(お知らせ)
「さとりをひらいた犬」が Audible になりました。
予約販売が開始されました。
ジョンやゾバック、クーヨやシャーレーンなどのキャラクターたちが、音声になって飛び出してくるということを想像するだけで、言葉にできない思いが湧き上がってきます。
★3月の脳の【開頭手術レポート】はこちら
②開頭手術
「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」無料公開です。
もう読んだ方も、そうでない方も、お楽しみいただければ嬉しいです。
最初からお読みになりたい方は、こちらからお読みくださいね。
本で読みたい方は。
「さとりをひらいた犬」はこちらから
第1章「旅の始まり」
第2章「三つの存在」
第3章「恐れ」
第4章「エゴ」
第5章レグードゥの森
第6章女神シャーレーン
本で読みたい方は。
㊴第6章:女神シャーレーン
薄暗い森の中をくねくねと歩くと、目の前に洞窟が現れた。
ヴェルキンは何も言わずに洞窟の中に歩いていく。
数十メートルほど歩くと、干草の敷き詰められた空間に出た。
その中心が光っていた。
なんだ…?
なにが光っているんだ?
目を細めて洞窟の中心を見た。
すると、その光の中心で白い馬が身体を起こしてこちらを見ていた。
不思議なことに、その白馬の身体全体が白銀に輝きを放っている。
身体が…光を放っている…?
思わず立ちすくんだ。
「君にも見えるらしいな」
ヴェルキンが言った。
「見えるって?」
「シャーレーンさまが光って見えるのだろう」
「ああ、見える。ど、どうして?」
「不思議なことに、光が見えないヤツもいるんだ」
ぶっきらぼうに、ゲトリクスが言った。
「えっ? あんなに光っているのに?」
ヴェルキンが答えた。
「ああ、そうだ。
シャーレーンさまによると、見る者の振動レベルによって見えたり見えなかったりするらしい」
「振動レベル…? 振動って何の振動?」
「魂だ。
魂の振動レベルだ。
魂そのものが、より高周波で振動し、微細に早く震えれば震えるほど、目に見えない多くの情報を受け取ることが出来るのだ。
そうすると、より多くのものが目に見えるようになる。
クーヨの千里眼も、仕組みは同じようなものだ」
魂の振動…
僕は光を放っているシャーレーンを、不思議な気持ちで眺めた。
すると、唐突に心の中に声が響いた。
(あなたがジョンね)
えっ?
びっくりして周りを見回すと、白馬と目が合った。
「シャーレーンさまは、我々の心に直接語りかけるのだ」
(あなたのことはよく知っています。クーヨから連絡が来る前から、よく知っています)
また心の中に声が響いた。
その声はとても穏やかで、優しい春のそよ風のようだった。
「良く知っているって? どうしてですか?」
白馬の大きな目が、僕をじっと見つめていた。
その目に見つめられると、僕という存在がまるごと全て受け入れられ、認められ、そして、許されているような…
心の深いところが、暖かい安らぎで満たされていく。
それは、もう忘れてしまったお母さんのぬくもりのようで、言葉では言い表すことの出来ない幸福感と安心感だった。
再び心の中に声が響いた。
(私はシャーレーン、「白帝」の妹です。
ですから、あなたのことは昔からよく知っているのです)
えっ!!!
白帝の、妹!!
安心感と幸福感が、あっという間に吹き飛んだ。
白帝は、僕が人間たちと一緒に殺した西の森の王。
僕が、殺したんだ!
そんな! 白帝の妹だなんて! どうしよう?!
ふたたび、シャーレーンの言葉が響く。
(動揺することはありません。私が怒っているように見えますか?)
シャーレーンは、慈愛に満ちた微笑を浮かべた。
シャーレーンの顔をまともに見ることなんて出来ない。
僕はすぐに目を伏せた。
兄は私にこう言っていました。
「人間たちと一緒にいる犬に面白い者が混じっている。
今すぐには無理だが、いずれ魂の声を聞き取り、こちら側に来るだろう。
そのうちに、きっとよい出会いがあるはずだ。
そのときのために、我がヒズメで刻印をつけておく」
それがジョン、あなたなのです
「!!!」
顔を上げることが出来なかった。
僕はそんなことも知らずに、白帝を殺してしまったんだ。
白帝の首に噛みついた時の、牙が肉に食い込むあの感触、彼の血がどくどくと流れ、僕の全身につたってきたあの生温かい感覚がよみがえってきた。
血に染まった白帝が倒れ、命の光が失われていくときの、彼の静かな目が脳裏によみがえった。
その瞬間、胸の奥底に眠っていたものが、マグマのように噴き出した。
㊵へ続く
動画作ってみました。
我が家のワンコたちです(^-^)。
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こんなにたくさんご紹介頂き、光栄と喜びの極みです(^-^)
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よくご質問いただくので、以前書いた記事をリンクしておきます。
オススメの本①(読むと元気になる)
おススメの本②(劇的寛解事例)
おススメ本③(生還者たちの体験記)
おススメ本④(食事関連)
⑧YouTube(トネちゃんねる)