人生捨てていつまでも夢を追い続ける姿って格好いい? | 皆見つかさ 公式ブログ 〜ソロアーティストの脳内と日常

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この記事は6214文字です。(読破予想時間:約14分47秒)

 

夕べ、ある方のブログのコメント欄で会話をしたのですが、その方がこんな事をおっしゃられてました。

 

「みっともなくても何でも最終的にはやり続ける事がカッコいいと思う事にしている」と。

 

これは、本当にたまたまなのですが、この言葉だけを取り上げれば、僕が一週間程前に思いついてブログ記事にしようとしていたテーマそのものなのです。

 

この方のおっしゃる台詞は、本当にその通りだと思います。

 

しかし、今回は、同じ様な言葉でもかなり違う意味での「続ける事」がデーマです。

是非、じっくり読んで頂きたいと思います。

 

 

僕がこの記事を書くに当たって最初に頭に浮かんだのはこういう疑問だ。

 

歳をとって、例えば70歳を過ぎて尚、夢を追い続ける男はかっこいいか?」って話である。

 

勿論、夢を追い続ける段階ではなく、ミュージシャンとして地位も名声も確立した70を過ぎたミュージシャンなら、世間からは、たくさんの尊敬の眼差しを向けられだろうし、「カッコいい」と言う人もたくさんいる筈である。

 

ちなみにここでは、どんなビッグな人も、音楽家である限り、未だ夢を追い続けているとか何とか、そう言う突っ込みはナシにして貰いたい。

 

ここで言う夢を追い続けると言うのは、名もない若いバンドマン達が「絶対に売れてやる!」と言ってメジャーデビューを目指す様な、そんな夢だ。

 

それを70を過ぎた売れもしない無名の老人が、まだそんな事を言い続けていたらどうか?と言う話だ。

 

 

僕がまだ二十歳くらいの時の、音楽で売れるの売れないのと言う将来の夢を2つ程下の後輩と語り合ってた時の会話のやりとりだ。

 

皆見「爺さんになっても、いつか売れてやる!なんてまだ言い続けてたりして。(笑)」

 

後輩「かっけぇー!俺、そんな爺さんになりたいっすよ!」

 

当時は二人ともまだまだ若くてガキだった。

 

若者には、その爺さんの人生なんて、何時間考えたって想像なんてつかないし、つく筈もない。

 

今もし、そんな会話を目の前で繰り広げる若者がいたなら、僕は彼らにこう言いたい。

 

適当な事言うな!カッコいい訳ないだろ!

 

想像力も働かず、その事実だけを見れば、何となく凄い事だと思えてしまうのは確かだ。

 

ただ、本当に凄いかどうか、カッコいいかどうかは内容によって変わる。

 

音楽って、上手い下手を言われる段階を過ぎて(いつまでもそんな評価ばかりする人間もいるが)、ある一定のレベルに達すると、聴いた人がそれを好きか嫌いかと言う次元に変わる

 

長年やってても、ヘタクソのままで、センスもなく、その爺さんの音楽は人々から好き嫌いを言われる以前の問題だった場合、それをカッコいいとは僕は思わない

 

もし、その歳でそんな状態であるのなら、考えられるのは大きく分けて2つだ。

 

1つ目は、彼は、やるべき事から逃げて何の努力もせず、音楽的な努力すらせず、ただ音楽に逃げ込んでいただけの人物だと言う事。

 

いわゆる、現実逃避だ。

 

二つ目は、その歳でその状態であるならば、彼はきっと音楽に向いていなかったのだ。

 

生まれてきた意味が全ての人にあるのなら、それを使命と呼ぶのなら、彼は使命も全うせず、自分の使命でもない好きな事だけをやり続けた罰当たりな人間だと言える。

 

 

ただ、今の歳だからほんの少しだけ想像がつく様になったのだが、70歳を過ぎて、音楽だけをやり続けると言う事は、本当に大変だし、とても難しい事で、半端な苦労ではない筈である。

 

この場合、冒頭で「売れてやる!」と言ってる爺さんと言う前提があるので、定職を持って働きながら、趣味程度に生涯、音楽をやり通したとかそんな話ではないと言う事を改めて念押ししておく。

 

まさに、いろんなバンドマンが若いうちに就職もせず、バイトで食いつないだりしながら、売れる事を夢見てバンド活動を続けるその様を、老人になっても続けていると言うシチュエーションである。

 

その苦労を思うとそれはそれで「ある意味凄い事」だとは心底思う。

 

しかし、それが本当の意味で凄いかどうかとか、格好いいかどうかとなると、それを見た世間のほぼ全部がそうは思わない筈だ。

 

今の自分の年齢でも、自分の事を、きっと「こいつはバカだ」と思っている人間がたくさん存在するであろう事は想像に容易い。

 

それどころか、20代後半が来る頃には、既に、世間から全面否定される事なんて当たり前の様にあった訳で、「いい歳して、いつまで夢を追いかけているんだ!」などと、親戚の叔父などから顔を合わせる度に、説教された事は今でも覚えている。

 

その叔父にお金を借りた訳でもないし、子供時代に特別に世話になった覚えもないのだが、顔を見る度に「情けない奴だ」だとか「困った奴だ」的な事を言われたものだ。

 

でも、これはその叔父が特別な訳ではない。

 

これが世間の一般的な評価なのだ。

 

僕は、それに対しては文句もなければ恨みもない。

 

何故なら、そんな事は覚悟の上で人生の選択をしてきたからだ。

 

そんな20代だったが、若いと言う事は、世間が許容してくれている部分も実はかなり大きい

 

そして、お金を稼ぐのだって困らない

 

更に言えば、音楽業界だって、アピール方法が正しければ、しっかりこっちを見てくれる

 

ただ、歳と共にそれは、段々崩れていくものなのだ。

 

お金を稼ぐ方法はだんだん狭くなってくるし、流石に、70代の老人のデモ音源なんて、業界に送り付けた所で聴いて貰えるかどうかさえ怪しいもんだ。

 

そして、現実にその老人の姿を見て、僕の後輩の様に「かっけー!」などと言う人間も、尊敬する若者も、間違いなく皆無だ。

 

更に言うと、その人間を見てきっと、「かっこ悪りい」とすら思うのが普通だろう。

 

現実に見るのと、想像するのでは、全然違うと言う事だ。

 

 

だがしかし、もし、この老人が「もしや、名の有る方ですか?」と問いたくなる程の音楽性とパフォーマンスを発揮出来るのなら話は別だ。

 

そんな老人のステージを見せられたら、おそらく大抵の人間は「かっけー!」となるのではないだろうか。

 

だが、ほとんどの人間は、彼がステージでどんなパフォーマンスを見せるのかを知る訳はないので、基本的には、ご近所さんや世間からは冷たい目で見られる。

 

そこは、上手かろうがそうでなかろうが、世間から見れば、ただのどうしようもないダメ人間で、格好悪い老人なのである。

 

しかし、70過ぎて無名の老人がステージ上でそこまでのハイパフォーマンスをするなど、そんな事は夢物語の様な話であり、ほとんどの人間はそこへ辿り着く遥か手前で、年齢を理由に辞めていく。

 

或いは、続けていると言っても、普通に就職して普通に家庭を持って、その余暇で音楽活動を楽しむだけの人生にスイッチしているかのどっちかである。

 

中には覚悟を決めて、生涯、音楽の道で生きていくと決める者もいるが、かなり稀だ。

 

長年、やってると流石に、大抵の人間は、音楽で稼ぐ事も出来るくらいの技術は身に付くものだ。

 

僕も、音楽をお金に換えて生きてた時期はある。

 

しかし、クリエイター業だったり、人に歌や楽器を教えたりする事が、精神的に長くは続かないと言う人間もいる。

 

 

僕もその両方を経験して続かなかったその一人だ。

 

ミュージシャンの自殺者は、実感ではけっこう多い。

 

 

前にも書いた事があるが、例え、プロになって有名ミュージシャンになっても、食べてもいけず、もう引き返す事も出来ず、将来の不安に耐えきれなくなるのだろうか。

 

中には精神崩壊する人間もいるだろう。

 

今、僕自身が壊れているかどうかは分からない。

 

でも、きっとまともではない。

 

 

この「かっこ悪い老人」の死後、この話を、本にしたり、テレビのドキュメンタリーで描いたりすると、きっと、「凄い人だ!」などと言う人間も相当数出てくる事だろう。

 

しかし、現実にリアルタイムで近所にこんな老人がいたとしても、誰も、そんな事は思わない筈だ。

 

世間なんて無責任であり、ま、そんなものである。

 

それに文句などないが。

 

「音楽で一生やっていく」のと「音楽を一生やっていく」のとは、全く意味が違う。

 

「音楽を一生やってく」だけなら、それはそんなに難しい事ではないし、他人からとやかく言われたりする事でもない。

 

現実にそんな人はたくさんいる。

 

しかし、「音楽で一生やっていく」には、それ相応の覚悟と言うものがいると僕は思う。

 

僕は昔から、音楽で一生やっていくにはどうすればいいだろうか?と言う事ばかり考えながら作戦を立てたり、作戦を変更したりと、いろいろ工夫しながら生きてきた。

 

今も勿論そうである。

 

その中身の全てを今は公表する気はないが、バックグラウンドではいろいろ実際に動いている。

 

自分が崩壊するのが先か、成功するのが先か、いつの間にか僕は知らない内にいわゆるチキンレースをやっていたのではないかと思わせる気分だ。

 

それ相応の覚悟を持って、音楽1本でやっていこうと決めたのは事実であるが、その覚悟の重さは年々少しずつ重くなっていく

 

そして、ある一定の時期を過ぎると、倍々ゲームの様に、その重さは急激に本人にのしかかる

 

僕の未体験ゾーンであるこの先、更に厳しいものになるだろう。

 

別に泣き言を言ってる訳ではない。

 

ほとんどのミュージシャン志望の人間が、リスクの少ないまだまだ若い時代には、その実感も少なく、簡単に「音楽で一生やってく」などと決めてしまう。

 

その時は、「簡単に」だなんて勿論思っていないし、その時なりの相当の覚悟ではあるのだ。

 

だがしかし、音楽をやっている売れない若いバンドマンやミュージシャンなんて、その覚悟が緩く、最初から「30歳までに売れなければ辞める」などとリミッターをかけている人間の方が圧倒的に多い

 

そして、現実にそのほぼ全てが、どこかでリタイヤして、ごく一般的な人生を送る事になる。

 

あとは、引き返せない所まできてしまった人間がどうするかだ。

 

引き返せないと言っても、チキンゲームから降りて、残りの人生を細々と過ごすだけなら可能だろう。

 

しかし、それはここまでの人生を無駄にした事を意味するのと同時に、「今までの自分の生き方は間違っていた」だとか、「自分は人生に敗北したのだ」と自分のこれまでの人生を否定する事にも繋がる訳で、深く深く落ちていく人間も多い筈だ。

 

故に、そこまで来た者は誰も引き返す事は出来ないし、簡単には立ち止まる事も出来ないのだ

 

だからどうだとかって結論は、この話にはない。

 

これは、いつもの事だ。

 

しかし、結論めいた事を一つ言うとするならば、こんな生き方は決してカッコいいなんて、やってる本人はこれっぽっちも思っちゃいないって事だ。

 

他の奴がどうなのかなんて知らないし、知った事でもない。

 

つまり、タイトルにある様な、いつまでも、すなわち老人になってもいつまでも夢を追い続ける様な姿がカッコいいなんて、幻想にすぎないって事だ。

 

今更だが、この「夢」と言うのは、音楽の世界で老人がメジャーを目指し続けてる様な話限定だ。

 

でも、僕自身は、スターになりたいと思った事もないし、ただただ、一生音楽でやっていくにはどうすればいいのか考えながら、歩を進めているだけなのだ。

 

勿論、この先、自分がどうなってるかも分からない。

 

突然、何かを思い立って、チキンゲームを終わらせるかもしれないし、音楽人生がそれなりに軌道に乗り始めるのかもしれないし、本当にこの先は闇だ。

 

 

この話は、ここで一旦終わりになりますが、これは愚痴でも泣き言でもありません。

 

僕は、今までにそんな歳まで、「売れてやる!」なんて言って、音楽一本で生きようとしている老人は見た事も会った事もないし、自分と似た様な歳でこんな事をやっているのも、過去に見た事はありません。

 

自分と似た様な歳の人達がこんな事をやってる姿を見る様になったのは、自分の世代くらいからなんじゃないでしょうか。

 

つまりは、自分と同じ様な時期、時代に、同じ様に覚悟を決めてこの世界に入った人達だ。


その前の時代には、ほとんどいてなかったんじゃないでしょうか。

自分より上の世代となると、たくさんの方が音楽を続けてますが、音楽一本と言う訳ではなく、せいぜい音楽中心に生きておられるくらいの感じでしょうか。

 

それはそれで素晴らしい事だと思いますが。


僕の昔の仲間に、ライブハウスやスタジオを経営しながらバンド活動を続けてるって奴がいますが、僕はこれも違うと感じています。

あくまで、僕の人生としてであって、他人の生き方や価値観を否定してる訳ではない事を理解して頂ければと思います。

僕も、音響屋で働いてた時代に、PAやスタジオ業務やライブハウスのスタッフの様な事をしていた経験がありますし、その昔の友人と同じ様な事は考えました。

しかし、僕は、裏方は出来ないとその仕事で痛感したのです。

裏方が出来ないその理由は下記記事にありますので、興味があれば是非。

 


それに、僕自身の中では「例え売れなくても、一生、音楽をしながら、音楽業界に居続ける事が出来るし、仕事もキープ出来る」と言う、逃げの様な甘えの様な感覚があって湧いた発想が、ライブハウス経営やスタジオ経営だった訳です。

勿論、僕限定の話です。

 

このあとがきは、そうして今に至ると言うだけの話です。

 

いろいろ訊きたい事がある方もいらっしゃるかもしれませんが、書いてない事は、敢えて言わない事だったり、言いたくない事だったりってありませんか?

 

なので、基本的にブログに書いていない、プライベートな質問には受け答え出来ないと思って下さい。(´0ノ`*)ナイショ

 

僕も、プロフィールに仕事を書いてないミュージシャンに「何をして食べてるんですか?」とか、年齢を公表してない人に「何歳なんですか?」などとは訊かない様にしています。(笑)

 

ま、余談ですが、それがマナーだと思ってますから。

 

まとめると、結局、音楽で一生やっていこうと思うのなら、最低限、人から蔑まれる覚悟くらいは絶対にいるよって話です。

 

こんな生き方が格好いい様に見えるのは、最初だけで、決してカッコいいものでもありませんから。

 

格好つけたいだけなら、他の方法を選んだ方が絶対にいいと思います。

 

 

それでは今回はここまでで。

 


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