲気を踏襲しているが、色彩設計はシーンごとに変えているのでその度に違和感に襲われてしまった…色数を減らす事でCGの作業スピードが速くなる事と関係しているのかも。そんな色調の違和感もおなじみのメカが登場する場面あたりから徐々に変わって行って、惑星スカリフ攻撃の場面からは完全なスター・ウォーズ世界になっていて全く気にならなくなるけどね…ラストからシリーズ第1作へつなぐ事を強く意識した結果だとは思うけどね。

 

◎注3;

 ジン・アーソを演じるのは「博士と彼女のセオリー(2014)」の演技でアカデミー主演女優賞の候補になったフェリシティ・ジョーンズ。ジン・アーソというかなり複雑なキャラクターを演技派らしく見事に魅力的に演じていて、最初は演技派女優の彼女でアクション場面は大丈夫かと思っていたが危険なスタント以外の激しいアクションをきっちりこなしていてホントに素晴らしい…哀しいラストもウェットにならずに凛としているのが素敵です。

 キャシアン・アンドーを演じたのは「天国の口、終りの楽園。(2001)」「ターミナル(2004)」「エリジウム(2013)」等に出演し監督作もあるディエゴ・ルナ。情報漏れを防ぐためには仲間も撃ち殺しジンの父であるゲイレン・アーソの殺害指令も実行しようとする非情なスパイながら、そんな自身の境遇に対しての怒りも抱えているというキャラクターを、終始暗い表情でクールに演じきったディエゴ・ルナに驚嘆…メイキングにフェリシティと笑い合うオフ・ショットが収録されていて何だかホッとしてしまった。

 キャシアンにメモリーを消去され相棒になった帝国軍セキュリティ・ドロイドのK-2SOを演じたアラン・テュディックは声優だけでなくCG作成のために演技をしてます(モーション・キャプチャー)…共演者の目線を合わせるために長い棒の先に顔写真を貼ったリュックを背負わされて凹んでたのが可笑しい。テュディックはテレビ・シリーズ「ファイヤーフライ 宇宙大戦争(2002~2003)」とその映画化作品「セレニティー(2005)」で人気俳優となり「42 ~世界を変えた男~(2013)」「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015)」等の話題作にも出演、「アイス・エイジ・シリーズ」「アイ,ロボット(2004)」「アナと雪の女王(2013)」「ベイマックス(2014)」等で声優として大活躍、テレビ・シリーズ「レジデント・エイリアン ~宇宙からの訪問者~(2021)」では主演を務めた。

 ゲイレン・アーソを演じたマッツ・ミケルセンは、プロのダンサーとして10年間活躍後の「プッシャー(1996)」で劇場映画デヴュー、「007/カジノ・ロワイヤル(2006)」で世界的に注目され、テレビシリーズ「ハンニバル(2013~2015)」ではハンニバル・レクター博士を演じている…存在感抜群で何を考えているか解らない博士役がハマってました。

 オーソン・クレニックを演じたベン・メンデルソーンは、あまり使えない奴なのに自信家という困った司令官を上手く演じていて、こういう演技派が脇を支えると作品に厚みが増しますね。「バーティカル・リミット(2000)」「ノウイング(2009)」「ダークナイト ライジング(2012)」「 エクソダス:神と王(2014)」等に出演、近年は「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男(2017)」「レディ・プレイヤー1(2018)」「キャプテン・マーベル(2019)」等々出演作も多く大活躍。

 ソウ・ゲレラを演じたフォレスト・ウィテカーは、舞台やテレビ・ドラマの俳優から「初体験/リッジモント・ハイ(1982)」で劇場映画デヴュー、「プラトーン(1986)」「グッドモーニング, ベトナム(1987)」「クライング・ゲーム(1992)」「ブローン・アウェイ/復讐の序曲(1994)」「スピーシーズ 種の起源(1995)」「パニック・ルーム(2001)」等に出演、「ラストキング・オブ・スコットランド(2006)」ではアカデミー主演男優賞を受賞している。ソウ・ゲレラはアニメーション・シリーズ「クローン・ウォーズ(2008~2013) 」に登場しているが本作のフォレスト・ウィテカーとはかなり雰囲気が違う。アナキン三部作に登場した独立星系連合のテクノ・ユニオンのワット・タンバーによく似た甲冑姿で、ダース・ベイダー同様に体の大部分が機械化されているために呼吸器や生命維持装置が必要、本作で初めて見るファンのためにはそんなバック・グラウンドについてもう少し描写が欲しかったですな。

 ボーディー・ルックを演じたリズ・アーメッドはイギリス人俳優、「グアンタナモ、僕達が見た真実(2006)」で劇場映画デヴュー、「ナイトクローラー(2014)」「ジェイソン・ボーン(2016)」等に出演、主演を務めた「サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2020)」ではイスラム教徒としては史上初のアカデミー主演男優賞候補になった。ラッパーとしてシングルとアルバムも発表している。

 チアルート・イムウェを演じたドニー・イェンは体育学校で約2年ジェット・リーと共に武術を学び、武術大会で優勝し「ドラゴン酔太極拳(1984)」で香港映画界でデヴュー、「ハイランダー/最終戦士(2000)」「ブレイド2(2002)」では俳優兼アクション指導としてハリウッド映画にも進出、ブルース・リーの師である葉問(イップ・マン)を演じた「イップ・マン 序章(2008)」は世界的に注目されてシリーズ化され、「孫文の義士団(2009)」「モンキー・マジック 孫悟空誕生(2014)」「アイスマン(2014)」等に出演。暗いトーンが続く本作の中で、ドニー・イェンの笑顔が良いコントラストになっているし、彼の提案した盲目の戦士というアイデアが採用されアクション演出もしていて、登場した時は少し違和感があったものの観賞後には最も印象に残るキャラクターの一人に。

 ベイズ・マルバスを演じたチアン・ウェンは「悲劇の皇后 ラストエンプレス(1986)」の溥儀役で劇場映画デヴュー、「紅いコーリャン(1987)」では主演を務めた。「芙蓉鎮(1986)」「宋家の三姉妹(1997)」「ヘブン・アンド・アース 天地英雄(2003)」等に出演し監督作品も「ニューヨーク、アイラブユー(2009)」等7本ある。本作では演技や存在感が抜群でドニー・イェンとのコンビネーションも最高でした…マイペースなチアルートにいちいち文句言いなが従ってしまうのがなんとも可愛い。

 

◎注4;

 第1作でピーター・カッシングが演じたモフ・ターキン総督がCGで登場したのには吃驚、しかもこれがなかなか良く出来ていてCGモデリングとモーション・キャプチャーの組み合わせでここまでの完成度は凄い…ピーター・カッシングは1994年に亡くなっているので出演作を参考にしてガイ・ヘンリーが演じているのだが、第1作の時に撮影したアーカイブ映像が一部使われているようだ…見ただけではわかんないんだけどね。

 ルーク三部作ではデス・スターが惑星を破壊する威力を示しただけだったが、本作ではスーパーレーザーの威力を調節出来るという設定で、衛星ジェダのジェダ・シティが破壊されていく様子を克明に描いていて凄いです…そこからの危機一髪な脱出はシリーズ定番なのが嬉しい。そして「最後のジェダイ」を準備中だったライアン・ジョンソン監督とプロデューサーのラム・バーグマンのふたりがスーパーレーザーのオペレーターで出演してるのだがヘルメット装着なので言われてもわからない…ソウ・ゲレラのパルチザンのメンバーのウィーティーフ・シユビー役でスター・ウォーズ・シリーズ皆勤賞のワーウィック・デイヴィスが出演、特殊メイクのマスクをかぶっているのでこちらも言われてもわからない。

 

◎注5;

 最近の映画製作者や監督は、彩度を落とし画面を暗くすると高尚な作品に観えると勘違いしているのか、やたら地味な色調で暗い画面の作品が増えているのが困ったモノ…おまけに内容がスッカスカではねぇ。

 キャシアンがゲイレン・アーソの狙撃をためらう場面は冷酷非情な反乱軍スパイとして生きて来たキャシアンの心境の変化が明白になり、父ゲイレンが言い残したデス・スターの弱点を示す設計図を奪うための作戦を認められず落胆するジンに協力を申し出る場面で活きて来る。そんなキャシアンに目を輝かせるジンの表情やその後の描写で、口に出さずとも無意識に惹かれあって行くのが伝わって来て、ラストで抱擁しあう二人が爆発に飲み込まれていく描写はなんとも言えない気分に襲われる…この二人だけでも助かって欲しかったと思わずにはいられないのだ。

 

◎注6;

 惑星スカリフ攻略の場面からは画質・構図・照明・カメラワークも完全にルーク三部作を踏襲していて、なおかつ新しいメカも投入という素晴らしい展開。潜入したジンとキャシアンをサポートし大立ち回りを観せてくれたK-2SOが自己犠牲を発揮してドアをロックし破壊されてしまう場面はめちゃくちゃ悲しい…イイ奴の悲劇的最期ほど辛いモノはないデス。設計図のデータを入手する場面では演技派フェリシティ・ジョーンズのアクションがたっぷり…高所恐怖症には辛い場面が続きます。

 白兵戦の場面でのチアルートとベイズの大活躍は最期は別にしてニコニコしてしまいますが、ボーディー・ルックのちょっとしたポンコツぶりも楽しい…身を挺してアンテナを起動し爆死してしまうのが悲し過ぎます。 

 反乱軍艦隊が集結しての宇宙空間バトルは「これこそスター・ウォーズ!」と言わんばかりの大サービス。ハンマーヘッド・コルベット・クルーザーがスター・デストロイヤーに体当たりしてバリアを破壊する場面は思わず力が入る。シールドを攻撃する舞台のパイロットとして第1作に反乱軍パイロットのレッド・リーダー役ドリュー・ヘンレイが当時のままの姿で登場していて吃驚…第1作のストック・フッテージをCG合成したらしい。そしてレイアの乗るブロッケード・ランナーを発進させる反乱軍兵士役を監督のギャレス・エドワーズが演じているらしい…そんなのわからんよね。

 若きプリンセス・レイアはターキン総督と同じ方法でCGキャラクターとして作成されて登場しているが、CGっぽさが拭い切れずその完成度はイマイチでちょっとガッカリ…ライティングを工夫すれはもう少しリアルになったと思うんだけどねぇ。

 

◎注7;

 本作は魅力的なキャラクターばかりだったのでスピンオフで前史が描かれると良いのにと思っていたら、早速スピンオフ・ドラマ「キャシアン・アンドー」が2022年9月からDisney+で配信開始のニュース。本作で素晴らしい演技を披露していたディエゴ・ルナが主演というのも嬉しい。全12話で配信のみらしいのだがBlu-rayも発売して欲しい。

 

 

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