こんにちは<アラフェネ>です。
今回は<センザンコウ>記事になります。
哺乳類では珍しく、体中に硬い鱗を持っている、特徴的な動物です。
鱗目的などで、密猟や違法取引などで生息数が非常に少ない種でもあり、ワシントン条約で非常に厳しい制限が設けられています。
動物園で見られるところも少なく、意外とセンザンコウについて知名度が高くありません。
今回はセンザンコウの分類、生態、生息地などを見ていきたいと思います。
分類
まずは分類です。
<哺乳綱鱗甲目センザンコウ科>に分類され、現生のセンザンコウのみがこの分類に入ります。
以前は、形態や生態などから、
アリクイやナマケモノなどの古くから食性や形態から<貧歯類>などのグループに入っていました。
また、<哺乳綱有隣目>でしたが現在は<鱗甲目>という名称で用いられています。
センザンコウという種は始新世~更新世からすでに生息していたという記録が見つかっており、
絶滅種である、<ネクロマニス>、<パトリオマニス>、<エオマニス>などのセンザンコウ科と思われる化石がヨーロッパで出土しています。
ほとんどのセンザンコウは絶滅しているんですが、現在は1属5亜属8種が現生種として見つかっており、
全種が絶滅危惧種に指定されています。
〇種類
生息地
アフリカ大陸<セネガル、ケニア、南アフリカ共和国>、アジア<インド、中国、台湾、スマトラ島、ボルネオ島、>などの
乾燥した砂漠などや草原、熱帯雨林などに生息しています。
上図を見てもわかるように、アフリカに生息している種とアジアに生息している種と大別されており、
アフリカでは、<オオセンザンコウ>、<サバンナセンザンコウ>、アジアでは<マレーセンザンコウ>、<パラワンセンザンコウ>などに分布が分かれています。
個人的な見解ですが、
このような形で分布域がはっきりと分かれているのは、恐らく、元々一つの大陸(パンゲア大陸)が二つの大陸(ゴンドワナ大陸とローラシア大陸)に分かれたことと何か関係しているのではないかと思います。
〇アフリカ
オオセンザンコウ
サバンナセンザンコウ
〇アジア
パラワンセンザンコウ
マレーセンザンコウ
キノボリセンザンコウ
オナガセンザンコウ
形態
続いて形態です。
ほぼ全身表面が穿山状の硬いうろこに覆われていて
外部から衝撃を防ぐ役割があります。
また、筋肉が柔軟で、体をまるめることが可能となっており、身を守ったり、坂道など高速で
転がることができ、意外と泳ぎが得意です。
このように見た目が<アルマジロ>や<アリクイ>と非常に似ており、種が全く違うのに、環境に合わせ、同じような形態に進化することを(※1)<収斂進化(平行進化)>(しゅうれんしんか)と呼びます。
〇鱗
センザンコウの特徴づける硬く鋭い鱗は、私たち人の爪や他の動物の角と同じ成分でできている<ケラチン>
と呼ばれ、毛などが変化したもので、松ぼっくりのように放射状に連なっており、
体重の20%を鱗で占めています。
見た目とは裏腹に、鱗は非常に軽く且つ硬く鋭く、川などの浅い水辺であれば難なく、スムーズに泳ぐことが可能です。
休息時は、外敵に襲われるなどの危険を感じたると、全体をボール状に丸めて身を守ります。
鱗は鋭く、捕食者に噛みつかれるなどをすると、相手にけがをさせることができ、攻撃にも使えるのですが、
ハイエナやヒョウなどを咬合力が強い動物にはさすがに敵いません。
〇口・舌
アルマジロやアリクイと同じく、口の先端が細長い形状をしており、アリを的確にとらえることができます。
食の性質上、歯が存在せず、かみ砕く必要が無い代わりに、特殊な胃袋ですりつぶして消化します。
下の長さは約30~40㎝で、口の中にコンパクトに長い舌が折り込まれており、高い粘着質でアリをくっつけて
まとめて食べることができ、巣の奥まで器用に動かすことができます。
〇手足
脚は前足と比べ、後ろ足のほうが太く、基本的に陸上凄のセンザンコウは、手を上に挙げながら、後ろ足で2足で歩行しますが
他の哺乳類と比べ、あまり早くはありません。
とことこ歩く姿がとても可愛らしいですね。
手足の5本の鋭い爪は鋭利で長く、太い中指で地面の木や石をめくったり、シロアリの巣を掘り返したりするのに役立っています。
また、<キノボリセンザンコウ>や<オナガセンザンコウ>などの樹上凄は、哺乳類の中では、
尻尾が良く発達しており、器用に木を登ることができます。
生態
続いて生態です。
上図:サバンナセンザンコウ
下図:キノボリセンザンコウ
主にアフリカのセンザンコウ<サバンナセンザンコウ、オオセンザンコウ>などでは、低木やステップ<丈が短い草>が生い茂る乾燥した環境を好み、
アジアのセンザンコウ<キノボリセンザンコウなど>は、やや湿度が高い森林などを主に生息しています。
名前の通り、キノボリセンザンコウは尻尾が長く発達しており、基本的には樹上凄です。
【高い粘着質の舌を使い、複雑なアリの巣の中のアリを食べるところ。】
食性は肉食性で主に昆虫である<アリやシロアリ>のみを主食とし、4時間を採食にたやし、一日で
約200gものアリを食べることができます。
センザンコウは非常に睡眠時間が長く、岩の間、地中、木の上で、約20時間ほとんど睡眠で過ごします。
基本的には夜行性と言われていますが、餌を求めるならば昼間でも活発に活動することがあるそうです。
繁殖期はオスは排泄物や尿などでマーキングすることでメスに自分の存在をアピールし、アフリカのセンザンコウは1匹ほど、
アジアのセンザンコウは1~3匹ほど子供を産みます。
生息状況
続いて、生息状況です。
センザンコウは全種、絶滅危惧種に指定されており、CR:絶滅危惧IA類に区分され、近い将来、野生での個体は絶滅
の危険性が示唆されています。
その為、国際取引規制が最も厳しい、<ワシントン条約付属書Ⅰ>に登録され、全面的な取引が禁止されています。
国際保護連合【IUCN】が生物の個体数や保護状況などを総合的に評価し、
各個体ごとに、絶滅の危険度を示す指標として、危険度の順からEX、EW、CR、EN、VU、NT、LC
と7段階で区分されており、さらに環境省では、<絶滅危惧●●類>などで指定しています。
〇付属書Ⅰ
商業目的による取引は全面的に禁止
(絶滅の恐れのある種で取引、密猟の影響のある種または恐れのあるもの)
〇付属書Ⅱ
(絶滅の恐れはないが、規制をしないと絶滅の恐れがあるもの)
〇付属書Ⅲ
商業取引は可能
(締約国が自国の動物園・水族館またはそれに準ずる保護施設などで協力して
保護繁殖に協力するもの)
上図の指標に合わせて、特に絶滅が危ぶまれている種には<ワシントン条約>による国際的取引が制限され、
<付属書>というリストに登録されていき、そこからさらに規制の厳しさに応じて<Ⅰ~Ⅲ>というものに区分されていきます。
Ⅱ∼Ⅲなどの種を取引する際には、国(日本の場合<環境省>)への、原産国の政府機関が発行する輸出許可証明書とよばれる書類の提出が必要となり、そこで認可され始めて国内への輸入が可能となります。
現在、センザンコウ科全種が、絶滅危惧種に指定されており、区分としては、CR:絶滅危惧ⅠA類 Critically Endangered
とされており、近い将来絶滅する危険性があります。
絶滅の要因が密猟や取引によるものが大きいことから、国際取引が最も厳しい、ワシントン条約付属書Ⅰに登録されています。
密猟が多い原因としては、鱗が媚薬、魔除けなどの原料や、革製品、食用などでアジアを中心に広まっていたととされていますが薬効に関しては化学的根拠は何もありません。
つまり、私たち人間が勝手に思い込みで絶滅に追いやっているのです。
それでも今だに密猟や取引が絶えないのが現状です。
センザンコウの内容は以上となります。
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