スター・ウォーズ/ジェダイの復讐(1983) | つぶやキネマ

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140文字以内(ぐらい)という制約を自ら課して、
"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★


スター・ウォーズ/ジェダイの復讐(1983)


 ダース・ベイダー(デビッド・プラウズ)が指揮を執る
銀河帝国軍は、共和国軍に破壊されたデス・スターを惑
星エンドアの軌道上に再建していた。新しいデス・スタ
ーは以前のそれより大きさは2倍、惑星の破壊も可能な
スーパーレーザー砲の破壊力は数倍という究極兵器で、
すでに半分以上建造が進んでいた。C-3PO(アンソニー
・ダニエルズ)とR2-D2(ケニー・ベイカー)は、カーボ
ン凍結されジャバ・ザ・ハット(ラリー・ワード)に引き
渡されたハン・ソロ(ハリソン・フォード)の返還交渉の
ためのルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)の特
使として惑星タトゥーインのジャバ・ザ・ハットの宮殿
を訪れるが、まったく相手にされず奴隷ロボットとして
酷使される事になる。賞金稼ぎブーシがチューバッカ
(ピーター・メイヒュー)を連れて現われジャバ・ザ・ハ
ットの一味に加わるが、ブーシはハン・ソロ救出のため
に変装して侵入したプリンセス・レイア・オーガナ(キャ
リー・フィッシャー)で、ジャバ・ザ・ハットに変装を見
破られ彼女も捕虜になってしまう。さらに、直談判に現
われたルークもジャザ・ザ・ハットの罠に掛かり捕虜に
され、彼らは砂漠に棲むサーラックの生賛にされる事と
なるが、宮殿の衛兵に化けて潜入していたランド・カル
リシアン(ビリー・ディー・ウィリアムズ)の援護でジャ
バ・ザ・ハット一味を撃退する。共和軍に合流するレイ
アたちと別れて惑星ダゴバに向かったルークはジェダイ
の師ヨーダ(フランク・オズ)と再会し、ダース・ベイダ
ーはルークの父である事を知らされる。900歳の師ヨー
ダは死の床でルークが真のジェダイ騎士になるにはダー
ス・ベイダーとの対決が必要な事を告げて息を引き取る。
そして霊体となったオビ=ワン・ケノービ(アレック・ギ
ネス)が現われ、ダース・ベイダーはルークの父アナキン
・スカイウォーカー(セバスチャン・ショウ)で、皇帝パ
ルパティーン(イアン・マクダーミド)によってフォース
の暗黒面に引き込まれシスの暗黒卿になった事、レイア
がルークの双子の妹である事を明かす。惑星ダゴバを発
ったルークは共和軍に合流するが、新しいデス・スター
は惑星エンドアから放射されるエネルギー・シールドに
よって守られている上に建造を加速しているのだった...
という、「スター・ウォーズ(1977)」から続く3部作の
完結編であります。前作「帝国の逆襲(1980)」はストー
リーも面白く映画としての完成度も高かったし、提示さ
れた謎がどういう展開になるのかという興味から過度に
期待していたのも影響しているとは思うが、観賞後はか
なりガッカリな気分で帰宅したのを記憶している(注1)。
冒頭のジャバ・ザ・ハットの宮殿の場面はいかがわしい
雰囲気タップリで、宮殿の巨大な扉と怪しげな内部、ジ
ャバ・ザ・ハットや配下たちのデザインと造形等ナカナ
カ楽しいのだが、中でも史劇のヒロインのようなプリン
セス・レイアの露出の多い衣装にはニコニコしてしまう。
しかし、この登場するキャラクターが次々捕虜になって
しまうパートの"だんご三兄弟"のような串刺しの構成は
もう少し何とかならなかったのかという思いが強く、砂
漠でのジャバ・ザ・ハットの一味との対決も何となく物
足りなさが残る...デザインが格好良くてファンに人気が
あった賞金稼ぎボバ・フェットがあっさりやられてしま
うのも残念であります。惑星ダゴバでは、ルークの父ア
ナキンと双子の妹レイアについての謎が明かされるが、
台詞で語られるだけなのも寂しいしリチャード・マーカ
ンド監督の演出も凡庸で「俺たちの膨らみきった期待感
を返してくれぇ」と言いたい気分。そしていよいよデス
・スター攻撃が始まるのだが、締まりのない作戦会議の
後、惑星エンドアのエネルギー・シールドを破壊するハ
ン・ソロの地上部隊とランド・カルリシアンのデス・ス
ター攻撃部隊のふたつにストーリーが分岐してしまい、
さらに途中からはルークとダース・ベイダーの対決スト
ーリーも加わり、三つのストーリーが影響し合って同時
進行するという散漫な構成になるのがホントに勿体ない。
色々盛り上がった所で他のストーリーに切り替わり気分
を削がれてしまうのはホントに最悪です...ジョージ・ル
ーカスは複数の話が同時進行するような複雑な構成が好
きなようだが、上手く行ったのは青春群像劇「アメリカ
ン・グラフィティ(1973)」ぐらいなんだよなぁ。特撮ス
タッフが頑張ったデス・スター攻撃の場面はホントに素
晴らしいのだが、ルークとダース・ベイダーの対決は、
父と戦わなければならなくなったルークの哀しみをもっ
と掘り下げて欲しかったし、皇帝パルパティーンの死に
様はもっと他のアイデアは無かったのかと説教したくな
る。本作は全体的に"演出不在"な感じで、俳優が演じる
ドラマ部分の演出や撮影に工夫が足りずホントにつまら
ないのだ。「針の眼(1981)」が素晴らしかったリチャー
ド・マーカンド監督には、こういうタイプのSci-Fi大作
は荷が重過ぎたのかもしれない。そして個人的に勘弁し
て欲しいなぁと思ったのがイウォークの存在だった。ア
メリカのSci-Fi映画専門誌にスクープとして熊のヌイグ
ルミのイラストが載った時から嫌な予感がしていたのだ
が、残念な事に予感は的中、顔のパーツ等細部はかなり
良く出来てはいるのだが、どう観てもテディベアのヌイ
グルミであります...足の裏なんか泣きたくなります。ジ
ョージ・ルーカスの構想の基本は、原始的な先住部族が
最新兵器の軍隊を撃退するというもので、黒澤明の「七
人の侍(1954)」やベトナム戦争をイメージしていたよう
だが、スピード感と迫力タップリのスピーダー・バイク
の追跡劇等、それまではギリギリ大人の鑑賞に堪えるレ
ベルを維持していたのに、イウォーク=テディベアのヌ
イグルミの登場で一気にお子様映画の雰囲気になってし
まう。銀河帝国地上軍との戦闘場面ではC-3POとR2-D2
に代わってコメディ・リリーフの役を演じるのだが、ベ
タなギャグばかりであまり笑えないのが困ったモノなの
だ。という事で色々釈然としないままスカイウォーカー
家の悲劇はハッピーエンドを迎えたが、前史が描かれる
という次の3部作にはあまり期待しないでおこうと思っ
たのであります...16年も待たされるとは予想出来ません
でしたが。


●スタッフ
監督:リチャード・マーカンド
製作:ハワード・カザンジャン
共同製作:ロバート・ワッツ
製作総指揮・原案・脚本:ジョージ・ルーカス
脚本:ローレンス・カスダン
撮影:アラン・ヒューム
音楽:ジョン・ウィリアムズ


●キャスト
マーク・ハミル、ハリソン・フォード、
キャリー・フィッシャー、アンソニー・ダニエルズ、
ビリー・ディー・ウィリアムズ、デヴィッド・プラウズ、
ピーター・メイヒュー、ケニー・ベイカー、
フランク・オズ、アレック・ギネス、
イアン・マクダーミド、セバスチャン・ショウ、
ワーウィック・デイヴィス、
ジェームズ・アール・ジョーンズ


◎注1; 本作のサブ・タイトルはジョージ・ルーカスの
脚本では「ジェダイの帰還/Return of The Jedi」だっ
たが、監督の助言で「ジェダイの復讐/Revenge of The
 Jedi」に変更、公開直前に「ジェダイは復讐はしない」
という考えから最初の「ジェダイの帰還」に戻した。日
本では「ジェダイの復讐/Return of The Jedi」という形
で公開され「特別編」もそのままだったが、2000年に行
われたファンの署名運動をきっかけに2004年の「スター
・ウォーズ・トリロジー DVD-BOX」の発売時から「ジ
ェダイの帰還」へ改題されています。1997年公開の「特
別編」での大きな変更点は、ジャバ・ザ・ハットの宮殿の
バンド演奏場面の精巧なパペットで表現されていた歌手を
CG歌手に変更し、追加撮影によってダンサーを増やして
加え、音楽も原始的な雰囲気を残した電子音楽という曲調
からジェリー・ヘイ作曲のR&B風のモノに差し替えられ
ている。CG歌手はコンセプトが違い過ぎで作品から浮い
てしまっているし、何より限られた予算と技術で可能な限
りの表現をした当時の特撮スタッフへの敬意が感じられな
い...曲も最悪です。砂漠に棲息する怪獣サーラックが、ほ
とんど動きの無かった元の映像にCGで"可動部分"が付け
加えられている...「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ(19
86)」の花のオードリーみたいで笑ってしまうが、個人的に
は戦闘中浮遊感ゼロの飛行艇スキッフを何とかして欲しか
った。ラストの惑星エンドアでの戦勝祝賀会の曲が、原始
的なイウォークの合唱のような雰囲気の曲調から明るく軽
いオーケストレーションのムード・ミュージック(死語)風
のモノに差し替えられている。この変更は、CGで描かれ
た共和国軍の勝利に湧く雲の惑星ベスピンや砂漠の惑星タ
トゥイーン、旧3部作では登場していない惑星コルサント
の模様が追加された事と関係している。シリーズの完結編
としては理解出来なくもないのだが、この曲も直前までの
曲調と違和感があるのだよ。どうせ修正するなら、死に瀕
したアナキンのダース・ベイダー・マスクの顎のパーツが
カットが変わると有ったり無かったりするのを直して欲し
かったデス。本作の「特別編」はさらに厄介な事になって
いて、DVD化の際に惑星エンドアでの戦勝祝賀会に惑星ナ
ブーの様子が追加されているし、ラストでフォースと一体
化したアナキン、ヨーダ、オビ=ワンがルークの眼に映る
のだが、劇場公開された特別編では特に変更はなく本作で
マスクを外したダース・ベイダーを演じたセバスチャン・
ショウが登場しているのに対し、DVD版やBlu-ray版では
若き日のアナキンを演じたヘイデン・クリステンセンに差
し替えられている。ジョージ・ルーカスの"屁理屈"では、
フォースとの一体化はジェダイだった時の姿になるという
事なのだが、オリジナル版では自らの命を賭けて皇帝を投
げ捨てルークの危機を救った事でジェダイに"帰還"したハ
ズだったのにねぇ。さらにBlu-ray版では、ジャバ・ザ・
ハットの宮殿のシーンに「エピソード1 ファントム・メナ
ス(1999)」に登場しポッド・レースで少年アナキンと対決
するセブルバが加えられている。旧3部作の「特別編」は、
新3部作の製作を前提にして製作されたため、ダース・ベ
イダーの秘密やジャバ・ザ・ハットの実態等、旧3部作の
"お楽しみ"がかなり犠牲になっているのが残念。映画とい
う"芸術"を大切に思うのなら、こういう"商売"はホントに
止めて欲しいですな。


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