こんにちは、アラフェネです。
9月7日は<絶滅危惧種の日>間近という事で、今回は<絶滅危惧種>の記事になります。
絶滅危惧種の日は、1936年9月7日に、オーストラリアの動物園<ホバート動物園>で展示されていた、<フクロオオカミ>が死亡した日に合わせて、制定されました。
絶滅種フクロオオカミは、<哺乳綱フクロネコ目フクロオオカミ科フクロオオカミ属>に分類される肉食の有袋類です。
現生種は、同じフクロネコ目である<タスマニアデビル>が生息していますが数少ないゆういつの肉食の有袋類であり、現在も保護活動が継続されています。
今回は、動物園や水族館含め、様々なメディアで頻繁に出てくる<絶滅危惧種>ワードとはどういった種なのか、当ブログなどで
改めて認識できる一つの場所として加わえて頂ければ幸いです。
絶滅危惧種とは?
絶滅危惧種とは、地球環境の変化や人為的影響などにより、将来的に地球上から、いなくなる可能性が非常に高い種の事です。
この絶滅危惧種には、<植物>もここに該当しますが今回は<生物>にフォーカスして書いていきます。
通常、生物は誕生してから、地球の環境に合わせ、非常に長い年月をかけて、進化を繰り返し、繁栄と絶滅を繰り返しています。
しかし、人類が誕生してから時代とともに、物の利便性を常に追い求めるあまり開発を繰り返してきた結果、その一部が地球環境を悪化させ、それぞれの生息地の生態系を維持していく関係上、絶滅すべきでない重要な生物種が激減し、生態系のサイクルに悪影響を与えています。
食物連鎖のサイクル
土の中の微生物は養分のある土を作り出し、植物を成長させ、酸素を作ります。
それを草食動物が、その植物や果実を食べて種やフンを散布し、生態系の頂点である肉食動物は草食動物を捕食します。
やがて、動物は死骸になり、植物は枯れ、また微生物により分解されることを無数に繰り返すことで、各生息環境において絶妙なバランスを保っています。
すなわち、基礎である微生物が絶滅すれば、植物は無くなり、植物が無くなれば、虫や草食動物がいなくなり、それを食べるに肉食動物は存在できないという事になります。
しかし、絶滅危惧種と言っても、絶滅状況は様々で、<十分な生息数>、<残り数頭で野生種が絶滅>、<十分な生息数がいるが絶滅する懸念がある>かなど、生物種を保全していく指標として認識していく必要があります。
そこで絶滅種の危険度ごとに分類し、総合的に評価(アセスメント)した表が、この<レッドリスト>というものになります。
〇レッドリスト
<レッドリスト>というものは、IUCN<国際自然保護連合>や各国ごとが作成した、
生物種の生息数や保全状況などを総合的に評価(アセスメント)した、野生生物種のリストのことをいいます。
レッドという単語から、危険生物の登録リストと誤認されがちですが、危険生物のみが登録されたものではないことに注意してください。
これらは絶滅の危険度の段階ごとにリスト化され、十分な生息数の順から、<LC:軽度懸念>、<NT:準絶滅危惧>、<VU:絶滅危惧Ⅱ類>、<EN:絶滅危惧IB類>、<CR:絶滅危惧IA類>、<EW:野生絶滅>、<EX:絶滅>の7段階評価が付けられています。
主に絶滅危惧種にあたる段階としては、<VU:絶滅危惧Ⅱ類>~<CR:絶滅危惧IA類>(Threatend)の範囲とされおり、
至急、保護活動を行うことが必要とされています。
生息数などの情報が不足している場合などは<DD:データ不足(情報不足)>と表記する場合もあります。
また、各国の環境省局が独自に作成している<レッドリスト>が存在し、日本では主に<環境省>が作成、管理、公表を行っています。
さらに、そのリストの詳しい詳細がデータ化されている<レッドデータブック>などがあり、その登録在来種の中で、特に絶滅が危惧されている種を、<国内希少野生動植物種>、<国の特別天然記念物>などに指定されることがあります。
現在、登録されている絶滅危惧種は、哺乳類が5513種のうち1199種、鳥類が10425種のうち1373種、両生類が7302種のうち1957種、爬虫類が10038種のうち927種、魚類が32900種のうち2222種となっています。
図でも見てわかるように、特に哺乳類の絶滅種の比が約1:5の割合で、5種に1種が絶滅の危機にあるため、地球上の種の中で最も危険性が高いとされています。
〇絶滅の要因
生物種の絶滅を加速させている要因は様々で多岐にわたりますが、主に深刻なものとして、
以下の要因があります。
・地球温暖化
地球温暖化の異常気象(酸性雨など)の増加や南極の氷が溶解による水位上昇。
・都市、農地開発による生息地の破壊
開発による森の伐採や道路整備による生息地の分断。
・外来種による捕食
肉食外来種による捕食やその地における生態系の攪乱。
・病原体の蔓延
病原体の侵入による個体間伝染病による死亡。
・密猟・密輸
ペット目的によるものや食料確保による密猟・乱獲。
これらの他には、不燃ごみなどの人工物の誤飲、電線や発電機の衝突、交通事故な要因は多岐にわたります。
このようにほとんど人為的な要因が大半を占めており、世界各国に早急な対応策とられています。
今回は主な一部の絶滅危惧種の簡単に哺乳綱3種、鳥綱2種、爬虫類2種、計7種紹介したいと思います。
ボルネオオランウータン CR:絶滅危惧IA類
まずは、オランウータンです。
分類は、<哺乳綱霊長目ヒト科オランウータン属>に分類される動物で、主にインドネシアのスマトラ島やマレーシアのボルネオ島に生息しており、樹上凄で地上にはほとんど降りず、樹の上で一生を過ごします。
茶色の被毛とオスのみにみられる顔まわりの大きなひだが特徴的で、道具を使い、寝場所作るなど行動が見られることがあり、
非常に知能が高い様子が伺えます。
〇要因
海外への木材輸出のための大量伐採、パーム油やアブラヤシ園の拡大による生息地の破壊、また森林火災、密猟などで数を急速に減らしています。
ジャイアントパンダ VU:絶滅危惧Ⅱ類
続いて、ジャイアントパンダです。
分類は、<哺乳綱食肉目クマ科>に属するクマの一種で、主に中国の南西部の1300~4000mの標高の高い森林に生息しています。
白黒のツートーンの被毛と、ずんぐりした体格と丸い顔と耳が特徴的で、その見た目の愛らしさから現在も動物園では非常に根強い人気を誇っている動物です。
分類に食肉目とついていますが、竹しか食べず強い偏食があり、他のクマ科と比較し、独特な見た目と生態などから<世界3大珍獣(他オカピ、コビトカバ)>に数えられている動物です。
〇要因
森林開発や道路整備により、生息地が分断されたために主食である竹がおもに採餌できなかったこと、
発情期にオスとメスが出会えなかったことなど様々な要因があります。
パンダの発情期はたったの1週間と非常に短く、この短さは全動物界で見てもだんとつです。
コツメカワウソ VU:絶滅危惧Ⅱ類
次はコツメカワウソです。
分類は<哺乳綱食肉目イタチ科ツメナシカワウソ属>に分類される動物で、インド~中国南部、東南アジアなどの河川や森林に生息する半水生哺乳類です。
カワウソの中で最も小型で、体が胴長、黒色~焦げ茶色の水をはじく被毛、手足に小さな爪と水かきがあり、水中での高速移動が可能となっていて、小魚や貝などの海鮮類を主食としています。
他の獰猛なイタチ科のイメージとは異なり、顔が丸型で細く小柄な体格、爪をこすり合わせて餌をねだる仕草がとても愛おしく、ヒトにもよくなれることから、動物園・水族館などで非常に人気がある動物です。
〇要因
開発による森林や河川の減少、田畑の侵入による害獣駆除などがあります。
また、最近ではネットやSNSなどの画像や動画投稿による影響で、ペット化の助長を促進し、密猟・密輸の増加が深刻化しています。
オオワシ VU:絶滅危惧Ⅱ類
次はオオワシです。
分類は<鳥綱タカ目タカ科オオワシ属>に分類される鳥類で、主にロシア極東部のカムチャツカ半島、オホーツク海沿岸、樺太北部で繁殖します。
冬には日本でも見られ、北海道沿岸、本州北部に飛来することがあります。
日本に渡来する猛禽類では最大で、黒~茶褐色と白い羽毛、黄色の鉤足(かぎあし)とくちばしが特徴的です。
完全肉食性で魚類を主食としますが、鳥類や小型哺乳類、アザラシや座礁(ストランディング)したクジラの死骸を食べることもあります。
〇要因
列車事故、風力発電などの人工物への衝突、銃猟により死亡した
動物を食べることによる鉛弾(えんだん)の誤飲中毒などで命を落としています。
タンチョウ VU:絶滅危惧Ⅱ類
次はタンチョウです。
分類は、<鳥綱ツル目ツル科ツル属>に分類される鳥類です。
日本固有種と勘違いされがちですが、主に韓国、中国、ロシア南東部、北朝鮮、北海道の湿地などを主な生息地としています。
鳥類の中でも大型で、サギ科に近い見た目で、体羽全体は白色で尾羽や首の羽毛が黒色となっています。
頭のてっぺんには羽毛が無く、皮膚が露出していることから、【丹(たん)=赤い】と、【頂(ちょう)=頭のてっぺん】を合わせて、丹頂(たんちょう)と、名前の由来にもなっています。
日本の童話<つるの恩返し>で出てくる<ツル>は種ではなく、このタンチョウという種がイメージされています。
〇要因
列車や電線の衝突、プラスチックや人工物の誤飲による窒息などによる死亡事故があります。
また、乱獲や開発により、生息できる湿地帯が限られ、生息数が増えても、個体が過密化するため、近親交配や病原体の蔓延の懸念が示唆されています。
インドガビアル CR:絶滅危惧IA類
次は、インドガビアルです。
分類は、<爬虫綱ワニ目ガビアル科インドガビアル属>に分類され、主にインドやネパールの河川に生息しています。
ワニ目の中では、比較的小柄で、口が細長いのが特徴で、先が壺(ガラ)に見えることから名前の由来となっています。
歯は上下で100本以上存在し、その鋭利な歯で主食である魚類を確実に捕らえます。
〇要因
工場からの排水、採掘などにより川が汚染されたり、魚の網などの人工物に引っかかる、卵やワニ革目的の乱獲などが続いており、急速に数を減らしています。
また、ワニ目の多くの種は、気温により卵の雌雄が変化するなどの特徴があるため、
地球温暖化の影響を受けやすい1種でもあるといえます。
ウミガメ VU:絶滅危惧Ⅱ類
最後にウミガメです。
分類は<爬虫綱カメ目ウミガメ科>に分類される海凄のカメ目の爬虫類で、
太平洋、大西洋、インド洋、地中海、日本など比較的温暖な熱帯や亜熱帯の海域に広く回遊しています。
背中の甲羅の表面は赤褐色~褐色の甲羅を持っていることから、<アカウミガメ>、
逆に、暗緑色や黒っぽいのが<アオウミガメ>となります。
海での潜水に特化している為、リクガメとは違い、甲羅や手足は平らで流線型をしており、水の抵抗を極力少なく済むような
体のつくりをしています。
基本的に海底などにいる貝類などを好み、ほか海藻などを食べる雑食性の傾向があります。
〇要因
護岸工事や港の建設などの埋め立てによるの産卵場所消失。
また、海上に流れ着いた金属、ビニールやプラスチックごみなどの誤飲、魚の網などの漁具に引っかかることによる致命傷などがあります。
ウミガメはワニ目と同じ、卵の温度により、オスメスが決まるという<温度依存性>が存在し、地球温暖化による気温の変化で、雌雄のバランスが不均等になる懸念があります。
私たちができること
地球の環境問題は、依然として深刻な状況であり、これからも様々な悪影響が懸念されている為、解決は全世界の大きな社会的課題の一つです。
現在は、国連が2015年に採択した<持続可能な開発目標(SDGs)>がテーマとなっており、
17目標が掲げられています。
動物園・水族館では、<⑭海の豊かさを守ろう>、<⑮陸の豊かさを守ろう>が主なテーマとなっています。
国や各省庁などがとる環境問題の政策なども重要ですが、やはり、一人一人が日常生活で、小さなことでもできる範囲で行えるというのが最も重要なことだと思います。
例えば、日常的に考えてみると、使わない電機のスイッチを消す、できるだけ電車や自転車を使う、エコバックの持参、ゴミを捨てず持ち帰るなどがあります。
また、一歩踏み出して、ゴミ拾い、ペットボトルや牛乳の資源の再利用も非常に大きな貢献ができます。
これをすることで地球環境や生態系にどんな影響出るのか、今一度考えてみる一日にしたいところです。
今回の記事は以上となります。
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