「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」無料公開です。

 

(お知らせ)

「さとりをひらいた犬」が Audible になりました。

予約販売が開始されました。

ジョンやゾバック、クーヨやシャーレーンなどのキャラクターたちが、音声になって飛び出してくるということを想像するだけで、言葉にできない思いが湧き上がってきます。

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もう読んだ方も、そうでない方も、お楽しみいただければ嬉しいです。

 

最初からお読みになりたい方は、こちらからお読みくださいね。

本で読みたい方は。

 

「さとりをひらいた犬」はこちらから

第1章「旅の始まり」

第2章「三つの存在」

第3章「恐れ」

第4章「エゴ」

第5章レグードゥの森

 

本で読みたい方は。

 

 

前回㊲は…

 

 

「お前は、何者だ?」

 

右側の白い狼が、低く澄んで良く通る声で尋ねた。

 

 

 

その白狼の身体はかなりの大きさで、僕の二倍以上ありそうだ。大きさならダルシャよりも大きいだろう。

 

 

 「僕はジョン。チカルから来た」

 

 

大きな白狼の良く澄んだ蒼緑の眼を見ながら答えた。

 

 

 「で、何の用だ」

 

 

今度は、左側に立っていた白狼が言った。

 

 

この狼も同じくらいの大きさだったが、よほどの戦闘をくぐりぬけてきたのだろうか、左半分の顔面が大きく損傷し、左眼がつぶれていた。

 

そして僕と同じように眉間に馬のひづめの跡がくっきりとついていた。残った右眼は深紅にランランと輝いている。

 

 

「僕は、ハイランドへ行きたいんだ」

 

赤片眼の白狼に向かって答えた。

 

 

「ほう、ハイランド…そんなウソを言っても、俺たちには通用しないぜ」

 

赤片眼の白狼が、その片方しかない右眼を赤細く光らせて言った。

 

「いいや、ウソじゃない。僕は本当にハイランドへ行きたいんだ」

 

今度は蒼眼の白狼が言った。

 

「では聞く。ここはハイランドではない。なぜここにいるのだ?」

 

「チカルのクーヨにこの森のことを聞いたんだ」

 

「ほう…」

 

「騙されるな!」

 

 

赤片眼の白狼が、蒼眼の白狼に強い調子で言った。

 

「ウソなら、何とでも言える」

 

「ウソじゃない!」

 

「ふん、どうかな…?」

 

 

 

赤片眼の白狼は、赤く光る眼で僕を鋭くにらみつけると、ウウッ~っと鋭い歯をむき出して威嚇を始めた。

 

 

「待て、ゲトリクス。早まるな」

 

蒼眼の白狼が、冷静に制した。

 

 

「クーヨとは、どのような姿であったか」

 

「クーヨは年をとったネズミだったけど…只者じゃなかった。遠くの出来事が見えるんだ。

 

クーヨの名前は確か…クーヨ・アレキサンダー・フェンテスだったかな…?」

 

 

 

蒼眼の白狼が即座に聞いた。

 

「お前はそこで、何を学んだ?」

 

「いろいろ学んだんだけど…そうだね、そのひとつ、苦しみは、自分のほんとうの声を聴いていないから起こるんだ」

 

 

 

僕は、苦しんでいたガジョを思い出した。

 

「だから自分の本当の声を聞き逃しちゃいけないんだよ。

 

自分のほんとうの声を聴くんだよ。

 

エゴの声に頭を占領されちゃうと、幻想の世界に入ってしまうんだ。

 

その世界の住人になって、エゴの檻の中に入り込んで、出られなくなっちゃうんだ。

 

だからほんとうの声、魂の声を聴き逃さないようにしなくちゃいけないんだ」

 

 

 

「この者は、うそはついていないようだ」

 

「ケッ、正確じゃねぇ。ヤツの名前はクーヨ・アレキサンダー・エスコバル・ド・フェンテスだ」

 

 

ゲトリクスと呼ばれた白狼が、吐き捨てるように言った。

 

 

「クーヨを知っているの?」

 

「ああ、我らの仲間だ。我が名はヴェルキン。

 

この者はゲトリクス。君が彼からの使いであるからには、仲間と認めよう。

 

そして、我らのところへ来た意味もあるはずだ」

 

 

 

ヴェルキンはそう言って僕の目をじっと覗き込んだ。

 

赤片眼の白狼はゲトリクスという名前のようだった。

 

 

「こんなヤツ必要ねえ。俺たちだけでも十分だ。

 

クーヨのヤツ、なんでこんなちっこい犬なんぞ、よこしたんだ。

 

何の役にも立ちゃしねえ」

 

ゲトリクスが僕をにらみながら言った。

 

 

 

「ゲトリクス、いい加減にしろ」

 

「だってそうだろ、ヴェルキン。

 

俺達はこの森のことを知り尽くしているし、やってくるやつらは腰抜けの人間や、臆病なチビ犬どもじゃないか。

 

俺達の敵じゃない。

 

歯ごたえなさ過ぎて、敵にもなりゃしねえ」

 

 

 

「ゲトリクス、この者は犬にしては中々やるぞ。おぬしもそのぐらい分かるだろう。この者がここに来た意味も絶対にある。いいかげん頭を冷やせ」

 

 

ゲトリクスをたしなめていたヴェルキンは、僕に向かって言った。

 

「我らは女神シャーレーンさまの守護者である。我らがいる限り、いかなる者もシャーレーンさまに指一本触れさせることはない」

 

「その通りだ」ゲトリクスが繰り返した。

 

「君をこれからシャーレーンさまの元に案内する。ついてくるのだ」

 

 

ヴェルキンはそう言うと、暗闇の中に消えていった。僕は急いでヴェルキンのあとを追いかけた。

 

㊴へ続く

 

 

動画作ってみました。

我が家のワンコたちです(^-^)。

 

 

(お知らせ)

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こんなにたくさんご紹介頂き、光栄と喜びの極みです(^-^)

 

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よくご質問いただくので、以前書いた記事をリンクしておきます。

おすすめのお茶や飲み物など

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オススメの本①(読むと元気になる)

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おススメ本③(生還者たちの体験記)

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