ミュージカルは、大きな学びの場です | こどもの心はミュージカル!

こどもの心はミュージカル!

こどもの心は喜びにあふれ、歌いたくて踊りたくて、ワクワクしているものです!それは『創造力』『表現力』があふれているから。
その力を、ミュージカルをはじめとする全身表現で、大きく膨らませたい!――― それが私の大きな夢。


こどもの心はミュージカル!

今年も始まりました

樫田小学校(大阪府)のミュージカル!


学校に行くと、「ゆるケロ」に出迎えられました。


みんなで考えたゆるキャラだそうで、

なんだかほのぼのとした雰囲気が

学校に漂っています。


樫田小学校は、

大阪と京都の県境にある山奥の学校です。


だんだん地元の子どもが少なくなったことと、

自然の中にある特色も行かせるということで、

10年前に特認校になりました。


特認校とは他の学校からでも通うことができる、

高槻の公立小学校では唯一の学校です。


思えば、私が初めて指導に行ったのは、

特認校になる1年前。


子どもたちが自分を出すのが苦手なので、

その力をつけたいと呼ばれたのでした。


毎年、体育館いっぱいの大道具や、

本格的な衣装も整え、

1年かけて作品を作って発表しています。

学校行事や、力の入れるところも変わる中、

継続させていただき、11年目になりました。


それだけこの活動が続いているのは、

ミュージカル授業が学びの場であることを、

常に先生方と話し合い、

確認し合う中ですすめられ、

実際に喜びの中の学びの時間に

なっているからだと、私は自負しています。


ボディートークをベースとしたミュージカルには、

心と体、そして頭を一つにして、

自然で素直な全身表現を豊かにふくらませる

手法がたくさんあります。


ボディートークのウォーミングアップでは、

心にも体にもケガをしない、

しなやかさを身につけていこうとしています。


気持ちが固いと、体も硬くなり、

人とぶつかったり、転んだりもしやすくなり、

ケガの原因にもなっていくので、

その体をしなやかにする体ほぐしから始めます。


そして、体育館を自由に歩いておいて、

サッと二人組を作ったり、三人組を作ったりする。


最初は友情関係を気にしすぎて、

あぶれる子も出てきますが、

それを先生方にもフォローしていただきながら、

だんだんと誰とでも組めるようにしてくのです。


回を重ねるごとに、

一人になった子を周りが呼んだり、

自分から輪に飛び込んで行ったりすることが

できるようになるようになります。


セリフ回しでは、相手の声にすぐ反応して、

声を回す練習です。


声の道をつけると、

「おはよう」が素直に言えたり、

発言するときに身構える癖が取れてきます。


大きな声は出そうとして出るのではなく、

まずは、声を出すことに慣れていて、

道がついていることが大前提です。


なんでもなく声が出せるから、

それを積極的に出すことで、

声は大きくなるのです。


即興表現では、

与えられたちょっと変わった題材に、

自分の思いついた動きを出していきます。


こうでなくてはならないという概念を外し、

自由な発想を全身で生み出すことがねらいです。


最初は戸惑っていても、

何を出してもいいから、

とにかくやってみる、という勇気を培っています。


その出した動きの中に、

実は素晴らしい種があることを

身をもって知ってもらう実習でもあるのです。


そして、その即興をもとに

振付を班で考えます。


発表までの時間はごくわずか。


与えられた時間を、

生かすも殺すも自分たち次第。


積極的に互いに働きかけあわなければ、

発表の時なにもできなくなってしまいます。


なんでもいいから、やってみる。

それが必要なのです。


今の子たちは、完成されたものを

あまりにも求めようとしています。


だから、中途半端なことはできない。

中途半端ならやらない方がマシ。


と、チャレンジすることもやめてしまう。


それは、社会があまりにも

子どもにまで、成果を求めるから

なのかもしれません。


でも、失敗してもいい。

やってみないことには、

何も始まらないのです。


そして、物事に失敗はない。


失敗と感じることも、

実は成功するための

準備なのだということを知ってほしい。


私は子どものどんな小さな動きからも、

それを振付に生かしていきます。


それが、その何かやろうとしたことには、

必ず、成功への種があるということへの

確信につながると思うからです。


そして、その小さなことの中にも、

個性の素晴らしさがある。


個性は発揮してこそ磨かれると

身をもって感じてほしいからです。


私はそれを、師匠に見つけてもらいました。


小学4年生で、ミュージカルと出会い、

一人、違う動きをやっていると、

師匠がその中にある本質をとらえ、

活かしてくれました。


私はその体験から個性の大切さを感じ、

自分は自分でいいんだと思え、

そして、やってみる素晴らしさを学びました。


思いは実現するからこそ、力になっていく。


今でもその確信は変わりません。


しなやかな心と体で、

自分の人生を、

みずから生きる喜びを知る

ミュージカル活動を、今年も

やっていけたらいいなと思います。